シンプレクス・ホールディングス株式会社

上場日 (2021-09-22) 
ブランドなど:SimplexPRISM
情報・通信業システムプライムTOPIX Small 1

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E36928 IFRS

売上高

349.5億 円

前期

305.8億 円

前期比

114.3%

時価総額

1,612.2億 円

株価

2,776 (03/28)

発行済株式数

58,076,250

EPS(実績)

93.53 円

PER(実績)

29.68 倍

平均給与

916.3万 円

前期

860.2万 円

前期比

106.5%

平均年齢(勤続年数)

36.9歳(4.5年)

従業員数

69人(連結:1,047人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループは、当社及び連結子会社6社により構成され、その主な事業内容は、幅広い業種の顧客企業のビジネスの成功に貢献するシステムの提案、構築、運用保守に係るITソリューションの提供であります。
 グループ中核企業であるシンプレクス株式会社は、1997年の創業以来、日本を代表する銀行、総合証券、インターネット証券のテクノロジーパートナーとしてビジネスを展開し、金融フロンティア領域における国内トップブランドとしてのポジション獲得に向けて力強い成長を続けてまいりました。現在では、金融フロンティア領域からクロスフロンティア領域へと事業領域を拡大し、金融フロンティア領域で獲得したAI/クラウド技術等のキーテクノロジーを軸として、対象顧客を金融機関に限定しない高付加価値サービスを広く提供するに至っております。

 金融ソリューションとしては、機関投資家向けトレーディング・リスク管理プラットフォームとして、主に大手銀行や大手総合証券に提供している「キャピタル・マーケットソリューション」と、個人投資家向け取引プラットフォームとして、主にネット証券やネットFX会社、暗号資産交換業者に提供している「リテールソリューション」があります。

 他方、非金融ソリューションとしては、保険業務のフロントから契約管理までをカバーしたトータルソリューションとして、主に生命保険会社や損害保険会社に提供している「保険ソリューション」と、非金融業種のDX支援に特化した各種ITソリューションから構成される「エンタープライズDX」があります。

 また、2021年4月から始動したXspear Consulting株式会社において、官公庁、製造、化学、放送、エンターテイメントといった多様な非金融業種を対象として、戦略/DXコンサルティングサービスを提供しております。

 なお、当社グループは、ITソリューションの提供を中心に事業活動を展開する単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりませんが、主たるサービス内容の特徴を整理すると以下のとおりであります。

 

サービス形態

サービスの特徴

戦略/DXコンサルティング

AI・UI/UX・クラウド・Web3等、最先端テクノロジーに立脚した戦略立案と実行支援を行っております。幅広い業種の経営層や経営企画部門に対し、DXを推進するための、経営戦略・事業戦略策定、組織改革、ビジネスプロセス変革等の支援サービスを提供しております。

システムインテグレーション

幅広い業種の顧客企業に対し、システムコンサルティングとシステム開発支援を行う、当社グループの主要サービスであります。

 

システムコンサルティング

ビジネスとテクノロジーに精通したプロフェッショナルが、経営視点でのIT戦略立案やシステム開発に係る要件定義を支援しております。ビジネスの観点で必要なシステムの全量を洗い出したうえで、稼働後のビジネスチューニングも視野に入れた全体設計を行っております。

 

システム開発

システムコンサルティングを手掛けたチームが、自ら定めた要件に沿って、システムの構築作業を行っております。当社グループのノウハウが集約されたSimplex Library(注1)を活用することにより、開発期間の短縮とシステムの安定性確保を両立した高付加価値ソリューションを提供しております。

運用サービス

システム開発支援を行った概ねすべての顧客企業を対象として、システム導入後の運用保守や共同利用型サービスの提供を行っております。

 

運用保守

システムコンサルティングからシステム開発までの全工程を担当したチームが、長期的なパートナーシップのもと、24時間365日体制のシステム運用監視や、トラブル時の対応・復旧活動を支援しております。DX成功の鍵をにぎる稼働後のシステム改善提案もプロアクティブに実施しております。

 

共同利用型サービス

Simplex Libraryを駆使して自ら企画・開発したシステムを、複数の顧客企業に対して共同利用型サービスとして広く提供しております。常に業界最先端のシステムをサービスとして提供することで、顧客企業における事業環境変化や制度改正への即応力の向上に貢献しております。

