E40985
前期
1,070.9億 円
前期比
110.2%
株価
3,100 (03/18)
発行済株式数
99,312,695
EPS(実績)
100.14 円
PER(実績)
30.96 倍
平均年齢(勤続年数)
43.0歳(2.7年)
従業員数
452人(連結:1,869人)
当社は、半導体用フォトマスクの製造・販売会社として、TOPPANグループから吸収分割により事業を継承する会社として設立され、2022年4月より営業を開始しました。
当社グループは、当社、連結子会社13社及び持分法適用会社2社の計16社で構成されており、世界各地に広がるサービスネットワークと主要な半導体需要地域に所在する8つの製造拠点を活用し、EUVフォトマスク生産などを手掛ける等、業界最先端の技術開発力で、外販フォトマスク市場のリーディングカンパニーとして事業活動を行っております。また、微細加工技術を応用し、ナノインプリントモールド等の新事業領域の開拓を進めております。
当社グループの事業は、前身であるTOPPANグループにおいて印刷テクノロジーの一つである微細加工技術を応用し、1968年にトランジスタ用のマスクの量産を開始したことに端を発しております。以来、半世紀以上に及ぶ歴史の中で、台湾に中華凸版電子股份有限公司(現:中華科盛德光罩股份有限公司)を設立し、またDuPont Photomasks Inc.を買収することで、今日では世界各国に製造拠点を有する外販フォトマスクメーカーとして、2024年において半導体向け外販フォトマスク市場におけるシェア38.9%というトップの位置におります。(出典:SEMI「2024 PHOTOMASK CHARACTERIZATION STUDY」)
当社グループの報告セグメントはフォトマスク事業の単一セグメントでありますが、事業の内容の記載にあたりましては、以下「フォトマスク事業領域」と「新事業領域」に区分して記載いたします。
(フォトマスク事業領域)
フォトマスクとは、フォトリソグラフィ技術※において、対象物に任意の図形(パターン)を転写するための原版となるガラス基板であり、一般に写真のネガに例えられます。
今日では半導体製造工程の一つである露光(リソグラフィ)プロセスにおいて広く使用されており、フォトマスク上の半導体回路パターンをシリコンウェハ上に縮小露光することにより微細な回路パターンを形成することが可能となります。当社グループでは、半導体メーカーや研究機関等の顧客から量産及び試作・研究開発用途で、様々な高精細フォトマスクの製造を受託しております。
半導体用フォトマスクは、半導体製造プロセスにおける「金型」として極めて重要な役割を果たすものであり、微細かつ高精度な製品を短納期で納入することが求められます。
フォトマスクは、顧客より支給された半導体回路のパターンデータをもとに、電子ビーム等でマスクブランクス(ガラス基板上に遮光膜を成膜し、その上に感光材であるフォトレジストをコーティングしたもの)上に回路パターンを描画し、現像・エッチングを経て製造されます。顧客に納入するに際しては、この後、各種寸法の測定や外観形状の検査を経て、顧客が要求する精度・仕様に合致していることの品質保証が必要となります。
半導体市場におけるビジネスモデルは、時代とともに大きく変化しており、かつては設計から製造まで一貫して行う垂直統合型が主流でしたが、1980年代後半以降、微細化競争の激化に伴い、水平分業型が台頭しました。今日の市場は、半導体の設計から製造、販売までを一貫して行う垂直統合型デバイスメーカー「IDM(Integrated Device Manufacturer)」が存続している一方、水平分業型モデルにおける自社で製造工程を持たない「ファブレス」と呼ばれるモデルとして、半導体設計のみを手掛ける「デザインハウス」と、実際にその半導体製造を請け負う「ファウンドリ」と呼ばれるプレイヤーによって構成されております。
IDMがフォトマスクを自社で内作する方針を継続してきた一方、水平分業化の潮流の中で、ファウンドリにおいてはフォトマスクの生産を100%外部委託するモデルも確立されました。これにより、半導体用フォトマスクは内作と外販という2つの大きな市場を形成しております。
当社グループは外販フォトマスクメーカーとして、内作機能を持たないファウンドリからの需要に加え、内作において生産キャパシティを超過した際のフォトマスク需要についても製造を委託されております。半導体デバイス製造工程におけるフォトマスクの位置づけを図に示すと以下のとおりとなります。
半導体デバイスは、主にロジック半導体とメモリ半導体に大別されます。
ロジック半導体は、電子機器の頭脳とも呼べるもので、情報を処理し、論理演算や制御を行うものであり、CPU(中央処理装置)やGPU(画像処理装置)等がこれに該当します。汎用的なものから特定のアプリケーションに特化したものまで幅広い製品が存在しますが、基本的にはアプリケーションごとに開発設計がなされます。特に先端品領域では微細化技術の進展に伴う設備投資負担の高まりから、前述の水平分業化が進んでおります。
