E34031 Japan GAAP
前期
49.2億 円
前期比
110.2%
株価
499 (05/10)
発行済株式数
5,932,140
EPS(実績)
50.87 円
PER(実績)
9.81 倍
前期
662.3万 円
前期比
105.8%
平均年齢(勤続年数)
48.0歳(9.4年)
従業員数
35人(連結:536人)
当社グループは、当社(株式会社SIGグループ)、連結子会社3社及び持分法適用関連会社1社により構成されております。
当社グループは独立系IT企業として、様々な分野及び業種における情報システムや産業制御システムのシステム開発事業等に取り組んでおります。また、それらを支えるITインフラソリューション及びセキュリティサービスにも積極的に取り組んでおります。
なお、当社グループはシステム開発及びインフラ・セキュリティサービス事業の単一セグメントであるため、事業分野別に記載しております。
(1)システム開発事業
当社グループは、官公庁・地方自治体等の公共事業や金融・サービス業向けの各種情報システム、プラント向けの制御・監視システム、製造装置向けの組込みシステム開発等、様々な分野においてシステム開発を展開しております。
情報システムの導入において最適なシステムとなるよう、顧客の業務の内容や目的に応じた企画の提案、ハードウエア、ソフトウエアの選定、システムの開発や構築、運用まで、総合的なサービスを提供しております。
その中でも特に以下の分野において、長年にわたる豊富な開発実績とノウハウを所有しております。
① 共済、国保、国民年金及び人事給与等の公共事業向けシステムの開発
政令指定都市向け人事給与システム(職員の基本情報をもとに採用・退職・異動・各種手当などの情報を一元管理し、様々な給与形態に応じた給与計算を行うシステム)を始めとした、共済・年金システム及び国民健康保険に関するシステムを開発しております。
② 電子部品実装装置、半導体製造装置等の産業用ロボット組込みシステムの開発
半導体部品を電子基板に装着する設備の生産ライン制御システム及び最適生産データ構築・生成や生産計画・管理等の生産プロセスに必要なソフトウエアの専用システムの設計・開発・保守を行っております。
また、ウエーハ(注1)に成膜を行う半導体製造装置のシステム開発支援も行っております。
③ 携帯電話や自動車等の輸送車両へ移動体通信技術を利用し各種情報提供を行うテレマティクスサービスの開発
通信(テレコミュニケーション)と情報処理(インフォマテックス)を組み合わせた、大手自動車メーカー向けの次世代情報提供サービスにおいて、車載器とデータセンター間の通信システムや、契約者向けWebサービスのシステムを開発しております。
④ 文教向けの証明書自動発行機システムの開発
大学における証明書の申込み、発行から各種決済までの機能を有した証明書自動発行機システムの開発を通じて、大学事務システムの効率化を支援しております。また、キャンパスのデジタル化への取組みに対し、マイナンバーカードに対応する証明書自動発行機を開発しております。
⑤ 社会インフラ化するエネルギー分野に関するシステム開発の支援
大手SIerが提供するCIS(顧客情報管理システム)の開発支援に長年携わり、2016年4月の電力自由化では、送配電事業者が提供する受付業務に関する託送システム(注2)の開発支援、保守及び運用にも携わっております。
その他、公示受付・管理システム、グループ企業が利用する共通基盤の開発支援や、近年では、発電事業者向けのHMI(注3)のPoC(注4)構築を行っております。
⑥ 不動産のドキュメント管理に関するシステム開発の支援
不動産業での契約書、重要事項説明書など紙での契約関連書類の効率化を図るドキュメント管理の開発を行っております。
⑦ 独立行政法人等向け財務会計システムの開発等
独立行政法人等に対する財務会計システムの開発及びシステム導入に関するコンサルティング業務を行っております。
また、情報システムの分野においては、スマートフォンやタブレット端末等の、従来のコンピュータの枠にとらわれない可搬性のある情報機器であるスマートデバイス向けのアプリケーション開発を長年にわたり数多く手がけ、企業の基幹システムと連動したシステム構築等のサービスを展開しており、近年ではお客様のDX化への取組みに向けて注力しております。
⑧ インターネットサービス事業者向け開発支援
インターネットサービス事業者が提供する法人、個人向けの各種サービスに伴うシステム開発、保守及び運用を担当しております。
近年、仮想移動体通信事業における5G対応の次世代ブランド向けサービスの開発支援や、テレワーク需要の増加に伴うクラウドサービスのセキュリティ強化対策に関連するアプリケーションの開発も行っております。
⑨ IT企業が金融分野においてサービスを展開するFinTech(注5)に関するシステム開発の支援
生命保険販売支援システムの開発支援を行っており、コロナ禍においては、非対面での保険販売を目的としたシステム開発支援を行っております。
(2)インフラ・セキュリティサービス事業
① ITインフラソリューション
当社グループは、情報を管理する各種サーバやストレージ等の機器構成に留まらず、ネットワーク、データベース、バックアップ等の設計・構築から導入支援、運用管理まで、ITインフラソリューションでは長年の実績とノウハウに基づく信頼性・拡張性を重視したサービスを提供しております。また、クラウドサービスに必要な最新技術や専門技術の認定や両技術に精通した有資格者を揃え、設計から構築、導入支援、運用管理まで数多くの導入実績があります。
② セキュリティサービス
セキュリティサービスでは、セキュリティ診断、セキュリティインシデント対応チームの活動をはじめとした業務受託やセキュリティホール探索や実際に侵入や攻撃を試みるペネトレーションテスト等に用いる脆弱性対策ツール等、セキュリティ商材の販売と、その設計・構築・保守・運用までの一元的なサービスを提供しております。
当社グループは、これらの事業を単一セグメントとして機能的に管理・運用し、様々な事業分野において顧客の求める情報システムの開発に対し、企画・提案から開発・運用支援までワンストップで対応できる体制と人材を揃え、サービスを提供しております。
(注)1.ウエーハ
半導体材料を薄く円盤状に加工した薄い板のことで、半導体基板の材料として用いられております。
2.託送システム
電力会社が有する送配電網を、発電事業者や他の電力小売り事業者が利用することを託送と称しております。この託送料金の計算や、新電力会社の発電量が需要量を下回った際に、一般電気事業者が新電力会社に代わって電力を供給することに対し、新電力会社が一般電気事業者に支払うインバランス料金の計算など、内包する機能が多岐にわたるシステムの事を意味しております。
3.HMI
Human Machine Interface(ヒューマン・マシン・インターフェイス)の略。人間と機械が情報をやり取りするための手段や、そのための装置やソフトウエアなどの総称を意味しております。
4.PoC
