売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E05062 IFRS

売上高

7,365.6億 円

前期

6,921.7億 円

前期比

106.4%

時価総額

2.72兆 円

株価

4,678 (07/12)

発行済株式数

581,241,511

EPS(実績)

137.92 円

PER(実績)

33.92 倍

平均給与

1,271.6万 円

前期

1,242.1万 円

前期比

102.4%

平均年齢(勤続年数)

40.2歳(14.3年)

従業員数

7,206人(連結:16,708人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

当社グループ(当社及び連結子会社をいう。以下同じ。)及び関連会社は、リサーチ、経営コンサルティング及びシステムコンサルティングからなる「コンサルティングサービス」、システム開発及びパッケージソフトの製品販売からなる「開発・製品販売」、アウトソーシングサービス、共同利用型サービス及び情報提供サービスからなる「運用サービス」並びに「商品販売」の4つのサービスを展開しています。

当社のセグメントは、主たるサービスの性質及び顧客・マーケットを総合的に勘案し区分しており、各報告セグメントにおいて、当社が中心となって事業を展開しています。各セグメントの事業内容及び同事業に携わる当社以外の主要な関係会社は以下のとおりです。

 

(コンサルティング)

政策提言や戦略コンサルティング、業務改革をサポートする業務コンサルティング、ITマネジメント全般にわたるシステムコンサルティングを提供しています。

 

(金融ITソリューション)

主に証券業や保険業、銀行業等の金融業顧客向けに、システムコンサルティング、システム開発及び運用サービス、共同利用型システム等のITソリューションやBPОサービスを提供しています。

[主要な関係会社]

NRIプロセスイノベーション㈱、㈱だいこう証券ビジネス、㈱DSB情報システム、日本証券テクノロジー㈱、Australian Investment Exchange Limited

 

(産業ITソリューション)

流通業、製造業、サービス業や公共向けに、システムコンサルティング、システム開発及び運用サービス等のITソリューションを提供しています。

[主要な関係会社]

NRIネットコム㈱、NRIシステムテクノ㈱、NRIデジタル㈱、NRI Australia Limited、SQA Holdco Pty Ltd、Convergence Technologies, Inc.

 

(IT基盤サービス)

主に金融ITソリューション部門及び産業ITソリューション部門を通じて、データセンターの運営管理やIT基盤・ネットワーク構築等のサービスを提供しています。また、様々な業種の顧客に対してIT基盤ソリューションや情報セキュリティサービスを提供しています。このほか、ITソリューションに係る新事業・新商品の開発に向けた実験的な取組みや先端的な情報技術等に関する調査、研究を行っています。

[主要な関係会社]

NRIセキュアテクノロジーズ㈱、NRIデータiテック㈱

 

これらのほか、その他の関係会社として野村ホールディングス㈱があり、また、関係会社以外の主な関連当事者として野村證券㈱があります。当社グループ及び関連会社は、これらに対してシステム開発・製品販売及び運用サービス等の提供を行っています。

 

以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりです。

※画像省略しています。

 

24/06/24

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する記載は、当年度末現在において当社が判断したものであり、当社としてその実現を約束するものではありません。

 

(1) 連結経営成績等の状況の概要

① 連結経営成績の状況

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月 1日

至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月 1日

至 2024年3月31日)

前年度比

増減額

増減率

売上収益

692,165

736,556

44,390

6.4%

海外売上収益

123,207

117,574

△5,632

△4.6%

海外売上収益比率

17.8%

16.0%

△1.8P

事業利益

110,032

119,704

9,671

8.8%

営業利益

111,832

120,411

8,578

7.7%

営業利益率

16.2%

16.3%

0.2P

EBITDAマージン

22.5%

23.0%

0.5P

税引前利益

108,499

117,224

8,725

8.0%

親会社の所有者に帰属する

当期利益

76,307

79,643

3,336

4.4%

ROE

(親会社所有者帰属持分当期利益率)

20.7%

19.9%

△0.8P

(注)1. 事業利益は、営業利益から一時的要因(のれん減損及び固定資産減損等)を除いたものであり、恒常的な事業の業績を測る利益指標です。

2. EBITDAマージン=EBITDA(営業利益+減価償却費及び償却費+固定資産除却損±一時的要因)÷売上収益

 

