E33603 Japan GAAP
前期
1,288.4億 円
前期比
110.2%
株価
2,595 (03/28)
発行済株式数
15,460,000
EPS(実績)
87.06 円
PER(実績)
29.81 倍
前期
730.7万 円
前期比
99.0%
平均年齢(勤続年数)
42.7歳(11.9年)
従業員数
58人(連結:4,342人)
当社グループは「森六グループは、未来を先取りする創造力と優れた技術で高い価値を共創し、時を越えて、グローバル社会に貢献します。」を経営理念とし、寛文3年(1663年)の創業以来、主たる業務であるケミカル事業と樹脂加工製品事業で事業基盤を構築してまいりました。
また、当社グループは、当社(森六ホールディングス㈱)、国内外の連結子会社27社および関係会社6社により構成されており、自動車部品の「メーカー」機能と、化学分野における「商社」機能を併せ持つことを特徴としております。
樹脂加工製品事業では、森六テクノロジー㈱を中心に、主に自動車四輪部品の開発から生産・販売まで一貫して行い、高品質・高性能な製品づくりが可能な生産拠点をグローバルに展開することで、強固な生産・開発体制を構築しております。加えて、㈱ユーコウではエンジニアリングプラスチックを用いた精密樹脂部品の製造・販売を行っております。
また、ケミカル事業では、森六ケミカルズ㈱を中心に、無機・有機薬品の基礎化学品から医農薬中間体、農薬・肥料、プラスチック、さらにはフィルム・シートの樹脂加工製品等、化学製品全般を取り扱っております。さらに、四国化工㈱による高機能多層フィルムや、五興化成工業㈱によるケミカル合成等、「ものづくり」も展開しております。
当社グループは各事業のシナジーを発揮し、化学品に対する知識や、グローバルな販売網を活かし、ケミカル事業から樹脂加工製品事業へ原材料供給やノウハウを共有するとともに、樹脂加工製品事業の製造ノウハウ・独自技術でお客様とともに高い価値を共創してまいります。
当社グループの事業内容および当社と主要な関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであり、次の2事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することになります。
(1)樹脂加工製品事業
当事業は国内外連結子会社13社および関係会社1社で構成されており、森六テクノロジー㈱を中核として、主に自動車四輪部品(内装樹脂部品、外装樹脂部品等)の製造・販売を行っております。当事業では、自動車四輪部品が軽量化に向けて鉄から樹脂への材料置換が進む中、大型樹脂部品の製造ノウハウや加飾技術を強みと考えており、日本・北米・中国・アジア四極のグローバルな生産・開発体制を特色としております。
現在、自動車業界では環境に対する配慮から燃費向上とCO₂排出量削減が大きな課題となっており、ハイブリッド自動車や電気自動車等、次世代自動車へシフトする動きがグローバルで展開されています。これに伴い、自動車メーカー各社は車両の「軽量化」に取り組んでおり、当社の樹脂部品はその実現に貢献できると考えております。
①主要製品
主力である自動車四輪部品の主要商品は以下のとおりであります。内装樹脂部品ではセンターパネル、センターコンソール、アウトレット等の主にインストルメントパネル周辺部品で、外装樹脂部品はサイドシル、カウルトップ、テールゲートスポイラー等が挙げられます。
近年では、新規でドアライニング(ドアの内側部分)の開発に取り組み、軽量化・加飾等の独自技術を加えた商品の開発が完了、量産がスタートしております。また、ボディ外装部品の樹脂化ニーズの調査研究を継続しており、テールゲート(バックドア)の樹脂化に関する材料・工法等の基礎研究が完了し、今後の採用製品の拡大および軽量化ニーズへの提案を行っております。
区分 |
製品名 |
概要 |
特徴 |
内装樹脂部品 |
センターパネル |
運転席と助手席の間にあるスイッチ類が収められている部分 |
・木目調、金属調、高光沢、高輝度等、多種多様な意匠 ・より高い利便性や操作性を実現 |
センターコンソール |
前席左右の間に設けられた箱状の収納部分 |
||
アウトレット |
エアコンの吹き出し部分 |
||
グローブボックス |
ダッシュボード(助手席前の部分)に付いている収納スペース |
||
ガーニッシュ |
様々な箇所を飾る装飾パネルや加飾パーツ等の装飾品全般 |
||
ドアライニング |
ドアの内張り |
||
外装樹脂部品 |
サイドシル |
ドア下に位置する部材で、シルとは敷居のこと |
・ボディと一体化した樹脂部品を製造 ・高度な成形技術と塗装技術により、耐久性と併せて非常に高い外観品質を実現 |
カウルトップ |
フロントワイパー下の樹脂パーツ部分 |
||
テールゲートスポイラー |
上下開きのバックドアのガラス上部に配置される樹脂パーツ部品 |
||
フロントグリル |
車両前面の網目状の部分 |
||
フューエルフィラーリッド |
給油口の蓋、カバーのこと |
||
ホイールアーチ |
車輪部分の車体の切り欠きのこと |
②開発・量産体制
顧客ニーズに対応するため、国内はもちろん北米・中国・アジアに事業を展開しており、グローバルでの設計・開発から量産までの一貫体制を構築しております。主に自動車四輪樹脂部品の製造・販売を行っておりますが、熊本森六化成㈱では二輪車部品の製造・販売を中心としており、㈱ユーコウでは精密樹脂部品の製造・販売を行っております。
(製造拠点)
区分 |
国名・地域 |
