コンピューターマネージメント株式会社

上場日 (2020-03-11)  情報・通信業システムスタンダード

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E35466 Japan GAAP

売上高

69.3億 円

前期

64.9億 円

前期比

106.8%

時価総額

30.7億 円

株価

1,507 (04/19)

発行済株式数

2,034,400

EPS(実績)

165.97 円

PER(実績)

9.08 倍

平均給与

496.9万 円

前期

496.2万 円

前期比

100.1%

平均年齢(勤続年数)

38.7歳(7.2年)

従業員数

638人(連結:654人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

当社グループは、顧客の経営に直結するシステム課題を解決するITシステムソリューションを提供する独立系ITトータルソリューションプロバイダーであり、当社及び連結子会社1社により構成され、「働き方改革」の実現に向けたIT活用意識の高まり等を背景に技術革新のスピードが増加し続ける情報サービス産業において、システムソリューションサービスを提供しております。足元では、新たな技術領域であるクラウド、IoT、ビッグデータ、AI、RPA等についてもシステムソリューションサービスの提供を行っております。

当社グループは、システムソリューションサービスの単一セグメントでありますが、事業領域を「ゼネラルソリューションサービス」、「インフラソリューションサービス」、「ERPソリューションサービス」の3つのサービスラインに区分しております。各サービスラインの概要及び特徴は、以下のとおりであります。

 

(1)ゼネラルソリューションサービス

ゼネラルソリューションサービスは、当社事業における事業の中核となるサービスであります。金融業(銀行・保険・証券)、産業・流通業、公共分野、医療分野、教育分野等の幅広い分野において、顧客であるエンドユーザーや国内ITメーカー、大手Sierからの受託開発、運用保守を中心に行っております。当社グループは情報システムの企画から設計、構築、運用保守業務、BPOサービス業務(Business Process Outsourcing)までの工程をすべて手掛けており、一括したサービスを提供しております。また、業務効率化や内部統制のためのシステム構築に留まらず、RPA等との連携はもとよりビッグデータの利活用のための分析ツールの提案といった経営戦略に直結するソリューションを提供しております。

 

(2)インフラソリューションサービス

インフラソリューションサービスは、特定の業種に偏ることなく、設計、構築に力を入れ、顧客のITシステム基盤となるサーバー等のハードウェア導入、ネットワーク構築、データベース構築、アプリケーション基盤等のシステムインフラ構築等をするとともに、その後の運用や保守までの一連のサービスを提供し、また、システム基盤の有効活用の観点からAWS(Amazon Web Services)やKubernetes(コンテナ技術の運用自動化のために設計されたコンテナオーケストレーションツール)といった仮想化技術にも対応したサービスを提供しております。当社では顧客の要望に応え、顧客の情報システム部門の立ち上げ支援及びセキュリティ強化支援等のコンサルティングサービスも展開しております。

 

(3)ERPソリューションサービス

ERPソリューションサービスは、SAPジャパン株式会社(注)からパッケージの提供を受け、大企業向けSAP S/4HANA及び中小企業向けSAP Business Oneのラインアップを核とした導入支援、カスタマイズ、アドオン開発、保守、運用、BPOサービス業務までのワンストップトータルサービスを提供しております。連結子会社のノックス株式会社では、株式会社オービックビジネスコンサルタントとの契約に基づき、奉行シリーズの製品販売・導入支援及びアドオン開発を主として、各種サービス、連携ソリューションを提供しております。

 

(注)SAPジャパン株式会社とは、ERPパッケージ等で知られるソフトウエア会社SAP社の日本法人であります。

 

[事業系統図]

当社グループの主要なサービスライン別に、当社グループと顧客等との関連を系統図で示すと、以下のとおりであります。

※画像省略しています。

(注)連結子会社

 

