売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E00775 Japan GAAP

売上高

4,175.5億 円

前期

4,011.4億 円

前期比

104.1%

時価総額

8,482.6億 円

株価

6,022 (04/26)

発行済株式数

140,860,557

EPS(実績)

370.49 円

PER(実績)

16.25 倍

平均給与

732.9万 円

前期

739.1万 円

前期比

99.2%

平均年齢(勤続年数)

40.4歳(17.4年)

従業員数

3,669人(連結:12,744人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

イビデン株式会社(当社)の企業集団は、子会社34社及び関連会社2社であり、事業内容は、電子、セラミック、建設、建材、樹脂、食品等の製造・販売を主に、設備工事関係、保守、サービス等を行っているほか、グループ製品・原材料等の運送業務を営んでおります。

当社グループの事業内容と当該事業における位置付けは、次のとおりであります。

区分

主要製品及び事業内容

主要な会社

電子

プリント配線板、パッケージ基板

当社、イビデン樹脂㈱
イビデン産業㈱
イビデンU.S.A.㈱(米国)
イビデンシンガポール㈱(シンガポール)
イビデンヨーロッパ㈱(オランダ)
台湾揖斐電股分有限公司(台湾)
イビデンフィリピン㈱(フィリピン)
揖斐電電子(上海)有限公司(中国)
揖斐電電子(北京)有限公司(中国)
イビデンコリア㈱(韓国)
イビデンエレクトロニクスマレーシア㈱(マレーシア)

セラミック

環境関連セラミック製品、特殊炭素製品、
ファインセラミックス製品、
セラミックファイバー

当社、イビデングラファイト㈱、
イビデンケミカル㈱、
イビデンU.S.A.㈱(米国)

マイクロメック㈱(米国)
イビデンメキシコ㈱(メキシコ)
イビデンヨーロッパ㈱(オランダ)
イビデンハンガリー㈱(ハンガリー)
エルジーグラファイト㈱(イタリア)
イビデンコリア㈱(韓国)
揖斐電電子(上海)有限公司(中国)
イビデングラファイトコリア㈱(韓国)
揖斐電精密陶瓷(蘇州)有限公司(中国)

他2社

その他

設備の設計・施工
住宅設備機器、メラミン化粧板
法面工事・造園工事等の土木工事の設計・施工

合成樹脂の加工業
農畜水産物の加工業
情報サービス業
自動車運送業、石油製品の販売
事務代行業、請負業


欧州域内の投資・金融
米国内の投資・金融
アジア域内の投資・金融
土地所有・管理

イビデンエンジニアリング㈱
イビケン㈱
イビデングリーンテック㈱

イビデン樹脂㈱
イビデン物産㈱、南寧大南食品有限公司(中国)
タック㈱
イビデン産業㈱
㈱イビデンキャリア・テクノ、イビデンオアシス㈱

イビデンヒューマンネットワーク㈱
イビデンヨーロッパ㈱(オランダ)
イビデンU.S.A.㈱(米国)
イビデンアジアホールディングス㈱(シンガポール)
イビデンフィリピンランドホールディングス㈱(フィリピン)
他2社

 

 

 

上記の企業集団等の状況について、事業系統図を示すと次のとおりであります。

※画像省略しています。
23/06/15

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による影響からの持ち直しが進みましたが、世界的な金融引き締めや地政学情勢に伴うエネルギー価格上昇の影響、さらには年度末の金融不安の顕在化など、不透明かつ不安定な状況が継続しました。国内経済においても、経済活動の正常化が進み、緩やかな持ち直しの動きがみられたものの、物価上昇や世界経済の下振れリスクなど、楽観視できない状況が継続しました。
 半導体・電子部品業界の市場は、パソコン市場は、需要の急減速に伴い、夏場以降の調整局面が継続したものの、データセンター向けを中心としたサーバー市場が概ね堅調に推移し、全体としては成長傾向で推移しました。
 自動車業界の排気系部品市場は、世界的な半導体不足による影響は回復基調にあるもののCOVID-19を発端としたサプライチェーンの混乱による影響が長期化し、不安定な状況が継続しました。
 このような情勢のもと、当社におきましては、2018年度から始動した5ヵ年の中期経営計画「To The Next Stage 110 Plan」の最終年度を迎えました。目標の達成に向け、人財育成を基盤に、伸びる市場に対して積極的に経営資源を投入し、既存事業の競争力強化と新規事業の拡大など、次の成長に向けた取り組みを進めてまいりました。

これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

①財政状態及び経営成績の状況

(ア)財政状態

当連結会計年度末における総資産は8,575億8百万円(前年同期比29.1%増)となりました。流動資産は4,768億25百万円(同31.3%増)、固定資産は3,806億82百万円(同26.4%増)となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、4,319億2百万円(同47.1%増)となりました。流動負債は2,233億21百万円(同43.0%増)、固定負債は2,085億81百万円(同51.8%増)となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は4,256億6百万円(同14.8%増)となりました。

