売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E31256 Japan GAAP

売上高

45.5億 円

前期

45.1億 円

前期比

101.0%

時価総額

29.5億 円

株価

991 (04/19)

発行済株式数

2,973,900

EPS(実績)

67.25 円

PER(実績)

14.74 倍

平均給与

679.5万 円

前期

588.5万 円

前期比

115.5%

平均年齢(勤続年数)

38.8歳(5.7年)

従業員数

192人(連結:275人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社、連結子会社1社(イグニス・イメージワークス株式会社)及び関連会社1社(株式会社イリンクス)により構成されており、ゲーム業界、メディア業界といったエンターテインメント業界におけるデジタルコンテンツの開発等に関する事業を営んでおります。当社グループは、開発推進・支援事業、人材事業の2つのセグメントにより構成されております。

当社グループは、ミドルウェア製品の開発で培った3DCG技術及びレンダリング技術(注1)をコア技術とした受託開発から、ゲーム開発・映像効果・CG等に関するミドルウェアの開発・販売、オンラインゲームに係るサーバーネットワークの構築・運用・監視、クリエイティブ人材に特化した人材派遣・有料職業紹介に至るまで、主にデジタルエンターテインメント業界において事業を運営しております。

 

(当社グループにおける各社の役割)

当社及び連結子会社における当社グループ内での役割は以下のとおりであります。なお、関連会社については記載を省略しております。

当社は、エンターテインメント業界に加え、自動車、映像、建築など様々な企業向けに3DCG技術等の提供とクリエイター職の派遣・紹介に特化した人材紹介・人材派遣を営んでおります。

連結子会社であるイグニス・イメージワークス株式会社は、3DCGを核として、ゲーム、遊技機、映画映像コンテンツ等の幅広いジャンルにおいて、プリレンダリングムービー(注2)等の提供を行っております。

 

(注)1.レンダリングとは、コンピューターのプログラムを用いて画像・映像・音声などを生成することを指します。

2.プリレンダリングムービーとは、あらかじめコンピューター上で生成された画像を再生する動画を指し、リアルタイムグラフィックスと対になる手法です。一般的にはリアルタイムグラフィックスより高品質な画像を時間をかけて生成します。

 

当社グループが運営する各事業の内容は以下のとおりであります。なお、次の2事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント区分と同一であります。

 

(1) 開発推進・支援事業

開発推進・支援事業では、ゲームや映像などのエンターテインメント業界をはじめ、自動車、建築、その他製造業など、さまざまな業界向けにリアルタイムCG技術を活用したソリューションを提供しております。また、家庭用ゲーム機・スマートフォン・組込機器向けのミドルウェアの開発・販売の他、サーバーネットワークの構築・運用・監視といったインフラサービスも提供しております。

当社グループでは、開発推進・支援事業において、これらの各種製品・サービスの提供を通じて、クライアント企業が抱える「製品開発の効率化」、「開発工数の削減」、「人手不足や技術の継承」、「ネットワーク+クラウドの最適活用」等といった業務推進上の課題を解決するための業務支援を行っております。

当社グループでは、開発推進・支援事業を、便宜的に①ミドルウェア、②受託開発、③オンラインソリューション、の3つに大別しております。

なお、開発推進・支援事業においては、クライアント企業に対し、これらの各カテゴリーに分類される製品・サービスについて、それぞれ個別の製品・サービスとして提供する場合と、組み合わせて一つのソリューションまたはプロジェクトとして提供する場合があります。

各種製品・サービスの具体的な内容は以下のとおりであります。

 

① ミドルウェア開発・販売

当社グループは、家庭用ゲーム機やPC、スマートフォン、組込機器向けに高品質かつ柔軟性の高いミドルウェアを開発しております。ミドルウェアのライセンス販売やカスタマイズによるツール開発のほか、ユーログラフィックス(注)、情報処理学会、電子情報通信学会で論文を発表しているプログラマー集団が開発した最先端ツールを提供しております。特にリアルタイムのCG技術を強みとし、クリエイターからのビジュアルクオリティーに対する高い要求に応えられるミドルウェアを開発しております。

