グローバルセキュリティエキスパート株式会社

上場日 (2021-12-20)  情報・通信業ITコンサルグロース

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

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最終更新:

E37147 

売上高

70.0億 円

前期

55.6億 円

前期比

126.0%

時価総額

336.1億 円

株価

4,405 (04/26)

発行済株式数

7,629,600

EPS(実績)

102.63 円

PER(実績)

42.92 倍

平均給与

747.4万 円

前期

816.6万 円

前期比

91.5%

平均年齢(勤続年数)

43.8歳(4.1年)

従業員数

138人

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社は、企業における情報通信ネットワークの安全を確保し、コンピュータへの不正侵入、データの改ざんや破壊、情報漏洩、コンピュータウイルスの感染等から企業を守ること、また、そのために必要な人材の育成を目的とした、サイバーセキュリティに特化した専門企業です。主な顧客は、中堅企業を中心とした民間企業や官公庁等です。

 

 AI技術の発達やIoT機器の普及、企業のテレワーク導入やDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展など、社会・経済の情報技術への依存度が高まるとともに、サイバー攻撃は増加の一途をたどっております。そのため、あらゆる業種の企業におけるサイバーセキュリティリスクは多様化・高度化しており、大規模企業のみならず、相対的にサイバーセキュリティ対策が遅れている中堅・中小企業においても、その対策は必須かつ急務となっております。

※画像省略しています。

 ※1出所:国立研究開発法人情報通信研究機構「NICTER観測レポート2020」

 ※2出所:警察庁「サイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」

 

 一方で、サイバーセキュリティの専門知識を持つ人材(セキュリティ人材)の多くは、一部の大手サイバーセキュリティ専門企業に所属しており、また、一般企業においては、自社のサイバーセキュリティに関する業務を外部の専門企業へ委託することが一般的であるため、自社内におけるセキュリティ人材の育成方法や育成機会が確立されず、結果的に、日本におけるセキュリティ人材が圧倒的に不足しております。また、サイバーセキュリティに関するサービスを提供する事業者側の提供能力にも限界があり、一般企業、特に中堅・中小企業では、サイバーセキュリティ対策を講じる上での相談先がないのが現状です。

 

 当社は、これまで培ってきたサイバーセキュリティの知見を社会に還元することで、日本全国の中堅・中小企業におけるサイバーセキュリティの自衛力向上を目指し、「サイバーセキュリティ教育カンパニー」をコンセプトに掲げ、「教育」を軸としたサイバーセキュリティに関する多面的なサービスを提供しております。

 現在、当社の同業他社であるサイバーセキュリティ専門企業は、グループ企業やグループ企業が持つ顧客基盤を中心に、大手企業向けにサービス提供を行っております。また、当社の主要ターゲットである中堅・中小企業向けに、サイバーセキュリティ対策の製品販売等を行うIT関連企業もありますが、上記のとおり、セキュリティ人材の確保が困難なことから、サイバーセキュリティに関するサービスを多面的に提供出来ないのが現状です。

 

 当社がサイバーセキュリティ事業において提供している具体的なサービスの内容については、以下のとおりです。なお、当社はサイバーセキュリティ事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。

 

(1)コンサルティング事業

 

①コンサルティングサービス

 顧客企業のサイバーセキュリティに関する課題について、現状を可視化し、リスクを分析したうえで、適切な改善策を提案するサービスです。セキュリティ改善計画の策定、セキュリティの管理体制やインシデント対応の体制構築の支援、システム監査やセキュリティ監査、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)に代表される各種認証取得の支援、インシデント発生をシミュレーションした対応訓練サービス等、幅広く提供しております。

 

②脆弱性診断サービス(タイガーチームサービス)

 ハッカーと同様の技術を持つ専門エンジニアが、顧客企業のネットワークシステムに疑似攻撃を実施し、脆弱性の有無を診断するサービスです。検出した脆弱性については、その詳細な内容と対策措置、結果報告書を提供しております。また、システム開発におけるセキュリティ要件の診断や、IoT機器、スマートフォンのアプリケーションの診断等も提供しております。

 

(2)教育事業

 