その他

主としてハードウェア・ミドルウェア等の物品販売を行っております。

(注1)当社グループは、システム開発後、概ねすべてのシステムの著作権を当社グループに留保しております。かかる著作権留保の結果、汎用性の高い複数のプログラムを当社グループによる再利用が可能な形で蓄積した当社グループ独自のライブラリを、Simplex Libraryと呼んでいます。

 

 以上に述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

  ※ 矢印は、サービスの主な流れを示しております。

 

用語の説明

AI

Artificial Intelligenceの略。人間の脳が行っているような認識や判断といった作業を自律的に行うソフトウェアやシステムを指します。

UI/UX

User Interface/ User Experienceの略。前者はユーザーがPCやスマートフォン等のデバイスとやり取りをする際の入力や表示方法等の仕組みを意味し、後者はサービス等によって得られるユーザー体験のことを指します。

Web3

ブロックチェーン技術を用いることで実現された、インターネット上における分散型ネットワークを指します。代表的なものに、暗号資産、メタバース(インターネット上の三次元の仮想空間)、NFT(Non-Fungible Tokenの略。ブロックチェーン技術を利用してインターネット上のアイテムやコンテンツを識別し、所有者を管理するためのトークン)があります。

 

(当社グループのビジネスモデルの特徴)

 当社グループは、豊富なビジネスノウハウと高度なテクノロジーの両方が求められる、参入障壁が高い領域に特化した事業を展開しており、創業来育んできた独自のビジネスモデルであるSimplex Wayが当社グループの競争優位の源泉であります。それゆえに、単なるシステム開発ベンダーではなく、ビジネスにも深く精通したテクノロジーパートナーとして、顧客企業にとって極めてユニークな存在となることを企図し、Simplex Wayのさらなる推進に取り組んでおります。当社グループのビジネスモデルの特徴については以下のとおりです。

 

(1)顧客企業のビジネスを成功に導くSimplex Wayの基本コンセプト

 当社グループは、幅広い業種の顧客企業の課題に対し、ビジネスとテクノロジー双方に精通したハイブリッド人材で編成されたプロジェクトチームが、最上流のコンサルティングからシステム開発、運用保守に至るすべての工程に責任を持ち、一気通貫かつ自社完結でのトータルソリューションを提供することを基本としております。

 元請けから下請けに作業を段階的に委託していく多重下請け構造が一般的な国内IT業界において、顧客企業と直接取引を行うプライム受注(注2)を徹底しつつ、下請けへの丸投げも行わない自社完結モデルを維持している当社グループのような企業は少ない現状にあります。Simplex Wayの基本コンセプトは以下のとおりです。

(注2)発注元である顧客企業との直接取引を指します。

 

① 一気通貫モデル:コンサルティングから運用保守に至る全フェーズを支援

 ビジネスとテクノロジー双方に精通したハイブリッド人材で編成されたプロジェクトチームが、最上流のコンサルティングからシステム開発、運用保守に至るすべての工程に責任を持つことで、システム導入後における改善ニーズを汲み取り、次のコンサルティングやリピートオーダー・リカーリングビジネス(注3)の獲得につなげるという循環型モデルであります。

(注3)リカーリングビジネスとは、顧客企業と継続的な関係を築き、繰り返し利用されることで安定的な収益を得ることを目指すビジネスを指します。

 

② 自社完結モデル:プライム受注の徹底/下請けに丸投げしない開発体制

 多重下請け構造が一般的な国内IT業界において、顧客企業と直接取引を行うプライム受注を徹底しつつ、下請けにも丸投げしないというビジネスモデルであります。国内IT業界特有の構造的な中間マージンを排除すると共に、ハイブリッド人材によるソースコード開発・運用支援により、業界屈指の利益率の獲得に成功しております。

 

③ ハイブリッド人材の育成:ビジネス/テクノロジー双方に精通したプロ人材を育成

 当社グループのビジネスモデルにおいては、ビジネスとテクノロジー双方に精通した業界最高水準のハイブリッド人材の採用と育成が必須の要素です。このため、ビジネスパーソンとしてトップ層となりうる高いポテンシャルを持つ新卒人材を採用し、入社後数年間は集中的にシステム開発業務を割り振り、テクノロジーを徹底的に教育した上で、顧客企業における最前線のビジネスに直接対峙するOJTを通じて、高度なビジネスノウハウを獲得させる戦略を採用しております。

 

