売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E00775 Japan GAAP

売上高

3,705.1億 円

前期

4,175.5億 円

前期比

88.7%

時価総額

9,492.6億 円

株価

6,739 (07/12)

発行済株式数

140,860,557

EPS(実績)

223.55 円

PER(実績)

30.14 倍

平均給与

688.6万 円

前期

732.9万 円

前期比

94.0%

平均年齢(勤続年数)

40.3歳(17.1年)

従業員数

3,829人(連結:11,375人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

イビデン株式会社(当社)の企業集団は、子会社31社及び関連会社2社であり、事業内容は、電子、セラミック、建設、建材、樹脂、食品等の製造・販売を主に、設備工事関係、保守、サービス等を行っているほか、グループ製品・原材料等の運送業務を営んでおります。

当社グループの事業内容と当該事業における位置付けは、次のとおりであります。

区分

主要製品及び事業内容

主要な会社

電子

パッケージ基板

当社、

イビデン樹脂㈱
イビデン産業㈱
イビデンU.S.A.㈱(米国)
イビデンシンガポール㈱(シンガポール)
イビデンヨーロッパ㈱(オランダ)
台湾揖斐電股分有限公司(台湾)
イビデンフィリピン㈱(フィリピン)
揖斐電電子(上海)有限公司(中国)
イビデンコリア㈱(韓国)
イビデンエレクトロニクスマレーシア㈱(マレーシア)

セラミック

環境関連セラミック製品、特殊炭素製品、
ファインセラミックス製品、
セラミックファイバー

当社、
イビデンケミカル㈱、
イビデンU.S.A.㈱(米国)

マイクロメック㈱(米国)
イビデンメキシコ㈱(メキシコ)
イビデンヨーロッパ㈱(オランダ)
イビデンハンガリー㈱(ハンガリー)
エルジーグラファイト㈱(イタリア)
イビデンコリア㈱(韓国)
揖斐電電子(上海)有限公司(中国)
イビデングラファイトコリア㈱(韓国)
揖斐電精密陶瓷(蘇州)有限公司(中国)

他1社

その他

設備の設計・施工
住宅設備機器、メラミン化粧板
法面工事・造園工事等の土木工事の設計・施工

合成樹脂の加工業
農畜水産物の加工業
情報サービス業
自動車運送業、石油製品の販売
事務代行業、請負業


欧州域内の投資・金融
米国内の投資・金融
アジア域内の投資・金融
土地所有・管理

イビデンエンジニアリング㈱
イビケン㈱
イビデングリーンテック㈱

イビデン樹脂㈱
イビデン物産㈱、南寧大南食品有限公司(中国)
タック㈱
イビデン産業㈱
㈱イビデンキャリア・テクノ、イビデンオアシス㈱

イビデンヒューマンネットワーク㈱
イビデンヨーロッパ㈱(オランダ)
イビデンU.S.A.㈱(米国)
イビデンアジアホールディングス㈱(シンガポール)
イビデンフィリピンランドホールディングス㈱(フィリピン)
他2社

 

 

 

上記の企業集団等の状況について、事業系統図を示すと次のとおりであります。

※画像省略しています。
24/06/13

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における世界経済は、総じて回復基調にはありましたが、世界的な金融引締めによる影響や中国における経済成長の鈍化に加え、地政学リスクの継続など、不透明かつ不安定な状況が継続しました。国内経済においても、緩やかな回復は継続したものの、物価上昇や世界経済を起因とした下振れ懸念が継続するなど、楽観視できない状況が継続しました。

半導体・電子部品業界の市場は、パソコン市場においては、2022年度後半からの需要急減速に伴う在庫調整は一巡したものの、回復に向けた動きは想定よりも緩やかに推移しており、不透明な状況が継続しています。サーバー市場においては、生成AI関連を中心とした新たな成長領域は好調に推移したものの、既存のデータセンター向けサーバー市場は、大口ユーザーによる投資抑制と在庫調整が継続し、全体として厳しい市況となりました。

自動車業界の排気系部品市場は、世界的な半導体不足及びCOVID-19を発端としたサプライチェーンの混乱による影響からの回復が進みましたが、中国国内の景気減速に伴い、グローバルでの自動車生産台数の伸びは、期初予想対比で鈍化しました。

このような情勢のもと、当社におきましては、2023年度より始動しております5ヵ年の中期経営計画「Moving on to our New Stage 115 Plan」に基づき、強靭かつしなやかなビジネスモデルの構築を中心とした事業競争力強化や、DXを活用したモノづくり改革など、5本の活動の柱(強化していく5つの力)と製造業としての基盤活動を軸に、事業環境変化への対応と、持続可能な成長の両立に向けた取り組みを進めております。

これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

①財政状態及び経営成績の状況

(ア)財政状態

当連結会計年度末における総資産は1兆1,299億91百万円(前年同期比31.8%増)となりました。流動資産は6,008億10百万円(同26.0%増)、固定資産は5,291億80百万円(同39.0%増)となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、6,281億94百万円(同45.4%増)となりました。流動負債は3,583億62百万円(同60.5%増)、固定負債は2,698億32百万円(同29.4%増)となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は5,017億96百万円(同17.9%増)となりました。