当年度の世界経済は、世界的な金融引締めに伴う影響等による景気の下振れリスクが懸念されています。日本経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果により景気は緩やかに回復しています。情報システム投資については、デジタル技術を活用したビジネスプロセス及びビジネスモデルの変革を行うDX(デジタルトランスフォーメーション)を中心に引き続き活況を呈しています。一方、世界的な金融引締め等による海外景気の下振れが国内景気に及ぼすリスクに加え、急激な為替変動、中東地域をめぐる情勢及び物価の上昇など先行き不透明な状況が続いています。また、今後の業績の変調によっては企業投資が絞られる可能性もあります。

このような環境の下、当社グループは、コンサルティングからITソリューションまで一貫して提供できる総合力をもって事業活動に取り組みました。

当社グループは、長期経営ビジョン「NRI Group Vision 2030」の実現に向け、2023年4月に前半3か年の「NRIグループ中期経営計画(2023-2025)」(以下「中計2025」という。)を策定しました。中計2025では、コアビジネス領域、DX進化、グローバル、マネジメントの4つの領域でそれぞれ成長戦略の柱を掲げており、顧客との価値共創を通じて、当社グループの持続的成長と持続可能な未来社会づくりを目指します。

 

中計2025の成長戦略の柱

(1) コアビジネス領域:コンソリューション(ビジネスITを企画・構想する段階からコンサルティングとソリューションが並走し、顧客に継続的に価値を創出するビジネスモデル)で顧客との価値創造をさらに深める「コア領域の深化・拡大」と、ビジネスプラットフォーム拡大と抜本的な生産革新で圧倒的な競争力と高付加価値を実現する「コア領域の進化」を同時に実現

(2) DX進化:顧客の業務プロセス変革・インフラ変革(DX1.0)、ビジネスモデルそのものの変革(DX2.0)に加え、企業や産業を超えて社会にインパクトをもたらすDX3.0に挑戦

(3) グローバル:日本・アジア、豪州に加え、巨大かつ高い成長力をもつ市場である北米への展開を通じ、世界3極での事業運営に向けた体制を整備

(4) マネジメント:人的資本の拡充と、サステナビリティ経営や環境対応を強化し、経営基盤を盤石化

 

 

当社グループの当年度の売上収益は、全てのセグメントで増加し、736,556百万円(前年度比6.4%増)となりました。売上原価は475,549百万円(同5.1%増)、売上総利益は261,006百万円(同8.8%増)、販売費及び一般管理費は142,353百万円(同8.2%増)となりました。前年度に計上した横浜野村ビルの信託受益権に係る固定資産売却益 2,238百万円の反動や当年度に海外事業の収益性低下があったものの、国内事業のコアビジネス領域やDX案件が引き続き好調であったこと等により、営業利益は120,411百万円(同7.7%増)となりました。営業利益率は16.3%(同0.2ポイント増)、EBITDAマージンは23.0%(同0.5ポイント増)となりました。

 

<自己株式の取得>

2023年4月27日開催の取締役会において、資本効率の向上、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の一環として、自己株式の取得を決定しました。

取得する株式の総数は20,000,000株(上限)(2023年3月31日時点の発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合3.38%)、株式の取得価額の総額は50,000百万円(上限)、取得期間は2023年5月17日から2023年11月30日までとし、取得の方法は東京証券取引所における市場買付け(自己株式取得に係る取引一任契約に基づく市場買付け(ただし、2023年5月29日から2023年7月27日までの間と当社の各四半期決算発表日の翌営業日より10営業日の間は取得を行わない。))とし、当年度において、自己株式の取得(12,833,700株、49,999百万円)を行いました。

また、2023年4月27日開催の取締役会において、信託型従業員持株インセンティブ・プランの再導入を決議し、当年度において、NRIグループ社員持株会専用信託が自己株式の取得(4,657,400株、17,917百万円)を行いました。

 

<自己株式の消却>

2024年3月8日開催の取締役会決議により、当社普通株式13,370,131株(消却前の発行済株式総数に対する割合2.25%)を消却することを決議し、2024年3月29日に手続きが完了しました。

 

② 連結キャッシュ・フローの状況

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月 1日

至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月 1日

至 2024年3月31日)