メモリ半導体は、データを記憶するための半導体であり、短期記憶向けのDRAMや長期記憶向けのNAND型フラッシュメモリ等が該当します。メモリ半導体は主に同一製品を大ロットで量産・在庫販売するものであるため、メモリ半導体メーカーは規模の経済を追求するため垂直統合型が主流となります。そのため、ロジック半導体と比較して、メモリ半導体用フォトマスクはIDMによる内作の割合が高い市場となります。当社グループにおいては、ロジック半導体用フォトマスクが主軸製品となり、メモリ半導体用フォトマスクについては主に内作を持たないメモリサプライヤー向けにDRAM用フォトマスクの製造を請け負っております。
当社グループにおける半導体用フォトマスクの生産量は、フォトマスクが回路原版として使われるため、単に半導体市場全体の製造ボリュームに比例するものではなく、回路パターンの複雑さや半導体デバイスの設計件数に影響を受けます。そのため、同一製品を大量生産するメモリ半導体市場よりもロジック半導体市場の動向に左右されやすい傾向にあるといえます。
また、半導体市場においては微細化の度合いを、回路線幅等に基づくプロセスノード※によって分類し、「〇〇ナノメートル」と表現しております。基準値はその時代々々によって流動的であるものの、プレイヤーの限られる先端技術を用いて作られるものを「先端ノード」、技術的に普及が進んだものを「レガシーノード」と大別されております。かつては微細化が進むことで既存のレガシーノード需要が先端ノードに置き換えられてしまうという、プロセスマイグレーションの考え方が一般的でしたが、現代ではIoT※や車載向けなど、必ずしも最先端の技術を必要としない半導体デバイスの量的需要が増加したことで、先端ノードはもちろんのこと、レガシーノードにおいても市場規模の拡大が続いております。
半導体用フォトマスクの需要は、半導体デバイスメーカーにおける新たな技術ノードへの対応や、新たな生産プロセス構築のための「研究開発・試作生産フェーズ」と既に確立した生産プロセスを用いる「量産フェーズ」のそれぞれにおいて発生します。
そのため、半導体デバイスそのものの量的需要とは別に、半導体デバイスメーカーの技術開発・製品開発が続く限り、一定の需要が継続安定的に発生いたします。また、研究開発段階において半導体用フォトマスクを提供するパートナーに選ばれることにより、当社グループのフォトマスクが顧客の生産プロセスにおける基準として採用されるため、以後の量産段階における半導体用フォトマスク需要において、当社に最適化された製造仕様が適用されることで、セカンドベンダーとして他社が参入を図る際の技術的な参入障壁となります。そのため、当社グループでは自社における研究開発や顧客等との共同開発等に対して積極的な人的投資・設備投資を実行し、顧客の上流段階からの技術要求に精確かつ柔軟に対応できる技術・開発体制、並びに生産体制を構築しております。
半導体用フォトマスクの構造
半導体デバイスは、同一のシリコンウェハ上にフォトリソグラフィ工程を複数回繰り返し、回路パターンを多層(レイヤー)構造で成形することで生産されます。したがって、一つの半導体デバイスに対しフォトリソグラフィの回数分だけ複数枚のフォトマスクが必要となり、これらは一つのセットとして使用されます。
フォトマスクに要求される微細化の精度は各レイヤーにおいて異なり、一般に、微細化が進むと高精度なレイヤー(クリティカルレイヤー)において要求される加工精度がより微細なものとなるとともに、回路パターンの積層にあたっては低精度(ラフレイヤー)~中精度のレイヤー(ミドルレイヤー)も必要となるため、セットあたりのフォトマスク枚数も増加し、マスクセット単価が上昇する構造となっております。
また、ウェハ工程の歩留まり向上など、デバイスメーカーにおいてフォトマスクをセットで効率的に運用するには、フォトマスクの仕上がりの傾向やレイヤー間の重ね合わせ精度が重要となります。このことから、通常フォトマスクを外注する場合は同一のフォトマスクベンダーにセット単位で発注されます。
当社グループは顧客より支給される仕様に基づく完全受注生産のため、当社グループの独自の製品ラインナップと呼べるものは存在しません。他方、フォトマスクはその構造に基づき、以下のように大別することができ、当社グループでは顧客の要求仕様に合わせて各種フォトマスクの生産を受託しております。
当社グループでは、アジア5工場、米国1工場、欧州2工場の計8工場でフォトマスクの製造を行っております(シンガポールのみ、2025年現在、フォトマスク製造工程において前工程にあたるデータ処理工程のみを行っておりますが、2026年に新工場が稼働予定です。)。外販フォトマスクの生産においては納期が非常に重要であり、顧客デバイスメーカーより回路パターンのデータを受領後、通常、最先端品でも2週間程度、レガシー品では2~3日程度と、極めて短い納期で納入することが要求されます。そのため、基本的に地産地消によって顧客の近くに工場を構え生産することが最良とされております。他方で、半導体需要はその時々、地域や顧客の事情により変動が大きいため、ある工場において単一の顧客又は工場が立地する地域顧客のみをもって工場の稼働率を常に高く維持することは困難であり、現地の最大需要に合わせて設備投資をすることは事業上のリスクを高めると考えられます。同様に、安易に設備投資、キャパシティ拡張を行うことが難しいため、繁忙期には需要が現地の生産キャパシティを超過する事態も発生し得ます。