会社名 |
国内 |
日本 |
森六テクノロジー㈱(関東工場、鈴鹿工場)、熊本森六化成㈱、㈱ユーコウ |
海外 |
北米 |
Greenville Technology, Inc.(注)、Listowel Technology, Inc.、Rainsville Technology, Inc.(注)、Moriroku Technology De Mexico S.A. DE C.V. |
中国 |
広州森六塑件有限公司、武漢森六汽車配件有限公司 |
|
アジア |
Moriroku Philippines, Inc.、Moriroku Technology (Thailand) Co.,Ltd.、PT. Moriroku Technology Indonesia、Moriroku Technology India Pvt. Ltd. |
(開発拠点)
区分 |
国名・地域 |
会社名 |
国内 |
日本 |
森六テクノロジー㈱(真岡) |
海外 |
北米 |
Greenville Technology, Inc.(注)、Moriroku Technology De Mexico S.A. DE C.V. |
中国 |
広州森六塑件有限公司 |
|
アジア |
Moriroku Technology (Thailand) Co.,Ltd. |
(注)Greenville Technology, Inc.とRainsville Technology, Inc.は、2023年3月15日、Greenville Technology, Inc.を存続会社とする吸収合併契約を締結しました。両社は2023年4月1日に合併し、Moriroku Technology North America Inc.へ商号変更しております。
(2)ケミカル事業
当事業は国内外連結子会社14社および関係会社5社で構成されており、森六ケミカルズ㈱を中核として、電機・電子材料、自動車材料、コーティング、ファインケミカル、生活材料および樹脂加工製品分野において、化学品・合成樹脂製品の販売・製造ならびに輸出入を行っております。当事業は当社グループの祖業であり、創業から350年以上に亘って蓄積された化学品に対する知識、自ら樹脂加工を手掛けていることによる製造現場の理解、グローバルな販売網を特色としております。
①分野別主要取扱商品
各分野別の主要取扱商品は以下のとおりであります。
分野 |
主要取扱商品 |
電機・電子材料 |
LED材料、放熱材料、各種レンズ材料、半導体工程材料 |
自動車材料 |
合成樹脂、摩擦材原料、制振塗料 |
コーティング |
塗料原料、粘・接着原料、界面活性剤原料 |
ファインケミカル |
医農薬中間体原料、化粧品原料、機能材料、機能性食品素材 |
生活材料 |
合成樹脂、フィルム・シート、油吸着材 |
樹脂加工製品 |
二輪車部品、電動工具部品 |
②販売・製造体制
市場のグローバル化に対応するため、中国・アジア・欧州・北米に事業を展開しており、自動車関連のビジネスに強みがあると考えており、樹脂加工製品事業と関連のあるタイ・中国が海外主要拠点となっております。
(販売拠点)
以下の販売拠点でグローバルに化学品・樹脂商品の輸出入・販売を行っております。なお、森六アグリ㈱では主に肥料、農薬、農業被覆資材、農産物、飼料の販売を行っております。
区分 |
国名・地域 |
会社名 |
国内 |
日本 |
森六ケミカルズ㈱、森六アグリ㈱、四国化工㈱ |
海外 |
中国 |
森六(香港)有限公司、森六(上海)貿易有限公司、森六(広州)貿易有限公司、森六(天津)化学品貿易有限公司 |
アジア |
Moriroku (Singapore) Pte., Ltd.、Moriroku (Thailand) Co., Ltd.、Moriroku Chemicals Korea Co., Ltd.、PT. Moriroku Chemicals Indonesia、Moriroku Chemicals India Private Limited、 森六ケミカルズ㈱(ベトナム駐在員事務所) |
|
欧州 |
Moriroku Austria GmbH、森六ケミカルズ㈱(イスラエル駐在員事務所) |
|
北米 |
Moriroku America, Inc. |
(製造拠点)
単に化学素材や製品の流通をグローバルにコーディネートするだけでなく、ひと手間加え、お客様のニーズに適った高い付加価値を有する様々な素材・製品を開発・提供する「ものづくり」を下表のとおり実践しております。
なかでも、四国化工㈱では多種多層のインフレーションフィルム成形のパイオニアとして、特殊な技術と品質管理により、様々な樹脂素材を組み合わせ、機能的なフィルムを製造しております。耐熱性、耐久性、安全性、衛生性、ガスバリア性を有しており、食品分野では生肉、ハム・ソーセージの業務用食品包装フィルム、医療分野では製薬会社との共同開発により機能性点滴バッグ(*)を製造しております。
*機能性点滴バッグとは、1つの点滴バッグが最大で4室に分かれており、力を入れて押すと中央のシール部分が開通し、それぞれに入っている薬液や粉薬が使用直前に混合できるもの。
区分 |
国名・地域 |
会社名 |
事業概要 |
国内 |
日本 |
五興化成工業㈱ |
医農薬中間体、制振塗料等の製造・販売 |
四国化工㈱ |
高機能多層フィルムの製造・販売 |
||
アイ・エム・マテリアル㈱ |
化学品・樹脂等の低温粉砕加工 |
||
中部化学㈱ |
自動車用押出成形部品の製造・販売 |
||
海外 |
アジア |
四国化工(上海)有限公司 |