前年度比

増減額

増減率

営業活動によるキャッシュ・フロー

118,899

142,277

23,378

19.7%

投資活動によるキャッシュ・フロー

△61,190

△53,422

7,767

フリー・キャッシュ・フロー

57,709

88,854

31,145

54.0%

財務活動によるキャッシュ・フロー

△44,921

△47,575

△2,654

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

13,646

44,678

31,031

227.4%

現金及び現金同等物の期末残高

129,257

173,935

44,678

34.6%

 

当年度末の現金及び現金同等物は、前年度末から44,678百万円増加し173,935百万円となりました。

営業活動による収入は、営業利益の増加や法人所得税の支払額が減少したこと等により、前年度と比べ23,378百万円増加し、142,277百万円となりました。

投資活動による支出は53,422百万円となり、前年度と比べ7,767百万円小さくなりました。前年度は、横浜野村ビルの信託受益権を売却したことに伴う固定資産の売却による収入がありました。当年度の主な投資内容は、共同利用型システムの開発に伴う無形資産の取得でした。

財務活動による支出は47,575百万円となり、前年度と比べ2,654百万円大きくなりました。前年度は、第9回、第10回及び第11回無担保社債の発行による収入64,807百万円及び第5回無担保社債の償還による支出25,000百万円がありました。また、自己株式の処分に伴う自己株式の売却による収入22,722百万円がありました。当年度は、2023年5月に再導入した信託型従業員持株インセンティブ・プランに伴う長期借入金の収入18,000百万円及び自己株式の取得による支出17,917百万円がありました。取締役会決議に基づく自己株式の取得による支出49,999百万円がありました。また、第12回、第13回及び第14回無担保社債の発行による収入59,786百万円及び第7回無担保社債の償還による支出10,000百万円がありました。その他の支出の主な内容は、いずれの期も配当金の支払いです。

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は次のとおりです。

セグメントの名称

金額

(百万円)

前年度比

(%)

コンサルティング

28,962

16.6

金融ITソリューション

261,583

2.2

産業ITソリューション

186,485

△0.2

IT基盤サービス

119,985

6.0

小 計

597,015

2.8

調整額

△129,689

467,326

3.5

(注)1. 金額は製造原価によっています。各セグメントの金額は、セグメント間の内部振替前の数値であり、調整額で内部振替高を消去しています。

2. 当第1四半期連結会計期間にセグメントの区分を一部変更しており、前年同期比は遡及修正後の数値に基づき計算しています。

3. 外注実績は次のとおりです。なお、外注実績の割合は、生産実績に対する割合を、中国企業への外注実績の割合は、総外注実績に対する割合を記載しています。

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前年度比

(%)

 

金額

(百万円)

割合

(%)

金額

(百万円)

割合

(%)

外注実績

214,166

47.4

221,900

47.5

3.6

うち、中国企業への外注実績

37,436

17.5

46,735

21.1

24.8

 

② 受注実績

当連結会計年度におけるセグメントごとの受注実績(外部顧客からの受注金額)は次のとおりです。

セグメントの名称

受注高

受注残高

金額

(百万円)

前年度比

(%)

金額

(百万円)

前年度比

(%)

コンサルティング

51,440

4.6

11,457

△4.0

金融ITソリューション

366,979

7.2

229,988

8.1

産業ITソリューション

272,482

2.2

128,275

△1.3

IT基盤サービス

61,367

19.6

26,427

27.7

その他

3,370

16.2

995

24.9

755,641

6.1

397,145

5.6

(注)1. 金額は販売価格によっています。

2. 継続的な役務提供サービスや利用度数等に応じて料金をいただくサービスについては、各年度末時点で翌年度の売上見込額を受注額に計上しています。

3. 当第1四半期連結会計期間にセグメントの区分を一部変更しており、前年同期比は遡及修正後の数値に基づき計算しています。

 

③ 販売実績

a. セグメント別販売実績

当連結会計年度におけるセグメントごとの外部顧客への売上収益は次のとおりです。

セグメントの名称

金額

(百万円)

前年度比

(%)

コンサルティング

51,959

12.7

金融ITソリューション

349,872

6.5

産業ITソリューション

275,923

3.4

IT基盤サービス

55,628

15.5

その他

3,172

21.4

736,556

6.4

(注) 当第1四半期連結会計期間にセグメントの区分を一部変更しており、前年度比は遡及修正後の数値に基づき計算しています。

 

b. 主な相手先別販売実績

前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の売上収益及び当該売上収益の連結売上収益に対する割合は次のとおりです。

