売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00819 IFRS


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績等の状況

当第3四半期連結累計期間の経済環境は、不動産不況を背景とする中国国内の景気悪化、欧米での金融引き締めによる設備投資の鈍化、世界的な民生機器の販売不振、原油相場の下落に伴う各種石油化学製品価格の軟化などがみられました。また為替相場は期初から一方的に進んだ円安・ドル高基調から一転、年末にかけて急激に円高・ドル安方向に変動しました。

このような情勢のもと、当社グループの売上収益は、前年同期と比べ0.6%減(以下の比率はこれに同じ)の2,154億54百万円となりました。損益につきましては、事業利益は、1.7%増の206億56百万円、営業利益は、2.6%増の205億40百万円となりました。親会社の所有者に帰属する四半期利益は、受取利息の増加等により11.6%増の180億29百万円となりました。

 

(セグメント別販売状況)

① 半導体関連材料

[売上収益 62,343百万円(前年同期比 1.3%増)、事業利益 12,612百万円(同 0.6%減)]

 

半導体封止用エポキシ樹脂成形材料は、半導体用途ではパソコン、スマートフォンなどの生産・販売が世界的に低迷していることから民生家電向けの販売は苦戦が続いておりますが、モビリティー用途でEV比率の向上や中国国内での販売が増加したことから、販売数量・売上収益は前年同期を上回りました。

感光性ウェハーコート用液状樹脂は、今秋以降在庫調整局面入りし、売上収益は前年同期を下回りました。

半導体用ダイボンディングペーストは、台湾などの民生家電向けの販売不調により売上収益は前年同期を下回りました。

半導体パッケージ基板材料「LαZ®」シリーズは、中国製スマートフォン向けの販売が順調に伸び、売上収益は前年同期を上回りました。

 

② 高機能プラスチック

[売上収益 74,745百万円(前年同期比 3.0%減)、事業利益 3,170百万円(同 9.7%増)]

 

工業用フェノール樹脂およびフェノール樹脂成形材料は、第3四半期に入りアジア地区での販売状況に改善がみられますが、北米での自動車タイヤ用および欧州での建築断熱材用で販売数量が低迷しており、売上収益は前年同期比で大幅に減少しました。

銅張積層板は、エアコン用、家電用の市況が低迷しており、売上収益は大幅に減少しました。

航空機内装部品は、アフターコロナの旅客輸送の増加にともない航空機生産が増加していることに加え、経営体質改善が進んだことから売上収益は大幅に増加しました。

フェノール樹脂成形品は、中国国内での自動車向けの拡販が順調に進んだことから売上収益は増加しました。

 

③ クオリティオブライフ関連製品

[売上収益 77,847百万円(前年同期比 0.4%増)、事業利益 7,659百万円(同 2.7%増)]

 

医療機器製品は、欧州向けの製品で在庫調整により販売数量は減少した一方、アジア・米国向けで血液関連製品が大幅に増加していることから売上収益は前年同期を上回りました。

バイオ関連製品は、国内企業向けで新型コロナウイルスによる特需が落ち着き、売上収益は減少しました。

ビニル樹脂シートおよび複合シートは、医薬品包装用がジェネリック医薬品の在庫拡充要請で好調を継続しておりますが、中国向けを中心に産業用フィルムの販売数量が減少し売上収益は前年同期比で減少しました。

ポリカーボネート樹脂板および塩化ビニル樹脂板は、サングラス用偏光板や車載用ヘッドアップディスプレイなどの付加価値用途で販売数量を伸ばした一方、主力の国内建材用途の販売数量減が長期化しており、売上収益は前年同期比で減少しました。

アルミメラミン化粧板は鉄道車両内装で売上収益を順調に伸ばしました。

防水関連製品は、新築住宅メーカー向けを中心に好調に推移し、売上収益は増加しました。

 

(2) 財政状態の状況

①資産の部

資産合計は、前連結会計年度末に比べ287億98百万円増加し、4,072億55百万円となりました。

主な増減は、有形固定資産および現金及び現金同等物の増加であります。

②負債の部

負債合計は、前連結会計年度末に比べ58億41百万円増加し、1,266億7百万円となりました。

主な増減は、コマーシャル・ペーパーの発行による増加であります。

③資本の部

資本合計は、前連結会計年度末に比べ229億56百万円増加し、2,806億48百万円となりました。

主な増減は、四半期利益の計上および為替変動影響による増加と、配当金の支払および自己株式の取得による減少であります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結会計期間末の現金および現金同等物(以下、資金)は、前連結会計年度末に比べ92億70百万円増加し、1,088億89百万円となりました。

①営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動により得られた資金は269億45百万円となりました。

これは主に、税引前四半期利益および減価償却費の計上による収入と、法人所得税の支払による支出の結果であります。前年同期と比べると150億95百万円の収入の増加となりました。

②投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動に用いた資金は156億48百万円となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出と、定期預金の払戻による収入の結果であります。前年同期と比べると29億33百万円の支出の増加となりました。

③財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動に用いた資金は61億83百万円となりました。

これは主に、コマーシャル・ペーパーの発行による収入と、配当金の支払および自己株式の取得による支出の結果であります。前年同期と比べると161億2百万円の支出の減少となりました。

 

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につい て、重要な変更はありません。重要な会計上の見積りについては、「第4  経理の状況 要約四半期連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。

 

(6) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は93億48百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。