当社グループではアジア・北米・欧州全ての地域で現地供給できる体制を整えており、現地顧客に対し短納期で製品を提供することはもちろん、繁忙期において現地工場のみでは対応しきれない顧客需要について、グループ内部の生産委託によって他地域の工場から供給する柔軟な製造体制を構築しております。これにより複数工場間で生産需要・キャパシティを平準化し、グローバル全体での工場稼働率を高く維持することを可能としております。
当社グループの生産体制
当社グループでは、材料ベンダーと共同で先端マスクブランクスの開発を行っております。これにより材料の組成に関与し深い知見を得ることで、先端フォトマスクの生産において、自社の加工プロセスを最適化することが可能となっております。フォトマスクブランクスの特性はウェハの生産プロセスにも影響を与えるため、顧客プロセスへの最適化も企図したブランクスを開発し、同材料の採用を顧客に提案することで、先端品フォトマスク需要をいち早く取り込むことにも寄与しております。過去の開発成果の一つとして、バイナリーマスクでありながら高い精度を実現するOMOG材は、当社での採用にとどまらず、共同開発者であるブランクスベンダーを通して販売され、広く業界内に普及しております。現在は次世代EUV技術であるHigh-NA※向けEUVフォトマスクブランクスの開発にも取り組んでおり、EUV領域においても当社の開発した技術が業界標準となることを目指しております。
材料開発は、同時に知的財産権による当社グループの優位性構築にも寄与しており、導入初期において販売制限によって他社の参入を排除することはもちろんのこと、普及期においてはロイヤリティ収入を得る形で当社の業績に寄与することになります。
生産技術においても、過去の技術開発ノウハウとそのデータ蓄積に加え、AIの活用により、精度・効率の高いプロセス条件を早期に確立し生産性や良品率の向上を図っております。当社グループのノウハウは当社グループの生産プロセス改善のみならず、顧客プロセスの生産性向上も視野に、特に、HAZE※と呼ばれる顧客の生産プロセスにおいて同じフォトマスクを繰り返し使用することで発生するフォトマスクの品質低下に対し、それを抑制する取り組みを強化しております。HAZEが発生した際は当該フォトマスクのHAZEを除去するメンテナンス作業が必要となるところ、HAZEの抑制は顧客生産ラインの稼働率の維持・向上に直結するため、そのような課題を抱える顧客からは一定の評価を得ているものと認識しております。
当社グループではクリティカルレイヤーで必要となるクリティカルレイヤー向け先端生産設備のみならず、ラフレイヤー・ミドルレイヤーで必要となるフォトマスクのためのレガシー生産設備も多数保有しております。これにより先端半導体デバイスにおけるフォトマスクの需要に対し、クリティカル~ラフレイヤーまで、セット単位で対応することができることに加え、量的需要が旺盛なレガシー半導体向けにも対応することが可能であり、広範囲なテクノロジーノードの需要に対応することが可能となっております。
過去に普及したレガシーノード向け生産設備は、現在すでに市場から同じ機種を調達することが困難となっており、新たに調達する場合はオーバースペックとなる先端ノード向けの生産設備を購入せざるを得ません。当社グループではレガシーノード向けフォトマスク生産設備の延命・維持管理にも力を入れており、セルフメンテナンスのノウハウ構築や、EOL※を迎えたパーツの代替品開発まで幅広く取り組んでおります。これによってレガシー設備の更新投資を最小化し、競合他社、とりわけ参入障壁の低いレガシーノード領域において新興フォトマスクメーカーに対し大きなコストアドバンテージを得ることにつなげております。
当社グループでは複数の製造拠点が連携して生産を行っており、製造拠点間のバックアップによって短納期での製品供給とBCP(事業継続計画)を実現しております。
通常、フォトマスクの生産に用いる描画機や検査機といった主要設備は、フォトマスク生産の受注前に顧客の使用許諾(認定)が必要であり、仮に同型機種であっても、その性能において個々に異なる傾向を示すことがあるため、工場が異なれば別個に認定を要求されることも少なくありません。当社グループでは、各生産設備のパラメータに補正をかけプロセス条件を最適化することで、異なる工場の生産設備を使用しても同じ特性の仕上がりとなるよう、サイト間・設備間のデータマッチング技術の高度化に注力しており、その成果として、短期間で複数の生産工場について認定を取得することを可能としております。
複数拠点での生産認定に加え、AIを用いた生産管理システムを構築することで、過去の生産データから各設備の工程能力や出荷までの工数を試算し、納期及び設備稼働の最適化を実現すべく、同生産管理システムの開発と改善に取り組んでおります。フォトマスクは顧客の半導体デバイスの設計に合わせた一点一様の製品であり、製品の仕様とその時々の各生産設備の稼働状況に合わせて、多岐に渡る使用すべき装置の組み合わせから、最適な工程順を検討する必要があります。特に、検査工程で欠陥が見つかった場合は修正工程と検査工程を複数回繰り返す可能性があるため、出荷納期のコントロールは容易ではありません。本生産管理システムを用いることで、納期予測の精度向上と、迅速かつ正確な顧客への納期回答を可能とし、得意先からの信頼向上や出荷枚数の増加を目指しております。
