売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E00819 IFRS

売上高

2,849.4億 円

前期

2,631.1億 円

前期比

108.3%

時価総額

4,028.8億 円

株価

4,297 (04/25)

発行済株式数

93,757,956

EPS(実績)

216.40 円

PER(実績)

19.86 倍

平均給与

801.0万 円

前期

795.0万 円

前期比

100.8%

平均年齢(勤続年数)

47.1歳(23.1年)

従業員数

1,594人(連結:8,044人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3 【事業の内容】

当社グループ(当社および関係会社)は当社、子会社55社、関連会社7社およびその他の関係会社1社(2023年3月31日現在)で構成され、半導体関連材料、高機能プラスチック、クオリティオブライフ関連製品の製造および販売等の事業活動を行っております。

当社グループの事業における各社の位置付けおよびセグメントとの関連は次のとおりであります。

 

① 半導体関連材料

半導体封止用エポキシ樹脂成形材料は、子会社のSumitomo Bakelite Singapore Pte. Ltd.、蘇州住友電木有限公司、台湾住友培科股份有限公司が製造・販売しているほか、子会社の九州住友ベークライト㈱で製造し、製品の全量を当社が販売しております。
 半導体用液状樹脂は、当社および子会社のSumitomo Bakelite Singapore Pte. Ltd.、蘇州住友電木有限公司が製造・販売しているほか、子会社の九州住友ベークライト㈱で製造し、製品の全量を当社が販売しております。
 半導体基板材料「LαZ®」は、当社が製造・販売しております。
 なお、これらの製品の一部について、販売子会社のSumitomo Bakelite (Thailand) Co., Ltd.、住友倍克(香港)有限公司、Sumitomo Plastics America, Inc.およびSumitomo Bakelite Europe NV等を通じて販売しております。

 

② 高機能プラスチック

 フェノール樹脂成形材料は、当社および子会社のSumiDurez Singapore Pte. Ltd.、南通住友電木有限公司、Durez Canada Co., Ltd.、Sumitomo Bakelite North America, Inc.およびVyncolit NVが製造・販売しているほか、子会社の山六化成工業㈱で製造し、製品の大部分を当社が販売しております。
 工業用フェノール樹脂は、当社および子会社の南通住友電木有限公司、P.T. Indopherin Jaya、SNC Industrial Laminates Sdn. Bhd.、Sumitomo Bakelite Europe NV、Sumitomo Bakelite Europe (Barcelona), S.L.U.およびDurez Corporationが製造・販売しているほか、子会社の秋田住友ベーク㈱で製造し、製品の全量を当社が販売しております。
 成形品は、当社および子会社の上海住友電木有限公司が製造・販売しております。
 合成樹脂接着剤は、子会社の㈱サンベークが製造・販売しているほか、子会社の秋田住友ベーク㈱で製造し、製品の全量を子会社の㈱サンベークが販売しております。
 フェノール樹脂銅張積層板は、子会社のSNC Industrial Laminates Sdn. Bhd.が製造・販売しております。
 エポキシ樹脂銅張積層板は、当社および子会社の住友倍克澳門有限公司が製造・販売しております。
 航空機内装部品は、子会社のVaupell Holdings, Inc.および威派塑胶模具(東莞)有限公司等が製造・販売しております。

 なお、これらの製品の一部について、販売子会社のSumitomo Bakelite (Thailand) Co.,Ltd.、Rong Feng (H.K.) Industries Ltd.等を通じて販売しております。

  

