株式会社パワーソリューションズ

上場日 (2019-10-01)  情報・通信業ITコンサルグロース

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

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最終更新:

E35137 Japan GAAP

売上高

59.3億 円

前期

53.1億 円

前期比

111.6%

時価総額

46.6億 円

株価

3,245 (04/25)

発行済株式数

1,436,070

EPS(実績)

310.93 円

PER(実績)

10.44 倍

平均給与

700.7万 円

前期

710.3万 円

前期比

98.6%

平均年齢(勤続年数)

35.5歳(6.0年)

従業員数

203人(連結:333人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループは「誰もが新たな一歩を踏み出せる社会」という企業ビジョンを掲げて、資産運用会社等金融機関に向けたDX推進・DXコンサルティングサービス及び顧客企業からの業務のアウトソーシングサービス、法人に向けたRPAライセンスの販売、導入サポート及びテクニカルサポート等のRPA関連サービス並びにサーバ構築やネットワーク構築、システム運用支援などのインフラエンジニアリングサービスを行っております。

当社グループは、当社及び連結子会社である株式会社エグゼクション、ミニコンデジタルワーク株式会社及び株式会社OLDEで構成されており、「ビジネステクノロジーソリューション事業」の単一セグメントで事業を展開しております。

 

当社グループの主な提供サービスの内容は次のとおりであります。

①DX推進・DXコンサルティング

 当サービスは、主に当社が行っております。

資産運用会社をはじめとする金融機関を対象に業務のDX推進・DXコンサルティングを行っており、当社の主要サービスであります。具体的には、レポーティング関連システムの開発、コンプライアンス関連システムの開発、発注関連システムのDX化を行っております。

金融機関では、システムインテグレーター(注1)(以下、「SIer」という。)等が提供する様々な汎用サービスを利用しておりますが、当該サービスに接続できる環境を整備しただけでは、実際に汎用サービス等のシステムを使用するビジネス部門において、既存のシステムと上手く接続がされないなど業務上利用しやすい状態とはならない場合があります。当社では、各ビジネス部門のニーズを満たすために、SIer等の汎用サービス間や顧客内のシステムの連携や付加機能のDX化を行っております。

当社は顧客企業が各種汎用サービス導入後、エンドユーザーであるビジネス部門が利用できるまでの最後の部分を「ラストワンマイル」と呼び、これらを最適化することを主な事業としております。

 

※画像省略しています。

 

金融機関は新商品対応や金融規制への対応、グループの統廃合によるシステムの統廃合、AI・IoT・ビッグデータ・RPAといった新たなテクノロジーの組み込み等、業務プロセスの変更や新技術の導入機会が多く存在しております。当社は、「あらゆるラストワンマイルにITで立ち向かう」というミッションを実現すべく、ユーザーに密着した業務のDX推進・DXコンサルティングを行っております。

また、新たなビジネスモデルの確立を目的として、SaaSインテグレーションの更なる推進に注力しており、2023年3月に数多くのSaaSサービスを取り扱う豪州Sazae社と資本業務提携を締結したほか、当社内においてもSaaS商材を中心に幅広い先端IT商材に関して、有用性検証及び当社の主要サービスであるDX推進・DXコンサルティングサービスでの活用を進めております。

 

②アウトソーシング(注2)

当サービスは、主に当社が行っております。

DX推進・DXコンサルティングの補完的な位置付けとして、金融機関の付随業務の受託やチーム単位での人材派遣を行うことにより、顧客企業の業務プロセスの一部を代行するサービスを提供しております。具体的には、投資信託適時開示・法定開示レポーティング、投信レポートデリバリー等を行っております。また、事業会社の総務部門のアウトソーシングとして、航空券の手配代行サービスを行っております。

 

③RPA関連サービス

当サービスは、M&Aやグループ内事業再編など(注3)により主に連結子会社である株式会社OLDEが行っております。

RPA(注4)は「複数のシステムを接続し、業務を最適化すること」を目的としており、「ラストワンマイルの最適化」を行ってきた当社のDX推進・DXコンサルティングサービスとの親和性が非常に高いサービスであると考えております。

当社グループは、これまで培ってきた「ラストワンマイルの最適化」に関する業務プロセスの自動化を一層推進するため、2018年2月にUiPath株式会社のゴールドパートナーとしてリセラー契約を締結し、同年8月より一般事業会社向けにRPAソフトウェアであるUiPath RPA Platform(注5)のライセンス販売及び導入サポートを行っております。UiPath社はRPAソフトウェアにおけるリーディングカンパニーであり、2022年度(2022年4月~2023年3月)の国内RPA市場で、UiPath社が第1位になりました。また、2023年度(2023年4月~2024年3月)の同市場でも、引き続きUiPath社が売上シェア第1位と予測されています(出典:ITR「ITR Market View:RPA/OCR/BPM市場 2023」)。当社グループでは、既に取引を行っていた金融機関に加えて、その他の業界の法人に対してもサービスを提供しており、2019年12月には最上位のダイヤモンドパートナーに認定されております。

