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利益

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最終更新:

E05282 Japan GAAP

売上高

74.2億 円

前期

70.8億 円

前期比

104.9%

時価総額

83.8億 円

株価

1,465 (05/16)

発行済株式数

5,716,800

EPS(実績)

125.25 円

PER(実績)

11.70 倍

平均給与

672.8万 円

前期

709.0万 円

前期比

94.9%

平均年齢(勤続年数)

43.0歳(11.0年)

従業員数

267人

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社は、ソリューションサービスおよびエンジニアリングサービス事業を行っております。

当社の事業における位置付けおよびセグメントとの関係は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。

 

[Ⅰ]ソリューションサービス事業

ソリューションサービス事業は、製造業・建設業の生産性と品質の向上に役立つソリューションや営業活動・アフターサービスを支援する独自開発のシステム等を提供しております。

[Ⅱ]エンジニアリングサービス事業

エンジニアリングサービス事業は、データ解析・数値シミュレーション技術をベースに、主に環境分野を対象にした計算や解析サービスを提供しております。

 

事業系統図

以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

24/03/26

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

 ① 財政状態及び経営成績の状況

a.経営成績の状況

当事業年度における我が国経済は、個人消費やインバウンド需要の増加により回復基調にあります。一方、ウクライナ危機の長期化に伴う資源価格の高騰、世界的なインフレ加速に伴う各国の政策金利の引き上げ、円安・ドル高の進行等、かつてない先行き不透明な状況が続いております。

このような経済環境の中、当社の主要なマーケットであります製造業の分野では、営業活動やアフターサービス業務等の顧客接点を効率化するソリューションの導入や建設業界のBIM[※1]化推進等の影響により、受注は順調に推移しております。建設業の分野ではBIMを起点とした各種ソリューションの受注が好調に推移し、設備設計(機械・電気・配管)向けBIMの導入も増加しております。公共事業の分野では、防災・減災対策や環境アセスメントに加え、再生可能エネルギー関連の受注が堅調に推移しております。

当事業年度のソリューションサービス事業は、BIMを起点とした建設DX[※2][※3]がゼネコン、サブコン、建材メーカー、住宅設備メーカーに普及し好調に推移しております。

エンジニアリングサービス事業は、河川防災関連業務等の受注は堅調に推移したものの、全般的に発注者側の環境変化の影響を受け受注時期が遅延する傾向にありましたが、徐々に回復基調に転じております。

これらの結果、当事業年度の売上高は7,419,439千円(前期比4.9%増)、営業利益は978,221千円(前期比2.3%増)、経常利益は1,048,593千円(前期比2.0%増)、当期純利益は716,057千円(前期比2.8%減)となりました。

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

・ソリューションサービス事業

ソリューションサービス事業につきましては、製造業および建設業向けに業務の効率化、事業拡大を支援するサービスを自社ソリューション中心に展開しております。

製造業向けサービスにつきましては、営業支援ソリューション(製品名:EasyコンフィグレータおよびWebレイアウトプランナー)の受注が住宅設備メーカーや建材メーカーを中心に好調に推移しており、非接触(リモート、バーチャル)化に向けての動きも徐々に進んでおります。また、建設業界のBIM化推進、浸透に伴い住宅設備メーカーを中心にBIM連携業務の引き合いが加速しております。CAD[※4]やPLM[※5]などの設計支援や保守支援ソリューション(製品名:PLEXおよびFieldPlanner)につきましても業務の効率化やアフターサービスを重視する流れから、引き合いは底堅く推移しております。特にPLM事業につきましては、PLMを中核とした周辺業務(営業/保守/生産/調達等)との連携に期待するニーズも増えており、今後の中核事業として拡大をめざしてまいります。

建設業向けサービスにつきましては、建設業界の好調な業績を背景とした建設DXによる効率化・省力化への投資意欲は継続して高く、BIM関連業務を中心に引き合いは増加し、受注は堅調に伸長しました。

今後、製造業向けサービスにつきましては、toDIM[※6]ブランドの立ち上げに注力し、さらなる事業拡大をめざしてまいります。また、建設業向けサービスにつきましては、BooT.one[※7]をはじめとしたtoBIM[※8]ブランドの育成やサービスの拡充に加え、新たな領域である設備設計(機械・電気・配管)向けBIMの販売拡大に注力してまいります。

業績面では、BIM関連業務および営業支援ソリューション等の好調な受注状況により売上高は堅調に推移しました。

これらの結果、当事業年度の売上高は5,309,347千円(前期比4.6%増)、セグメント利益は1,224,641千円(前期比7.4%増)となりました。

 

 

・エンジニアリングサービス事業

エンジニアリングサービス事業につきましては、防災系エンジニアリング業務、環境系コンサルティング・まちづくり支援業務、建設情報化支援サービス業務を中心に展開しております。