(2)ノウハウ標準化による生産性向上

 通常の受託開発プロジェクトでは、発注元である顧客企業にシステムの著作権が引き渡されるのが一般的な国内IT業界において、当社グループは、受託開発の事業形態でありながら、システム開発後、概ねすべてのシステムの著作権を当社グループに留保しております。これは、当社グループのシステム開発では、顧客企業と直接取引を行うプライム受注が基本形態であることから、上流工程にあたるコンサルティングの段階でハイブリッド人材による当社グループのノウハウやアイデアを顧客企業に提供することにより、顧客企業との交渉が可能となっているためであります。

 かかる著作権留保の結果、汎用性の高い複数のプログラムを当社グループによる再利用が可能な形でSimplex Libraryとして蓄積することに成功しております。Simplex Libraryの活用パターンは以下のとおりです。

 

① 受託開発プロジェクトにおけるライブラリとしての再利用

 当社グループの金融フロンティア領域における受託開発プロジェクトでは、全体の構築作業の約50~70%においてSimplex Libraryが活用されております。これにより、顧客企業にとっては、開発期間の短縮やシステムの安定性の確保が可能となり、さらには顧客企業に競争優位をもたらす機能に資源を集中できることから、多くの顧客企業からご支持をいただいております。当社グループにとっても、Simplex Libraryでノウハウを標準化することで、当社グループに競争優位をもたらす機能に資源を集中することができ、当社ビジネスのさらなる拡充に繋げることができると考えております。

 

② 共同利用型サービスとして提供

 当社グループは、Simplex Libraryとして長期にわたり蓄積してきたノウハウを駆使して自ら企画・開発したシステムを、複数の顧客企業に対して共同利用型サービスとして広く提供しております。サービス利用料を月ごとにチャージするビジネスモデルであることから、低リスクの安定的な収益源であるリカーリングビジネスの一部となっています。

 

(3)Simplex Wayのメリット

 当社グループは、創業来育んできた独自のビジネスモデルであるSimplex Wayにより、参入障壁の高い領域で事業を展開することを実現し、効率的な案件推進と業界屈指の利益率を実現しております。Simplex Wayのメリットについては以下のとおりであります。

 

① 業界屈指の利益率

 Simplex Wayの自社完結モデルにより、国内IT業界特有の構造的な中間マージンを排除することで、当社グループでは、効率的な案件推進ができ、高い利益率を達成しております。ソフトウェア業界の平均売上総利益率が26.9%(注4)である中、当社グループの2023年3月期の売上総利益率は41.8%であり、これは、業界屈指の水準であると考えております。

(注4)ソフトウェア業界における平均売上総利益率は、2022年6月29日に発表された経済産業省企業活動基本調査「2021年企業活動基本調査確報-2020年度実績」の2020年度の「ソフトウェア業」の売上総利益率の数値であります。

 

② 安定した収益基盤

 Simplex Wayの一気通貫モデルにより、ハイブリッド人材で編成されたプロジェクトチームが、最上流のコンサルティングからシステム開発、運用保守に至るすべての工程に責任を持ち、システム導入後における改善ニーズを汲み取ることで、次のコンサルティングやリピートオーダーを安定的に獲得することに成功しております。

 結果として、新規システム導入に係るコンサルティングや設計・構築作業等のフロービジネス(注5)の拡大に連動して、システム導入後に機能改修や法制度の変更への対応等で発生するリピートオーダーや、運用保守、共同利用型サービス等のリカーリングビジネスが連鎖的に拡大していく収益モデルを構築しております。なおこれらの分類のうち、リピートオーダーとリカーリングビジネスは当社グループの低リスクの安定的な収益源であり、2023年3月期には売上収益全体の約65%を占めております。

(注5)フロービジネスとは、顧客企業と都度関係を築き、都度収益をあげるビジネスを指します。

 

③ 実プロジェクトを通じたビジネスノウハウの習得

 ハイブリッド人材の育成に欠かせないビジネスノウハウの習得においては、顧客企業における最前線のビジネスに直接対峙する一気通貫モデルの徹底により、顧客企業と同等の豊富なノウハウを実プロジェクトの中で習得できる環境が整っております。こうした環境下において、ビジネス/マネジメント/テクノロジー等、個々の得意分野において、あくまでもプレイヤーとして能力を最大限伸ばしていくという、国内では稀な育成方法を採用しております。