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前年度比

(%)

金額

(百万円)

割合

(%)

金額

(百万円)

割合

(%)

野村ホールディングス㈱

72,921

10.5

69,929

9.5

△4.1

(注) 相手先別の売上収益には、相手先の子会社に販売したもの及びリース会社等を経由して販売したものを含めています。

 

c. サービス別販売実績

当連結会計年度におけるサービスごとの外部顧客への売上収益は次のとおりです。

サービスの名称

金額

(百万円)

前年度比

(%)

コンサルティングサービス

161,803

3.3

開発・製品販売

230,582

9.0

運用サービス

308,422

5.3

商品販売

35,748

14.6

736,556

6.4

 

(3) 経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容

① 当年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、事業の継続的な拡大を通じて企業価値を向上させていくことを経営の目標としています。経営指標としては、事業の収益力を表す営業利益及び営業キャッシュ・フローを重視し、これらの拡大を目指しています。また、資本効率の観点からROEを重視し、持続的な株主価値の向上に努めています。

当年度におけるこれらの指標は、営業利益は120,411百万円(前年度比7.7%増)、EBITDAマージンは23.0%(同0.5ポイント増)、ROEは19.9%(同0.8ポイント減)となりました。

 

当社グループは、長期経営ビジョンV2030の実現に向け、2023年4月に中計2025を策定しました。中計2025における主な財務数値目標(連結)は次のとおりです。

 

中計2025(2024年3月期~2026年3月期)

(単位:百万円)

 

実績

中計2025

 

2024年3月期

2026年3月期(目標)

 

売上収益

736,556

 810,000

 

海外売上収益

117,574

150,000

 

営業利益

営業利益率

120,411

16.3%

145,000

17.9%

 

ROE(親会社所有者帰属

持分当期利益率)

19.9%

20%以上

 

(注)1. 中計2025の詳細については、当社が2023年4月27日付で公表した「NRIグループ中期経営計画(2023-2025)を策定」(適時開示資料)及び「1. 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営戦略」をご参照下さい。

2. 2026年3月期(目標)は、M&Aを含んでいません。

b. 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営成績等に特に影響を与える大きな要因としては、情報技術動向、市場動向、品質及び事業継続に対する取組みなどがあります。

情報技術動向については、AI(人工知能)などの新しいデジタル技術が次々に登場し、従来の技術、手法では対応できないテーマが増えています。当社グループは、情報技術に関する先端技術や基盤技術、生産・開発技術の調査・研究に、社内横断的な体制で取り組むことで、技術革新への迅速な対応に努めています。

市場動向については、他業種からの新規参入や海外企業の台頭、パッケージ製品やクラウドサービスの普及などが進んでおり、IT産業は厳しい競争の環境下にあります。また、デジタルを活用してビジネスモデルを変革するDXが加速しています。顧客のDXに対する取組みを実現するためには、顧客のビジネスを深く理解していなければ実現することが出来ません。当社グループは、様々な業界や業務プロセスに精通したコンサルタントと、実用性までを考慮して最新のITを駆使できるシステムエンジニアという2つの人的資本があり、顧客のDXの取組みの拡大において、大きな競争優位性があると考えています。

品質及び事業継続に対する取組みについては、複数のデータセンターを保有し、社会インフラとしての情報システムを担う責任に加え、不測の不採算案件が発生した場合の業績への影響もあることから、当社グループの事業活動の根幹として特に重視しています。品質監理を専門とする組織を中心に、受注前の見積り審査や受注後のプロジェクト管理を適切に行う体制を整えていることに加え、一定規模以上のプロジェクトは、システム開発会議など専用の審査体制を整え、プロジェクト計画から安定稼動まで進捗状況に応じたレビューの徹底を図り、不測の不採算案件の発生防止に取り組んでいます。災害やシステム障害などの事業継続に対しては、大規模災害、大規模障害などの発生に備えて、初動体制と行動指針をまとめたコンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)を策定し、事前対策や訓練を重ね、より円滑な事業継続に向けた体制の構築や事業計画に必要なインフラの整備など、危機管理体制の整備・強化に取り組んでいます。