当社グループでは、最先端領域において様々なパートナーとの共同開発プロジェクトに取り組んでおります。フォトマスクの材料ベンダー、生産設備ベンダーのみならず、Interuniversity Microelectronics Centre(imec)などの研究開発機関を介してウェハ工程も含めた様々な先端技術開発プレイヤーとの協働を展開しており、特に直近ではInternational Business Machines Corporation(IBM)社と2nm半導体向けEUVフォトマスクのプロセス共同開発契約を締結しております。
また、当社内部の取り組みとしてもマルチビーム描画装置※を用いたEUVフォトマスク生産の技術深耕に加え、半導体製造工程のウェハプロセスにおける光の性質を考慮して、フォトマスク上の回路パターンの最適化を図るCurvilinear※技術の開発にも注力しており、EUVのみならず従来型の光リソグラフィにおける更なる技術進展にも対応すべく、技術開発・研究開発の取り組みを進めております。
(新事業領域)
当社グループは、半導体用フォトマスク事業を通じて培ったリソグラフィ技術を応用し、高精度なナノインプリント用モールド及びシリコンステンシルマスクを開発、製造しております。
ナノインプリントとは、樹脂をモールドと呼ばれる型と基板で挟み込み硬化させることで、数十ナノメートル単位のパターンを転写する微細加工技術です。工程がシンプルなため、微細構造体を安価に再現性良く大量に製造する技術として期待されております。当社グループは、半導体用フォトマスク事業を通じて培ったリソグラフィ技術を応用し、高精度なナノインプリント用モールドを開発、製造しております。
シリコンステンシルマスクは、パターンを形成するためにナノスケールの貫通開口を加工した電子ビームリソグラフィ(EBリソグラフィ:Electron Beam Lithography)用のフォトマスクです。EBリソグラフィは、先端のマスクを作製するための技術として、半導体業界で研究が進められております。当社グループは微細加工技術をコア技術としてステンシルマスクの開発を進め、供給体制を構築しております。
(※用語)
(事業系統図)
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社グループは「フォトマスク関連事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
第4期連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ22,154百万円減少し、167,752百万円となりました。これは有形固定資産が15,082百万円、その他の金融資産が3,041百万円、それぞれ増加したものの、現金及び現金同等物が35,571百万円、繰延税金資産が8,272百万円、それぞれ減少したことなどによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ826百万円減少し、51,370百万円となりました。これはその他の金融負債が1,198百万円増加したものの、契約負債が2,850百万円減少したことなどによるものです。
資本は、前連結会計年度末に比べ21,327百万円減少し、116,381百万円となりました。これは利益剰余金が540百万円増加したものの、資本剰余金が17,961百万円、その他の資本の構成要素が3,907百万円、それぞれ減少したことなどによるものです。なお、2024年9月18日に18,000百万円(7,708,780株)の自己株式の消却を実施しました。
当連結会計年度における半導体市場は、AI関連向け製品への強い需要が継続しましたが、他の製品・用途に向けた需要は依然として強いとは言えない状況が続くなか、半導体の在庫消化が進み需給関係の改善による回復基調が示されつつあるものの、市場全体では力強さに欠ける状況となりました。
当社グループの業績に影響する外販フォトマスク市場では、先端品については比較的需要が強く、台湾・米国・欧州等のフォトマスク需要が盛り上がりを見せるなど堅調に推移しましたが、中国においては、フォトマスク需要は高いものの、複数の競合他社が立ち上がり、需要獲得に向けた競争が激化いたしました。
このような環境の中で当社グループは、世界中の顧客やパートナーに対して、グローバル市場における先端微細加工技術に基づく高い品質を提供するとともに、優れた価格競争力との相乗効果により多くの需要を獲得した結果、当期の業績は、売上収益117,974百万円(前期比10.2%増)、営業利益28,199百万円(前期比42.2%増)、税引前利益30,771百万円(前期比34.4%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益9,945百万円(前期比38.2%減)となりました。