 

 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

 

23/06/16

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

 近年、デジタル技術の進展・普及に伴い、あらゆる産業において、テクノロジーを駆使してビジネスモデルそのものを改革していく、DXへの対応が急務となっております。こうした流れに連動する形で、当社グループがサービス提供を手掛ける対象領域も急速に拡大しております。

 こうした経営環境の下、当社グループにおいては、当社グループのコンサルティングファームであるXspear Consulting株式会社が創設2年目にして確実に立ち上がり、事業領域の拡大の鍵を握る非金融案件を着実に受注したことにより、戦略/DXコンサルティングの売上が大きく増加しました。また、既存顧客である金融機関からのリピートオーダーや内製志向だった大手ネット証券及び大手総合証券に対する深耕等により、システムインテグレーションの売上も好調に推移しました。

 当連結会計年度の経営成績は以下のとおりであります。

(売上収益)

 売上収益は、主にシステムインテグレーションの売上が好調に推移したこと及び戦略/DXコンサルティングの新規案件獲得により、34,946百万円(前期30,579百万円、前期比14.3%増)と、前期を大きく上回り、史上最高を更新しました。

 

(売上総利益)

 売上総利益は14,597百万円(前期13,016百万円、前期比12.1%増)と、前期を大きく上回り、売上総利益率は、41.8%(前期42.6%)と、ほぼ前期と同水準となりました。

 

(営業利益)

 販売費及び一般管理費は、採用戦略の一層の強化等により、5,374百万円(前期5,209百万円、前期比3.2%増)と、前期より増加しました。研究開発費は1,438百万円(前期1,241百万円、前期比15.8%増)と、前期より増加しました。

 また、識別可能資産償却費に前期と同額の446百万円、その他の収益に148百万円、その他の費用に37百万円を計上しています。

 この結果、営業利益は7,451百万円(前期6,362百万円、前期比17.1%増)、売上収益営業利益率は21.3%(前期20.8%)となりました。

 

(税引前当期利益)

 金融収益14百万円、金融費用166百万円を計上して、税引前当期利益は7,298百万円(前期6,191百万円、前期比17.9%増)となりました。

 

(当期利益)

 法人所得税費用は1,866百万円(前期1,986百万円)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は5,432百万円(前期4,204百万円、前期比29.2%増)となりました。

 

② 財政状態の状況

 当連結会計年度末の財政状態は以下のとおりであります。

(資産)

 当連結会計年度末における資産合計は、70,266百万円(対前連結会計年度末比3,333百万円増加)となりました。これは主に、大型案件の検収が年度末に複数件重なったことにより、一時的に営業債権及びその他の債権が3,078百万円増加した他、出資等によりその他の金融資産が999百万円、将来のオフィス移転・増床による影響額を測定したことにより使用権資産が667百万円増加した一方で、現金及び現金同等物が1,133百万円減少したことによるものです。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債合計は、28,282百万円(対前連結会計年度末比1,357百万円減少)となりました。これは主に、使用権資産の増加に伴いリース負債が668百万円増加した一方で、返済により借入金が1,089百万円減少した他、未払法人所得税等が574百万円、引当金が362百万円減少したことによるものです。

(資本)

 当連結会計年度末における資本合計は41,984百万円(対前連結会計年度末比4,690百万円増加)となり、親会社所有者帰属持分比率は59.7%(前連結会計年度末は55.7%)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は12,832百万円(対前連結会計年度末比1,133百万円減少)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、3,733百万円の資金取得(前期7,561百万円の資金取得)となりました。これは主に、税引前当期利益7,298百万円の計上、使用権資産償却費1,411百万円によるキャッシュ・フローの増加と、営業債権及びその他の債権の増加3,078百万円、法人所得税の支払2,676百万円によるキャッシュ・フローの減少によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、1,441百万円の資金使用(前期328百万円の資金使用)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出600百万円、オフィス移転・増床に伴う有形固定資産の取得等による支出320百万円、敷金及び保証金の差入による支出265百万円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、3,435百万円の資金使用(前期1,346百万円の資金使用)となりました。これは主に、リース負債の支払による支出1,417百万円、配当金の支払による支出1,277百万円と、長期借入金の返済による支出1,140百万円によるものです。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

