売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E00806 Japan GAAP

売上高

352.2億 円

前期

357.5億 円

前期比

98.5%

時価総額

214.0億 円

株価

877 (07/12)

発行済株式数

24,400,000

EPS(実績)

46.72 円

PER(実績)

18.77 倍

平均給与

709.4万 円

前期

70.5億 円

前期比

0.1%

平均年齢(勤続年数)

38.8歳(14.2年)

従業員数

443人(連結:642人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3 【事業の内容】

当社グループは、当社と子会社5社及び関連会社3社で構成されており、酸化ジルコニウムを中心としたジルコニウム化合物を製造・販売しております。ジルコニウム化合物の精製には乾式製法(電融法など)と湿式製法の2種類があり、当社グループは両製法の設備を有し、目的に応じて製造方法を選択することができます。また、湿式製法にて鉱石から最終製品までの一貫生産システムを有するメーカーでもあります。

当社グループは当社を中心に、高純度酸化ジルコニウム及びジルコニウム化合物を湿式製法にて製造し、関連会社から乾式製法(電融法)により精製した酸化ジルコニウムを購入することで、顧客からの多種多様な要望に対応できる販売体制を整えております。また、その生産技術・複合化技術を生かして、希土類化合物やセシウム化合物等その他元素の化合物についても製造・販売を行っております。

ジルコニウム化合物は、この半世紀の間にその優れた物理化学特性が次々と解明され、現在では日常的に使用される多種多様な製品の原料として幅広く利用されております。具体的には撥水性(防水剤)に始まり、高屈折率(光学材料)、高耐熱性(耐火物)、圧電性(着火素子・ブザー・アクチュエーター)、イオン伝導性(酸素センサー)、誘電性(セラミックコンデンサ・電波フィルター)、高強度・高靭性(ファインセラミックス)、強酸性・耐薬品性(工業用触媒)など、ジルコニウム化合物は数多くの特性を持っております。

当社グループの事業セグメントは、化学工業製品の製造販売事業の単一セグメントであり、事業部門に分類することが困難なため、特段の注記なき場合は当社グループ総計にて記載しております。なお、当社では用途セグメントとして、「戦略分野-半導体・エレクトロニクス」「戦略分野-エネルギー」「戦略分野-ヘルスケア」「自動車排ガス浄化触媒分野」「基盤分野」の5区分により記載しております。

 

当社製品の主要な用途

 

用途セグメント

 

主な用途

戦略

分野

半導体・エレクトロニクス

電子部品

電子基板・フェルール

光学

半導体

・積層セラミックコンデンサ

・スマートフォンの筐体

・イヤフォン、スピーカーのハウジング

・ディスプレイ用反射防止フィルム

・カメラレンズの屈折率調整

・半導体研磨

エネルギー

エネルギー触媒

二次電池

SOFC/SOEC

水素関連

・水素生成触媒

・リチウムイオン電池の正極材の添加剤

・燃料電池の電解質

・水電解

ヘルスケア

生体材料(歯科含む)

医療機器

抗菌剤・環境

・歯科材料

・画像診断装置

・抗菌剤、吸着剤

自動車排ガス浄化触媒分野

自動車触媒

酸素センサー

・三元触媒、GPF

・酸素センサー

・スパークプラグ

基盤分野

工業用触媒

構造部材

耐火物

ブレーキ材

ブレージング

表面処理

 

・化学合成触媒

・時計、装飾品

・連続鋳造用ノズル

・ブレーキパッド

・アルミ配管ろう付

・塗料

・製紙用水溶性高分子の架橋剤

 

 

当社グループの当該事業における位置付けは次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

24/06/20

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)に関する概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

※画像省略しています。

 

当連結会計年度の売上高は35,220百万円(前期比1.5%減、業績予想37,000百万円に対して達成率95.2%)、販売数量は前期比で0.9%増となりました。営業利益は、前期に享受した在庫販売効果が剥落したことにより前期比で減少したことに加え、当第4四半期連結会計期間において一部顧客での顕著な生産調整による販売減少の影響もあり2,422百万円(前期比55.1%減、業績予想3,100百万円に対して達成率78.1%)となりました。経常利益は、2,942百万円(前期比50.7%減、業績予想3,500百万円に対して達成率84.1%)となりました。これは、営業利益の減少に加え、ベトナム子会社宛て貸付見合いの米ドル借入の金利上昇での支払利息増加と、2024年に入ってからの急激な円安影響を受け、外貨建て資産での想定以上の為替差益を受けた影響であります。親会社株主に帰属する当期純利益はベトナム子会社の旧工場の減損損失(第1四半期連結会計期間において特別損失に計上)、連結子会社の業績変動から税金の見積りに差が生じた影響等により1,140百万円(前期比71.6%減、業績予想2,000百万円に対して達成率57.0%)となりました。分野別の販売状況は次のとおりです。