防災系エンジニアリング業務は、激甚化・頻発化する自然災害の備えに対する社会の要請が増加しており、昨今の内水氾濫に起因する都市型浸水の対策業務など、水防災関連の売上高が堅調に推移しております。

環境系コンサルティング・まちづくり支援業務は、 地方自治体のまちづくり計画業務、とりわけ再生可能エネルギーに着目した営業活動を行っており、引き合いを伸ばしております。また、発注者の計画策定に時間を要していたことから、受注が鈍化傾向にあった民間系都市開発事業も受注環境は回復傾向にあります。

建設情報化支援サービス業務は、国土交通省が掲げる2023年度「直轄工事でBIM/CIM[※9]原則導入」および2025年度達成目標の「建設土木現場の生産性2割向上」を背景に建設情報化支援のニーズが高まっております。関連するソフトウエアの販売・運用サポートの受注は底堅く推移しています。一方で、CIM活用コンサルティング業務については、引き合いは順調であったものの、国土交通省が「BIM/CIM関連基準要領等(R5.3)」により、今年度の難易度の緩和を示したことから、受注に時間を要しております。

今後は、効率化を求めつつも高度化・複雑化した解析関連業務に対応すべく情報処理技術、解析技術に磨きをかけるとともに、まちづくり支援業務では、より多様化した社会ニーズに応えるデータ解析技術の確立に努めます。また、既存の技術提供サービスに加え、toCIM[※10]ブランドとして昨年販売を開始した自社開発のアドインパッケージNavismaster[※11]の本格的な販売拡大をめざしてまいります。

業績面では、今後を見据え、カーボンニュートラルに向けたまちづくり計画支援などに関する業務を戦略的に受注しましたが、全般的に受注時期が遅延したことにより、稼働率が低下しました。なお、当事業年度末時点のエンジニアリングサービス事業全般の受注状況は、徐々に回復基調に転じております。

これらの結果、当事業年度の売上高は2,110,091千円(前期比5.5%増)、セグメント利益は460,293千円(前期比1.8%減)となりました。

 

※1:BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)

コンピュータ上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに、コストや仕上げ、管理情報等の属性データを追加した建築物のデータベースを、建築設計、施工から維持管理までのあらゆる工程で情報活用を行うためのモデルシステム。

※2:建設DX(建設デジタル・トランスフォーメーション)

建設業界にIoTやAIなどデジタル技術を導入するビジネスモデルの変革を指し、業務の効率化、人手不足や技術の継承など建設業界が抱える課題解消をはかり、生産プロセス全体の最適化をめざす取り組み。

※3:DX(デジタル・トランスフォーメーション)

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

※4:CAD(コンピュータ・エイデッド・デザイン)

コンピュータを利用して機械・電気製品等の設計を行うこと。コンピュータとの会話形式で設計を行う。

※5:PLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)

製造業において、製品開発期間の短縮、生産工程の効率化および顧客の求める製品の適時市場投入が行えるように、企画・開発から設計、製造・生産、出荷後のサポートやメンテナンス、生産・販売の打ち切りまで、製品にかかわるすべての過程を包括的に管理すること。

※6:toDIM(トゥー・ディーアイエム)

当社の親会社のトランス・コスモス株式会社と応用技術株式会社の頭文字「t」と「o」にDIM(デジタルイノベーティブマニュファクチャリング)を配置したブランド名称。”製造業界向けにデジタル技術を駆使した変革”の実現をめざすサービス。

※7:BooT.one(ブート・ワン)

大成建設株式会社が社内で蓄積してきた「BIM規格」のノウハウを応用技術株式会社が引き継ぎ進化させ「toBIM」ブランドで提供するAutodesk社のRevitのアドインパッケージ。「BIM規格」はコマンドツール、テンプレート、ファミリ、活用ガイドライン、トレーニング教材の5つのカテゴリの総称で、「BooT.one」はこれらをパッケージ化した商品。Revitユーザの生産効率を大幅に向上させることが可能となる。

 

※8:toBIM(トゥー・ビム)

当社の親会社のトランス・コスモス株式会社と応用技術株式会社の頭文字「t」と「o」にBIMを配置したブランド名称。トランス・コスモス株式会社によるBPOサービスと当社によるシステム開発のそれぞれを効果的に提供し、顧客企業の生産性向上を推進するためのBIMトータルサービス全般を指す。

※9:CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)

建設生産システムの基軸を従来の2次元モデルから3次元モデルへ拡張し、データをコンピュータ上に構築・共有しながら統合的に調査、計画、設計、解析、施工、維持管理にいたる一連のワークフローを効率化するシステム。

※10:toCIM(トゥー・シム)

当社の親会社のトランス・コスモス株式会社と応用技術株式会社の頭文字「t」と「o」にCIMを配置したブランド名称。土木事業のCIM活用シーンで「システム導入・開発」「プロジェクト支援」「人材育成」「業務プロセス改善」など、顧客企業の課題解決および土木事業全体の生産性向上を推進するためのCIMサービス全般を指す。

