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最終更新:

E32750 Japan GAAP

売上高

65.4億 円

前期

46.9億 円

前期比

139.5%

時価総額

47.3億 円

株価

779 (07/16)

発行済株式数

6,070,880

EPS(実績)

42.38 円

PER(実績)

18.38 倍

平均給与

547.0万 円

前期

501.2万 円

前期比

109.1%

平均年齢(勤続年数)

34.1歳(3.8年)

従業員数

114人(連結:409人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

 

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社エルテス)および子会社11社、関連会社2社の計14社で構成されており、「健全にテクノロジーが発展する豊かなデジタル社会を守り、デジタル社会にとってなくてはならない存在となること」をビジョンに掲げております。リスクに特化したビッグデータ解析技術を基に、テクノロジーの発展で生じた新たなリスクを解決するためのソリューションを提供するデジタルリスク(※1)事業、従来型の警備業とデジタルテクノロジーを融合されたデジタル時代の新たな警備業を創出するAIセキュリティ事業、企業や地方自治体に対してDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するDX推進事業の3つのセグメントで事業を推進しています。

 

 (※1) デジタルテクノロジーの発展に応じて、その副作用として発生する新たな領域は、企業の競争にも影響を与える重大な事象であり、このような事象から発生するリスクを「デジタルリスク」と表現しております。

 

当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。

なお、次の事業セグメントは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 

① デジタルリスク事業

 デジタルリスク事業は、「健全なデジタルテクノロジーの発展を支援」することを目的に、SNSやブログ、インターネット掲示板などWeb上のソーシャルメディアに起因するソーシャルリスク対策と情報持ち出しなどの社内に潜むリスクを検知するインターナルリスク対策から構成されております。

 ソーシャルリスク領域については、当社グループ固有のノウハウと事例研究の蓄積によって、収集したビッグデータからリスクを高精度で検知する技術を開発し、課題解決に取り組んでまいりました。具体的には、SNS炎上を未然に防ぐためのソリューション、危機発生時の対応コンサルティング、レピュテーション回復のためのサービスを顧客の課題に応じてワンストップで提供しております。

 インターナルリスク対策については、昨今話題となっている営業秘密等の機密情報持ち出しや、経済安全保障の観点による技術情報の流出などの内部脅威の予兆を解析するサービスです。膨大な組織内部のシステムログや管理データから、当社独自のアルゴリズムによりリスクの高い行動パターンを認識し、危険度や緊急度の高いものは即時通知することで、インシデント防止を支援します。

(主な関係会社)当社、株式会社エフエーアイ、アクター株式会社

 

② AIセキュリティ事業

 AIセキュリティ事業は、「警備DXで新時代の安全保障をつくること」をミッションとし、フィジカルな警備保障事業を運営しつつ、運営の中で生じる課題解決のためにAIやデータを活用した警備業界のDXプロダクトの開発・提供を行っています。警備DX領域では、インターネット上で警備を依頼したい個人や法人のお客様と警備会社をつなぐプラットフォーム「AIK order」、警備管制業務のデジタル化を支援する「AIK assign」を運営しています。これらのDXプロダクトを警備保障サービス事業で実際に活用し、業務効率の向上にも取り組んでいます。

(主な関係会社)株式会社AIK、株式会社And Security、ISA株式会社、SSS株式会社

 

③ DX推進事業

 DX推進事業は、デジタルを活用した人にやさしい社会への変革を目的に、自治体のDX支援や事業会社のDX支援サービスを展開しています。自治体DX領域においては、デジタル田園都市国家構想の追い風を受けながら、住民サービスのデジタル上の総合窓口となるアプリのDX-Pand、LINEを活用したスマート公共ラボの提供で、行政サービスのデジタル化を支援しています。また、企業・団体のDXを支援するSESとラボ型開発のハイブリットで顧客ニーズに最適化した形のDX支援を提供を行っています。

(主な関係会社)株式会社JAPANDX、株式会社GloLing、株式会社メタウン、

プレイネクストラボ株式会社

 

事業の統計図は、次のとおりであります。

 