 

④インフラエンジニアリング

当サービスは、主に連結子会社である株式会社エグゼクションが行っております。

 オンプレミス環境、クラウド環境などのサーバ構築やネットワーク構築、システム運用支援など基盤構築支援、ならびに導入サポートを展開しております。

 

(注)1.システムインテグレーター

情報システムの構築や統合を請け負い、企画、設計、開発、構築、導入、保守、運用などを行う業者。

2.アウトソーシング

ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)と言われ、企業が、主に経理・総務等の事務処理部門の業務を外部の企業等に委託すること。

3.RPA関連サービスの事業拡大を目的として2023年4月にミニコンデジタルワーク株式会社の全株式を取得、RPA関連サービスの集約を目的として2023年10月に株式会社OLDEを設立し2024年1月に両社を株式会社OLDEに統合。さらに2024年2月に当社のRPA関連サービスを提供するデジタルインテグレーション推進本部を株式会社OLDEに統合させ、株式会社OLDEがRPA関連事業を行っております。

4.RPA

Robotic Process Automationの略語であり、ルールエンジンやAI、機械学習等を含む認知技術を活用して、これまで人間のみが対応可能と想定されていた操作等をソフトウェアロボットによって自動化する取り組み。日本国内でも、生産年齢人口の減少や働き方改革による業務効率化のニーズを満たす技術として注目されている。

5.UiPath RPA Platform

当社グループがリセラー契約を締結しているUiPath社が提供するRPA製品シリーズ(UiPath Studio、UiPath Orchestrator、UiPath Robots等)。

 

当社の特長と強みは次のとおりであります。

①業界特化によるニッチなポジションの確立

ラストワンマイルを事業領域とするには、「多様な汎用サービスの統合」及び「オーダーメイドの開発」が必要となります。各社の汎用サービスの習熟と個社特性が高い開発を効率的に実現することは難しく、大手SIerを含む競業が少ないニッチな領域であります。

特に金融機関では、採用されているシステムが比較的共通していることから、金融業界に特化することでノウハウの横展開が可能となり、当社は、同事業領域でのサービス提供とコスト優位性を実現しております。また、業界の特徴として案件獲得時に受注実績が重要な評価指標となることからも、案件獲得と効率的な案件推進の好循環を生み出しており、他社との差別化要因となっているものと考えております。

また、当社の提供サービスは、SIerから導入したサービスを最大限に活用するための業務プロセス改善であるため、SIerとは案件紹介を受ける等の良好な関係を構築していることも特長であります。

 

②ラストワンマイル領域の事業化による高収益案件の獲得

当社が属するシステムインテグレーション業界では、元請けから下請けに作業を段階的に委託していくピラミッド構造が一般的であります。当社は、汎用サービスを導入した後の開発を個社別に提供していることから、顧客と直接取引を行うプライム案件(注1)が主体となっております。

 

③顧客ニーズに柔軟に応えるための組織体制

当社は、業務分析・問題発見から課題解決・実践まで一貫してサポートする「一気通貫体制」及びコンサルタントが直接顧客とコミュニケーションをとる「製販一体体制」を構築しております。

当社は、業務コンサルティング・システム設計・開発・運用保守までのDX化を一気通貫で提供しております。特に金融機関の業務は高度かつ複雑化しており、システム開発前に業務コンサルティング、システムアドバイザリーを行ったうえで、設計、開発、運用保守サイクルを総合的に提案しております。

一般的に、コンサルティングを主な業務分野とするITコンサルティング会社では業務分析・問題発見・業務改善提案を行いますが、具体的に解決策の提供までは行いません。また、受託型SIerは対象とする業務範囲を限定した業務改善提案と解決策の提示を行うため、全体最適された提案に至らない場合があります。

当社は、一気通貫体制によって業務プロセス全体を俯瞰して課題解決を行うことが出来、顧客満足度の高いサービスの提案が可能であると考えております。

製販一体体制とは、コンサルタントがチームで専属担当となり、案件獲得からサービス提供までを行う体制です。営業人員を確保する必要がないため、コストを意識した営業展開が可能となると同時に、現場の声を丁寧に拾い上げたサービスの提供が可能となっております。また、案件獲得においても、顧客企業のビジネス部門への理解と金融機関特有のシステムサービスに関する知見の双方が必要であるため、本体制が効果的に機能しているものと考えております。

