E00772 Japan GAAP
前期
622.9億 円
前期比
126.3%
株価
1,058 (05/02)
発行済株式数
57,546,050
EPS(実績)
163.03 円
PER(実績)
6.49 倍
前期
733.7万 円
前期比
102.6%
平均年齢(勤続年数)
39.6歳(16.1年)
従業員数
744人(連結:1,059人)
当社の企業集団は、当社、連結子会社7社、非連結子会社5社で構成され、無機・有機化学薬品等の基礎化学品事業、フッ素系ガスおよび電池材料等の精密化学品事業、キャリヤーおよび鉄酸化物等の鉄系事業、製品販売等の商事事業および化学工業用設備工事等の設備事業を展開しております。
当社および連結子会社の当該事業に係わる位置付けは、次のとおりであります。
基礎化学品事業――― 当社が製造販売しております。
精密化学品事業――― 当社および関東電化ファインプロダクツ韓国㈱が製造販売しております。また、関東電化KOREA㈱は韓国で、台灣關東電化股份有限公司は台湾で、それぞれ当社製品を販売しております。宣城科地克科技有限公司は、中国に製造拠点を建設中です。
鉄系事業―――――― 当社が鉄系製品を製造販売するほか、森下弁柄工業㈱が鉄酸化物を製造販売しております。
商事事業―――――― 関電興産㈱は、当社製品を販売し、当社は、同社より原材料を購入しております。また、同社は、フッ素系ガスの容器整備を行っております。
設備事業―――――― ㈱上備製作所は、化学設備関連および一般産業用の工事を行い、当社は、同社に対して設備等の設計、建設、保全工事等を委託しております。
以上述べた連結子会社と当社との関係を事業系統図に示すと次のとおりであります。
(注) 森下弁柄工業㈱は2023年4月1日付で、商号を㈱関東電化ファインテックに変更しております。
なお、非連結子会社と当社との関係は、次のとおりであります。
当社は、カンデン渋川産業㈱、カンデン水島産業㈱に対しては、工場内作業等を、㈱群馬鉄工所には、工場設備の建設・保全工事等を、関東電化産業㈱には、各種環境測定・分析業務等を委託しております。
科地克(上海)貿易有限公司は、中国で当社製品の販売と原材料の調達を行っております。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、各種政策の効果により緩やかな持ち直しの動きが見られたものの、原燃料価格の上昇や急速な為替変動等もあり、依然として厳しい状況にありました。海外においても、ウクライナ情勢の長期化や金融資本市場の変動等による景気の下振れリスクに留意する必要があり、先行き不透明な状況が続きました。
化学工業におきましても、原燃料価格や物流費の上昇に加え、半導体・電子材料業界の生産調整の影響等もあり、引き続き厳しい事業環境にありました。
このような情勢下におきまして、当社グループは、基礎化学品事業、精密化学品事業および鉄系事業の収益力を強化するとともに、当社の強みであるフッ素関連技術を活かした新規製品の開発に取り組んでまいりました。
当期の売上高は、主に精密化学品事業部門が増収となったため、786億75百万円と前期に比べ163億88百万円、26.3%の増加となりました。損益につきましては、原燃料費や減価償却費は増加したものの、主に精密化学品事業部門の増収効果により、経常利益は、136億79百万円と前期に比べ25億34百万円、22.7%の増加となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、93億82百万円と前期に比べ16億20百万円、20.9%の増加となりました。
(無機製品)
か性ソーダおよび塩酸は、販売数量は減少したものの価格修正効果により、前期に比べ増収となりました。
(有機製品)
トリクロールエチレンおよびパークロールエチレンは、販売数量は減少したものの価格修正効果により、前期に比べ増収となりました。
以上の結果、基礎化学品事業部門の売上高は、94億09百万円となり、前期に比べ14億42百万円、18.1%の増加となりました。営業損益につきましては、営業利益3億25百万円となりました(前期は営業損失69百万円)。
(特殊ガス製品)
三フッ化窒素は、販売数量は減少したものの価格修正効果により、前期に比べ増収となりました。六フッ化タングステンおよびヘキサフルオロ-1,3-ブタジエンは、販売数量の増加により、前期に比べ増収となりました。
(電池材料製品)
六フッ化リン酸リチウムは、価格修正効果により、前期に比べ増収となりました。
以上の結果、精密化学品事業部門の売上高は、639億43百万円となり、前期に比べ149億43百万円、30.5%の増加となりました。営業損益につきましては、営業利益114億50百万円となり、前期に比べ14億07百万円、14.0%の増加となりました。
複写機・プリンターの現像剤用であるキャリヤーは、新規製品への切り替えが進んだため、前期に比べ増収となりました。鉄酸化物は、着色剤の販売減少により、前期に比べ減収となりました。
以上の結果、鉄系事業部門の売上高は、26億66百万円となり、前期に比べ86百万円、3.4%の増加となりました。営業損益につきましては、営業利益6億85百万円となり、前期に比べ1億45百万円、27.0%の増加となりました。
商事事業につきましては、化学工業薬品の販売減少により、前期に比べ減収となりました。
以上の結果、商事事業部門の売上高は、7億46百万円となり、前期に比べ91百万円、10.9%の減少となりました。営業損益につきましては、営業利益1億99百万円となり、前期に比べ4百万円、2.6%の増加となりました。
化学設備プラントおよび一般産業用プラント建設の売上高は、請負工事の増加により前期に比べ増収となりました。
以上の結果、設備事業部門の売上高は、19億08百万円となり、前期に比べ6百万円、0.4%の増加となりました。営業損益につきましては、営業利益6億02百万円となり、前期に比べ2億22百万円、58.7%の増加となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末(以下「前期末」という)に比べ43億85百万円減少し、219億87百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、72億91百万円となりました(前年同期は111億76百万円の資金の獲得)。これは主に、税金等調整前当期純利益が134億25百万円、減価償却費が76億97百万円となったことにより増加した一方で、棚卸資産の増加額が105億55百万円、法人税等の支払額が41億06百万円、売上債権の増加額が34億79百万円となったことにより減少したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、166億27百万円となりました(前年同期は111億20百万円の資金を使用)。これは主に、精密化学品事業の成長投資及び維持投資に伴う有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、44億24百万円となりました(前年同期は24億16百万円の資金の獲得)。これは主に、長期借入金の返済による支出が59億11百万円となった一方で、長期借入れによる収入が120億80百万円となったことによるものであります。なお、長期借入れによる収入につきましては、主に精密化学品事業の成長投資及び維持投資に使用予定であります。