※11:Navismaster(ナビスマスター)

これまで応用技術が蓄積してきた「BIM/CIM」における3次元モデリング技術やCAD開発技術のノウハウを融合させることにより誕生した「toCIM」ブランドで提供するAutodesk社のNavisworksのアドインパッケージ。「3次元モデル成果物作成要領(案)」に沿った納品支援、また、属性項目編集や属性活用等の機能を実装し、統合された3次元モデルの属性の活用や設計から施工にかけてのデータ共有等の処理効率を大幅に向上させることが可能となる。

 

b.財政状態の分析

(資産の部)

当事業年度末の総資産は、6,553,771千円となり前事業年度末と比較し811,089千円増加しました。これは主に、売上債権および契約資産471,243千円、預け金300,000千円がそれぞれ増加したためであります。

 

(負債の部)

当事業年度末の負債は、1,599,094千円となり前事業年度末と比較し265,594千円増加しました。これは主に、未払費用102,534千円、未払消費税等126,701千円がそれぞれ増加したためであります。

 

(純資産の部)

当事業年度末の純資産は、当期純利益を716,057千円計上したことおよび配当金171,290千円の支払を実施したこと等により、前事業年度末から545,494千円増加し、4,954,677千円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ319,695千円増加し、3,389,308千円となりました。

 

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、530,710千円(前事業年度は526,445千円の収入)となりました。これは主に、売上債権及び契約資産471,243千円の増加および法人税等の支払額442,558千円があったものの、税引前当期純利益1,054,901千円および減価償却費55,635千円の計上、棚卸資産91,124千円の減少、未払消費税等126,701千円の増加があったためであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、40,280千円(前事業年度は29,383千円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入31,658千円があったものの、本社のワンフロア化に伴う差入保証金の差入による支出18,307千円および情報化投資等を行ったためであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、170,733千円(前事業年度は113,599千円の支出)となりました。これは、配当金170,733千円の支払を行ったためであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前期比(%)

ソリューションサービス事業

3,126,611

△0.2

エンジニアリングサービス事業

974,976

9.7

合計

4,101,587

2.0

 

(注) 金額は、製造原価によっております。

 

b.受注実績

当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

ソリューションサービス事業

5,202,724

△1.7

1,397,421

△7.1

エンジニアリングサービス事業

2,045,260

△0.4

579,324

△10.1

合計

7,247,985

△1.3

1,976,746

△8.0

 

 

c.販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

ソリューションサービス事業

5,309,347

4.6

エンジニアリングサービス事業

2,110,091

5.5

合計

7,419,439

4.9

 

(注) 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前事業年度

当事業年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

大和ハウス工業株式会社

728,029

10.3

 

(注) 当事業年度の大和ハウス工業株式会社については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

当事業年度の売上高は、7,419,439千円(前期比4.9%増)となりました。セグメントごとの概況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  (1) 経営成績等の状況の概要  ① 財政状態及び経営成績の状況  a.経営成績の状況」をご参照ください。

 

(営業利益)

売上原価は、事業拡大による人件費の増加により、5,257,629千円(前期比4.0%増)となりました。販売費及び一般管理費につきましても、事業拡大による人件費や試作費用等が増加傾向にあり、1,183,587千円(前期比11.4%増)となりました。これらの結果を受けて、営業利益は978,221千円(前期比2.3%増)、売上高営業利益率は13.2%(前期比0.3%減)となりました。

 

 

(経常利益)

経常利益は、昨年から引き続きパートナー企業より新分野への取り組みに対する奨励金を受けたこと、また、余資をグループ内金融にて運用し、受取利息を得た結果、営業外収支が黒字となり、経常利益は1,048,593千円(前期比2.0%増)となりました。

 

(特別損益)

投資有価証券売却益6,338千円、固定資産除却損30千円の計上があり、税引前当期純利益は、1,054,901千円(前期比2.6%増)となりました。

 

(当期純利益)

法人税、住民税及び事業税372,969千円と法人税等調整額△34,125千円を計上した結果、当期純利益は716,057千円(前期比2.8%減)、1株当たり当期純利益は125.41円(前期比2.8%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フロー)

キャッシュ・フローの概況につきましては「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  (1) 経営成績等の状況の概要  ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当社は、将来の事業活動に必要な資金を確保し、適切な流動性を維持することを財務の基本方針としております。

当社の主な資金需要は、受注製作のソフトウエア等の完成に要する人件費や外注費等の製造原価、販売費及び一般管理費などの運転資金ならびに情報化投資の資金であり全額を自己資金で賄っております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表作成にあたっては、期末日における資産・負債の金額および報告期間における収益・費用の金額に影響する見積り、判断および仮定を使用する必要があります。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)  財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。