 

※画像省略しています。

 

④MD制(注2)

当社は、顧客企業からの受託開発及び運用保守等のサービス提供を担当する各部署を疑似的な企業とみなし、部長であるMD(Managing Director)に権限の委譲と成果の適正な配分を行っております。部署での収益は諸コストを除き部署内で配分されるため、案件の成功と従業員のインセンティブを紐付けることで、案件獲得力を強化しております。また、自部署の部下がMDとなり、新部署を設立すると、独立元のMDにはのれん分けとして新部署の収益の一部が継続的に付与される仕組みとなり、人材育成にも効果を発揮しております。

各部署の「経営」をMDに任せることで、リーダーシップや起業家精神の養成とモチベーションの向上を図っております。

 

※画像省略しています。

 

(注) 1.プライム案件

RPA関連サービス及び航空券手配代行サービスのみを提供している取引先を除き、エンドユーザーである顧客との直接取引及び顧客グループのシステム開発会社との取引を指す。

2.MD制

組織を各部署に分け、それぞれをひとつの会社のように位置付けて部署別収益管理制度をベースに運営することで部署の収益に個人の賞与を連動させる制度。なお、当社の賞与は、業績等に連動するインセンティブ賞与と業績等に連動しない基本賞与の2段構造となっており、インセンティブとは、年2回(夏、冬)の賞与のうち、部署及び個人の成果に連動したインセンティブ賞与を指す。

 

 

(事業系統図)

 

※画像省略しています。

 

 

 

※画像省略しています。

 

(注) 1.ビジネスパートナー等

技術者派遣の要請や再委託先の企業等。

2.取引先SIer等

顧客企業が導入する汎用サービスの提供事業者等。

3.2024年2月1日にRPA関連サービスを対象として、株式会社OLDE(連結子会社)を承継会社、当社を分割会社とする吸収分割を行っております。

4.連結子会社

5.2024年1月1日にミニコンデジタルワーク株式会社の全事業を対象として、株式会社OLDEを承継会社、ミニコンデジタルワーク株式会社を分割会社とする吸収分割を行っております。

6.株式会社OLDEの事業開始日は、2024年1月1日からを予定しており、系統図の記載を省略しております。

 

24/03/29

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による経済活動の制限が緩和されたことにより、社会経済活動が正常化に向かいつつある一方で、長期化するウクライナ情勢や、為替市場の円安、資源価格の高騰を始めとした物価の上昇など、依然として先行きが不透明な状況が続いております。その中で岸田政権は「資産所得倍増プラン」を掲げ、「貯蓄から投資」をスローガンに、家計金融資産を貯蓄から投資に回すためにNISAやiDeCoの拡充・改革を進めており、当社がターゲットとする資産運用業界に更なる成長が期待されます。

当社が主に提供するDX推進・DXコンサルティングサービス及びアウトソーシングサービスの主要販売先である金融業界の資産運用(投信・投資顧問)セクターにおきましては、顧客の経営戦略に伴って業務・事務負担が発生する毎に必要な対応があり、業界全体として引き続き業務ソリューションの需要が高まっております。さらに、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)関連サービスの市場は依然として各種メディアでの注目度は高く、生産年齢人口の減少や新型コロナウイルス感染症を発端とする働き方の変化によって金融業界のみならず一層活用期待は高まっております。

このような環境のもと当社は、採用範囲を拡大(多様な働き方を求める求職者の受け入れ)した積極的な採用強化・育成、ビジネスパートナー活用を行い、既存取引先の金融機関からの需要拡大による受注拡大や金融機関に留まらないあらゆる業界の企業との更なる新規取引の獲得、ならびに業界特化型RPAサービス提供に向けた企画・販促活動を行ってまいりました。特に新たなビジネスモデルの確立を目的として、SaaSインテグレーションの更なる推進に注力しており、2023年3月に数多くのSaaSサービスを取り扱う豪州Sazae社と資本業務提携を締結したほか、当社内においてもSaaS商材を中心に幅広い先端IT商材に関して、有用性検証及び当社の主要サービスであるDX推進・DXコンサルティングサービスでの活用を進めております。また、当社グループでは、2021年4月に子会社化した株式会社エグゼクションが主に提供するインフラエンジニアリングサービスも需要増加を背景に堅調に推移しているほか、RPA関連サービスの事業拡大を目的として2023年4月にミニコンデジタルワーク株式会社の全株式を取得しており、さらにRPA関連サービスの集約を目的として2023年10月に株式会社OLDEを設立するなど、グループ全体の更なる成長を目指しております。