高機能多層フィルムの製造・販売 |
北米 |
M&C Tech Indiana Corporation |
自動車用押出成形部品の製造・販売 |
[事業系統図]
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
※画像省略しています。
(注)上図には連結子会社および持分法適用会社を記載しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、経済活動の制限緩和に伴い、緩やかな回復基調で推移しました。一方、世界的な物価上昇や金融引締め、ウクライナ情勢の長期化に伴う原材料・エネルギー価格の高騰など様々な課題に直面し、先行きは依然として不透明な状況が続いています。
当社グループの主な事業領域である自動車業界では、半導体不足や中国のロックダウン等によるサプライチェーンの混乱により、完成車メーカーの生産調整が長期化し、厳しい状況で推移しました。一方、化学業界では、ナフサ価格に連動した販売価格の上昇や経済活動の再開に伴う需要の回復等により、堅調に推移しました。
このような事業環境のもと、当社グループは、生産性の向上や、需要変動に対応したフレキシブルな生産・供給体制の構築を進め、収益確保に努めてまいりました。
2022年5月に公表した第13次中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)に基づき、樹脂加工製品事業では、次世代自動車の快適性やデザイン性、環境性能の向上に繋がる研究開発を推進するとともに、ケミカル事業では、既存事業の深掘りと新規商材の拡大に注力しました。また、新規事業の創出、カーボンニュートラルに向けた取組み、グローバルでの安全な供給網の構築など、持続的な企業価値向上に向けた施策にも取り組んでまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は、主要顧客の減産はあったものの、円安による為替影響等により、142,019百万円(前期比10.2%増)となりました。利益面では、減産影響に加えて、インフレ影響や北米の人件費高騰に伴うコスト増が響き、営業利益は1,335百万円(前期比53.1%減)、為替差益を計上した影響で経常利益は1,596百万円(前期比46.2%減)となりました。また、投資有価証券売却益を計上したものの、海外子会社における減損損失の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は1,346百万円(前期比68.4%減)となりました。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
増 減 |
売上高 |
128,842 |
142,019 |
13,177 |
営業利益 |
2,846 |
1,335 |
△1,510 |
営業利益率(%) |
2.2 |
0.9 |
△1.3pt |
経常利益 |
2,965 |
1,596 |
△1,369 |
親会社株主に帰属する当期純利益 |
4,259 |
1,346 |
△2,912 |
1株当たり当期純利益(円) |
258.92 |
86.34 |
△172.58 |
1株当たり配当金(円) |
94.00 |
100.00 |
6.00 |
為替(円/ドル) |
112.4 |
135.5 |
23.1 |
為替(円/中国元) |
17.0 |
19.5 |
2.5 |
KL当たりナフサ価格(円/KL) (期中平均) |
56,100 |
76,500 |
20,400 |
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(樹脂加工製品事業)
樹脂加工製品事業においては、半導体不足や中国のロックダウン等による主要顧客の減産の影響を受けたものの、円安による為替影響により、売上高は前期を上回りました。利益面では、市況影響の価格転嫁を進めるとともに、生産工程の見直しや自動化・省人化による生産性の向上に努めたものの、減産や生産計画の変動に伴う稼働ロス、原材料・エネルギー価格の高騰、北米の人件費高騰や要員確保のための労務費負担など生産コストの増加が重なり、前期比で減益となりました。
このような結果、当連結会計年度の売上高は112,259百万円(前期比10.3%増)、営業利益は100百万円(前期比92.0%減)となりました。
(ケミカル事業)
ケミカル事業においては、完成車メーカーの減産の影響を受け、モビリティ分野の取引が減少したほか、スマホ需要の低迷により電子機器向けの原材料販売が伸び悩みました。ライフサイエンス・ファインケミカル分野も、顧客の在庫調整の影響等により、下期にかけて需要が低迷しました。一方、ナフサ価格は高い水準で推移し、販売価格の上昇と円安による為替影響により、売上高は前期を上回りました。利益面では、原材料・エネルギー価格の高騰によるものづくり分野の収益性の低下や、運賃・出張費等の増加による販売費及び一般管理費の増加等により、前期比で減益となりました。
このような結果、当連結会計年度の売上高は29,759百万円(前期比10.0%増)、営業利益は1,575百万円(前期比14.2%減)となりました。
また、地域別の売上高の状況は次のとおりであります。
(日本)
日本では、半導体不足の状況は徐々に回復し、生産台数は前期比で増加しました。しかしながら、ケミカル事業では、モビリティ分野の取引減少や、スマホ需要の低迷により電子機器向けの原材料販売が伸び悩みました。その結果、売上高は33,592百万円(前期比6.0%減)となりました。