当社グループが提供している主なミドルウェアの内容は以下のとおりであります。

 

 (注) ユーログラフィックスとは、ヨーロッパで行われ、世界ではSIGGRAPHに次いで大きい学会であり、SIGGRAPHよりもアカデミック色が強いものであります。なお、SIGGRAPHとは米国コンピューター学会におけるCGを扱う分科会を指します。

 

                                         2023年11月30日現在

製品名

概要

Enlighten(エンライトゥン)

・大域照明とも呼ばれるグローバルイルミネーションをGPUの負荷を抑えながらリアルタイムに処理できるミドルウェア

・実行時にライトやマテリアルの移動・変更ができるため、シーン内に設置する光源数を最低限に抑えつつリアルタイムに変化する反射光の効果をシーンに追加することが可能

YEBIS 3(エビス)

・コンピューター上で生成された画像に対して、現実のカメラ撮影で発生する各種画像効果を再現するポストエフェクトミドルウェア

・代表的な効果として、眩しい部分の輝き、ピンボケ、動きのある物体のブレ、レンズ歪などがあり、これらの効果により画像のリアリティーが格段に向上

・リアルタイムでの処理が可能

Mizuchi(ミズチ)

・あらゆるアプリケーションに世界最先端のグラフィックスを提供する、リアルタイムレンダリングエンジン。「YEBIS」を標準搭載し究極のフォトリアルな映像生成を実現

・PBR(物理ベースレンダリング)、IBL(イメージベースドライティング)などハイエンドCG製作で使われる技法をリアルタイムに処理

・製造業、建築、映像制作などゲーム以外の業界でのヴィジュアライゼーションに対応

・VR/ARへの映像出力に対応

 

 

 

② 受託開発

当社グループは、独自のミドルウェアを活用し、高い開発効率を実現するとともに、熟練したプログラマー・テクニカルアーティストにより様々なデバイスで最適化されたエフェクト・2D・3DCGを制作しております。また、ゲーム、遊技機、映画映像コンテンツ等の幅広いジャンルにおいて、プリレンダリングムービー及び組込みソフト等を提供し、コンシューマーゲームやソーシャルゲーム等を運営するエンターテインメント業界、及び土木建築や自動車などの製造業向けに以下のサービスを提供しております。

 

1)機械学習向け教師画像用CG

製造業における外観検査や設備監視・認証、ロボットアームによる部品選別・仕分け、自律走行・運転支援、人物認識など、さまざまな機械学習における教師画像として活用可能な3DCG画像を大量に生成します。

· 道路・景観CG画像(自動運転・駐車シミュレーターなど)

· 顔・表情CG画像(人物認識、ドライバーモニターなど)

· 傷・欠損CG画像(製造現場における外観検査など)

· 組立て部品・パーツ認識用CG画像(ロボットアーム、監視カメラなど)

 

2)ゲームエンジン活用

当社では自社開発による国産ゲームエンジンを有しながら、Unreal EngineやUnityをはじめ、さまざまなゲームエンジンを活用した案件を数多く請け負う中、柔軟に対応できるスキルと体制を整えてまいりました。
限られたリソースの中で高速なレスポンスと高品質な表現が求められるゲーム&エンターテインメント業界で培ってきたリアルタイム3DCGに関するノウハウと技術により、コンサルティングから企画、設計、開発、運用まで、ワンストップで対応可能です。ゲームエンジンやNVIDIA Omniverseを活用し、デジタルツイン/メタバースといったキーワードで代表される仮想空間でのシミュレーション環境やレビュー環境などの可視化ソリューション構築を支援いたします。

 

3)BIM/CIMデータ、点群データの活用支援

CG制作で培ったレンダリング技術やモデリング技術、各種受託開発で培ったソフトウエア技術により、さまざまな手法でお客様のビジュアライゼーションに対するニーズにお応えすることが可能です。