※画像省略しています。
24/05/30

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2023年3月1日~2024年2月29日)における当社グループを取り巻く経済環境は、世界的な金融引き締めに伴う影響により不透明感はありましたが、経済活動は緩やかに正常化に向かっております。通信インフラの高度化やデジタルサービス、SNSの普及や多様化とともに、データ流通量は爆発的な増加傾向(総務省「情報通信白書令和5年版」)にあります。新型コロナウイルス感染拡大後は非接触・非対面での生活を可能とするデジタル化が日常となり、オンラインショッピングや動画視聴サービスなどの利用が拡張、またあらゆる主体や個人が情報の発信者となり得るSNSの活用も進んでいます。一方で、SNSをはじめとした動画配信・投稿サイトにおける偽・誤情報拡散や炎上事象、ネット上の誹謗中傷の投稿、組織内部からの機密情報持ちだしなど課題も多発、日本経済活動に与える影響は甚大かつ深刻化しており、国内外の情報セキュリティの市場規模は年々伸張の一途をたどり、当社グループのニーズは益々高まっております。

 

(a) 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ897,622千円増加し、6,898,024千円となりました。

当連結会計年度末における流動資産は、2,926,618千円となり、前連結会計年度末に比べ417,580千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が100,624千円減少した一方、受取手形、売掛金及び契約資産が601,930千円増加したこと等によるものであります。

固定資産は、3,971,405千円となり、前連結会計年度末に比べ480,041千円増加いたしました。これは主にソフトウエアが195,497千円増加、のれんが27,049千円増加、投資有価証券が17,868千円増加、および繰延税金資産が259,172千円増加したこと等によるものであります。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ622,750千円増加し、4,288,137千円となりました。

このうち、流動負債は、前連結会計年度末に比べ700,071千円増加し、2,039,448千円となりました。これは主に買掛金が89,047千円増加、短期借入金が441,200千円増加、1年内返済予定の長期借入金が238,563千円増加し、一方で未払金が100,634千円減少したこと等によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ77,320千円減少し、2,248,689千円となりました。これは主に長期借入金が65,433千円減少したことによるものであります。

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ274,871千円増加し、2,609,886千円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益257,302千円等によるものであります。

 

(b) 経営成績

当連結会計年度の連結業績において、企業や自治体における業務効率の向上を期待したデジタル化とそれらによって生じる新たなリスクへの対策や、中長期的な少子高齢化に伴う人口減少を見越したDX化による行政サービスの利便性向上、地域経済活性化、IT人材の育成や雇用再生など様々な課題に取り組んでおります。これらの社会的な追い風を受けて、当社グループでは創業以来過去最高の売上を達成致しました。また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、今後の業績見通しを踏まえ繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、法人税等調整額△248,609千円(△は利益)を計上したことにより、業績予想を大幅に上回りました。

この結果、当連結会計年度の売上高は6,535,138千円(前年同期比39.5%増)となり、EBITDAは557,179千円(前年同期比24.8%増)営業利益は182,077千円(前年同期比10.1%減)、経常利益は143,528千円(前年同期比0.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は257,302千円(前年同期比503.4%増)となりました。

 

(注) 当社グループの業績の有用な比較情報として、EBITDAを開示しております。EBITDAは、税引前当期純損益から非現金支出項目(減価償却費及び償却費)等の影響を除外しております。EBITDAの計算式は以下のとおりです。

・EBITDA=税引前当期純損益+支払利息+減価償却費及び償却費

 

(c) セグメントごとの経営成績

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(デジタルリスク事業)

デジタルリスク事業は、主にSNSやブログ、インターネット掲示板などWeb上のソーシャルメディアに起因するリスク対策を支援するソーシャルリスク対策と営業秘密情報の持ち出しなどの社内に潜むリスクを検知するインターナルリスク対策から構成されております。

ソーシャルリスク対策は、リスク検知時の初動対応コンサルティングを含むWebリスクモニタリングを主力サービスとして提供しております。また、SNSリスク低減のための社内規程作成支援や従業員向け研修の提供など、幅広い形で企業のSNSリスク対策を支援致しました。

インターナルリスク対策は、昨今話題となっている営業秘密等の機密情報持ち出し対策や、経済安全保障の観点による情報管理強化支援を目的に製造業・金融業を中心に新規導入が進み、KPIとしていたユーザーID数が2024年2月期の目標の20万IDを大きく上回り、27.6万IDに達しました。さらに将来の提供強化のために即戦力のアナリスト人材の獲得にも注力しております。