(北米)
北米では、半導体不足が次第に改善され、生産台数は前期比で増加し、さらに、新機種の金型売上も計上しました。その結果、売上高は62,946百万円(前期比27.3%増)となりました。
(アジア)
アジアでは、中国においてロックダウンにより生産台数は減少しましたが、一方でタイやインドネシアでは生産台数が増加しました。その結果、売上高は45,121百万円(前期比4.9%増)となりました。
(その他)
その他の地域の売上高は359百万円(前期比40.3%減)となりました。
②財政状態
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
増 減 |
流動資産 |
77,058 |
73,679 |
△3,379 |
固定資産 |
60,066 |
58,117 |
△1,948 |
資産合計 |
137,125 |
131,797 |
△5,327 |
流動負債 |
55,961 |
53,502 |
△2,459 |
固定負債 |
9,095 |
7,611 |
△1,483 |
負債合計 |
65,057 |
61,114 |
△3,943 |
純資産合計 |
72,067 |
70,683 |
△1,384 |
自己資本比率(%) |
51.6 |
52.6 |
1.0pt |
自己資本額 |
70,690 |
69,326 |
△1,363 |
負債純資産合計 |
137,125 |
131,797 |
△5,327 |
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は73,679百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,379百万円減少しました。これは主に、仕掛品が2,400百万円、原材料及び貯蔵品が1,102百万円減少したこと等によるものであります。
また、固定資産は58,117百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,948百万円減少しました。これは主に、機械装置及び運搬具が742百万円増加した一方、投資有価証券が3,391百万円減少したこと等によるものであります。
これらの結果、資産合計は131,797百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,327百万円減少しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は53,502百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,459百万円減少しました。これは主に、支払手形及び買掛金が2,258百万円減少したこと等によるものであります。
また、固定負債は7,611百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,483百万円減少しました。これは主に繰延税金負債が752百万円、長期借入金が752百万円減少したこと等によるものであります。
これらの結果、負債合計は61,114百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,943百万円減少しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は70,683百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,384百万円減少しました。これは主に、為替換算調整勘定が2,033百万円増加した一方、その他有価証券評価差額金が1,881百万円減少し、自己株式が1,275百万円増加したこと等によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
増 減 |
営業活動によるキャッシュ・フロー |
3,434 |
9,495 |
6,061 |
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△1,140 |
△5,311 |
△4,171 |
フリー・キャッシュ・フロー |
2,294 |
4,184 |
1,890 |
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△2,824 |
△5,310 |
△2,485 |
現金及び現金同等物の増減額(△減少) |
425 |
△699 |
△1,125 |
現金及び現金同等物の期末残高 |
18,358 |
17,658 |
△699 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より699百万円減少し、17,658百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは9,495百万円となり、前連結会計年度より6,061百万円増加しました。これは主に、税金等調整前当期純利益の減少があった一方、棚卸資産が減少したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは△5,311百万円となり、前連結会計年度より4,171百万円減少しました。これは主に、投資有価証券の売却による収入が減少したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは△5,310百万円となり、前連結会計年度より2,485百万円減少しました。これは主に、自己株式の取得による支出が減少した一方、短期借入金の返済が進んだこと等によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
