E34633 Japan GAAP
前期
74.9億 円
前期比
120.7%
株価
982 (01/09)
発行済株式数
4,550,300
EPS(実績)
78.13 円
PER(実績)
12.57 倍
前期
697.1万 円
前期比
96.6%
平均年齢(勤続年数)
38.7歳(4.4年)
従業員数
128人(連結:137人)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社(Ricksoft,Inc.)の計2社で構成されており、「イノベーションをおこしてあらゆる人の可能性を最大化する」をミッションとして掲げております。
「お客様のビジネスがグローバルでも競争力を持つように、世界のビジネスシーンで活用されている優れたツールを日本企業の方々にも使っていただきたい」という想いや「そこで得られたノウハウから生まれた自社開発ツールを世界に向けて提供したい」という考えを持ち、調査・分析から設計・構築・稼働・運用に至る一連のサービスを提供する「ツールソリューション事業」を主な事業として取り組んでおります。
当社グループが販売するのは、Atlassian社を中心にグローバルで評価の高いツール群です。販売するソフトウェアはそれぞれ様々な用途で使われますが、当社グループで最も販売実績のあるAtlassian社のソフトウェアは、主にソフトウェア開発の工程管理や課題管理として使用されます。当社グループの顧客もAtlassian社の製品をソフトウェア開発で利用する企業が多くを占めておりますが、Atlassian社の製品の特徴の1つでもある操作性の良さから、その用途はソフトウェア開発に留まらず、一般のプロジェクト管理のために導入される等、用途の広がりをみせております。
当社グループが提供するツールソリューション事業とは、単純に海外の便利なソフトウェアを仕入れ、それをそのまま国内の顧客にライセンス提供するのではなく、顧客の抱える問題・課題の解決や、顧客の要望・要求を満たすため、ソフトウェアとともに、利用環境の構築、ソフトウェアの機能追加(カスタマイズ)、ユーザー向けの研修など様々なサービスと組み合わせて提供することを意味します。例えば、顧客にソフトウェアをカスタマイズしたいといった要望があればSIサービス(注1)、利用環境を自社で管理できないといった課題があればマネージドサービス、場合によってはそれらを組み合わせて顧客が最適な環境でビジネスに取り組めるよう各種サービスを提供しております。
当社グループでは、提供する製品・サービスの内容により、「ライセンス&SIサービス」、「マネージドサービス」、「自社ソフト開発」の3つに区分しております。
なお、当社グループのセグメントはツールソリューション事業の単一事業であり、セグメント情報の記載を省略しております。
(1)区分別の製品・サービス内容は次のとおりであります。
①ライセンス&SIサービス
主にAtlassian社のソフトウェアの導入支援を行っており、お客様の課題解決のために提案からライセンス販売、コンサルタントとしてのプロジェクト参画やSI、研修、運用支援(ヘルプデスクによる問い合わせ対応等)まで包括的に行っております。
主な収益モデルとしては、顧客の新規導入時にAtlassian社から当社がライセンスを仕入れ、顧客に対してライセンスの再販を行っております。また、翌月もしくは翌年以降のライセンス更新時には、基本的に初期購入時と同額のライセンス費用が顧客に発生します。なお、Atlassian社への支払いに関しては、Solutionパートナーランク(注2)に応じてディスカウントが適用されております。
また、SIサービスとして、以下に示すようなサービスを提供しています。
②マネージドサービス
当社グループで取り扱う製品の運用を顧客に代わって行っております。運用環境はクラウド環境を利用しており、24時間365日対応。取り扱い製品の専任技術者が運用管理するフルマネージドクラウドサービスとなっております。
主な収益モデルとしては、クラウド上の運用代行費用を受領しており、利用開始後は毎月売上を計上しております。
当社が提供するマネージドサービスは、RickCloudという名称でブランド展開し、特長としては、次の4点が挙げられます。
・スモールスタート(注6)から本格稼働まで対応が可能です。
・クラウドストレージ(注7)でデータを保護しています。
・サービス監視とリソース監視を行っています。
・企業向けに必須となるセキュリティ対応を行っています。
③自社開発プロダクト
Atlassian製品の主力製品であるJiraやConfluenceへの拡張機能となるアドオン製品を自社開発し、Atlassian Marketplaceにて販売しております。
拡張機能とは、Atlassian製品の標準機能では実現できない機能を独自に開発したソフトウェアにより実現することです。「WBS Gantt-Chart for Jira」を例にしますと、Jiraの一覧表示では実現できないWBS(注8)やガントチャート(注9)という機能をJiraに持たせることが可能になります。
主な収益モデルとしては、新規購入時に製品毎のライセンス費用を受領しております。また、翌月もしくは翌年以降のライセンス更新時には、基本的に初期購入時と同額のライセンス費用を受領しております。なお、Atlassian Marketplaceの使用料として、Atlassian社に対して製品ごとに決められた手数料を支払っております。
2025年2月28日現在、「WBS Gantt-Chart for Jira」を含めた自社開発プロダクトは国内のみならず海外へ販売し、他の製品も含め魅力的な機能拡充を続けております。海外販売子会社であるRicksoft,Inc.も技術チームと連携し、強力な海外ライバル製品に負けないよう、海外ユーザーが要望するUI/UX(注10)の改善に取り組み、今後もユーザーの要望を取り込む方針で製品強化を行ってまいります。また、Jiraの「表形式での課題編集機能をサポートしていない」という弱点を補うアドオンとして「Excel-like Issue Editor for Jira」を開発し、表計算ソフトの課題管理に近い感覚でJiraの課題を編集することが可能となりました。