 

※画像省略しています。

 

戦略分野(半導体・エレクトロニクス)

※画像省略しています。

 半導体用途は、販売数量は前期に届かなかったものの、新しい用途への採用が進み、増収となりました。エレクトロニクス用途は、通信デバイス、家電など最終製品の需要低迷に伴い、販売数量で前期を下回りました。

 これらの結果、半導体・エレクトロニクス分野における当連結会計年度の売上高は、1,696百万円(前期比3.7%増、業績予想1,600百万円に対する達成率106.0%)となりました。

 

戦略分野(エネルギー)

※画像省略しています。

 二次電池用途は、欧米市場を中心とした自動車電動化の減速を受けて、販売数量は前期を下回りました。SOFC(固体酸化物燃料電池)及びSOEC(固体酸化物電解装置)用途は、海外の需要増加を取り込むことができず、販売数量が前期を下回りました。水素関連は、着実に伸長しました。

 これらの結果、エネルギー分野の当連結会計年度の売上高は、2,190百万円(前期比14.3%減、業績予想3,200百万円に対する達成率68.4%)となりました。

 

 戦略分野(ヘルスケア)

※画像省略しています。

 生体材料並びに抗菌剤・環境の用途で販売数量が前期を上回り、大幅増収となりました。医療機器用途の販売数量は前期並みに推移しました。

 これらの結果、ヘルスケア分野における当連結会計年度の売上高は、1,762百万円(前期比47.7%増、業績予想1,600百万円に対する達成率110.1%)となりました。

 

 自動車排ガス浄化触媒分野

※画像省略しています。

 上半期に日本、北米、グローバルサウス市場において旺盛な需要を取り込んだものの、中国市場を中心に電動化の影響を受けたことに加え、下半期においては一部顧客での顕著な生産調整の影響により、通期での販売数量は前期比微増、売上高は原料価格の下落に伴う販売価格の低下により前期を下回りました。

 これらの結果、自動車排ガス浄化触媒分野における当連結会計年度の売上高は、22,574百万円(前期比4.0%減、業績予想23,500百万円に対する達成率96.1%)となりました。

 

 基盤分野

※画像省略しています。

 ブレージング(アルミ配管ろう付け)用途は、販売数量は前期並みであったものの、原材料の市場価格変動に伴う販売価格の上昇により、増収となりました。構造部材並びにブレーキ用途は、堅調に推移しました。一方で、耐火物用途は、主要な需要家である国内の鉄鋼業界の低調により販売数量が前期を下回りました。

 これらの結果、基盤分野における当連結会計年度の売上高は、6,996百万円(前期比2.4%増、業績予想7,100百万円に対する達成率98.5%)となりました。

 

当連結会計年度の財政状態の概要及びその分析等は次のとおりであります。

※画像省略しています。

 

 当連結会計年度末における総資産は65,605百万円で、前連結会計年度末に比べ399百万円減少しました。これは主に、現金及び預金の減少(2,460百万円)、流動資産その他の増加(925百万円)によるものです。

 当連結会計年度末における負債は29,288百万円となり、前連結会計年度末に比べ565百万円減少しました。これは主に、短期借入金の減少(1,600百万円)、固定負債その他の増加(665百万円)によるものです。

 当連結会計年度末における純資産は36,316百万円で、前連結会計年度末に比べ165百万円増加しました。これは主に、為替換算調整勘定の減少(756百万円)、利益剰余金の増加(459百万円)、退職給付に係る調整累計額の増加(283百万円)によるものです。

 この結果、当連結会計年度末における自己資本比率は、前連結会計年度末53.8%から54.5%となり、当連結会計年度末における1株当たり純資産額は、前連結会計年度末1,460円81銭から6円45銭増加し1,467円26銭となりました。また、当連結会計年度の減価償却前営業利益(EBITDA)は、前連結会計年度8,109百万円から2,583百万円減少し5,526百万円となり、当連結会計年度末における投下資本利益率(ROIC)は、前連結会計年度末7.1%から3.9ポイント減少し3.2%となりました。

 

 ② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

※画像省略しています。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動の結果、得られた資金は5,310百万円(前期比1,416百万円増)となりました。これは、減価償却費3,104百万円、税金等調整前当期純利益2,568百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動の結果、使用した資金は3,447百万円(前期比976百万円減)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出3,814百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動の結果、使用した資金は2,444百万円(前期は2,454百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入れによる収入3,785百万円などにより資金が増加した一方、長期借入金の返済による支出3,889百万円、短期借入金の返済による支出1,600百万円などで資金が減少したことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

   a. 生産実績

生産実績を単一セグメント内の区分に示すと、次のとおりであります。

 