第5期第1四半期連結累計期間(自 2025年4月1日 至 2025年6月30日)
当第1四半期連結会計期間における総資産は、前連結会計年度末に比べ2,613百万円増加し、170,365百万円となりました。これは現金及び現金同等物が7,077百万円減少したものの、有形固定資産が6,211百万円、その他の金融資産が2,715百万円、持分法で会計処理されている投資が699百万円、それぞれ増加したことなどによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ2,444百万円減少し、48,926百万円となりました。これはその他の金融負債が3,635百万円増加したものの、営業債務及びその他の債務が4,649百万円、未払法人所得税等が763百万円、繰延税金負債が382百万円、それぞれ減少したことなどによるものです。
資本は、前連結会計年度末に比べ5,057百万円増加し、121,439百万円となりました。これは利益剰余金が5,475百万円増加したことなどによるものです。
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、中東地域における緊張の高まりや、米国の関税政策など、地政学リスクの不確実性は増加しましたが、各国政府の政策対応や民間需要の回復により、国や地域によって差はあるものの、全体としては緩やかな回復基調を維持しました。
こうした経営環境の下、半導体市場ではAIチップやHBM(高帯域幅メモリ)をはじめとしたAI関連用途に集中した強い需要が依然として市場を牽引するなか、他製品(スマートフォン、自動車、機器産業等)向けでは需要回復が鈍く用途間の格差が鮮明になってきており、市場全体としては、在庫調整は進んできているものの、需要回復の勢いは限定的にとどまりました。
一方、当社グループの業績に影響する外販フォトマスク市場は、EUVマスクを含む、先端品の需要が拡大するとともに、基幹品についても需要は堅調に推移しました。
このような中、当社は、世界中の顧客やパートナーに対し、先端微細加工技術の強みを活かし、高い品質と価格競争力を提供した結果、当第1四半期連結累計期間における当社グループの業績は、売上収益は30,076百万円(前年同期比0.9%増)、営業利益は5,875百万円(前年同期比12.7%減)、税引前四半期利益は6,799百万円(前年同期比18.3%減)、また親会社の所有者に帰属する四半期利益は5,475百万円(前年同期比22.5%増)となりました。
第4期連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ35,571百万円減少し、前年対比43.8%の27,715百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得たキャッシュ・フローは、税引前利益30,771百万円、減価償却費及び償却費15,240百万円、法人所得税の支払額11,971百万円等により、26,227百万円の収入(前年同期は28,638百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用したキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出30,691百万円、有形固定資産の売却による収入1,395百万円、貸付けによる支出4,855百万円等により、32,885百万円の支出(前年同期は13,896百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用したキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出18,000百万円、配当金の支払9,000百万円等により、28,536百万円の支出(前年同期は1,608百万円の支出)となりました。
第5期第1四半期連結累計期間(自 2025年4月1日 至 2025年6月30日)
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ7,077百万円減少し、前年対比74.5%の20,637百万円となりました。
当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得たキャッシュ・フローは、税引前四半期利益6,799百万円、減価償却費及び償却費4,167百万円、法人所得税の支払額3,424百万円等により、9,027百万円の収入(前年同期は6,493百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用したキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出13,606百万円、貸付による支出2,017百万円等により、15,469百万円の支出(前年同期は15,434百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用したキャッシュ・フローは、短期借入金の増加による収入1,012百万円、長期借入金の返済による支出215百万円、リース負債の返済による支出971百万円等により、174百万円の支出(前年同期は503百万円の収入)となりました。