 

c. 経営成績

当年度の連結経営成績は、「(1)連結経営成績等の状況の概要 ①連結経営成績の状況」をご覧ください。

当年度のセグメントごとの経営成績(売上収益には内部売上収益を含む。)は、次のとおりです。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月 1日

 至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月 1日

 至 2024年3月31日)

 前年度比

 増減額

 増減率

コンサルティング

売上収益

47,821

53,690

5,869

12.3%

営業利益

12,329

13,929

1,599

13.0%

営業利益率

25.8%

25.9%

0.2P

金融ITソリューション

売上収益

334,141

355,206

21,064

6.3%

営業利益

49,710

54,651

4,941

9.9%

営業利益率

14.9%

15.4%

0.5P

産業ITソリューション

売上収益

275,533

282,062

6,529

2.4%

営業利益

24,393

23,405

△987

△4.0%

営業利益率

8.9%

8.3%

△0.6P

IT基盤サービス

売上収益

167,518

185,549

18,031

10.8%

営業利益

23,046

28,167

5,121

22.2%

営業利益率

13.8%

15.2%

1.4P

調整額

売上収益

△132,849

△139,953

△7,104

営業利益

2,352

257

△2,095

売上収益

692,165

736,556

44,390

6.4%

営業利益

111,832

120,411

8,578

7.7%

営業利益率

16.2%

16.3%

0.2P

(注) 当第1四半期連結会計期間にセグメントの区分を一部変更しており、前連結会計年度については、当該変更後の区分による数値を記載しています。

 

(コンサルティング)

当セグメントは、政策提言や戦略コンサルティング、業務改革をサポートする業務コンサルティング、ITマネジメント全般にわたるシステムコンサルティングを提供しています。

顧客の経営環境が急速に変化している中、デジタル技術を活用した企業変革が加速しています。また、脱炭素等の社会課題の解決を経営戦略に取り入れる企業が増加しており、具体的な成果につながる実行支援型のコンサルティングサービスによる社会課題解決が期待されています。

当セグメントは、顧客のDXを支援するコンサルティングを強化し、顧客ニーズへの的確な対応に努めています。また、実行支援型コンサルティングサービスの提供により顧客の変革を継続的に支援するとともに、コンサルティングとITソリューションの連携をさらに強化することで事業領域の拡大を目指しています。加えて、脱炭素等の社会課題の解決や生成AIに関する新たなコンサルティングサービスの創出に向けた取組みを推進しています。

当年度の売上収益は、DX関連や公共案件を中心に国内事業が好調であったことにより、53,690百万円(前年度比12.3%増)となりました。営業利益は、良好な受注環境を背景に収益性が向上し、13,929百万円(同13.0%増)となりました。

 

(金融ITソリューション)

当セグメントは、主に証券業や保険業、銀行業等の金融業顧客向けに、システムコンサルティング、システム開発及び運用サービス、共同利用型システム等のITソリューションやBPОサービスを提供しています。

社会における高齢化の一層の進展、業界再編・新規参入やデジタルアセットの拡大、低金利の継続及び人口減少による国内市場の縮小など、金融業を取り巻く環境は大きな構造変化を迎えています。また、顧客におけるデジタル化やビジネスモデル変革のニーズも急速に高まっています。

当セグメントは、これらの環境変化に対応し、顧客の新規事業や新サービスの創出を支援するため、新たな金融ビジネスプラットフォームの創出と拡大、マイナンバー等のソーシャルDXビジネスの推進、金融グローバル事業の安定稼働と事業拡大に努めています。

当年度の売上収益は、銀行業向け開発・製品販売や証券業向け運用サービスが増加し、355,206百万円(前年度比6.3%増)となりました。営業利益は、良好な受注環境や共同利用型サービスの運用料増加等により収益性が向上したことに加え、海外子会社の売却益が寄与し、54,651百万円(同9.9%増)となりました。

 

(産業ITソリューション)

当セグメントは、流通業、製造業、サービス業や公共向けに、システムコンサルティング、システム開発及び運用サービス等のITソリューションを提供しています。

産業分野の顧客におけるDXの取組みは、既存のビジネスモデルの効率化や高度化のみならず、デジタル技術を活用した新たなビジネスモデルを創造する領域にも広がっています。