· 点群データのメッシュ(ポリゴン)化

· ゲームエンジンによるBIM/CIMデータと点群データの重畳表示

· クラウドサーバーによるBIM/CIMデータ、点群データ管理

· 専用ビューア開発、各種機能開発

· シミュレーターやVRなどのリアルタイム3DCGコンテンツやゲーム、映像制作

· 大規模点群データとメッシュの重畳表示・編集を可能にするMaya プラグインビューア開発

 

4)ゲーム開発環境 構築支援
 当社は20年以上にわたり、自社開発のミドルウェア製品やゲームエンジンを多くのゲームデベロッパーの皆様に提供しています。一方で、コンシューマーゲーム開発環境に関する技術やノウハウを高く評価いただき、開発環境そのものの構築に関するご依頼に対応し、実績を積み重ねてまいりました。大手ゲーム会社のコンシューマーゲーム機・PC用SDK開発に際してミドルウェア・グラフィックス開発技術・制作支援ツールを提供したり、共同開発したりするなど、ゲーム開発者がより質の高いゲームを効率的に開発できる環境を整えるための支援を現在も続けております。お客様独自のゲームエンジンやUnreal Engine、Unityなど各種ゲームエンジンのカスタマイズ、機能拡張、最新ハードウェアへの対応や最適化、独自ツールの共同開発・研究など、ゲームデベロッパーの皆様のあらゆるご要望にお応えいたします。

 

③ オンラインソリューション

より高速な通信レスポンスと高い耐久性が求められるオンラインゲーム向けのサーバープログラムやネットワークシステムについて、コンサルティングから設計、開発、24時間365日体制の運用までをワンストップで提供いたします。またゲーム以外の産業分野においてもこれらの技術を応用し、コンシューマー向けオンラインサービスなど、パブリッククラウドを利用した数万以上の最大同時接続に耐えられるようなシステム構築を手掛けています。映像業界向けには、クラウドレンダリング環境とオンプレミス環境との違いを意識させない、シームレスなジョブキューイングシステムを含むCGレンダリングパイプラインの設計・構築も行っています。

 

(2) 人材事業

当社では、CG、ゲーム制作、映像制作、WEB制作の各業界におけるデザイナーやクリエイター、エンジニア等の専門スキルを持った人材をクライアント企業に対して、有料で紹介する人材紹介サービス、及び登録派遣社員を派遣する人材派遣サービスを提供しております。当社は、一般的な人材紹介会社、人材派遣会社とは異なり、ゲーム業界を中心としたエンターテインメント業界に特化した人材ビジネスを展開しております。

当社は、人材紹介サービスを提供するにあたって、「職業安定法」に基づき厚生労働大臣より「有料職業紹介事業」の許可を受けております。また、人材派遣サービスを提供するに当たって、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(以下「労働者派遣法」といいます。)」に基づき、厚生労働大臣より「一般労働者派遣事業」の許可を受けております。

有料職業紹介を行うに当たっては、企業に直接雇用されることを望むデザイナー・クリエイター・エンジニア等の求職者(以下「求職者」といいます。)を募集し、クライアント企業の求人依頼における諸条件(業務内容・スキル・雇用条件等)と求職者の希望条件とを照合し、クライアント企業へ求職者を紹介・斡旋しております。クライアント企業と求職者との間で、面接等の採用手続きが行われた結果、双方の合意により雇用契約が成立した場合、当社はクライアント企業から対価(紹介手数料)を得ております。

労働者派遣を行うに当たっては、派遣社員として就業を望む労働者を募集し、当社グループが定めた登録基準及び登録手続きに則って登録したデザイナー・クリエイター・エンジニア等の登録者(以下「登録者」という。)の中から、企業の依頼内容(期間・業務内容・スキル等)に適した登録者を選定し、クライアント企業と当社との間で労働者派遣契約(期間・業務内容等を定めるもの)を締結いたします。登録者と当社との間で、有期の雇用契約を締結したうえで、クライアント企業に派遣しております。労働者派遣は、派遣労働者の雇用者(当社)と使用者(派遣先企業)が異なることが特徴であり、派遣労働者は派遣先企業から指揮命令を受け、労働者派遣契約で定めた業務を行います。

