E00805 Japan GAAP
前期
373.0億 円
前期比
94.9%
株価
3,735 (04/26)
発行済株式数
13,213,248
EPS(実績)
172.55 円
PER(実績)
21.65 倍
前期
702.5万 円
前期比
94.8%
平均年齢(勤続年数)
38.9歳(14.8年)
従業員数
284人(連結:727人)
当社グループは、当社、子会社7社および関連会社3社で構成され、高純度薬品の製造、仕入、販売を主たる業務としている他、運輸事業等を行っています。
当社グループの事業内容および当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりです。
なお、次の2部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一です。
また、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。
フッ化物を中心とする高純度薬品などの製造および販売を行っています。当社製品の用途は、半導体デバイスの高集積度化を可能にする超高純度エッチング剤や洗浄剤として使われています。また、原子力関連施設で使用される中性子吸収材、虫歯予防に効果のある歯磨き粉の材料、タンタルコンデンサーで使われるタンタル製造助剤、化学品や医薬品の中間体製造に使用する触媒など、幅広く使われています。
なお、前連結会計年度において、「メディカル事業」を構成していたステラファーマ株式会社を連結の範囲から持分法適用の範囲に変更したことにより、当連結会計年度より「メディカル事業」を報告セグメントから除外し、「高純度薬品事業」に含めています。
ブルーエキスプレス㈱、星青国際貿易(上海)有限公司、衢州北斗星化学新材料有限公司、
ステラファーマ㈱
主に、化学製品に特化した物流事業を中心に、倉庫保管業、通関業などを行っています。
青星国際貨物運輸代理(上海)有限公司、他1社
自動車整備業、保険代理業を行っています。
〔事業系統図〕
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当連結会計年度の業績におきましては、半導体部門について、出荷量は減少したものの、原材料価格上昇に伴う価格転嫁に努めたことにより、増収となりましたが、エネルギー部門および工業用フッ酸部門の出荷量が減少した結果、売上高は353億82百万円(前期比5.1%減)となりました。
利益面におきましては、売上高の減少に加え、主要原材料の無水フッ酸価格が中国市場の需給等の影響や円安進行により前連結会計年度と比較し上昇した結果、営業利益は35億14百万円(同23.3%減)となりました。また、持分法適用関連会社である衢州北斗星化学新材料有限公司について持分法による投資利益を計上したものの、営業利益の減少を受け、経常利益は43億47百万円(同23.8%減)となりました。さらに、有価証券の売却による投資有価証券売却益を特別利益に計上した一方で、高純度薬品事業のエネルギー部門におけるリチウムイオン二次電池用の添加剤について、増産を目的として保有している有形固定資産(建設仮勘定)の減損損失を特別損失に計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は22億80百万円(同57.5%減)となりました。
当社グループは第3次中期経営計画を策定しており、売上高・営業利益およびROICを経営上の目標を達成するための客観的な指標として掲げています。売上高については、計画初年度の目標値として375億円を掲げていましたが、高純度薬品事業の半導体部門において半導体市場の減速の影響による出荷量の減少や、エネルギー部門および工業用フッ酸部門の売上高が下振れたことにより、2023年3月期の実績は353億82百万円となり、当初計画を下回る結果となりました。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3事業等のリスク」に記載しています原材料の調達リスクにおいて、高純度薬品事業における主原料であり主に中国より調達を行っている無水フッ酸価格が、中国市場における需給等の影響や円安進行により、前連結会計年度と比較して上昇しました。原材料価格の上昇については、販売価格への転嫁を行うなど収益面での影響を最小限とするよう取り組みを進めています。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
高純度薬品事業につきましては、主力の半導体部門において、当社の主要販売先であるメモリメーカーを中心とした段階的な減産の影響により、出荷量は前連結会計年度と比較し減少したものの、原材料価格上昇に伴う価格転嫁に努めた結果、半導体部門の売上高は190億49百万円(前期比6.7%増)となりました。一方で、主にエネルギー部門および工業用フッ酸部門の出荷量が減少したことにより、高純度薬品事業の売上高は307億7百万円(同5.0%減)となりました。
利益面では、売上高の減少に加え、主要原材料である無水フッ酸価格が前連結会計年度と比較し上昇した結果、営業利益は29億61百万円(同38.0%減)となりました。
運輸事業につきましては、運送関連等の取扱量が前連結会計年度を下回った結果、売上高は45億4百万円(前期比3.7%減)となりました。
利益面では、軽油価格の上昇等運送関連費用が増加したことにより、営業利益は5億33百万円(同30.2%減)となりました。
メディカル事業を営むステラファーマ株式会社を連結子会社から持分法適用関連会社へと変更したため、当連結会計年度より当該セグメントの実績はありません。
前連結会計年度における売上高は1億円、営業損失は7億29百万円でした。
その他事業につきましては、保険代理業収入等が前連結会計年度を下回った結果、売上高は1億70百万円(前期比10.0%減)、営業利益は30百万円(同46.8%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりです。