23/06/23

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は、以下のとおりであります。

なお、当社グループは、システムソリューションサービスの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限や水際対策が緩和されたことから個人消費や国内景気が改善傾向に転じたとともに、企業の設備投資や設備稼働率も上向き、総じて順調に推移いたしました。他方、原材料や燃料費の高騰、世界経済でのインフレ圧力やウクライナ情勢の行方などがリスク要因となり、依然として先行きは不透明な状況となっております。

当社グループが属する情報サービス産業におきましては、アフターコロナを見据えたIT投資意欲が旺盛で、インボイス制度やセキュリティ対策への対応など、企業のデジタル化が時流に乗ったこともあり順調に推移いたしました。

このような状況の下、当社グループは、ウィズコロナ対応としてリモートワークや時差出勤の実施、WEB会議システムを活用した商談などにより、新型コロナウイルス感染症拡大の防止に努めつつ、事業活動を安定的に継続してまいりました。また、ゼネラルソリューションサービス、インフラソリューションサービス、ERPソリューションサービスの3つのサービスを軸として、新規顧客の獲得による受注拡大、既存顧客との取引拡大、高収益案件の受注拡大により収益の伸展を図り、営業力、コンサルティング業務の強化も進め、小規模から大規模に至る顧客の戦略的システム構築を数多く手掛けてまいりました。今後も堅調な受注と安定的な成長に向け、動員力(人材の積極的な採用・育成・ビジネスパートナーの増員)の強化に注力しつつ、事業の拡大と収益力の向上に取組んでまいります。

当社は、令和4年11月に、投資単位当たりの金額を引き下げて当社株式の流動性を高めることにより、流通株式時価総額及び時価総額を上げるとともに、投資家層の更なる拡大を目的として、株式分割(普通株式1株につき2株の割合)を実施いたしました。加えて、同年7月に、事業規模拡大に対応するためのオフィス機能の拡充による業務効率化や組織の活性化を目的として、大阪本社を大阪市北区梅田に移転いたしました。また、同年10月に、BPOビジネスの更なる業容拡大を目的として、BPOセンター(大阪市港区)を増床、令和5年3月に、四国営業所(愛媛県松山市)の拡張移転を実施いたしました。

当社グループでは、サステナブル経営の一環としてESG基本方針を定め、エネルギー省力化などの環境課題、ダイバーシティ推進などの社会課題、健全な経営を行うための自己管理体制の構築などのガバナンスに取組み、持続的な企業の成長とSDGsの実現に向けた取組みに努めております。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は6,930,650千円(前期比6.8%増)と順調に推移いたしましたが、大阪本社移転費用及び管理体制強化に伴う人件費増加等の販売費及び一般管理費増加により、営業利益は472,657千円(同4.3%減)、経常利益は478,220千円(同4.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は337,657千円(同4.4%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ262,943千円増加し、2,579,265千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は404,039千円(前連結会計年度は393,882千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上額478,220千円、減価償却費の計上額21,624千円、退職給付に係る負債の増加額47,124千円、賞与引当金の増加額11,327千円、棚卸資産の減少額12,798千円、仕入債務の増加額16,028千円の資金増加と、売上債権の増加額14,071千円、未払消費税等の減少額23,375千円、法人税等の支払額181,715千円の資金減少によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、支出した資金は81,190千円(前連結会計年度は73,720千円の支出)となりました。これは主に、敷金及び保証金の回収による収入21,697千円の資金増加と、有形固定資産の取得による支出69,534千円、資産除去債務の履行による支出11,798千円、敷金及び保証金の差入による支出18,813千円の資金減少によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、支出した資金は59,904千円(前連結会計年度は49,560千円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額60,918千円の資金減少によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループはシステムソリューションサービスの単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の実績については、システムソリューションサービス別に記載しております。

 

a.生産実績

当社グループが提供するサービスには、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載を省略しております。

 

b.受注実績

当連結会計年度の受注実績をシステムソリューションサービス別に示すと、以下のとおりであります。

システムソリューションサービス

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

ゼネラル

ソリューションサービス

4,815,473

106.7

1,603,940

108.5

インフラ

ソリューションサービス

1,306,347

101.8

302,244

93.6

ERP

ソリューションサービス

949,278

107.3

280,121

114.2

合計

7,071,099

105.8

2,186,306

106.9

(注)金額は販売価格によっており、システムソリューションサービス間の取引については、相殺消去しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をシステムソリューションサービス別に示すと、以下のとおりであります。