 当社グループは、ITソリューションの提供を中心に事業活動を展開する単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりませんが、当連結会計年度の生産実績、受注実績、販売実績をサービス区分ごとに示すと、以下のとおりであります。

a 生産実績

サービス形態

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

戦略/DXコンサルティング(百万円)

1,073

181.0

システムインテグレーション(百万円)

12,513

115.6

運用サービス(百万円)

6,772

110.2

その他(百万円)

合計(百万円)

20,358

115.9

 (注)金額は製造原価によっております。

 

b 受注実績

サービス形態

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

戦略/DXコンサルティング

2,779

201.4

893

312.5

システムインテグレーション

22,109

114.4

5,901

107.2

運用サービス

12,091

112.2

9,935

111.6

その他

10

210.7

5

293.0

合計

36,989

117.4

16,734

113.9

 (注)受注残高は、向こう1年間の売上収益の計上予定額によっております。

 

c 販売実績

サービス形態

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

戦略/DXコンサルティング(百万円)

2,172

198.5

システムインテグレーション(百万円)

21,712

113.8

運用サービス(百万円)

11,056

106.6

その他(百万円)

7

24.0

合計(百万円)

34,946

114.3

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績については、連結売上収益10%以上に該当する販売先がないため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行うことが要求されております。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。

 見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した会計期間及びそれ以降の将来の会計期間において認識されます。

 経営者が行った連結財務諸表の金額に重要な影響を与える判断及び見積りは以下のとおりであります。

 

1.のれんの評価及び減損テスト

 当社グループは、のれんについて、毎期一定の時期又は減損の兆候がある場合には随時、減損テストを実施しております。減損テストの回収可能価額は、使用価値に基づき算定しております。

 使用価値は、過去の実績及び外的環境を反映し、経営者が承認した事業計画と事業計画経過後の永久成長率0.5%を基礎としたキャッシュ・フロー見積額を、資金生成単位の税引前加重平均資本コストを基礎とした割引率9.6%により現在価値に割り引いて算定しております。なお、事業計画における主要な仮定は、リカーリング率、リピートオーダー率等であります。

 減損テストに使用した主要な仮定が変更された場合には減損が発生するリスクがありますが、使用価値は資金生成単位の帳簿価額を十分に上回っており、減損テストに使用した主要な仮定が合理的に予想可能な範囲で変化したとしても、使用価値が帳簿価額を下回る可能性は低いと判断しております。

 

2.収益認識に関する総原価の見積り

 当社グループは、連結財務諸表注記「3.重要な会計方針 (15) 収益」に記載のとおり、売上収益のうち、戦略/DXコンサルティング及びシステムインテグレーションにかかる収益については、一定期間にわたって履行義務が充足されるものであることから、当該履行義務の完全な充足に向けての進捗度に基づいて収益を認識しております。

 当連結会計年度において計上された売上収益のうち、進捗度に基づいて認識した売上収益は連結財務諸表注記「23.売上収益 (1) 収益の分解」の「戦略/DXコンサルティング」「システムインテグレーション」にそれぞれ区分して記載しております。

 進捗度は、案件別に発生したコストに基づくインプット法(原価比例法)によって測定されており、インプット法の基礎となる総原価の見積りには、外注費を含む作業工数の見積りが含まれます。

 また、顧客ごとのニーズに応じた設計開発やコンサルティング等を行うため、個別性が強く、作業の進捗状況によって想定外の作業工数が必要になる可能性があります。このため、インプット法の基礎となる総原価の見積りのうち、特に作業工数の見積りには一定程度の不確実性を伴い、当該不確実性に対する当社グループの判断が、進捗度に基づく収益認識額に重要な影響を及ぼします。

 

② 目標とする客観的な指標等の推移

 当社グループは、売上収益、売上総利益率及び営業利益を重視し、これらの向上を目指しております。特に、サービスの付加価値を測る客観的な経営指標として、売上総利益率の安定的な確保を目指しております。

 売上収益、売上総利益率及び営業利益の近時の推移は以下のとおりです。

 

2019年3月期

連結会計年度

2020年3月期

連結会計年度

2021年3月期

連結会計年度

2022年3月期

連結会計年度

2023年3月期

連結会計年度

売上収益 (百万円)

23,700

25,508

27,532

30,579

34,946

売上総利益率 (%)

37.1

34.9

39.1

42.6

41.8

営業利益 (百万円)

2,223

1,222

4,510

6,362

7,451

 