①教育講座

 セキュリティエンジニアを育成する教育サービスです。セキュリティの全体像を網羅したコースを取り揃えており、主要サービスは次のとおりです。

 

a. EC-Council

 当社は、2016年に米国EC-Council International 社(以下、EC-Council)と販売代理店契約を締結し、EC-Councilの提供する情報セキュリティエンジニア向け認定トレーニング及び認定資格試験を日本国内で提供しております。

 EC-Councilのトレーニングコースは、世界に数ある教育コースの中でも実践的であり、即戦力となる人材を短期間に育て上げるコースです。国際的に認知度の高い認定資格であり、有資格者が米国国防総省や国家安全保障局をはじめ、世界の重要システムを防衛しております。

 コースは目的別に、CND(認定ネットワークディフェンダー)、CEH(認定ホワイトハッカー)、CHFI(コンピュータフォレンジック調査員)、CASE-Java(認定アプリケーションセキュリティエンジニア)等があり、いずれも当社にて教材を日本語に翻訳した上で提供しております。

 主に、企業や官公庁の情報セキュリティ担当者やエンジニア、IT関連の人材派遣登録者等が、スキルアップや資格取得を目的に受講されております。

 

b. SecuriST(セキュリスト)認定脆弱性診断士

 当社が開発し、2020年11月に提供を開始したトレーニング及び認定資格試験です。脆弱性診断の基礎的なスキルを認定することを目的とすると共に、システムに関わるより多くの方がシステムのセキュリティを評価するための知識や技術を習得することを目的としているため、企業や官公庁のセキュリティエンジニアのみならず、ITに関わる方々に広く受講いただいております。

 現在は「認定ネットワーク脆弱性診断士」「認定Webアプリケーション脆弱性診断士」「セキュアWebアプリケーション設計士」「ゼロトラストコーディネーター」の4コースを提供しております。

 

②訓練サービス

 企業の役職員を対象としたサービスです。

 

a. 標的型メール訓練サービス(トラップメール)

 顧客企業の対象者に、攻撃メールを模擬した無害の訓練メールを送信します。訓練メールに含まれる、URLリンクあるいは添付ファイルを開封した対象者には、教育コンテンツが表示されると共に、開封した日時等のアクセスログが当社の訓練サーバ側に取得されます。当社では訓練結果を集計し、ログデータ一式と共に顧客企業に報告します。

 対象者が攻撃メールを疑似体験することで、各々のセキュリティ意識を向上させるだけでなく、攻撃を受けた際の組織内での報告・初動対応フローを確立し、訓練することで、組織全体の攻撃耐性の向上を図るサービスです。

 

b. Mina Secure®(ミナセキュア)

 情報セキュリティ対策のe-ラーニングサービスです。顧客企業の一般従業員向けに、日常業務のなかでのセキュリティ対策を分かりやすく説明し、教育することで、組織全体のセキュリティリテラシー向上を図るサービスです。

(3)セキュリティソリューション事業

 最新の脅威や攻撃手法に対する有効なセキュリティ製品やサービスを提供しております。

 また、発生したインシデントに対しては、緊急対応サービスも提供しており、原因及び被害範囲の調査を実施し、事態収束後は、セキュリティ製品の導入支援、運用管理面のサポート、関係者へのセキュリティ教育等、当社の様々なサービス連携で、再発防止に向けたサポートをワンストップで提供しております。

 

(4)ITソリューション事業

 ITインフラ構築やシステム開発、バイリンガルSES(システムエンジニアリングサービス)等、セキュリティ周辺領域のサービスを提供しております。主な顧客は、海外に本社機能を持つ外資系企業や日系グローバル企業です。

 

[事業系統図]

 

※画像省略しています。

 

 

23/06/23

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①重要な経営指標の状況

 当社は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおり、売上高の前期比増加率及び売上高営業利益率を重要な経営指標としております。

 当事業年度における各指標の実績は、以下のとおりです。

 

(単位:千円)

回次

第39期

第40期

決算年月

2022年3月

2023年3月

売上高

4,391,317

5,558,022

(前期比増加率)

48.9%

26.6%

営業利益

439,950

736,492

(売上高営業利益率)

10.0%

13.3%

 

 当事業年度における、当社の事業環境は、後述の「③経営成績の状況」に記載のとおりであり、主に中堅企業の旺盛なセキュリティニーズを捉えることで、すべての事業において売上高が前期比で増加しました。