 

(イ)経営成績

当連結会計年度の売上高は3,705億11百万円と前連結会計年度に比べ470億37百万円11.3%)減少しました。営業利益は475億68百万円と前連結会計年度に比べ247億93百万円(34.3%)減少しました。経常利益は511億40百万円と前連結会計年度に比べ250億35百万円(32.9%)減少しました。親会社株主に帰属する当期純利益は314億90百万円と前連結会計年度に比べ206億97百万円 (39.7%)減少しました。

セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

 

(電子事業)

電子事業の売上高は1,907億円となり、前連結会計年度に比べ23.9%減少しました。同事業の営業利益は、272億76百万円となり、前連結会計年度に比べ55.0%減少しました。

(セラミック事業)

セラミック事業の売上高は964億81百万円となり、前連結会計年度に比べ7.3%増加しました。同事業の営業利益は133億56百万円となり、前連結会計年度に比べ117.9%増加しました。

(その他事業)

その他事業の売上高は833億29百万円となり、前連結会計年度に比べ8.3%増加しました。同事業の営業利益は70億57百万円となり、前連結会計年度に比べ15.0%増加しました。

 

 ②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、4,435億83百万円となり、前連結会計年度末より1,411億64百万円増加しました。

各キャッシュ・フローの概要は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって得られた資金は、1,452億31百万円(前連結会計年度1,257億48百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益474億35百万円、減価償却費460億32百万円、前受金の増加493億25百万円等による増加によるものであります。 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動に使用された資金は、772億74百万円(前連結会計年度1,040億19百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出854億56百万円による減少等によるものであります。 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によって得られた資金は、675億26百万円(前連結会計年度925億85百万円)となりました。これは主に転換社債型新株予約権付社債の発行による収入735億円等による増加と、配当金の支払額55億95百万円等による減少によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

 (ア)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

電子

144,600

△35.8

セラミック

88,071

9.0

その他

12,819

△5.8

合計

245,491

△23.2

 

(注) 金額は、販売価格によっております。

 

 (イ)受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

電子

167,649

△28.3

14,650

△24.5

合計

167,649

△28.3

14,650

△24.5

 

(注) セラミック及びその他部門は主として見込生産であります。

 

 (ウ)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

電子

190,700

△23.9

セラミック

96,481

7.3

その他

83,329

8.3

合計

370,511

△11.3

 

 

 

(注)1  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

Intel Corp.

150,882

36.1

114,639

30.9

Advanced Micro Devices Inc.

50,526

12.1

 

※当連結会計年度のAdvanced Micro Devices Inc.の販売実績は、総販売実績の10%未満であるため記載を省略しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、これらの記載には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断しております。

 

① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(ア)経営成績等
 a.財政状態
 (資産合計)

当連結会計年度末における総資産は1兆1,299億91百万円(前年同期比31.8%増)となりました。流動資産は6,008億10百万円(同26.0%増)、固定資産は5,291億80百万円(同39.0%増)となりました。

流動資産の増加の主な要因は、現金及び預金が1,411億64百万円増加したことによります。

固定資産の増加の主な要因は、建設仮勘定が1,158億70百万円増加したことによります。

 (負債合計)

当連結会計年度末の負債合計は、6,281億94百万円(同45.4%増)となりました。流動負債は3,583億62百万円(同60.5%増)、固定負債は2,698億32百万円(同29.4%増)となりました。

流動負債の増加の主な要因は、前受金が493億25百万円、未払金が367億43百万円、設備関係電子記録債務が263億29百万円増加したことによります。

固定負債の増加の主な要因は、転換社債型新株予約権付社債が734億76百万円増加したことによります。

 (純資産合計)

当連結会計年度末の純資産合計は5,017億96百万円(同17.9%増)となりました。

純資産合計の増加の主な要因は、利益剰余金が258億94百万円、その他有価証券評価差額金が342億27百万円増加したことによります。

以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の48.89%から43.80%となりました。また、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の3,002円08銭から3,543円06銭となりました。

 b.経営成績

 (売上高及び営業利益)

売上高は、3,705億11百万円(前年同期比11.3%減)となりました。

売上原価は、2,680億40百万円(前年同期比7.6%減)となりました。売上原価率は2.9ポイント悪化し、72.3%となりました。

この結果、営業利益は、475億68百万円(前年同期比34.3%減)となりました。

 (営業外損益及び経常利益)

営業外損益は、前連結会計年度の38億14百万円の利益(純額)から当連結会計年度は35億71百万円の利益(純額)となり、利益(純額)が減少しました。主な変動要因は、為替差益が3億26百万円減少したことによります。

この結果、経常利益は、511億40百万円(前年同期比32.9%減)となりました。

 

 (特別損益)

特別損益は、前連結会計年度の44億74百万円の損失(純額)から当連結会計年度は37億5百万円の損失(純額)となり、損失(純額)が減少しました。主な変動要因は、関係会社株式売却益が30億67百万円増加、支払補償費が31億56百万円増加、固定資産除却損が13億16百万円減少したことによります。

