E32956 Japan GAAP
前期
14.6億 円
前期比
100.8%
株価
525 (04/23)
発行済株式数
1,440,600
EPS(実績)
36.10 円
PER(実績)
14.54 倍
前期
451.4万 円
前期比
106.1%
平均年齢(勤続年数)
39.2歳(5.6年)
従業員数
71人
当社はビッグデータ(注)等の分析、システムの設計・構築、各種プロモーションに関する高度なコンサルティングを行う総合マーケティングサービスプロバイダ企業であり、マーケティングに関する様々なソリューションを通じた、企業と顧客や消費者とのマーケティングコミュニケーションの支援を主たる事業(「総合マーケティング支援事業」)としております。
なお、当社は総合マーケティング支援事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
当社の総合マーケティング支援事業は、クライアント企業のマーケティング面の課題の明確化、マーケティング戦略の策定、マーケティング施策の立案・運用・サポートをトータルに行うマーケティングコンサルティングが主たる内容であります。3つの区分に属する領域及び主要サービスは以下に記載しております。
※画像省略しています。
① CRM支援分野
CRM支援分野は、顧客行動データを保有するクライアント企業に対して、顧客マーケティング(顧客行動データの分析に基づき実施するマーケティング活動)に関するトータル支援を行っております。
② サービス運営支援分野
サービス運営支援分野は、クライアント企業に対して、システム基盤の最適化及び機能開発支援、ECの最適化及び付加価値向上支援を行っております。
③ 教育支援分野
教育支援分野は、DCFMの提供をはじめ、セミナーの開催により、クライアント企業の社内教育やマーケターのスキルアップを支援しております。
[当社の特徴]
当社は、クライアント企業が持つ膨大な顧客の消費行動データ等のいわゆるビッグデータを分析し、その結果に基づき適切なタイミングや手段でそれぞれの顧客の嗜好に合致した商品やサービスのプロモーションの実施を支援します。
これまで、企業がマーケティングに取組む際、システム会社、コンサルティングファーム、印刷会社など、複数の企業に業務を委託することが一般的でしたが、そのため、重要な顧客データ(個人情報)の漏洩リスクや販売促進業務の展開スピードの面で、課題があったと考えられます。
一方で当社は、「CRM支援分野」において、これらの課題を含むクライアント企業の顧客マーケティングに関する課題に対しパートナーとして複数の機能を融合して総合的かつ継続的に課題解決を支援しております。さらに、関連サービスとして「サービス運営支援分野」「教育支援分野」を展開しております。
このように、当社は主として顧客行動データを持つクライアント企業に対し、顧客マーケティングに関する戦略から戦術までのトータル支援を提供しておりますが、いずれかの領域を単独で提供することも可能であり、クライアント企業の体制やニーズによって柔軟に対応しております。
[用語解説]
(注) ビッグデータとは、従来のシステムでは記録・保管・解析が難しいような巨大なデータ群をいいます。見過ごされてきたデータ群を記録・保管して即座に解析することで、ビジネスや社会に有用な知見が得られたり、新たな仕組みを産み出す可能性が高まるとされています。
[事業系統図]
事業系統図は以下のとおりであります。
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも徐々に経済社会活動の制限が緩和され、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られました。しかしながら、ロシア・ウクライナ情勢の長期化によるエネルギー資源・原材料価格の高騰や急速な円安に伴う物価上昇が個人消費や消費行動へ与える影響懸念などにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。
2020年に発生した新型コロナウイルス感染症は世界で猛威を振るい、コロナ禍での消費者購買行動が大きく変化しました。外出自粛などに伴いEC(電子商取引)の利用者が急増し、顧客一人ひとりのニーズに応えるためのデータ分析やプロモーションがますます重要になっています。こうした状況は、ダイレクトマーケティングがマーケティングそのものに変化してきたことを意味します。当社は長年「戦略と戦術の両方をサポートし、企業と生活者との距離を縮めるトップダイレクトマーケティングエージェンシーの実現」を経営理念として掲げ、クライアント企業のマーケティング活動を支援してまいりましたが、市場の変化に対応すべく、2022年3月より経営理念を「マーケティングカンパニー」とし、各種コーポレートアイデンティティ(CI)を変更いたしました。
CRM支援、サービス運営支援、教育支援の3つの区分に属するサービス群の再構築や再定義を進め、データ・テクノロジー・クリエイティブを融合し、クライアント企業の抱える課題や複雑化・高度化するマーケティング要件に対応することで、これまで以上に意味のある顧客体験を生み出してまいります。なお、この度の企業理念変更と併せ、ビジュアルアイデンティティ(VI)も刷新しております。
こうした環境の中、2023年3月17日には日本郵便株式会社主催の全日本DM大賞において、当社は3度目のグランプリを受賞いたしました。6年連続の金賞受賞、16年連続で同アワードでの受賞を果たしたこととなります。今般の受賞により、withコロナ時代だからこその緻密な顧客コミュニケーションを実施したいという引き合いが増加しています。当社の実績が、これまで得意としてきた流通小売業界のみならず、BtoB型の法人サービス業等の新たなクライアント企業群にも認知が進んでいることから、売上高の増加に繋がりました。