 当事業年度における売上高営業利益率(13.3%)につきましては、人的資本への投資(期末賞与、J-ESOP等)を拡充したことにより、販売費及び一般管理費が増加したものの、それを上回る売上高の大幅な増加により、売上高営業利益率が上昇しました。

 

②財政状態の状況

(資産)

 当事業年度末における資産合計は4,124,589千円となり、前事業年度末に比べ642,518千円増加いたしました。

その主な内容は、売掛金及び契約資産の増加222,791千円、前払費用の増加273,302千円、投資有価証券の増加214,761千円等であります。

 

(負債)

 当事業年度末における負債合計は2,404,419千円となり、前事業年度末に比べ487,827千円増加いたしました。

その主な内容は、未払法人税等の増加107,725千円、契約負債の増加273,489千円等であります。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産合計は1,720,169千円となり、前事業年度末に比べ154,691千円増加いたしました。その主な内容は、自己株式の増加413,088千円があったものの、利益剰余金の増加438,215千円、資本金の増加44,833千円、資本剰余金の増加52,287千円であります。

 

③経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響は続くものの、行動制限の緩和等による経済活動の回復が期待されて推移しました。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や、エネルギー資源・原材料価格の高騰等に伴う物価上昇など、依然として先行きは不透明な状況にあります。

当社が属するサイバーセキュリティ業界を取り巻く環境は、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進や、コロナ禍における働き方の変化にともなうクラウドサービスの利活用など、ITへの依存度が高まるとともに、サイバー攻撃は増加の一途をたどっております。加えて、国を挙げてのサイバーセキュリティ強化の潮流や、サプライチェーンリスクの対策要請などが追い風となり、相対的にサイバーセキュリティ対策が遅れている中堅・中小企業においても、その対策は必須かつ急務となっております。

また、業務、製品・サービスのデジタル化が進展する中で、企業活動のあらゆる場面で「プラス・セキュリティ」の必要性が高まっていることから、サイバーセキュリティ教育のニーズは飛躍的に向上しております。

※「プラス・セキュリティ」とは

自らの業務遂行にあたってセキュリティを意識し、必要かつ十分なセキュリティ対策を実現できる能力を身につけること、あるいは身につけている状態のこと。(出典:経済産業省「サイバーセキュリティ体制構築・人材確保の手引き」)

 

このような環境のなか、当社は、中堅・中小企業の旺盛なセキュリティニーズを捉え、企業規模に適したセキュリティサービスを提供すること、また、広くITに関わる人材を対象としたセキュリティ教育サービスを提供することで、業績を拡大しております。

当事業年度においては、中堅・中小企業で多発するサイバー攻撃・セキュリティ事故への対応として、特にセキュリティソリューションサービスが伸長したことに加え、IT企業・SIerにおけるセキュリティ教育ニーズの高まりから、売上高5,558,022千円(前期比26.6%増)となりました。利益面では、従業員向け株式給付信託(J-ESOP)の導入等、人的資本への投資を実施しながらも、大幅な増収効果や、事業の効率化が進んだこと等により、営業利益736,492千円(同67.4%増)、経常利益737,512千円(同78.0%増)、当期純利益488,120千円(同86.9%増)となり、売上高・利益ともに過去最高額を更新しました。

なお、当社はサイバーセキュリティ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

事業別の状況は、以下のとおりであります。

(コンサルティング事業)

 (コンサルティングサービス)

 企業のサイバーセキュリティに関する課題について、現状を可視化し、リスクを分析したうえで、適切な改善策を提案するサービスです。セキュリティ改善計画の策定、セキュリティの管理体制やインシデント対応の体制構築の支援、システム監査やセキュリティ監査、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に代表される各種認証取得の支援、インシデント発生をシミュレーションした対応訓練サービス等、幅広く提供しております。

 当事業年度においては、サプライチェーンリスクの対策要請に起因した、中堅・中小企業におけるリスクアセスメントの需要が増加したこと等により、売上高は714,691千円(前期比16.8%増)となりました。

 

 (脆弱性診断サービス(タイガーチームサービス))