Proof of concept(概念実証)の略。新しいプロジェクトが本当に実現可能かどうか、効果や効用、技術的な観点から検証する行程を意味しております。
5.FinTech(フィンテック)
Finance(ファイナンス)とTechnology(テクノロジー)の造語。日本では金融ITや金融テクノロジーとも称され、金融企業ではなくIT企業が金融分野においてサービスを展開することを意味しております。
[事業系統図]
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、経済社会活動の正常化が進んだことにより景気は持ち直しの動きが見られました。一方で、ウクライナをめぐる国際的緊張の高まりの長期化による原材料・エネルギー価格の高騰が輸入物価や消費者物価に影響を与え、世界的にはインフレ抑制のための金融引き締めによる海外景気の動向及び日本経済への影響に対し引き続き不透明な見通しとなっております。
当社グループが属する情報サービス産業においては、ウィズコロナ・アフターコロナを見据えた事業構造の変革や競争力の強化を狙う製品開発や事業のデジタル化(デジタル・トランスフォーメーション)の動きは継続し、SDGsへの関心の高まりと合わせて今後も増加する傾向にあります。
このような環境の中、当社グループのシステム開発及びインフラ・セキュリティサービス事業の各分野において、人材の確保が難しい状況の中、受注単価アップや高利益率案件等へのシフトに注力した結果、売上高は好調に推移しました。以上の結果、当連結会計年度における経営成績は、売上高5,418,192千円(前年同期比10.2%増)となり、営業利益は391,564千円(同3.6%増)となりました。また、持分法による投資利益の増加により経常利益は457,235千円(同16.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は301,792千円(同10.1%増)となりました。
なお、当社グループは、システム開発及びインフラ・セキュリティサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
(単位:千円)
|
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
増減額 |
増減率 (%) |
売上高 |
4,916,056 |
5,418,192 |
502,135 |
10.2 |
営業利益 |
378,130 |
391,564 |
13,434 |
3.6 |
経常利益 |
391,489 |
457,235 |
65,746 |
16.8 |
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
274,077 |
301,792 |
27,715 |
10.1 |
1株当たり当期純利益(円) |
48.25 |
53.51 |
5.3 |
10.9 |
② 財政状態
当連結会計年度末の流動資産は2,373,622千円であり、前連結会計年度末に比べ372,602千円増加しました。主な要因は、現金及び預金が42,878千円、売掛金が176,161千円、契約資産が50,834千円、未収還付法人税等が40,770千円、未収消費税等のその他流動資産が93,461千円増加した一方、電子記録債権が40,963千円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末の固定資産は1,903,776千円であり、前連結会計年度末に比べ743,899千円増加しました。主な要因は、のれんが462,611千円、関係会社株式が47,932千円、繰延税金資産が57,988千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の流動負債は1,422,934千円であり、前連結会計年度末に比べ286,884千円増加しました。主な要因は、買掛金が34,949千円、1年内返済予定の長期借入金が59,508千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の固定負債は956,663千円であり、前連結会計年度末に比べ640,623千円増加しました。主な要因は、長期借入金が414,070千円、退職給付に係る負債が156,144千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産は1,897,801千円であり、前連結会計年度末に比べ188,994千円増加しました。主な要因は、利益剰余金が202,353千円増加した一方、非支配株主持分が19,662千円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は44.4%となりました。
(単位:千円)
|
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
増減額 |
資産合計 |
3,160,897 |
4,277,399 |
1,116,502 |
負債合計 |
1,452,089 |
2,379,597 |
927,508 |
純資産合計 |
1,708,807 |
1,897,801 |
188,994 |
自己資本比率(%) |
53.4 |
44.4 |
△9.0 |
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ42,878千円増加し、1,137,686千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は235,193千円(前年同期は484,671千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益449,261千円等があった一方、持分法による投資利益56,004千円、売上債権の増加45,509千円、契約資産の増加40,440千円、法人税等の支払額163,969千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は500,662千円(前年同期は107,602千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出32,138千円、無形固定資産の取得による支出51,559千円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出431,777千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、得られた資金は308,347千円(前年同期は43,461千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入れによる収入570,000千円等があった一方、長期借入金の返済による支出109,204千円、配当金の支払額98,627千円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出45,000千円等によるものであります。