以上の結果、当事業年度における売上高は1,455,568千円(前年同期比3.8%増)、営業利益は54,959千円(前年同期比102.1%増)、経常利益は56,246千円(前年同期比35.5%増)、当期純利益は44,333千円(前年同期比30.8%増)となりました。
当社は、単一セグメントであるため、セグメントごとの経営成績の記載をしておりません。
3つの区分に属する領域及び主要サービスは下記のとおりであります。
区分 |
領域 |
主要サービス |
CRM支援分野 |
コンサルティング |
・マーケティングコンサル ・メディアプランニング ・統合データプラットフォーム設計 ・その他コンサル |
アナリティクス |
・分析プロジェクト ・AI活用プロジェクト ・リサーチ ・BIツール導入及び運用 |
|
クリエイティブ |
・ダイレクトメール ・デジタル広告 ・WEBメディア ・ダイレクトレスポンス広告 ・コミュニケーションツール |
|
テクノロジー |
・統合データ環境構築及び運用 ・スマホアプリ開発 ・マーケティングツール導入及び運用 ・システム開発 ・顧客管理システム導入及び運用 ・WEBサイト構築及び運用 ・運用保守 |
|
オペレーション |
・事務局 ・コールセンター ・DMセンター ・メッセージ配信運用 ・データマネジメント |
|
サービス運営支援分野 |
POSデータ開示 |
・システム基盤の最適化及び機能開発 |
EC |
・ECの最適化及び付加価値向上 |
|
教育支援分野 |
eラーニングサービス |
・DCFM(DMA Certified Fundamental Marketer)(注) |
セミナー |
・セミナー開催 |
(注)ANA(全米広告主協会)傘下のDMAディビジョン(データ&マーケティング部門)公認のeラーニングサービス。
②財政状態の状況
(資産)
当事業年度末の総資産は、前事業年度末と比べ24,751千円増加し、641,618千円となりました。これは主に有形固定資産が8,306千円、無形固定資産が2,858千円、投資有価証券が20,060千円増加した一方で、前払費用が6,711千円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当事業年度末の負債は、前事業年度末と比べ19,475千円減少し、315,572千円となりました。これは主に買掛金が33,555千円、未払金が10,222千円増加した一方で、長期借入金(一年内返済予定の長期借入金を含む)が60,168千円、未払法人税等が3,490千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当事業年度末の純資産は、前事業年度末と比べ44,226千円増加し、326,045千円となりました。これは主に利益剰余金が44,333千円増加したこと等によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ8,333千円減少し、255,763千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果増加した資金は、101,484千円(前年同期は136,403千円の増加)となりました。この主な要因は、税引前当期純利益56,353千円、減価償却費19,251千円、仕入債務の増加額33,555千円が生じた一方で、法人税等の支払額14,283千円が生じたこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果減少した資金は、49,007千円(前年同期は20,358千円の減少)となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出18,481千円、無形固定資産の取得による支出10,589千円、投資有価証券の取得による支出20,060千円が生じたこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果減少した資金は、60,810千円(前年同期は63,325千円の減少)となりました。この主な要因は、長期借入金の返済による支出60,168千円が生じたこと等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.外注実績
当社は、総合マーケティング支援事業の単一セグメントであり、当事業年度の外注実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) |
前年同期比(%) |
総合マーケティング支援事業(千円) |
546,167 |
92.9 |
合計(千円) |
546,167 |
92.9 |
b.受注実績
当社は、総合マーケティング支援事業の単一セグメントであり、当事業年度の受注実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
総合マーケティング支援事業 |
1,446,243 |
101.1 |
159,253 |
94.5 |
合計 |
1,446,243 |
101.1 |
159,253 |
94.5 |
c.販売実績
当社は、総合マーケティング支援事業の単一セグメントでありますが、当事業年度のサービス区分ごとの販売実績を示すと次のとおりであります。
サービスの名称 |