 ハッカーと同様の技術を持つ専門エンジニアが、企業のネットワークシステムに疑似攻撃を実施し、脆弱性の有無を診断するサービスです。検出した脆弱性については、その詳細な内容と対策措置、結果報告書を提供しております。

 当事業年度においては、中堅・中小企業のDX推進に伴う、Webアプリケーションの脆弱性診断の需要の増加等により、売上高は677,520千円(前期比14.7%増)となりました。

 

(教育事業)

 (セキュリティ訓練サービス)

 企業の役職員を対象に、組織全体のセキュリティリテラシー向上を図るコンテンツを提供しております。

 標的型メール訓練サービス(トラップメール)は、攻撃メールを模擬した無害の訓練メールを送信し、対象者が訓練メールに含まれるURLリンクあるいは添付ファイルを開封した場合に、教育コンテンツが表示されるとともに、当社が訓練結果を集計し、顧客企業に報告するサービスです。また、企業の日常業務のなかでのセキュリティ対策を分かりやすく説明する、情報セキュリティ対策のe-ラーニングサービス(Mina Secure®)を提供しております。

 当事業年度においては、攻撃メールに起因したセキュリティ事故の多発を背景に、トラップメールの需要の増加等から、売上高は482,911千円(前期比25.5%増)となりました。

 

 (教育講座)

 セキュリティエンジニア及びITエンジニア向けに、セキュリティに関するトレーニング及び認定資格試験を提供しております。

 セキュリティの全体像を網羅した各種講座を取り揃えておりますが、主要なものでは、米国EC-Council International 社の提供する、国際的に認知度の高いセキュリティエンジニア向け講座や、ITに関わる人材を広く対象とした、当社オリジナルのセキュリティ人材資格「SecuriST®(セキュリスト)」シリーズがあります。

 当事業年度においては、IT企業・SIerにおけるセキュリティ教育ニーズの高まりから特に「SecuriST®(セキュリスト)」シリーズの講座の受講者数が大幅に伸長し、売上高は546,601千円(前期比29.1%増)となりました。

 

(セキュリティソリューション事業)

 最新の脅威や攻撃手法に対する有効なセキュリティ製品及び導入・運用サービスを提供しております。また、発生したインシデントに対しては、緊急対応サービスも提供しており、原因及び被害範囲の調査を実施し、事態収束後は、セキュリティ製品の導入支援、運用管理面のサポート、関係者へのセキュリティ教育等、当社の様々なサービス連携で、再発防止に向けたサポートをワンストップで提供しております。

 当事業年度においては、中堅・中小企業で多発するサイバー攻撃・セキュリティ事故に対する緊急対応やセキュリティ製品導入の需要が旺盛であったことから、売上高は1,821,408千円(前期比53.3%増)となりました。

 

(ITソリューション事業)

 ITインフラ構築やシステム開発、SES(システムエンジニアリングサービス)等、セキュリティ周辺領域のサービスを提供しており、2020年4月に事業譲受して以降、セキュリティサービスとの融合を推進して参りました。

 当事業年度においては、ITインフラ・システム開発人材が他部門の業績拡大に貢献する一方で、SESの需要拡大により、売上高は1,314,888千円(前期比10.3%増)となりました。

 

④キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度に比べ73,206千円減少し1,073,322千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果増加した資金は594,948千円となりました。この主な要因としては、税引前当期純利益が737,512千円、契約負債の増加額が273,489千円となった一方、前払費用の増加額が262,291千円となったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は212,159千円となりました。この主な要因としては、投資有価証券の取得による支出168,000千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は455,995千円となりました。この主な要因としては、新株の発行による収入89,667千円があったものの、自己株式の取得による支出438,667千円によるものであります。

⑤生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社は生産活動を行っていないため、該当事項はありません。

 

b.受注実績

 当事業年度の受注実績は次のとおりであります。なお、当社はサイバーセキュリティ事業の単一セグメントであるため、事業部門別に記載しております。

 

事業部門

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

コンサルティング

1,445,635

111.7

286,200

123.0

教育

1,039,597

122.9

98,207

111.4

セキュリティソリューション

2,336,597

155.8

1,672,717

144.5

ITソリューション

1,383,888

111.3

595,311

113.1

合計

6,205,719

127.1

2,652,437

132.3

 

c.売上実績

 当事業年度の売上実績は次のとおりであります。なお、当社はサイバーセキュリティ事業の単一セグメントであるため、事業部門別に記載しております。

 