この結果、税金等調整前当期純利益は、474億35百万円(前年同期比33.8%減)となりました。

 (法人税等(法人税等調整額を含む。))

法人税等は、前連結会計年度の192億88百万円から当連結会計年度は156億85百万円となり、増加しました。

この結果、当期純利益は、317億49百万円(前年同期比39.4%減)となりました。

 (非支配株主に帰属する当期純利益)

非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の2億26百万円から当連結会計年度は2億59百万円となり、増加しました。

 (親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は、314億90百万円(前年同期比39.7%減)となりました。

1株当たり当期純利益は、225円44銭となりました。

ROE(自己資本当期純利益率)は、6.89%となりました。

 

 (イ)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、第2「事業の状況」 3「事業等のリスク」に記載のとおりであります。

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、特に定めておりませんが、連結中期経営計画「Moving on to our New Stage 115 Plan」の初年度にあたる2024年3月期の期初に掲げました売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の計画に対する達成状況は、以下のとおりであります。

 

2024年3月期
(計画)

2024年3月期
(実績)

増減(計画比)

売上高

400,000百万円

370,511

百万円

29,489百万円減 ( 7.4%減)

営業利益

52,000百万円

47,568

百万円

 4,432百万円減 ( 8.5%減)

経常利益

52,000百万円

51,140

百万円

     860万円減 ( 1.7%減)

親会社株主に帰属する当期純利益

33,000百万円

31,490

百万円

  1,510百万円減 ( 4.6%減)

 

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討事項は、次のとおりであります。

(電子事業)

電子事業におきましては、生成AI用サーバー向けは、半導体サプライチェーン内における供給制約による影響を一部受けたものの、総じて受注は堅調に推移しました。一方で、主力のパソコン及び汎用サーバー向けは、需要減少に伴う売上減及び競争環境激化による価格低下圧力の影響も受けたことなどにより、売上高・営業利益ともに前連結会計年度に比べ減少しました。

以上の結果、電子事業の売上高は1,907億円となり、前連結会計年度に比べ23.9%減少しました。同事業の営業利益は272億76百万円となり、前連結会計年度に比べ55.0%減少しました。

(セラミック事業)

自動車排気系部品であるディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)は、大型商用車向け製品への受注シフト及び生産体制の集約を含む最適化を進めたことに加えて、エネルギー費用を中心としたコスト上昇分を、顧客との合意に基づいて販売価格に転嫁した効果などにより、売上高・営業利益ともに前連結会計年度に比べ増加しました。

 

触媒担体保持・シール材(AFP)は、中国経済の減速に伴う影響を一部受けたものの、半導体不足による影響の解消などにより、世界的に自動車市場が回復した結果、売上高・営業利益ともに前連結会計年度に比べ増加しました。

特殊炭素製品(FGM)は、Si半導体向け製品の売上が堅調に推移したことに加え、SiCパワー半導体向け製品の売上が好調に推移したことにより、売上高・営業利益ともに前連結会計年度に比べ増加しました。

以上の結果、セラミック事業の売上高は964億81百万円となり、前連結会計年度に比べ7.3%増加しました。同事業の営業利益は133億56百万円となり、前連結会計年度に比べ117.9%増加しました。

(その他事業)

建材部門におきましては、住宅着工件数の落ち込みによる販売棟数の減少影響を受けたものの、住宅材料事業を強化したことにより、売上高・営業利益ともに前連結会計年度に比べ増加しました。

建設部門におきましては、受変電設備・発電設備の建設工事の受注が好調に推移したことに加え、工事が順調に進捗したことにより、売上高・営業利益ともに前連結会計年度に比べ増加しました。

その他部門におきましては、造園工事事業において大型物件の施工が順調に推移したことにより、売上高は前連結会計年度に比べ増加しました。また、食品加工事業における新規商品の拡販や合成樹脂加工事業における自動車分野の受注回復などにより、全体として売上高・営業利益ともに前連結会計年度に比べ増加しました。

以上の結果、その他事業の売上高は833億29百万円となり、前連結会計年度に比べ8.3%増加しました。同事業の営業利益は、70億57百万円となり、前連結会計年度に比べ15.0%増加しました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、設備投資に必要な資金及びその他の所要資金には手元資金を充当することを基本的な方針とし、グループ内ファイナンスの活用による効率的な資金運用を行っております。また、資金運用の柔軟性を保つため、必要な都度、借入等による資金調達を行うこととしております。

当連結会計年度の当社グループのキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリーキャッシュ・フローは、プラス679億57百万円となりました。また、財務活動によって得られた資金は、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入等により675億26百万円となりました。

以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高(資金)は4,435億83百万円となりました。

この資金の運用については、当社グループは、資金の流動性を考慮して、短期的な預金などとして運用する方針です。さらに、当社グループでは、旺盛な顧客需要に対応するために、ICパッケージ基板の生産能力増強を図る目的で設備投資を継続しており、これらの資金需要に対して資金を充当してまいります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。