 ③ クオリティオブライフ関連製品

SBカワスミ㈱は、自らが製造した医薬品を含む医療機器製品や、子会社のKawasumi Laboratories (Thailand) Co., Ltd.が製造した製品の大部分に加え、子会社の東莞住友電木有限公司が製造し、子会社の秋田住友ベーク㈱が買上げた医療機器製品の全量を販売しております。また、一部の医療機器製品は子会社のVaupell Holdings, Inc.等が製造・販売しております。
 熱可塑性樹脂製品は、まな板、保護帽等を子会社の住べテクノプラスチック㈱が製造・販売しているほか、パイプ等を子会社の北海太洋プラスチック㈱が製造・販売しております。
 ビニル樹脂シートおよび複合シートは、当社および子会社の南通住友電木有限公司が製造・販売しております。
 メラミン樹脂化粧板・化粧シートは、当社が製造・販売しております。
 鮮度保持フィルム「P-プラス®」は、当社が製造・販売しております。
 ポリカーボネート樹脂板は、当社が製造・販売しているほか、子会社のP.T. SBP Indonesiaが製造・販売し、製品の一部を当社が販売しております。
 塩化ビニル樹脂板は、当社が製造・販売しております。
 防水シートの製造・販売、防水工事の設計および施工請負は、子会社の住ベシート防水㈱が行っております。
 バイオ関連製品は、当社が研究開発・製造・販売を行っているほか、子会社の秋田住友ベーク㈱で製造した製品の全量を販売しております。また、一部の製品を子会社のVaupell Holdings, Inc.でも製造・販売しております。
 なお、これらの製品の一部について、筒中興産㈱が加工しているほか、販売子会社の㈱ソフテック、西部樹脂㈱、Sumitomo Bakelite (Thailand) Co., Ltd.およびKawasumi Laboratories America, Inc.等を通じて販売しております。
 

④ その他

試験・研究の受託を子会社の住ベリサーチ㈱が、電子材料分野に係る基礎研究の受託を子会社のPromerus LLCがそれぞれ行っております。
 また、工場の跡地等について、土地の賃貸を当社が行っております。

 

 

事業の系統図(2023年3月31日現在)

 

※画像省略しています。

(注) 1 矢印は製品および材料等の支給または販売を示しております。

2 会社名の無印は連結子会社を、※はその他の関係会社を示しております。

 

23/06/22

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の状況)

(1) 当期の経営成績の状況

当期の経済環境は、ウクライナ情勢の長期化による資源価格の高騰とそれらに伴う物価全般の上昇、中国における新型コロナウイルスの感染者増加による景況悪化、コロナ禍からの回復過程により生じた巣ごもり関連需要の終了など激しい変化がみられました。また為替相場は昨年後半に記録的な円安・ドル高となるなど、期を通じて円安傾向が続きました。

このような情勢のもと、当社グループの売上収益は、円安為替評価による海外売上の増加に加え、原料価格上昇に対応して製品価格改定を行った結果、前期と比べ8.3%増(以下の比率はこれに同じ)の2,849億39百万円となりました。損益につきましては、半導体関連材料および高機能プラスチック製品の市況悪化に加え、海外拠点での人手不足を背景とする人件費増加、エネルギーコストの高騰などにより、事業利益は、3.9%減の254億48百万円、営業利益は、0.3%減の248億23百万円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、受取利息・受取配当金の増加等により10.9%増の202億89百万円(過去最高益)となりました。

ROEにつきましては、分子である親会社の所有者に帰属する当期利益が前期と比べ増加したものの、為替変動の影響により分母である親会社の所有者に帰属する持分の増加額が上回った結果、0.1%減の8.4%となりました。

 

(セグメント別販売状況)

① 半導体関連材料

[売上収益 79,540百万円(前期比 5.0%増)、事業利益 15,323百万円(同 7.2%減)]

 

半導体関連材料は主力の半導体封止用エポキシ樹脂成形材料が、前年度好調だったパソコンやスマートフォンなど民生向けの需要が、巣ごもり需要終了の影響等により冷え込み、在庫調整局面が長期化していることから販売数量が減少しました。売上収益については原料価格上昇に伴う価格改定と円安影響により増加しましたが、事業利益はコスト削減の取り組みにもかかわらず販売数量減少の影響が大きく前期比減益となりました。