当事業年度 (自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) |
前年同期比(%) |
CRM支援分野(千円) |
1,132,440 |
104.1 |
サービス運営支援分野(千円) |
314,002 |
105.0 |
教育支援分野(千円) |
9,125 |
57.1 |
合計(千円) |
1,455,568 |
103.8 |
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前事業年度 (自 2021年3月1日 至 2022年2月28日) |
当事業年度 (自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
株式会社いなげや |
156,660 |
11.2 |
- |
- |
アマゾンジャパン合同会社 |
176,169 |
12.6 |
- |
- |
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当事業年度における売上高につきましては、前事業年度比3.8%増の1,455,568千円となりました。
区分ごとの状況は次のとおりであります。
a.CRM支援分野
CRM支援分野は、顧客行動データを保有するクライアント企業に対して、顧客マーケティング(顧客行動データの分析に基づき実施するマーケティング活動)に関するトータル支援を行っております。
当事業年度においては、コンサルティングの領域で新規クライアント企業からのコンサルティング案件の受注が増加しました。またクリエイティブの領域でも新規クライアント企業からのDM案件等の受注増加に加え既存クライアント企業からも大型のDM案件を受注し売上高は好調に推移いたしました。この結果、売上高は1,132,440千円(前年同期比4.1%増)となりました。
b.サービス運営支援分野
サービス運営支援分野は、クライアント企業に対して、システム基盤の最適化及び機能開発支援、ECの最適化及び付加価値向上支援を行っております。
当事業年度においては、POSデータ開示の領域では安定した顧客基盤を確保し堅調に推移いたしました。ECの領域で既存クライアント企業のEC売上好調の影響を受け、当社においてもECサイト運用案件の取引が拡大し売上高は好調に推移いたしました。この結果、売上高は314,002千円(前年同期比5.0%増)となりました。
c.教育支援分野
教育支援分野は、DCFMの提供をはじめ、セミナーの開催により、クライアント企業の社内教育やマーケターのスキルアップを支援しております。
当事業年度においては、セミナーの領域で新規クライアント企業からDMマーケティング研修を受注し売上高が好調に推移いたしました。一方でeラーニングサービスの領域でDCFMの販売が減少いたしました。この結果、売上高は9,125千円(前年同期比42.9%減)となりました。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度における売上原価につきましては、前事業年度比1.5%減の842,072千円となりました。これは主に、外注原価の減少によるものであります。この結果、売上総利益は前事業年度比12.1%増の613,496千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費につきましては、前事業年度比7.4%増の558,537千円となりました。これは様々な要因により増加した費用、減少した費用がある中で、人員増等による人件費の増加が主な要因であります。この結果、営業利益は54,959千円(前事業年度は営業利益27,188千円)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
当事業年度における営業外収益の主なものは、受取手数料1,890千円であります。営業外費用の主なものは、支払利息714千円であります。この結果、経常利益は56,246千円(前事業年度は経常利益41,506千円)となりました。
(特別利益、特別損失及び当期純利益)
当事業年度における特別利益の主なものは、新株予約権戻入益107千円であります。この結果、税引前当期純利益は前事業年度比38.7%増の56,353千円となりました。
また、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む。)は12,020千円であります。この結果、当期純利益は44,333千円(前事業年度は当期純利益33,881千円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析、検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の主な資金需要は、人件費、外注費等の運転資金となります。これらにつきましては、基本的に営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金を充当し、必要な場合には、状況に応じて金融機関からの借入等による資金調達で対応していくこととしております。
なお、現在の現金及び現金同等物の残高、営業活動によるキャッシュ・フローの水準については、当面事業を継続していくうえで十分な流動性を確保しているものと考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大や収束時期等の仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 追加情報」に記載のとおりであります。