E01014 Japan GAAP
前期
161.3億 円
前期比
101.5%
株価
643 (04/26)
発行済株式数
11,200,000
EPS(実績)
82.32 円
PER(実績)
7.81 倍
前期
735.6万 円
前期比
94.1%
平均年齢(勤続年数)
42.6歳(16.2年)
従業員数
228人(連結:306人)
当社の企業集団は、当社、子会社2社、関連会社1社で構成されており、「化成品事業」として各種化成品の製造・販売を主な事業とし、「環境関連事業」として産業廃棄物の処理等の事業を営んでおります。
次の2部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
事業区分 |
売上区分 |
事業に係わる位置付け |
化成品事業 |
電子材料 |
当社およびDAITO-KISCO Corporationが製造・販売しております。また、当社はDAITO-KISCO Corporationから製品・原料の一部を購入しております。 |
イメージング材料 |
当社が製造・販売しております。 |
|
医薬中間体 |
当社が製造・販売しております。 |
|
その他化成品 |
当社およびディー・エス・エス株式会社が製造・販売しているほか、ディー・エス・エス株式会社は物流管理、生産、環境・設備保全等の業務請負をしております。また、当社はディー・エス・エス株式会社から製品・原料の一部を購入しております。 |
|
環境関連事業 |
産業廃棄物の処理および 化学品のリサイクル |
日本エコロジー株式会社は産業廃棄物の処理および化学品のリサイクルを主な業務としており、一部当社が廃液処理を委託しております。 |
事業の系統図は次のとおりであります。
※画像省略しています。
(注) 子会社2社は、連結子会社であります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
イ.財政状態
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末比31億63百万円増の246億98百万円となりました。
負債合計は前連結会計年度末比22億72百万円増の95億22百万円となりました。
純資産は前連結会計年度末比8億91百万円増の151億75百万円となりました。
ロ.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する経済活動への制限の緩和などにより、緩やかに持ち直しているものの、感染症の再拡大、エネルギー価格や原材料費の上昇、外国為替相場における急激な円安および、各国金融当局の政策変更など、先行き不透明な状況で推移いたしました。
当社グループの化成品事業に関連する半導体業界は、一部に在庫調整の影響はありましたが、データサーバー、5G高速通信、車載用などの半導体需要の増加により、引き続き堅調に推移いたしました。
フラットパネルディスプレイ業界は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う巣ごもり需要の反動、世界的な景気後退により、液晶・有機ELディスプレイともに需要は低調に推移いたしました。
写真業界では、新型コロナウイルス感染症からの回復傾向が継続し、インスタント写真の需要が回復いたしました。
印刷業界では、ペーパーレス化などの動きにより、縮小傾向が継続しております。
医薬品業界では、世界医薬品市場は拡大を継続しており、低分子薬も再び活気を取り戻しております。国内医薬品市場も安定調達を目的に、中国などから国内に回帰する動きを強めております。
環境関連事業につきましては、産業廃棄物処理分野では、製造業の生産調整などにより、排出量が減少いたしました。化学品リサイクル分野では、電子部品関連が活発な動きで推移いたしました。引き続き産業廃棄物のリユース、リサイクルへの関心は、高くなってきております。
このような環境のもとで当社グループは、2020年3月期をスタートとする5ヵ年の中期経営計画を策定し、その目標達成に向けて、各種施策に取り組んでおります。特に、先端の半導体用感光性材料やディスプレイ周辺材料などの電子材料、印刷用色材などの機能性材料、ヘルスケア用途向け材料の新製品開発、廃棄物処理、リサイクルの特殊技術開発などに積極的に取り組むと同時に、生産能力の増強に向けた設備投資、持続的な成長と最適な組織運営を図るための社員採用など、成長投資にも積極的に取り組みました。
その結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比1.5%増の163億77百万円となりました。経常利益は、前連結会計年度比26.3%減の12億91百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比41.7%減の9億22百万円となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
化成品事業
当事業の売上高は、前連結会計年度比2.0%増の148億84百万円となりました。
ⅰ)電子材料
半導体用感光性材料は、下期に在庫調整局面が生じましたが、販売数量、売上高ともに増加いたしました。フラットパネルディスプレイ用材料は、新型コロナウイルス感染症の巣ごもり需要の反動等により、販売数量、売上高ともに減少いたしました。
この結果、電子材料の売上高は、前連結会計年度比3.4%増の103億32百万円となりました。
ⅱ)イメージング材料
フィルム用材料は、世界的な景気後退の影響により、販売数量、売上高ともに減少いたしました。写真材料は、販売数量は減少しましたが、売上高は増加いたしました。また、印刷材料に関しては新規製品の増加で、販売数量、売上高ともに増加いたしました。
この結果、イメージング材料の売上高は、前連結会計年度比5.8%減の30億69百万円となりました。
ⅲ)医薬中間体
医薬中間体は、製品構成により、販売数量は減少しましたが、売上高は増加いたしました。
この結果、医薬中間体の売上高は、前連結会計年度比14.1%増の11億72百万円となりました。
ⅳ)その他化成品
その他化成品は、製品構成により、販売数量、売上高ともに減少いたしました。
この結果、その他化成品の売上高は、前連結会計年度比2.6%減の3億10百万円となりました。
環境関連事業
当事業の売上高は、前連結会計年度比3.0%減の14億92百万円となりました。
ⅰ)産業廃棄物処理分野
受託量減少により、売上高は減少いたしました。
この結果、産業廃棄物処理分野の売上高は、前連結会計年度比6.1%減の9億95百万円となりました。
ⅱ)化学品リサイクル分野
非電子部品関連は低調であったことから出荷量、売上高がともに減少いたしました。一方、電子部品関連は高価格製品が堅調に推移し、出荷量は減少したものの、売上高は増加いたしました。
この結果、化学品リサイクル分野の売上高は、前連結会計年度比3.9%増の4億96百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、税金等調整前当期純利益12億91百万円、社債の発行による収入9億85百万円、減価償却費7億98百万円となりましたが、有形固定資産の取得による支出19億4百万円、棚卸資産の増加17億33百万円、社債の償還による支出1億89百万円、法人税等の支払額2億55百万円により、前連結会計年度末に比べ10億28百万円減少し、当連結会計年度末には23億94百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果増加した資金は、4億4百万円(前連結会計年度は11億50百万円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益12億91百万円、減価償却費7億98百万円、売上債権の減少3億90百万円、棚卸資産の増加17億33百万円、法人税等の支払額2億55百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果減少した資金は、19億97百万円(前連結会計年度は15億25百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出19億4百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果増加した資金は、5億63百万円(前連結会計年度は5億43百万円の増加)となりました。これは主に社債による収入9億85百万円、短期借入金の返済による支出2億円、社債の償還による支出1億89百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (百万円) |