当セグメントは、DXビジネスの領域で顧客や業界を問わず活用可能なデジタルIPの拡充・高度化に注力し、顧客のビジネスモデルの創出からシステム構築や運用の高度化まで総合的に支援しています。また、グローバル事業では、豪州はNRIグループ間の連携強化により安定成長と収益性の向上を、北米は豪州で培った知見も活用し、サービス拡充と事業基盤の大型化を目指しています。当第3四半期に、北米Core BTS, Inc.は体制変更及び組織再編を実施し、既存拠点とのデリバリ体制一体化、共同での北米営業強化等を推進しています。

当年度の売上収益は、国内の流通業及びサービス業等向け案件が活況であったことにより、282,062百万円(前年度比2.4%増)となりました。営業利益は、国内事業の収益性が向上したものの、北米Core BTS, Inc.におけるクラウド事業の受注減少や豪州買収会社の条件付対価の公正価値変動に伴う費用等により、23,405百万円(同4.0%減)となりました。

 

(IT基盤サービス)

当セグメントは、主に金融ITソリューション部門及び産業ITソリューション部門を通じて、データセンターの運営管理やIT基盤・ネットワーク構築等のサービスを提供しています。また、様々な業種の顧客に対してIT基盤ソリューションや情報セキュリティサービスを提供しています。このほか、ITソリューションに係る新事業・新商品の開発に向けた実験的な取組みや先端的な情報技術等に関する調査、研究を行っています。

DX時代のシステム開発は、新たな開発手法やよりスピーディーな開発が求められるとともに、AIなどの新しいデジタル技術の活用も必要となります。クラウド領域においては、多様化・複雑化するシステム基盤を高い品質で総合的に運用していくことが必要となります。また、近年ではサイバー攻撃が多様化・進化しており、顧客のDXの要となるクラウドサービスの導入・活用を安全安心に実施するために、サイバーセキュリティ対策の重要性が高まっています。

当セグメントは、これらの環境変化に対応し、開発フレームワークの刷新や開発プロセスへのAI活用などによる抜本的な生産革新に取り組むとともに、マルチクラウドサービス(※1)及びマネージドサービス(※2)の拡大、ゼロトラスト(※3)事業、マネージドセキュリティサービス(※4)を推進しています。

当年度の外部顧客に対する売上収益は、クラウド活用の進展等に伴うセキュリティ需要増により、セキュリティ事業で増加しました。内部売上収益は、金融ITソリューション部門及び産業ITソリューション部門の事業活況に伴うクラウド事業等で増加しました。この結果、売上収益185,549百万円(前年度比10.8%増)、営業利益28,167百万円(同22.2%増)となりました。

 

※1 マルチクラウドサービス:複数のクラウド基盤を組み合わせて、一元的に管理するサービス。

※2 マネージドサービス:顧客のIT部門に代わり、システム全体を最適化して総合的に支援するサービス。

※3 ゼロトラスト:ネットワークの内部と外部を区別することなく、守るべき情報資産やシステムにアクセスするものは全て検証するというセキュリティの新たな考え方。

※4 マネージドセキュリティサービス(MSS):企業や組織の情報セキュリティシステムの運用管理を、社外のセキュリティ専門企業などがトータルに請け負うサービス。

 

d. 財政状態

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

前年度末比

増減額

増減率

流動資産

349,102

405,178

56,076

16.1%

非流動資産

489,122

517,595

28,473

5.8%

資産合計

838,224

922,773

84,549

10.1%

流動負債

198,247

214,642

16,394

8.3%

非流動負債

237,570

305,109

67,539

28.4%

資本合計

402,406

403,021

615

0.2%

親会社の所有者に帰属する持分

399,006

399,532

526

0.1%

親会社所有者帰属持分比率

47.6%

43.3%

△4.3P

有利子負債

205,823

268,104

62,280

30.3%

グロスD/Eレシオ(倍)

0.52

0.67

0.16

ネットD/Eレシオ(倍)

0.19

0.23

0.04

(注)1. グロスD/Eレシオ(グロス・デット・エクイティ・レシオ(負債資本倍率)):有利子負債÷親会社の所有者に帰属する持分

2. ネットD/Eレシオ(ネット・デット・エクイティ・レシオ(正味負債資本倍率)):(有利子負債-現金及び現金同等物等)÷親会社の所有者に帰属する持分

3. 有利子負債:社債及び借入金+その他有利子負債(信用取引借入金及び有価証券担保借入金)