③ 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、基本的に販売価格によっておりますが、設備事業の金額は、当連結会計年度の製造費用によっております。
当連結会計年度の設備事業の受注状況を示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注) 前連結会計年度の三菱ケミカル株式会社およびキオクシア株式会社に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、回収可能性の判断にあたり、現時点で入手可能な情報に基づいた将来の課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ課税所得が減少した場合、繰延税金資産が取り崩されて税金費用が増加する可能性があります。
(退職給付費用)
退職給付費用および債務の計算は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率、死亡率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、当社グループの退職給付費用および債務に影響を与える可能性があります。
② 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は1,307億62百万円となり、前期末に比べ208億60百万円増加しました。
(流動資産)
流動資産は729億19百万円で、前期末に比べ112億14百万円増加しました。その主な要因は、現金及び預金が43億72百万円減少した一方で、棚卸資産が107億79百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が36億39百万円増加したためであります。
(固定資産)
固定資産は578億42百万円で、前期末に比べ96億46百万円増加しました。その主な要因は、有形固定資産が91億82百万円増加したためであります。なお、有形固定資産の増加につきましては、主に精密化学品事業の成長投資及び維持投資によるものであります。
(流動負債)
流動負債は336億80百万円で、前期末に比べ64億14百万円増加しました。その主な要因は、流動負債のその他が31億94百万円、支払手形及び買掛金が15億52百万円増加したためであります。
(固定負債)
固定負債は283億08百万円で、前期末に比べ55億80百万円増加しました。その主な要因は、長期借入金が54億25百万円増加したためであります。受取手形割引高及び社債を含む有利子負債の残高 は377億94百万円となり、前期末に比べ68億82百万円の増加となりました。
(純資産)
純資産合計は687億74百万円となり、前期末に比べ88億65百万円増加しました。その主な要因は、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益により80億02百万円増加したためであります。
③ 経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は786億75百万円となり、前期に比べ163億88百万円、26.3%の増加となりました。これは、主に当社が成長基盤事業と位置付けている精密化学品事業の価格修正効果によるものです。
なお、事業別の売上の概要につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①業績」に記載のとおりであります。
売上原価は、原材料価格の上昇等により136億86百万円増加しました。また、販売費及び一般管理費は減価償却費や環境整備費等が増加しました。以上の結果、営業利益は129億47百万円となり、前期に比べ17億82百万円、16.0%の増加となりました。
営業外収益は試作品売却益を計上したこと等により4億69百万円増加しております。また、営業外費用は試作品売却損が減少したこと等により2億81百万円減少しております。以上の結果、経常利益は136億79百万円となり、前期に比べ25億34百万円、22.7%の増加となりました。
特別利益は前期に投資有価証券売却益を計上したことにより1億31百万円減少しております。特別損失は固定資産除却損が増加したこと等により1億37百万円増加しております。以上の結果、税金等調整前当期純利益は134億25百万円となりました。法人税等および非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は93億82百万円となり、前期に比べ16億20百万円、20.9%の増加となりました。
④ 資本の財源および資金の流動性
ア.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
イ.資金需要
当社グループの主な資金需要は、設備投資、関係会社貸付金等の長期資金ならびに原材料の購入、製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金であります。
資金調達の方法及び状況ならびに資金の主要な使途を含む資金需要の動向につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題 ④ 財務戦略」に記載のとおりであります。
ウ.財務政策
長期資金については自己資金のほかに金融機関からの長期借入、短期資金については自己資金のほかに金融機関からの短期借入による調達を基本としております。また、運転資金の効率的な調達・安定性に配慮し、取引銀行との間でコミットメントライン契約を締結しております。
なお、当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に確保することを基本方針としており、財務状況や金融・経済情勢に応じて最適と判断した手段により資金を調達しております。
⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2022年度を初年度とする第12次中期経営計画(3ヵ年)において、最終年度の連結経営指標について以下の数値目標を設定しております。