 

(イ)経営成績

当連結会計年度の売上高は4,175億49百万円と前連結会計年度に比べ164億10百万円4.1%)増加しました。営業利益は723億62百万円と前連結会計年度に比べ15億41百万円(2.2%)増加しました。経常利益は761億76百万円と前連結会計年度に比べ17億82百万円(2.4%)増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益は521億87百万円と前連結会計年度に比べ109億54百万円 (26.6%)増加しました。

セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

 

(電子事業)

電子事業の売上高は2,507億8百万円となり、前連結会計年度に比べ5.8%増加しました。同事業の営業利益は、606億47百万円となり、前連結会計年度に比べ10.0%増加しました。

(セラミック事業)

セラミック事業の売上高は899億30百万円となり、前連結会計年度に比べ0.8%減少しました。同事業の営業利益は61億29百万円となり、前連結会計年度に比べ29.7%減少しました。

(その他事業)

その他事業の売上高は769億9百万円となり、前連結会計年度に比べ4.7%増加しました。同事業の営業利益は61億36百万円となり、前連結会計年度に比べ13.5%減少しました。

 

 ②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、3,024億19百万円となり、前連結会計年度末より1,168億27百万円増加しました。

各キャッシュ・フローの概要は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって得られた資金は、1,257億48百万円(前連結会計年度1,083億72百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益717億2百万円、減価償却費549億14百万円、売上債権の減少158億19百万円等による増加と、仕入債務の減少120億29百万円等による減少によるものであります。 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動に使用された資金は、1,040億19百万円(前連結会計年度677億22百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出1,032億33百万円による減少等によるものであります。 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によって得られた資金は、925億85百万円(前連結会計年度139億35百万円)となりました。これは主に長期借入れによる収入700億円、社債の発行による収入500億円による増加等と、社債の償還による支出200億円や配当金の支払額69億94百万円による減少等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

 (ア)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

電子

225,259

△6.1

セラミック

80,787

△11.9

その他

13,603

△5.1

合計

319,651

△7.6

 

(注) 金額は、販売価格によっております。

 

 (イ)受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

電子

233,937

22.5

19,415

13.6

合計

233,937

22.5

19,415

13.6

 

(注) セラミック及びその他部門は主として見込生産であります。

 

 (ウ)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

電子

250,708

5.8

セラミック

89,930

△0.8

その他

76,909

4.7

合計

417,549

4.1

 

(注)1  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

Intel Corp.

173,637

43.3

150,882

36.1

Advanced Micro Devices Inc.

50,526

12.1

 

※前連結会計年度のAdvanced Micro Devices Inc.の販売実績は、総販売実績の10%未満であるため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、これらの記載には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断しております。

 

① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(ア)経営成績等
 a.財政状態
 (資産合計)

当連結会計年度末における総資産は8,575億8百万円(前年同期比29.1%増)となりました。流動資産は4,768億25百万円(同31.3%増)、固定資産は3,806億82百万円(同26.4%増)となりました。

流動資産の増加の主な要因は、現金及び預金が1,168億27百万円増加したことによります。

固定資産の増加の主な要因は、建設仮勘定が850億24百万円増加したことによります。

 (負債合計)

当連結会計年度末の負債合計は、4,319億2百万円(同47.1%増)となりました。流動負債は2,233億21百万円(同43.0%増)、固定負債は2,085億81百万円(同51.8%増)となりました。

流動負債の増加の主な要因は、短期借入金が450億円増加したことによります。

固定負債の増加の主な要因は、社債が500億円、長期借入金が250億円増加したことによります。

 (純資産合計)

当連結会計年度末の純資産合計は4,256億6百万円(同14.8%増)となりました。

純資産合計の増加の主な要因は、利益剰余金が451億92百万円増加したことによります。

以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の54.88%から48.89%となりました。また、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の2,611円43銭から3,002円08銭となりました。

 b.経営成績

 (売上高及び営業利益)

売上高は、4,175億49百万円(前年同期比4.1%増)となりました。

売上原価は、2,900億33百万円(前年同期比3.2%増)となりました。売上原価率は0.6ポイント改善し、69.5%となりました。

この結果、営業利益は、723億62百万円(前年同期比2.2%増)となりました。

 (営業外損益及び経常利益)

営業外損益は、前連結会計年度の35億73百万円の利益(純額)から当連結会計年度は38億14百万円の利益(純額)となり、利益(純額)が増加しました。主な変動要因は、受取利息が8億52百万円増加したことや為替差益が6億46百万円減少したことによります。

この結果、経常利益は、761億76百万円(前年同期比2.4%増)となりました。

 (特別損益)

特別損益は、前連結会計年度の151億42百万円の損失(純額)から当連結会計年度は44億74百万円の損失(純額)となり、損失(純額)が減少しました。主な変動要因は、固定資産除却損が23億81百万円減少したことによります。

この結果、税金等調整前当期純利益は、717億2百万円(前年同期比21.0%増)となりました。

 (法人税等(法人税等調整額を含む。))