③ 経営成績の分析

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。主な資金使途は、運転資金と借入金の返済であり、当面は着実に事業計画を遂行することで営業キャッシュ・フローを蓄積し、安定的な借入金の返済によって有利子負債比率を低減することで、財務体質の更なる強化を図ります。また、持続的な成長を図るため事業領域の拡大と事業領域の深耕を推進しておりますが、これらの要因により、一時的に必要な資金の増加が見込まれる場合は、金融機関計5行と締結済のコミットメントライン契約又は当座貸越契約(総額80億円)を利用して流動性の高い資金調達を実施する方針としております。なお、当連結会計年度末における有利子負債(借入金)残高は17,998百万円であり、現金及び現金同等物の残高は12,832百万円であります。なお、現時点で重要な資本的支出の予定はございません。

 

⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について

 当社グループは、「日本発のイノベーションを世界へ向けて発信する」という経営理念のもと、全社員が一丸となり、顧客企業のビジネスの成功に貢献する「高付加価値サービスの創造」を追求しております。

 また、事業領域の拡大と事業領域の深耕に向けた各種施策については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載をしております。

 

(参考情報)

 当社グループは、上場後には恒常的に発生しないと見込まれる上場関連費用(注1)を除外した上で経営成績の推移を把握するとともに、投資家が当社グループの業績評価を行う上で、当社グループが有用と考える情報を提供することを目的として、以下の算式により算出された調整後営業利益、調整後EBITDA、調整後親会社の所有者に帰属する当期利益及び調整後基本的1株当たり当期利益を、以下のとおり記載しております。

 

調整後営業利益=営業利益+上場関連費用

調整後EBITDA=調整後営業利益+減価償却費+識別可能資産償却費

調整後親会社の所有者に帰属する当期利益=親会社の所有者に帰属する当期利益+上場関連費用

+調整項目の税金調整額

調整後基本的1株当たり当期利益=調整後親会社の所有者に帰属する当期利益÷期中平均発行済株式数

 

<調整後営業利益、調整後EBITDAの調整表>

(単位:百万円)

 

第6期

2022年3月期

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

第7期

2023年3月期

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

営業利益(IFRS)

6,362

7,451

(調整額)

+上場関連費用(注)1

 

157

 

-

調整後営業利益

6,520

7,451

(調整額)

+減価償却費

+識別可能資産償却費

 

533

446

 

672

446

調整後EBITDA

7,499

8,569

 

<調整後親会社の所有者に帰属する当期利益、調整後基本的1株当たり当期利益の調整表>

(単位:百万円)

 

第6期

2022年3月期

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

第7期

2023年3月期

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

親会社の所有者に帰属する当期利益(IFRS)

4,204

5,432

(調整額)

+上場関連費用(注)1

 

157

 

-

調整項目の税金調整額

△48

-

調整後親会社の所有者に帰属する当期利益

4,314

5,432

調整後基本的1株当たり当期利益(注)2

85円22銭

96円91銭

(注)1. 上場に係る弁護士費用、上場準備に係るアドバイザリー費用、上場審査に係る費用、英文目論見書監査費用等及び監査法人に対する報酬等の上場に関連する一時的な費用であります。

2. 第6期及び第7期の調整後基本的1株当たり当期利益は期中平均発行済株式数により算出しております。

3. 調整後営業利益、調整後EBITDA、調整後親会社の所有者に帰属する当期利益及び調整後基本的1株当たり当期利益は、IFRSにより規定された指標ではなく、投資家が当社グループの業績を評価する上で、当社が有用と考える財務指標であります。調整後営業利益、調整後EBITDA、調整後親会社の所有者に帰属する当期利益及び調整後基本的1株当たり当期利益は、当期利益に影響を及ぼす項目の一部を除外しており、分析手段としては重要な制限があることから、IFRSに準拠して表示された他の指標の代替的指標として考慮されるべきではありません。当社グループにおける調整後営業利益、調整後EBITDA、調整後親会社の所有者に帰属する当期利益及び調整後基本的1株当たり当期利益は、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が減少する可能性があります。

4. 当社は、2021年7月10日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を実施しております。そのため、調整後基本的1株当たり当期利益は、第6期(2022年3月期)の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算出しております。

 

 なお、調整後営業利益、調整後EBITDA、調整後親会社の所有者に帰属する当期利益及び調整後基本的1株当たり当期利益は金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査の対象とはなっておりません。