事業部門

当事業年度

(自2022年4月1日

至2023年3月31日)

前年同期比(%)

コンサルティング(千円)

1,392,212

115.8

教育(千円)

1,029,513

127.4

セキュリティソリューション(千円)

1,821,408

153.3

ITソリューション(千円)

1,314,888

110.3

合計(千円)

5,558,022

126.6

(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自2021年4月1日

至2022年3月31日)

当事業年度

(自2022年4月1日

至2023年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

兼松エレクトロニクス株式会社

732,858

16.7

1,051,728

18.9

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、この有価証券報告書提出日現在において認識及び分析・検討したものであります。

 

a.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で、かつ、合理的であると考えられる見積りについては、過去実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは次のとおりであります。

 

 

(繰延税金資産の回収可能性)

 当社は、繰延税金資産の回収可能性を定期的に検討しております。その判断に際して将来の課税所得を合理的に見積り、将来の税負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲内で繰延税金資産を計上しております。回収可能と認められない金額については、評価性引当額を計上しております。

 

(進捗度に基づく収益認識)

 当社では、コンサルティング事業のコンサルティングサービスおよびセキュリティソリューション、ITソリューション事業の一部サービスは、一定期間にわたり履行義務が充足される取引と判断し、当該期間に応じた進捗度に基づき収益を認識しております。

 

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績等

(売上高)

 当事業年度の売上高は5,558,022千円(前事業年度4,391,317千円)となり、前事業年度に比べ1,166,705千円増加しました。主な変動要因については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①重要な経営指標の状況及び③経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

(売上原価・売上総利益・売上総利益率)

 当事業年度の売上原価は3,775,127千円(前事業年度3,031,047千円)となり、前事業年度に比べ744,079千円増加しました。この主な要因は、売上高の増加によるものでありますが、原価を意識した効率的な事業運営が奏功し原価率が前期比で1.1ポイント減少しました。

 この結果、売上総利益は1,782,895千円(前事業年度1,360,269千円)となり、422,625千円の増加となりました。

 

(販売費及び一般管理費・営業利益)

 当事業年度の販売費及び一般管理費は1,046,403千円(前事業年度920,318千円)となり、前事業年度に比べ、126,084千円増加しました。この主な要因は、人的資本への投資(期末賞与、J-ESOP等)を拡充したことにより

ます。

 この結果、営業利益は736,492千円(前事業年度439,950千円)となり、296,541千円の増加となりました。

 営業利益は前事業年度に比べ67.4%の大幅な増加となっております。

 また、重要な経営指標と位置付けている営業利益率は、13.3%(前事業年度10.0%)となりました。

 

(営業外損益・経常利益)

 当事業年度の営業外収益は、受取配当金等により3,229千円(前事業年度12千円)となり、3,217千円の増加となりました。営業外費用は支払利息等により2,209千円(前事業年度25,632千円)となり、23,422千円の減少となりました。前事業年度は、上場関連費用等を計上しております。

 この結果、経常利益は737,512千円(前事業年度414,331千円)となり、323,180千円の増加となりました。

 

(特別損益、法人税等合計、当期純利益)

 当事業年度において、特別利益及び特別損失は計上しておらず、税引前当期純利益は737,512千円(前事業年度414,331千円)、法人税等合計は249,392千円(前事業年度153,232千円)となりました。

 この結果、当期純利益は488,120千円(前事業年度261,099千円)となり、前事業年度に比べ227,020千円の増加となりました。

 

 

c.キャッシュ・フローの状況

 キャッシュ・フローの状況分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ④キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

d.経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

e.資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社は、事業運営上必要な資金を安定的に確保するために、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等でバランスよく調達していくことを基本方針としております。これらの資金調達方法の優先順位については、調達時期における資金需要の額、用途、市場環境、調達コスト等を勘案し、最適な方法を選択する方針であります。なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,073,322千円となっており、当面事業を継続していく上で十分な流動性を確保しております。

 

f.経営者の問題意識と今後の方針について

 当社が今後事業を拡大し、収益性を確保しながら持続的な成長を図るためには、経営者は「第2 事業の状況1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していく必要があると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、当社の経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。