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 金額は販売価格によっています。
② 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 金額は仕入価格によっています。
③ 受注状況
主として見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
④ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.主な相手先別の販売実績については、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しています。
当連結会計年度末の資産合計は、554億71百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億26百万円減少しました。主な要因は、流動資産が減少したことによるものです。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
① 高純度薬品
高純度薬品事業につきましては、当連結会計年度末の資産合計は、458億76百万円となり、前連結会計年度と比べ7億19百万円減少しました。主な要因は、現金及び預金、売掛金が減少したことによるものです。
② 運輸
運輸事業につきましては、当連結会計年度末の資産合計は、95億86百万円となり、前連結会計年度末と比べ4億6百万円減少しました。主な要因は、現金及び預金、売掛金が減少したことによるものです。
③ その他
その他事業につきましては、当連結会計年度末の資産合計は、2億90百万円となり、前連結会計年度末と比べ22百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金が増加したことによるものです。
当連結会計年度末の負債合計は、123億9百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億60百万円減少しました。主な要因は、未払法人税等および長期借入金が減少したことによるものです。
当連結会計年度末の純資産合計は、431億62百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億34百万円増加しました。主な要因は、利益剰余金および為替換算調整勘定が増加したことによるものです。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて8億10百万円減少し、当連結会計年度末は147億28百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、56億34百万円(前期比2億31百万円収入増加)となりました。
主な内訳は、税金等調整前当期純利益33億66百万円、減価償却費の計上25億93百万円、減損損失の計上19億26百万円、投資有価証券売却益12億58百万円、売上債権の減少16億88百万円、法人税等の支払額23億69百万円などです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、32億81百万円(同23億93百万円支出減少)となりました。
主な内訳は、有形固定資産の取得による支出45億86百万円、投資有価証券の売却による収入12億95百万円などです。有形固定資産の取得による支出については、高純度薬品事業に係る半導体部門の生産設備の更新、次世代材料研究棟の建設、また運輸事業における輸送力の増強および安定化を目的とした設備投資を実施したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、37億17百万円(前期は94百万円の収入)となりました。
主な内訳は、長期借入金の返済による支出14億94百万円、自己株式の取得による支出13億48百万円、配当金の支払額8億25百万円などです。借入金については、適切な資金確保および健全な財務体質を維持することを目指し、成長維持に必要な設備投資・投融資資金の調達、適正な手元資金水準を鑑み、当連結会計年度においては、短期借入金と長期借入金合わせて14億94百万円の減少となりました。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループは事業活動を遂行するための適切な資金確保および健全な財務体質を維持することを目指し、安定的な資金調達手段の確保に努めています。成長を維持するために将来必要な運転資金および設備投資・投融資資金は、主として営業活動によるキャッシュ・フローと金融機関からの借入により調達しています。
資金の流動性については、事業規模に応じた適正な手元資金の水準を維持することとしています。
現在進行中である第3次中期経営計画においては、経営資源配分の基本方針として「資本効率・収益性・持続的成長に向けた長期視点等を意識した、成長投資や株主還元をバランス良く実施する」と定めており、当中期経営計画の3年間に成長投資として設備・IT投資に約130億円、研究開発投資に約50億円を充当する計画としています。
また、株主還元については、2023年5月9日付「株主還元方針の策定に関するお知らせ」にて開示しましたとおり、成長投資と株主還元のバランスに加え、資本効率の改善を図るため、株主還元については、適用期間を定めて総還元性向100%を目標といたします。新たな株主還元方針の適用期間については、2023年度(2024年3月期)から2024年度(2025年3月期)とし、当該期間の終了時点で見直しを行います。
当連結会計年度において、記載すべき重要な会計上の見積りはありません。