以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高5,931,700千円(前年同期比11.6%増)、営業利益474,039千円(前年同期比0.6%増)、経常利益627,048千円(前年同期比33.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益446,511千円(前年同期比40.3%増)となりました。

なお、当社グループはビジネステクノロジーソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。

 

 

②財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ651,576千円増加し、3,368,741千円となりました。これは主として、現金及び預金493,471千円増加売掛金及び契約資産129,371千円増加したことによるものです。

当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ866,795千円増加し、1,568,811千円となりました。これは主として、長期前払費用482,222千円増加、無形固定資産その他に含まれるソフトウェア仮勘定が178,783千円増加したことによるものです。

 

(負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ352,106千円増加し、1,476,767千円となりました。これは主として、1年内返済予定の長期借入金200,000千円増加したことによるものです。

当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ660,126千円増加し、666,258千円となりました。これは、長期借入金650,000千円増加したことによるものです。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ506,137千円増加し、2,794,526千円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金446,511千円増加したことによるものです。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ493,471千円増加し、1,838,374千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは78,906千円の支出(前年同期は430,808千円の収入)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益627,048千円計上による収入の一方で、長期前払費用の増加482,222千円による減少、投資事業組合運用益の増加147,511千円による減少、売上債権の増加76,128千円による減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは210,445千円の支出(前年同期は78,898千円の支出)となりました。これは、主に投資事業組合(i-nest1号投資事業有限責任組合へのLP(リミテッド・パートナー)出資)からの分配による収入168,742千円の一方で、ソフトウェア仮勘定計上による無形固定資産の取得181,663千円による支出、i-nest1号投資事業有限責任組合へのLP出資による投資有価証券の取得121,765千円による支出によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは782,824千円の収入(前年同期は1,029千円の収入)となりました。これは、主に長期借入れによる収入1,000,000千円と返済219,688千円によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

(生産実績)

当社グループが行う事業では、提供サービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(受注実績)

当社グループが行う事業では、概ね受注から役務提供までの期間が短いため、当該記載は省略しております。

 

 

(販売実績)

当連結会計年度における販売実績は次の通りであります。

当社グループはビジネステクノロジーソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けての記載はしておりません。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

  至 2023年12月31日

区分

販売高(千円)

前年同期比(%)

ビジネステクノロジーソリューション事業

5,931,700

111.6

合計

5,931,700

111.6

 

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2022年1月1日

 至 2022年12月31日

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

 至 2023年12月31日

販売高
(千円)

割合(%)

販売高
(千円)

割合(%)

三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社

783,218

14.7

886,116

14.9

野村アセットマネジメント株式会社

715,533

13.5

834,221

14.1

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因に基づき、見積りや判断を行っております。しかし、見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積もり及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の経営成績は下記の通りであります。

(売上高)

売上高は、既存取引先の金融機関からの需要拡大による受注拡大や新規顧客からのRPA関連案件の増加、更に子会社の株式会社エグゼクションが提供するクラウド基盤領域での需要拡大による受注拡大および新規子会社のミニコンデジタルワーク株式会社の連結により5,931,700千円となりました。

 

 

(売上原価)

売上原価は、主に資産運用会社、信託銀行の業務プロセス改善支援など既存顧客を中心とした受注の拡大、新規顧客からのRPA関連案件の増加により、3,925,332千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費は、主に会社基盤の構築および拡大のための人件費の増加、従業員の採用費及び教育費の増加等により、1,532,328千円となりました。

 

(営業外損益、経常利益)

営業外損益の主な内訳は、営業外収益の投資事業組合運用益147,511千円等であり、経常利益は、627,048千円となりました。

 

(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)

特別利益及び特別損失は発生しておりません。

その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、446,511千円となりました。

 

③資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金は自己資金及び金融機関からの借入金を基本としております。持続的な成長を図るため既存事業の拡大に取り組んでおりますが、これらに必要な資金については必要に応じて多様な資金調達を実施しております。なお、当連結会計年度末における有利子負債の金額は850,000千円、現金及び現金同等物の残高は1,838,374千円であります。現時点で重要な資本的支出の予定はございません。

 

④経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループは「誰もが新たな一歩を踏み出せる社会」を企業ビジョンに掲げております。また、ミッションである「あらゆるラストワンマイルにITで立ち向かう」を推し進めるため、事業基盤の強化とUiPath RPA Platformの導入促進による一層広範な業界及び業務プロセスへの関与を目指しております。

当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として経常利益の安定的な確保を目指しております。なお、2022年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画では、売上高及び経常利益のCAGR(年間平均成長率)、ROE、総人員数を重要な指標と位置付けております。

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。また、既存事業拡大方針及び新規サービスであるRPA推進への施策については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載をしております。