前年同期比(%) |
化成品事業 |
15,822 |
105.2 |
環境関連事業 |
1,565 |
97.8 |
合 計 |
17,387 |
104.5 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
ロ.仕入実績
当連結会計年度の製品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (百万円) |
前年同期比(%) |
化成品事業 |
520 |
117.0 |
環境関連事業 |
27 |
110.4 |
合 計 |
548 |
116.7 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は仕入価格によっております。
ハ.受注実績
受注生産は行っておりません。
ニ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (百万円) |
前年同期比(%) |
化成品事業 |
14,884 |
102.0 |
環境関連事業 |
1,492 |
97.0 |
合 計 |
16,377 |
101.5 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績およびそれぞれの総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
2021年4月~2022年3月 |
2022年4月~2023年3月 |
|||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
三木産業㈱ |
3,280 |
20.3 |
3,790 |
23.1 |
住友化学㈱ |
2,672 |
16.6 |
2,805 |
17.1 |
富士フイルム㈱ |
2,353 |
14.6 |
2,337 |
14.3 |
東京応化工業㈱ |
1,567 |
9.7 |
1,589 |
9.7 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当社グループは、過去の実績や取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積りおよび判断を行い、その結果を資産、負債の帳簿価額および収益、費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しております。なお、新型コロナウイルスの感染拡大は、現時点では当社グループの事業活動に対する影響は軽微であるため、今後の業績についても重要な影響は及ぼさないことと仮定して、期末時点で入手可能な情報をもとに将来見込数値に織り込んでおります。実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.財政状態の分析
(総資産)
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末比31億63百万円増の246億98百万円となりました。流動資産は前連結会計年度末比5億2百万円増の122億87百万円となりました。主な要因は、棚卸資産の増加17億33百万円、未収消費税等の増加1億87百万円、現金及び預金の減少10億28百万円、売掛金の減少3億88百万円であります。
固定資産は前連結会計年度末比26億61百万円増の124億11百万円となりました。主な要因は、設備投資による有形固定資産の増加25億19百万円であります。
(負債合計)
負債合計は前連結会計年度末比22億72百万円増の95億22百万円となりました。主な要因は、未払金の増加14億17百万円、社債(1年以内返済予定を含む)の増加8億11百万円であります。
(純資産)
純資産は前連結会計年度末比8億91百万円増の151億75百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加7億83百万円であります。
これにより自己資本比率は61.4%となりました。
ロ.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比1.5%増の163億77百万円となりました。セグメント別の売上高については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 ロ.経営成績」に記載のとおりであります。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度比16.9%減の24億34百万円となりました。売上総利益率は前連結会計年度比3.3ポイント下降し、14.9%となりました。これは化成品事業および環境関連事業において、原材料費が増加したことによるものであります。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度比27.2%減の12億83百万円となりました。営業利益率は前連結会計年度比3.1ポイント下降し、7.8%となりました。販売費および一般管理費は、前連結会計年度比1.3%減の11億50百万円となり、販管費比率は前連結会計年度比0.2ポイント下降し、7.0%となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度比26.3%減の12億91百万円となりました。経常利益率は前連結会計年度比3.0ポイント下降し、7.9%となりました。
ハ.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高経常利益率を採用しております。これを重要な指標として認識し、目標の達成に努めております。
なお、中期経営計画(2019年4月~2024年3月)の4年目である2022年度の達成・進捗状況は以下のとおりです。
売上高は計画比15億22百万円減(8.5%減)となりました。これは、化成品事業における電子材料およびイメージング材料の需要の減少によるものです。これにより経常利益は、計画比1億8百万円減(7.8%減)となりました。
|
2022年度(計画) |
2022年度(実績) |
2022年度(計画比) |
売上高 |
17,900百万円 |
16,377百万円 |
△1,522百万円 (91.5%) |
経常利益 |
1,400百万円 |
1,291百万円 |
△108百万円 (92.2%) |
経常利益率 |
7.8% |
7.9% |
+0.1ポイント |
ニ.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
ホ.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入費用、人件費のほか、その他の製造費用、販売費および一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
資本政策と株主配当方針、成長投資の方針については、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
翌連結会計年度において、「第3 設備の状況 3設備の新設、除却等の計画」に記載した当社福井工場における設備投資等を予定しておりますが、自己資金および金融機関からの借入金により賄ってまいります。
なお、当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は47億23百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は23億94百万円となっております。