感光性ウェハーコート用液状樹脂は、主要用途であるメモリー需要が堅調に推移しており、販売数量、売上収益ともに前期並みで推移しました。

半導体用ダイボンディングペーストは、民生用途の需要減少、顧客での在庫調整が長期化し、販売数量、売上収益は前期を下回りました。

半導体パッケージ基板材料「LαZ®」シリーズは、中国市場のスマートフォン需要低迷が長期化しており売上収益が減少しました。

 

② 高機能プラスチック

[売上収益 102,351百万円(前期比 11.0%増)、事業利益 4,637百万円(同 21.9%減)]

 

高機能プラスチックは、主力の工業用フェノール樹脂およびフェノール樹脂成形材料が、中国での新型コロナウイルス感染者数増加による生産・消費活動の停滞影響で国内・アジア地域の販売数量が大幅に減少しました。製品価格の改定、北米の経済環境改善等による売上収益の押上げ要因はありましたが、主力のアジア地域での販売数量減少分をカバーできず事業利益は前期を大きく下回りました。

銅張積層板は、エアコン用、LED照明用基板の販売が好調に推移してきましたが、年明け以降、顧客での在庫調整局面に入ったことにより売上収益は前期比で横ばいでした。

航空機内装部品は、航空産業の事業環境改善を背景に売上収益が大幅に増加し、収益力も生産合理化や製品価格改定で改善しました。

 

 

③ クオリティオブライフ関連製品

[売上収益 102,273百万円(前期比 8.3%増)、事業利益 9,210百万円(同 24.0%増)]

 

クオリティオブライフ関連製品は医療機器製品、ビニル樹脂シートおよび複合シートの販売が好調に推移しており、過去最高の売上収益、事業利益となりました。

医療機器製品は、北米向けの採血キット、アジア向けの血液バッグなど輸出販売が好調なことに加え、北米の医療機器製造子会社の業績も好調なことから、売上収益は大幅に増加しました。

バイオ関連製品は、高付加価値品の販売に注力しましたが、国内向け一般品の販売が減少したこともあり売上収益は前期並みでした。

ビニル樹脂シートおよび複合シートは、産業用途が半導体市況の悪化、スマートフォンの販売減などの影響を受けて販売数量が減少しましたが、医薬品包装用途はジェネリック医薬品向けを中心に好調を持続し、食品包装用途も堅調に推移したことから売上収益は前期比で大幅に増加しました。

ポリカーボネート樹脂板および塩化ビニル樹脂板は、原料価格上昇等に対応して製品価格改定を進めて収益力改善に努めてきましたが、サングラス用の偏光板用途で需要回復が遅れており、売上収益は前期比で横ばいでした。

防水関連製品は、新築住宅向け屋根防水工事を中心に需要が回復基調で売上収益は増加しました。

 

(2) 当期の財政状態の状況

①資産の部

資産合計は、前連結会計年度末に比べ76億21百万円増加し、3,784億57百万円となりました。

主な増減は、現金及び現金同等物の減少と、棚卸資産および有形固定資産の増加であります。

②負債の部

負債合計は、前連結会計年度末に比べ179億35百万円減少し、1,207億66百万円となりました。

主な増減は、コマーシャル・ペーパーの償還による減少であります。

③資本の部

資本合計は、前連結会計年度末に比べ255億56百万円増加し、2,576億92百万円となりました。

主な増減は、当期利益の計上および為替変動影響による増加と、配当金の支払による減少であります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金および現金同等物(以下、資金)は、前連結会計年度末に比べ95億97百万円減少し、996億20百万円となりました。

①営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動により得られた資金は236億18百万円となりました。

これは主に、税引前利益および減価償却費による収入と、営業債務の減少による支出の結果であります。前期と比べると43億2百万円の収入の減少となりました。

②投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動に用いた資金は156億48百万円となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出の結果であります。前期と比べると51億80百万円の支出の増加となりました。