(2)当社グループ各社の事業と位置付けは次のとおりであります。
当社グループにおいて、当社は東京、名古屋を拠点としてツールソリューション事業を行っており、Ricksoft,Inc.は米国を拠点とし、開発したソフトウェアをAtlassian Marketplace経由にてグローバルに販売しております。
注1.SI(システムインテグレーション)
システムの導入に関して、分析から開発、運用に至るまでのサービスを指す。
注2.パートナーランク
Atlassian社がパートナーの認定技術者数等に応じて設定しているランクを指し、高いランクからプラチナ、ゴールド、シルバーの3種類がある。
注3.Fit&Gap分析
お客様の業務とツールの機能との適合部分(Fit)と乖離部分(Gap)を調べる作業で、追加開発が必要な機能の洗い出しを実施すること。
注4.Add-On
ツールの機能を拡張する為のアプリケーションのこと。プログラミング言語により開発され、ファイルとして提供される。
注5.運用スクリプト
ツールに簡易的な機能を追加するために記述するプログラムのこと。直接記述するだけですぐに動作するという特徴がある。
注6.スモールスタート
小規模で運用を開始すること。
注7.クラウドストレージ
クラウド環境で管理されているデータ保存領域のこと。
注8.WBS(Work Breakdown Structure)
プロジェクトの各工程を担当者毎の作業レベルにまで分類し木構造にまとめたもの。
注9.ガントチャート
プロジェクト管理で用いられる表の一種で、工程毎の計画と進捗が横棒によって表現されたもの。
注10.UI/UX
UIは、ユーザーインターフェイス(User Interface)の略でコンピュータシステムあるいはコンピュータプログラムと人間(ユーザー)との間で情報をやり取りするための方法、操作、表示といった仕組みの総称。
UXは、ユーザーエクスペリエンス(User Experience)の略で製品やサービスの利用を通じて得られる体験の総称。
事業の系統図は、次のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、 「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、3月のマイナス金利終了後、物価高騰や自動車業界の大幅減産の影響を受け、一時的に低迷したものの、7月には日経平均終値が史上最高値を更新しました。原材料費の上昇や人手不足による投資の停滞が懸念されたものの、政府の経済対策や賃上げの浸透が徐々に効果を上げ、経済は緩やかな回復基調を維持し、2025年に向けた成長の土台が築かれた年となりました。
当社グループが属する情報サービス分野においては、人口減少や少子高齢化に伴い人手不足が恒常化する中、経済社会活動を維持・発展させていくため、単なる労働力の補完にとどまらず、革新的なサービスの創出を目的としたデジタル技術の活用が進んでいます。こうした流れのもと、生産性向上や持続可能な技術への投資を軸に、「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」の推進が加速。IoT、AI、クラウド、5G、RPA(ロボットによる業務自動化)、FinTech、エッジコンピューティングなどの先端技術を活用したIT投資の需要は引き続き堅調に推移しました。
このような状況の中で当社グループは、顧客ニーズや企業意識の変化による、問題や不安の解決に対して製品やサービスの可能性を新たな形にし、発信してまいりました。これらの利用状況は、順調に推移しております。
<製品・サービスについて>
・アトラシアン社が提供するSaaS「Atlassian Cloud(アトラシアン・クラウド)」のEnterprise(エンタープライズ)プラン利用企業限定の支援サービスを開始(2024年4月)
・アトラシアン社が提供する「Confluence」「Jira」などを利用する企業に向けた運用伴走支援サービス「サポートプラス」のプランメニューを刷新(2024年5月)
・クラウドマネージドサービス「RickCloud」のサービス内容拡充(2024年7月)
・ミロ・ジャパン合同会社と販売代理店契約を締結、同時に同社の最上位パートナーのPremier Partnerに認定(2025年2月)
<業務提携について>
・グロースエクスパートナーズ株式会社と、アトラシアン製品の販売・サービスの提供に関する業務提携に向けて基本合意(2025年3月)
<市場からの評価について>
・アトラシアン社が最も優れたパートナーを表彰する「Atlassian Partner of the Year Awards 2023」で、「クラウド移行部門」を受賞(2024年5月)
・『High-Growth Companies Asia-Pacific 2025』アジア太平洋地域の急成長企業500社に7年連続で選出(2025年3月)
また、社内においてもDXの推進、働き方改革の実施により、さらなる生産性の向上、コストダウン等を目指し、情勢に順応した社内改革を推し進めております。今後も全役職員が一丸となり、既存顧客の深耕と新規顧客の獲得による受注拡大に加えDXの推進を図ってまいります。
以上の結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高9,043,848千円(前連結会計年度比20.7%増)、営業利益458,671千円(同31.1%減)、経常利益461,809千円(同31.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は355,518千円(同32.2%増)となりました。