(単位:千円)
|
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
増減額 |
営業活動によるキャッシュ・フロー |
484,671 |
235,193 |
△249,478 |
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△107,602 |
△500,662 |
△393,060 |
財務活動によるキャッシュ・フロー |
43,461 |
308,347 |
264,885 |
現金及び現金同等物の期末残高 |
1,094,808 |
1,137,686 |
42,878 |
④ 生産、受注及び販売の実績
イ 生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
ロ 受注実績
当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。
事業分野の名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|||
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
システム開発 |
3,991,033 |
105.6 |
312,638 |
95.8 |
インフラ・セキュリティサービス |
1,440,762 |
121.2 |
34,691 |
177.0 |
合計 |
5,431,795 |
109.3 |
347,329 |
100.4 |
(注)当社グループは、システム開発及びインフラ・セキュリティサービス事業の単一セグメントであるため、事業分野別に記載しております。
ハ 販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
事業分野の名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
システム開発 |
3,994,197 |
107.2 |
インフラ・セキュリティサービス |
1,423,995 |
119.5 |
合計 |
5,418,192 |
110.2 |
(注)1.当社グループは、システム開発及びインフラ・セキュリティサービス事業の単一セグメントであるため、事業分野別に記載しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
パナソニック コネクト株式会社 |
695,639 |
14.2 |
731,927 |
13.5 |
株式会社テプコシステムズ |
464,706 |
9.5 |
676,842 |
12.5 |
株式会社日立製作所 |
614,230 |
12.5 |
646,660 |
11.9 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、記載事項の中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容
イ 財政状態の分析
財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態」に記載しております。
ロ 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ502,135千円増加し、5,418,192千円(前年同期比10.2%増)となっております。これは主に、システム開発事業の売上高が269,553千円、インフラ・セキュリティサービス事業の売上高が232,582千円増加したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ356,608千円増加し、4,116,687千円(同9.5%増)となっております。これは主に、労務費が110,858千円、外注加工費が205,493千円増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度の売上総利益は、1,301,505千円(同12.6%増)となっております。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ132,093千円増加し、909,940千円(同17.0%増)となっております。これは主に、役員報酬が38,072千円、給料及び手当が10,978千円、地代家賃が34,038千円、のれん償却が11,271千円増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度の営業利益は、391,564千円(同3.6%増)となっております。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ51,677千円増加し、72,609千円(同246.9%増)となっております。これは主に、持分法による投資利益が46,817千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に比べ635千円減少し、6,939千円(同8.4%減)となっております。これは主に、支払利息が2,028千円増加した一方、支払手数料が1,891千円減少したことによるものであります。
この結果、連結会計年度の経常利益は、457,235千円(同16.8%増)となっております。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別損失は、7,973千円となっております。これは主に、段階取得に係る差損6,368千円(株式会社アクト・インフォメーション・サービスの株式取得に係るもの)によるものであります。
この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、449,261千円(同13.1%増)となっております。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は、301,792千円(同10.1%増)となっております。
ハ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
ニ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、労務費及び外注費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金は自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
当連結会計年度末における有利子負債の残高は1,117,966千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,137,686千円となっております。