当社は人材紹介サービス及び人材派遣サービスの提供にあたって、求職者及び登録者とクライアント企業とをマッチングするための登録サイト「シリコンスタジオエージェント」を運営しております。2023年11月30日現在におけるシリコンスタジオエージェントの登録者数は約15,000名となっております。

 

 

当社グループの事業の系統図は以下のとおりであります。

 

[事業系統図]

 

※画像省略しています。

 

(注) 当該系統図は、当社及び連結子会社についてのみ記載しており、関連会社は除いております。

 

24/02/26

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の状況の概要)

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における我が国経済は、一部に足踏みもみられますが、緩やかに持ち直しています。先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されます。

ただし、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。

このような環境のもと、当社グループが強みを持つコンピューターグラフィックス(CG)関連ビジネスに注力し、経営基盤の強化に取り組んでまいりました。

主要顧客であるエンターテインメント業界からの引き合いが旺盛なことからエンジニア採用の強化や外注先の確保など開発リソースの拡充に注力しております。また、自動車業界や土木・建築業界を中心とした産業界においてもデジタルツインに代表される仮想空間でのシミュレーション環境構築など、当社の可視化技術への引き合いが増えていることから展示会への積極出展やホームページコンテンツの拡充など顧客基盤の拡大に向けた取り組みにも注力しております。

人材事業においては、クライアント企業、求職者双方に満足して頂けるようサービス向上に取り組んでまいりました。

なお、子会社において経営成績と事業環境を改善し経営体質の強化を図る一環として、特別退職金18百万円を特別損失として計上しております。

以上の結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高が4,554百万円(前年同期比1.0%増)、営業利益は238百万円(同37.5%減)、経常利益は246百万円(同37.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は200百万円(同21.4%減)となりました。

 

なお、報告セグメントの状況は、以下のとおりであります。

① 開発推進・支援事業

受託開発の売上高は、ゲーム開発環境構築支援等エンターテインメント業界からの受注増に加え、産業界からの汎用エンジンを使用した開発の引き合いが増加したことも寄与し増収となりました。

ミドルウェアライセンス販売の売上高は、前期に計上した大型ライセンス契約の売上一括計上があったため減収にはなっておりますがそれを除けば堅調に推移しております。

ネットワーク構築・運用等のサービスを提供するソリューション売上は、オンラインゲーム向けのサーバー開発、運用が共に堅調で増収となりました。

以上の結果、売上高は2,776百万円(前年同期比0.5%増)、セグメント利益は326百万円(同23.4%減)となりました。

 

② 人材事業

近年減少し続けていた人材派遣の稼働者数は今期は増加し復調の兆しを見せました。

有料職業紹介においては、成約件数がほぼ横ばいではありましたが、ミドル・ハイクラス人材向けサービスが好調に推移し平均単価を押し上げました。

しかしながら、今期は広告等で各方面への業界認知度の向上や営業に力を入れ、営業基盤強化に費やしたこともあり減益となりました。

 当連結会計年度における派遣先企業で稼働した一般派遣労働者数は延べ2,260名(前年同期比0.8%増)、有料職業紹介の成約実績数は387名(同1.3%増)となりました

 以上の結果、売上高は1,777百万円(前年同期比1.8%増)、セグメント利益は412百万円(同7.3%減)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度と比べ176百万円減少し、1,503百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は、121百万円(前期は566百万円の収入)となりました。これは主に法人税等の支払額106百万円未払消費税等の支払額50百万円等の資金の減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益227百万円売上債権の減少51百万円等の資金の増加要因があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、8百万円(前期は8百万円の支出)となりました。これは主に定期預金の減少13百万円等の増加要因があったものの、有形固定資産の取得による支出27百万円等の資金の減少要因があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、289百万円(前期は93百万円の収入)となりました。これは主に長期借入れによる収入300百万円の増加要因があったものの、短期借入金の返済による支出350百万円自己株式の取得による支出147百万円長期借入金の返済による支出91百万円等の資金の減少要因があったことによるものです。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金又は銀行借入により調達することとしており、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