なお、当社グループはツールソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ712,428千円増加し、6,678,254千円(前連結会計年度比11.9%増)となりました。主な要因は、現金及び預金が139,025千円、売掛金及び契約資産が231,862千円、前払費用が175,301千円増加したことによります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ451,274千円増加し、3,649,236千円(前連結会計年度比14.1%増)となりました。主な要因は、買掛金が399,061千円、契約負債が68,280千円増加したことによります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ261,153千円増加し、3,029,018千円(前連結会計年度比9.4%増)となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が355,518千円増加したことによります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前期末と比べ139,025千円増加し3,296,981千円(前連結会計年度比4.4%増)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、収入は377,301千円(前連結会計年度比276.3%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益461,809千円、契約負債の増加額68,280千円、及び仕入債務の増加額399,104千円があった一方で、売上債権の増加額232,175千円、前払費用の増加額175,309千円、及び法人税等の支払額127,112千円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、支出は140,071千円(前連結会計年度比283.7%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出79,531千円、無形固定資産の取得による支出15,481千円、及び敷金及び保証金の差入による支出45,107千円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、支出は91,296千円(前連結会計年度は7,408千円の獲得)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出が91,296千円があったこと等によるものであります。
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当連結会計年度における受注実績をサービスごとに示すと、以下のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績をサービスごとに示すと、以下のとおりであります。
(注) 1.最近2連結会計年度において、総販売実績の10%以上を占める販売顧客に該当するものはありません。
2.ライセンス&SIサービスに含まれるライセンス売上は、7,405,441千円(前年同期比122.1%)であり、うちオンプレミス型のライセンス売上は、3,447,211千円であります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、過去の実績などを勘案して合理的な見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものはありません。
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べ1,552,382千円増加し、9,043,848千円(前連結会計年度比20.7%増)となりました。これは主に、ライセンス売上の案件の大型化に加えストック売上が順調に積み上がってきたことによるものであります。
(売上原価)
売上原価は、前連結会計年度に比べ1,420,446千円増加し、6,669,917千円(前連結会計年度比27.1%増)となりました。これは主に、売上増加に伴うライセンス仕入の増加によるものであります。この結果、売上総利益は2,373,930千円(前連結会計年度比5.9%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ338,885千円増加し、1,915,258千円(前連結会計年度比21.5%増)となりました。これは主に、給与手当及び支払手数料の増加によるものであります。この結果、営業利益は458,671千円(前連結会計年度比31.1%減)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外収益は主に為替差益の減少により、前連結会計年度に比べ3,999千円減少し、8,139千円(前連結会計年度比32.9%減)、営業外費用は主に為替差損の増加により、前連結会計年度に比べ3,930千円増加し、5,001千円(前連結会計年度比366.9%増)となりました。この結果、経常利益は461,809千円(前連結会計年度比31.8%減)となりました。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)
特別損益については、該当事項はありません。法人税、住民税及び事業税134,816千円の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は355,518千円(前連結会計年度比32.2%増)となりました。
財政状態の状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」をご参照ください。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
そのため、当社グループは常に業界動向に留意しつつ、優秀な人材を確保し市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。