③財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動に用いた資金は229億54百万円となりました。

これは主に、コマーシャル・ペーパーの償還による支出と、配当金の支払による支出の結果であります。前期と比べると36億46百万円の支出の増加となりました。

 

 

(4) 資本の財源および資金の流動性に係る情報

  ①財務戦略の基本的な考え方

 当社グループは、健全かつ安定した財務基盤の維持を前提に、資産効率の向上を図り、事業活動の成長と拡大のための投資を継続的に行い、安定かつ継続的に株主還元を行うことを財務戦略の基本方針としております。

 財務基盤に関しては、親会社所有者帰属持分比率は65%を超え、ネットキャッシュは500億円超のプラスという状況で、安定した水準を維持しております。引き続き財務体質の改善、信用力向上のための取組みに努めてまいります。また、資産効率に関しては、以下の施策をこれまで以上に強力に推進してまいります。

・収益性向上による営業キャッシュ・フロー確保のため、低採算・不採算事業の撲滅改善、製造原価の低減に加え、開発効率の向上や間接業務の効率化等の費用削減。

・資産のスリム化のため、売掛債権の回収促進、棚卸資産の適正水準や滞留の管理強化、政策保有株式の適宜見直し、不要・遊休資産の処分・売却の徹底、グローバルおよびリージョナルファイナンスによるグループ内資金の効率的な活用。

 また、当社グループ事業の成長と拡大のための研究開発および設備投資、さらなる成長スピードを加速させるためのM&A、DX等の戦略的な投資を積極的に実施してまいります。自己資金や外部から借り入れた資金をこれらの投資に配分しますが、様々なリスクに見合った財務健全性の確保と、適正な財務レバレッジコントロールの観点から、適切な負債・資本のバランスとして親会社所有者帰属持分比率は最低50%を維持してまいります。さらに株主還元では配当性向30%を目安に、連結業績に応じて安定した配当を継続して実施してまいります。

 

②資金需要

 当社グループの資金需要の主なものは、生産効率および品質の維持向上、生産能力増強を目的とした設備投資等の長期の資金需要と、製品製造のための原材料および部品の購入費、製造経費、販売費及び一般管理費等の運転資金需要のほか、M&A、DX等の戦略的投資のための需要があります。

 

③資金調達

 当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、自己資金および外部資金を有効に活用しております。

 資金調達にあたっては、様々な手段の中から、その時々の市場環境も考慮したうえで、当社グループにとって最適かつ有利な手段を機動的に選択しております。

 当社グループは、主要な取引先金融機関との間で長年にわたり良好な関係を維持しており、長期借入金、短期借入金、シンジケートローン等による資金調達のほか、緊急時の手元流動性と資金調達枠の確保を目的として、取引先金融機関との間に短期借入金枠およびコミットメントラインを設定しております。さらに金融市場からの安定的な資金調達能力の維持向上に努め、国内2社の格付機関から格付けを取得し、コマーシャル・ペーパーの発行による資金調達も行っております。

 これらにより運転資金および設備資金に加え、戦略的な投資に対しても十分な流動性が確保でき、機動的かつ円滑な資金調達が可能となっております。

 

(5) 生産、受注および販売の実績

①生産実績および受注実績

当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産を行わないため、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

このため生産の実績については、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (セグメント別販売状況)」に関連付けて示しております。

 

 

②販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比増減(%)

半導体関連材料

79,540

5.0

高機能プラスチック

102,351

11.0

クオリティオブライフ関連製品

102,273

8.3

その他

775

21.3

合計

284,939

8.3

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(6) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、売上収益、事業利益、ROEを業績目標の指標に設定しております。

中期経営計画で掲げた最終年度(2023年度)の数値目標は「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境および対処すべき課題」および「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」に、各指標の当連結会計年度における達成状況については「(1) 当期の経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

(7) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。