   信用取引借入金(前連結会計年度末1,284百万円、当連結会計年度末745百万円)は、連結財政状態計算書上の営業債務及びその他の債務に、有価証券担保借入金(前連結会計年度末1,578百万円、当連結会計年度末278百万円)は、連結財政状態計算書上のその他の流動負債に含めています。

4. 現金及び現金同等物等:現金及び現金同等物+資金運用目的投資

 

当年度末において、流動資産405,178百万円(前年度末比16.1%増)、非流動資産517,595百万円(同5.8%増)、流動負債214,642百万円(同8.3%増)、非流動負債305,109百万円(同28.4%増)、資本合計403,021百万円(同0.2%増)、資産合計は922,773百万円(同10.1%増)となりました。また、当年度末におけるグロスD/Eレシオ(グロス・デット・エクイティ・レシオ)は、0.67倍、ネットD/Eレシオ(ネット・デット・エクイティ・レシオ)は、0.23倍となっています。

前年度末と比べ増減した主な内容は、次のとおりです。

営業債権及びその他の債権は10,278百万円増加し141,870百万円、契約資産は85百万円増加し56,066百万円となりました。

のれん及び無形資産は、円安によるのれん等の増加や国内における共同利用型システムの開発に伴う無形資産の取得等により、28,051百万円増加し265,334百万円となりました。

社債及び借入金は、2023年5月に再導入した信託型従業員持株インセンティブ・プランに伴う借入や2023年12月に第12回、第13回及び第14回無担保社債を発行したこと等により、64,119百万円増加し267,080百万円となりました。

このほか、現金及び現金同等物が44,678百万円増加の173,935百万円、営業債務及びその他の債務が909百万円増加の53,038百万円、未払法人所得税が10,780百万円増加の23,874百万円、自己株式が11,187百万円増加の17,464百万円となりました。

 

e. キャッシュ・フローの状況

「(1) 連結経営成績等の状況の概要 ② 連結キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。

 

f. 当社グループの資本の財源及び資金の流動性

当社グループは社会インフラとしての情報システムを担う社会的責任から、不測の事態が発生した場合でもサービス提供を継続するため、比較的厚めの自己資金を保持する方針としています。

当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、コンサルティングやシステム開発を担う従業員の労務費及びパートナー会社に対する外注費のほか、事業活動を支える不動産費や販売費及び一般管理費などがあります。投資資金需要としては、共同利用型サービスやアウトソーシングサービスを提供するためのデータセンターの建設やサービス提供用機器、自社利用ソフトウエアの開発費用に加え、事業拡大のためのM&A資金などがあります。

当社グループはこれらの資金需要に対して、事業の継続的な拡大を背景に、安定的にキャッシュ・フローを創出しており、事業運営上必要な資金は、自己資金でまかなうことを基本としています。毎期のソフトウエア投資など事業運営で必要な設備投資資金については、減価償却費及び償却費の範囲内で行うことを基本としていますが、M&Aをはじめとした中長期的な投資資金については、資本と負債のバランスなどの財務健全性や資金調達手段の多様化を考慮し、社債や借入れによる負債を一定以上活用した資金調達を行う方針としています。マーケットとの対話を意識し、ネットD/Eレシオ(ネットデット・エクイティ・レシオ)は0.5倍を上限としています。当年度末における有利子負債の残高は268,104百万円(前年度末比30.3%増)、現金及び現金同等物等の残高は175,874百万円(同34.0%増)、グロスD/Eレシオは0.67倍、ネットD/Eレシオは0.23倍となっています。

また、当社グループは、事業内容及び財務状況について第三者から客観的な評価を得ることで、経営の透明性と対外的な信用力を高めるとともに、事業機会に即した資金調達手段の多様化、資金調達の安定性向上に努めており、高い信用格付の維持を目指しています。本有価証券報告書提出日現在において、㈱格付投資情報センターより「AA-」の格付を、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン㈱より「A」の格付を取得しています。

 

② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しています。その作成にあたり、経営者は会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の計上額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っています。これらの見積りや仮定は、過去の実績や現在の状況などを勘案し合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積り及び仮定と異なる可能性があります。

なお、当社の連結財務諸表で採用する会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4. 重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しています。