法人税等は、前連結会計年度の176億88百万円から当連結会計年度は192億88百万円となり、増加しました。

この結果、当期純利益は、524億13百万円(前年同期比26.1%増)となりました。

 (非支配株主に帰属する当期純利益)

非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の3億31百万円から当連結会計年度は2億26百万円となり、減少しました。

 (親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は、521億87百万円(前年同期比26.6%増)となりました。

1株当たり当期純利益は、373円73銭となりました。

ROE(自己資本当期純利益率)は、13.32%となりました。

 

 (イ)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、第2「事業の状況」 3「事業等のリスク」に記載のとおりであります。

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、特に定めておりませんが、連結中期経営計画「To The Next Stage 110 Plan」の最終年度にあたる2023年3月期の期初に掲げました売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の計画に対する達成状況は、以下のとおりであります。

 

2023年3月期
(計画)

2023年3月期
(実績)

増減(計画比)

売上高

426,000百万円

417,549

百万円

8,450百万円減 ( 2.0%減)

営業利益

67,000百万円

72,362

百万円

5,362百万円増 ( 8.0%増)

経常利益

67,000百万円

76,176

百万円

9,176百万円増 (13.7%増)

親会社株主に帰属する当期純利益

42,000百万円

52,187

百万円

10,187百万円増 (24.3%増)

 

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討事項は、次のとおりであります。

(電子事業)

パッケージ(PKG)事業におきましては、パソコン向け需要が夏場以降に減速したものの、サーバー向けの需要が概ね堅調に推移したことにより、売上高・営業利益ともに前連結会計年度に比べ増加しました。

マザーボード・プリント配線板(MLB)事業におきましては、スマートフォン向けは堅調に推移したものの、モジュール基板の売上が減少した結果、売上高は前連結会計年度並みとなりましたが、営業利益は減少しました。

以上の結果、電子事業の売上高は2,507億8百万円となり、前連結会計年度に比べ5.8%増加しました。同事業の営業利益は606億47百万円となり、前連結会計年度に比べ10.0%増加しました。

(セラミック事業)

自動車排気系部品であるディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)は、欧州市場を中心とした乗用車市場のEV化の加速を受け、大型商用車向け製品への受注シフトを進めたものの、売上高は前連結会計年度に比べ減少しました。同製品の営業利益につきましては、原材料費やエネルギー価格の高騰による影響もあり、前連結会計年度に比べ減少しました。

触媒担体保持・シール材(AFP)は、揖斐電精密陶瓷(蘇州)有限公司の安定した量産体制のもとで中国市場での拡販を進めた結果、売上高は前連結会計年度に比べ増加したものの、原材料費の高騰による影響により、営業利益は前連結会計年度並みとなりました。

特殊炭素製品(FGM)は、半導体製造装置向け製品を中心に需要の高まりを受け、売上高・営業利益ともに前連結会計年度に比べ増加しました。

以上の結果、セラミック事業の売上高は899億30百万円となり、前連結会計年度に比べ0.8%減少しました。同事業の営業利益は61億29百万円となり、前連結会計年度に比べ29.7%減少しました。

(その他事業)

建設部門におきましては、発電プラント事業において、発電設備の建設工事受注が堅調に推移したことに加えて、大型工事が着実に進行したことなどにより、売上高は前連結会計年度に比べ増加しました。

建材部門におきましては、原材料費の高騰による影響を受けたものの、販売価格の見直しによる効果に加えて、抗ウイルスメラミン化粧板及びその関連商材の販売が増加したことなどにより、売上高は前連結会計年度に比べ増加しました。

その他部門におきましては、ヘルスケア事業において健診システム及びリハビリシステム販売が堅調に推移したことに加え、電子カルテ販売で大型案件が完工したことにより、売上高は前連結会計年度に比べ増加したものの、合成樹脂加工部門を中心に原材料価格の高騰の影響により、営業利益は前連結会計年度に比べ減少しました。

以上の結果、その他事業の売上高は769億9百万円となり、前連結会計年度に比べ4.7%増加しました。同事業の営業利益は、61億36百万円となり、前連結会計年度に比べ13.5%減少しました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、設備投資に必要な資金及びその他の所要資金には手元資金を充当することを基本的な方針とし、グループ内ファイナンスの活用による効率的な資金運用を行っております。また、資金運用の柔軟性を保つため、必要な都度、借入等による資金調達を行うこととしております。

当連結会計年度の当社グループのキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリーキャッシュ・フローは、プラス217億28百万円となりました。また、財務活動によって得られた資金は、社債の発行による収入等により925億85百万円となりました。

以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高(資金)は3,024億19百万円となりました。

この資金の運用については、当社グループは、資金の流動性を考慮して、短期的な預金などとして運用する方針です。さらに、当社グループでは、旺盛な顧客需要に対応するために、ICパッケージ基板の生産能力増強を図る目的で設備投資を継続しており、これらの資金需要に対して資金を充当してまいります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。