区分

当連結会計年度
(自 2023年4月1日
  至 2024年3月31日)

前期比(%)

化学品事業(百万円)

23,370

108.8

 合計(百万円)

23,370

108.8

 

(注) 1.生産金額は実際原価に基づいて算出しております。

2.同一品目であっても複数の用途に用いられることがありますので、生産実績については用途別に示すことが困難なため、表示しておりません。

 

b. 受注の状況

当社グループは主に見込生産を行っているため、記載を省略しています。

 

  c. 販売実績

販売実績を単一セグメント内の区分に示すと、次のとおりであります。

 

区分

当連結会計年度
(自 2023年4月1日
  至 2024年3月31日)

前期比(%)

化学品事業(百万円)

35,220

98.5

 合計(百万円)

35,220

98.5

 

 

当社グループは単一セグメントであるため、用途別に表示しております。

 

用途別

当連結会計年度
(自 2023年4月1日
 至 2024年3月31日)

前期比(%)

戦略分野

 

 

半導体・エレクトロニクス(百万円)

1,696

3.7

 エネルギー(百万円)

2,190

△14.3

 ヘルスケア(百万円)

1,762

47.7

自動車排ガス浄化触媒(百万円)

22,574

△4.0

基盤分野(百万円)

6,996

2.4

合計(百万円)

35,220

△1.5

 

  (注) 1.戦略分野にはその他の金額0百万円がありますが、金額が少額であることから、上記表では表示しておりません。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売割合で10%以上の相手先はありません。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)   経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日)における世界経済は、OECD諸国の設備投資動向を示す実質総固定資本形成は停滞が続きました。労働市場のひっ迫に伴う賃金上昇などを背景に、エネルギーや食料品を除くコアインフレ率は高止まりしており、個人消費の重石となりました。

当社グループにおきましては、戦略分野は、半導体、生体材料用途で順調に売上高を伸ばしたものの、通信デバイス、家電などの需要低迷と自動車電動化の減速の影響により、エレクトロニクス用途及び二次電池用途で、いずれも売上高が前期を下回りました。自動車排ガス浄化触媒分野においては、原料価格の下落に伴う販売価格の低下により、売上高が前期を下回りました。なお、2022年5月13日に公表しました中期経営計画「DK-One Next」では、2026年3月期の売上高構成で、「戦略分野」22.5%、「自動車排ガス浄化触媒」55.0%、「基盤分野」22.5%、売上高40,000百万円を目指しており、当連結会計年度は、「戦略分野」15.1%(前期比+0.5%)、「自動車排ガス浄化触媒」65.8%(前期比△0.8%)、「基盤分野」19.1%(前期比+0.3%)、売上高35,220百万円となりました。当社は、中期経営計画「DK-One Next」のもと、新規事業の創出・戦略分野の開発活動の強化による特定分野に依存しない収益基盤の構築、ベトナム事業強化によるジルコニウム化合物サプライチェーンの強靭化、資産効率の向上や収益性の改善、チャレンジする組織の強化、に取り組み、価値ある製品を供給し続ける事で世の中に貢献してまいります。

 

経営成績及び財政状態の状況並びに用途別の販売概要に関する認識及び分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。

 

当社グループの源泉は、営業活動によるキャッシュ・フローと金融機関からの借入であります。

一方、当社グループの主な運転資金需要は、当社グループ販売製品に係る原材料費であり、主な投資需要は、工場設備、研究開発拠点の整備及びIT関連の投資に係る投資資金であります。

短期運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本とし、設備投資や長期運転資金は、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本として、それぞれ調達しております。

当連結会計年度末においては、原材料価格や為替の変動により販売単価及び在庫単価が上昇したため、売掛債権、棚卸資産の残高が増加しました。また、資金効率の向上に取り組んだ結果、現金及び預金の残高は減少しました。

当社グループの製販及び資金の一元管理を行うことで資産効率の向上を図っております。また、2023年3月期から4カ年累計の投資キャッシュ・フローと配当金の合計を営業キャッシュ・フロー以内とする方針のもと投資キャッシュ・フローをコントロールしてまいります。併せて、業績と戦略分野への投資推進等を総合的に勘案しながら配当性向30%を基本とし、積極的に利益還元を行ってまいります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

連結財務諸表の作成に際し、当連結会計年度末日における資産・負債の報告数値及び当連結会計年度における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、過去の実績や当社グループを取り巻く環境等に応じて合理的と考えられる方法により計上しておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。