樹脂加工製品事業(百万円) |
119,707 |
107.1 |
ケミカル事業(百万円) |
11,749 |
100.1 |
合計(百万円) |
131,456 |
106.4 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
樹脂加工製品事業 |
105,653 |
108.4 |
3,837 |
99.8 |
ケミカル事業 |
76,247 |
102.7 |
2,055 |
89.2 |
合計 |
181,900 |
106.0 |
5,892 |
95.8 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当社グループの役割が代理人に該当する取引については純額で収益を認識しておりますが、受注高及び受注残高については総額の数値を記載しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
樹脂加工製品事業(百万円) |
112,259 |
110.3 |
ケミカル事業(百万円) |
29,759 |
110.0 |
合計(百万円) |
142,019 |
110.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
Honda Development & Manufacturing of America, LLC |
37,386 |
29.0 |
44,618 |
31.4 |
本田技研工業株式会社 |
19,625 |
15.2 |
17,373 |
12.2 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析、検討内容
経営成績等の状況に関する認識および分析、検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
経営成績に影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、コーポレート・ガバナンス体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合った商品・製品を提供することにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減した上で、適切な対応を図ってまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金需要)
当社グループの資金需要は、大きく分けて運転資金と設備資金の二つです。運転資金の主なものは、製造子会社で製品を製造するための原材料仕入と製造費、商社として機能するための商品の仕入、共通するものとして販売費及び一般管理費等があります。設備資金の主なものは、増産や自動化・効率化、生産品目のモデルチェンジ対応のための建物や機械装置、金型等の有形固定資産取得に加え、情報処理のための無形固定資産取得等があります。
(財務政策)
当社グループは、事業活動のために健全なバランスシートと適正な流動資産の保持を財務方針としております。運転資金、設備資金については、まず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を充当し、不足分について有利子負債での調達を実施しております。長期借入については、事業計画に基づく資金需要、金利動向、既存借入金の返済時期等を考慮の上、調達を行っており事業継続に必要な資金を十分に賄えていると考えております。なお、投資有価証券の売却により調達した資金は、設備資金のほか、新規事業投資、環境投資に充当いたします。
また、不測の事態に備え、取引金融機関と当座貸越契約を締結し、代替流動性を確保しております。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、主な経営指標として、企業の事業活動の成果を示す営業利益に注視し、収益性判断の指標に営業利益率を掲げているほか、資本および資産の効率性判断の指標にROE(自己資本利益率)、財務の安定性判断の指標に自己資本比率を掲げております。また、当社グループは2023年3月期から2025年3月期までの中期経営計画を策定しており、最終年度である2025年3月期の目標値を営業利益率7.7%以上、ROE(自己資本利益率)9.0%以上に設定しております。
当連結会計年度を含む、直近2会計年度の各指標の推移は、次のとおりであります。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。
|
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
営業利益率 |
2.2% |
0.9% |
ROE(自己資本利益率) |
6.1% |
1.9% |
自己資本比率 |
51.6% |
52.6% |
株主総還元性向 |
62.1% |
214.3% |
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。