以上の結果、売上高は2,633,806千円(前年同期比10.9%増)、セグメント利益は1,092,059千円(前年同期比23.6%増)となりました。

 

(AIセキュリティ事業)

AIセキュリティ事業は、フィジカルな警備サービス事業を運営しつつ、運営の中で生じる課題解決のためにAIやIoTを組み合わせた警備業界のDXを推進しております。

株式会社AIKの主要サービスである「AIK order」に加えて、警備管制DXシステム「AIK assign」の提供によって、警備業界のDX推進に取り組んでいます。また、IT業界での採用ノウハウを駆使した警備サービスでの採用活動の成果をもとにした、採用支援ソリューションの提供も開始しました。また、警備サービス事業においては、イベント再開や警備業界の人手不足による需要増加、株式会社And Securityの大阪支店を立ち上げによるさらなる新規開拓を行い、前期から強化してきた警備員の採用活動も奏功し、順調に業績を拡大しております。

以上の結果、売上高は1,522,762千円(前年同期比14.1%増)、セグメント利益は39,162千円(前年同期は34,855千円のセグメント損失)となりました。

 

DX推進事業)

DX推進事業は、行政の住民サービスのデジタル化支援、エンジニアなどのDX人材の派遣サービス、プロパティマネジメントサービスを展開しております。

行政の住民サービスのデジタル化支援では、デジタル田園都市国家構想の追い風を受けながら、各自治体へのDX-Pand、スマート公共ラボの活用が進んでおり、行政クライアント数は100に達しました。また、複数プロジェクトを推進できる社内体制構築、DX人材の派遣サービス強化に向けた採用活動を強化しております。

エンジニアなどのDX人材の派遣サービスにおいては、株式会社JAPANDX、株式会社GloLing、プレイネクストラボ株式会社の3社の連携強化を目的に、オフィス統合や人材交流などの取り組みを推進しております。

以上の結果、売上高は2,501,683千円(前年同期比141.0%増)、セグメント利益は18,151千円(前年同期は84,739千円のセグメント損失)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ100,624千円減少し、1,556,163千円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は、76千円(前年同期は、715,090千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益82,804千円、減価償却費98,476千円、のれん償却額349,208千円、投資有価証券評価損58,639千円、売上債権の増加額522,906千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、690,382千円(前年同期は、3,110,535千円の使用)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出144,518千円、投資有価証券の取得による支出110,833千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出367,589千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は、589,847千円(前年同期は、2,785,626千円の獲得)となりました。これは、短期借入金の純増加額441,200千円、長期借入れによる収入750,000千円、長期借入金の返済による支出615,222千円等によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

(a) 生産実績

当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(b) 受注実績

当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(c) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメント名の名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

デジタルリスク事業

2,604,714

10.2

AIセキュリティ事業

1,519,425

14.0

DX推進事業

2,410,998

143.9

合計

6,535,138

39.5

 

(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

   販売実績の総販売実績に対する割合が10%を上回っている相手先がないため、記載を省略しております。

2 セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析、検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、次の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成に当たり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の分析

経営成績の分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの資金需要は、運転資金に加え、新規事業への事業投資や投資有価証券の取得であります。

現状、これらの資金需要につきましては、自己資金、金融機関からの借入れによって調達しておりますが、必要に応じて、増資や社債発行等により柔軟に対応することとしております。

 

(3) 経営戦略の現状と見通し

当社グループの事業に関連する市場においては、コロナ禍での新しい経済活動の拡大や新しい生活様式の定着を背景に、あらゆる場面でデジタル化施策が注目されております。デジタル化が進むことで新たなリスクが生じるため、当社グループが立脚する市場は拡大すると考えております。特に、経済安全保障などにも関連し、セキュリティに対する関心が高まっており、利便性と両立する安全なデジタル化に関する需要が増大していると考えられます。中核事業が立脚するインターネット市場においても、市場は堅調な回復傾向にあるものと考えております。

このような経営環境の中、当社グループは第1期(2022年2月期~2024年2月期)中期経営計画「The Road To 2024」を策定し、中長期的な企業価値の向上を目指しておりました。そして、2024年5月16日に開示の通り第2期(2025年2月期~2027年2月期)中期経営計画「Build Up Eltes」を策定し、営業利益を最重要指標として、企業価値向上に取り組んでまいります。

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(5) 経営者の問題認識と今後の方針

「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。