当期末における有利子負債の残高は、437百万円となっております。設備資金を確保するとともに、資金調達の機動性及び安定性を高めることを目的に、取引銀行1行と貸出コミットメントライン契約を継続しております。有利子負債残高のうち、当該契約に基づく当期末における借入残高はありません。また、当期末における現金及び現金同等物の残高は、1,503百万円となっております。

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

当社グループはミドルウェア等のソフトウエアの開発・保守等に関するサービスを行っており、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

開発推進・支援事業

2,901

106.4

631

124.5

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.人材事業については、受注から販売までのリードタイムが短い(1ヶ月未満)場合が多いため、記載を省略しております。

 

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

開発推進・支援事業

2,776

0.5

人材事業

1,777

1.8

合計

4,554

1.0

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年12月1日

至 2022年11月30日)

当連結会計年度

(自 2022年12月1日

至 2023年11月30日)

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

任天堂株式会社

580

12.9

631

13.9

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

なお、この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債及び連結会計年度の収益・費用の数値に影響を与える見積りは、主に資産の評価や引当金の計上であり、これらの見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りのうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(2) 財政状態の分析

① 資産、負債及び純資産の状況

(資産の部)

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて280百万円減少(前連結会計年度末比8.1%減)し、3,159百万円となりました。

これは主に、現金及び預金の減少190百万円、売掛金及び契約資産の減少51百万円仕掛品の減少33百万円等があったことによるものであります。

 

(負債の部)

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて335百万円減少(同19.3%減)し、1,401百万円となりました。

これは主に、長期借入金の増加182百万円等があったものの、短期借入金の減少350百万円、未払法人税等の減少71百万円、未払消費税等の減少50百万円等があったことによるものであります。

 

 

(純資産の部)

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて55百万円増加(同3.3%増)し、1,758百万円となりました。

これは主に、自己株式の増加147百万円、利益剰余金の増加200百万円等があったことによるものであります。

この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末比6.1ポイント増加し、55.6%となりました。

 

(3) 経営成績の分析

① 売上高

当連結会計年度の売上高は4,554百万円(前連結会計年度比1.0%増)となりました。

これは、開発推進・支援事業において、ゲームなどエンターテインメント関連業界からの堅調な受注に加え、製造業といった非エンタメ領域からの引き合いも増加したことや、人材事業において、近年減少し続けていた人材派遣稼働者数に復調の兆しがみられるようになったほか、有料職業紹介において平均単価の高いミドル・ハイクラス人材向けサービスが好調に推移したことなどから、増収となりました。

 

② 営業利益

当連結会計年度の営業利益は238百万円(前連結会計年度比37.5%減)となりました。

これは、開発推進・支援事業において前連結会計年度において、ミドルウェアの大型ライセンス売上の反動によるものや、人材事業の業界認知度の向上などに向けた広告宣伝・営業基盤強化に注力したことによるものであります。

 

③ 経常利益

当連結会計年度の経常利益は246百万円(前連結会計年度比37.5%減)となりました。

これは、営業利益の減少等によるものであります。

 

④ 親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は200百万円(前連結会計年度比21.4%減)となりました。

これは、特別損失として子会社において経営成績と事業環境を改善し経営体質の強化を図る一環として、特別退職金を計上したことによるものであります。

 

(4) キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(経営成績等の状況の概要) (2) キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、各事業に共通するリスクとして市場動向、法的規制、情報セキュリティ等のリスクがあります。また、開発推進・支援事業では技術革新、人材確保、人材事業では社会保険のリスク要因があります。当社グループではこれらのリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

そのため、当社グループは、社内管理体制の整備、法令及びコンプライアンス遵守の浸透、優秀な人材の採用と教育、情報セキュリティの強化等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分析し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループが今後さらなる成長と発展を遂げるためには、厳しい環境の中で諸々の課題に対処していくことが重要であると認識しております。

そのためには、ミドルウェア製品の強化、法令等の遵守、開発体制の強化を図ってまいります。

 

(7) 経営戦略の現状と見通し

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループが今後さらなる成長と発展を遂げるためには、より収益性の高いビジネスへの注力及びコスト意識を高めることにより、利益率改善に努めていくことが重要であると認識しております。