当社グループは受注から納品までの期間が短いため、生産実績は販売実績と概ね同等の金額となります。そのため、生産実績に関しては販売実績を記載しております。
当社グループは受注生産を行っておりますが、受注から納品までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。
第4期連結会計年度及び第5期第1四半期連結累計期間の販売実績は次のとおりであります。
(注) 最近2連結会計年度及び第5期第1四半期連結累計期間の主な相手先別の販売実績については、連結売上収益10%以上に該当する販売先がないため、その記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたって、過去の経験及び利用可能な情報を収集し、合理的と考えられるさまざまな要因を勘案した上で、見積もり及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
第4期連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第1 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
第5期第1四半期連結累計期間(自 2025年4月1日 至 2025年6月30日)
当社グループの当第1四半期連結累計期間の財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第1 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
第4期連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性に係る情報について、当社グループにおける資金需要は運転資金及び設備投資であり、自己資金から賄っております。また、不測の事態に備えて金融機関と当座貸越契約を締結しており、必要な資金を適時に確保する体制を整えております。
第5期第1四半期連結累計期間(自 2025年4月1日 至 2025年6月30日)
当社グループの当第1四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性に係る情報について、当社グループにおける資金需要は運転資金及び設備投資であり、自己資金から賄っております。また、不測の事態に備えて金融機関と当座貸越契約を締結しており、必要な資金を適時に確保する体制を整えております。
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、持続的な企業価値の向上につながる収益性の管理に加え、積極的な事業投資と財務の健全性の両立及び利益成長に応じた株主還元の強化を図るべく、「売上収益成長率」「営業利益率」を経営上の重要な経営指標として位置付けております。当連結会計年度における各指標は以下のとおりであります。
2023年3月期は、コロナ禍後の旺盛なチップ需要とフォトマスク不足に伴う、フォトマスク特需により、営業利益率は28.5%となりました。2024年3月期は、増収ながら減価償却の償却年数の変更に伴い、営業利益率は18.5%と一時的に低下しましたが、2025年3月期は、先端向けフォトマスクの旺盛な需要もあり、営業利益率も23.9%と改善しました。今後も売上収益成長率と営業利益率の向上に向けた施策を講じる方針です。
(参考情報)
当社グループは、経営成績の推移を適切に把握するために、調整後営業利益、調整後EBITDA及び調整後親会社の所有者に帰属する当期(四半期)利益を算出しております。これらは、IFRSにより規定された指標ではなく、当社グループが、投資家にとって当社グループの業績を評価するために有用であると考える財務指標であり、上場後には発生しないと見込まれる上場関連費用や、非経常的損益項目(通常の営業活動の結果を示していると考えられない項目)の影響を除外しております。
(1)調整後営業利益
(単位:百万円)
(2)調整後EBITDA
(単位:百万円)
(3)調整後親会社の所有者に帰属する当期(四半期)利益
(単位:百万円)
(注)1.調整後営業利益=営業利益+減損損失+スタンドアローン・上場準備費用+株式報酬費用+資本再編の検討に要した費用
2.調整後EBITDA=当期(四半期)利益-金融収益+金融費用+法人所得税費用+減価償却費及び償却費+減損損失+スタンドアローン・上場準備費用+株式報酬費用+資本再編の検討に要した費用
3.調整後親会社の所有者に帰属する当期(四半期)利益=親会社の所有者に帰属する当期(四半期)利益+減損損失+スタンドアローン・上場準備費用+株式報酬費用+資本再編の検討に要した費用 +資本再編に伴う株式譲渡課税+欧州連結子会社の繰延税金資産の回収可能性見直し+調整項目に対する税金調整額