システムソリューションサービス

当連結会計年度

(自 令和4年4月1日

至 令和5年3月31日)

前年同期比(%)

ゼネラルソリューションサービス (千円)

4,689,235

106.5

インフラソリューションサービス (千円)

1,326,911

109.3

ERPソリューションサービス    (千円)

914,503

104.8

合計(千円)

6,930,650

106.8

(注)1.システムソリューションサービス間の取引については、相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先がないため、省略しております。

3.上記の金額には、受注制作ソフトウエア開発取引に係る販売実績704,709千円が含まれております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の経営成績は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載しておりますが、その主な要因は以下のとおりであります。

 

経営成績の分析

(売上高、売上原価及び売上総利益)

当社グループは、リモートワーク及び時差出勤の実施、WEB会議システムを活用した出張の自粛及び商談等により、新型コロナウイルス感染症拡大防止に努めつつ事業活動を安定的に継続してまいりました。また、新規顧客の獲得による受注拡大、既存顧客との取引拡大、高収益案件の受注拡大により収益の伸展を図り、小規模から大規模に至る顧客の戦略的システム構築を数多く手掛けてまいりました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は6,930,650千円(前期比6.8%増)、売上原価5,255,864千円(同5.5%増)、売上総利益は1,674,786千円(同10.9%増)となりました。

また、当社グループはシステムソリューションサービスの単一セグメントでありますが、システムソリューションサービス別の経営成績(売上高)の状況に関する認識及び分析は、以下のとおりであります。

 

イ.ゼネラルソリューションサービス

ゼネラルソリューションサービスにつきましては、BPOビジネスの拡大、エンドユーザー案件及び大規模案件の受注拡大を推進してまいりました。特にBPOビジネスが好調で、システム保守及びヘルプデスクを中心として引き合いが多く、新規エンドユーザーからの受注も拡大したことにより、BPOセンターを増床いたしました。また、新規ビジネスパートナーとの協業体制確立・既存ビジネスパートナーとの連携深化による動員力強化を推進し、取引拡大を図りました。以上の取組みにより、ゼネラルソリューションサービスは順調に推移いたしました。

これらの結果、ゼネラルソリューションサービスの売上高は4,689,235千円(前期比6.5%増)となりました。

 

ロ.インフラソリューションサービス

インフラソリューションサービスにつきましては、首都圏及び関西地区において特定の業種に偏ることなく、要件定義、設計等の上流工程に力を入れ、サーバー構築、ネットワーク構築及びデータベース構築等のサービスを提供してまいりました。特にAWSを中心としたクラウド技術の他、コンテナオーケストレーションツールのKubernetesをはじめとしたコンテナ関連の技術にも注力し、受注が拡大しております。以上の取組みにより、インフラソリューションサービスは順調に推移いたしました。

これらの結果、インフラソリューションサービスの売上高は1,326,911千円(前期比9.3%増)となりました。

 

ハ.ERPソリューションサービス

ERPソリューションサービスにつきましては、SAP商品群においては、大企業向けSAP S/4HANA、中堅企業向けSAP Business By Design及び中小企業向けSAP Business OneのSAP ERPの3大ラインアップを展開しております。SAPの案件では、新たにリモート保守サービスを展開し、安定的な収益の拡大に貢献しております。また、既存のリソースを単価の高いコンサルティング案件へシフトすることで、高収益案件の受注拡大を図りました。連結子会社のノックス株式会社につきましては、IT導入支援事業者として登録を行い、自社ITソリューションの受注拡大を図った他、協業他社からの案件受注を積極的に進めております。以上の取組みにより、ERPソリューションサービスは、順調に推移いたしました。

これらの結果、ERPソリューションサービスの売上高は914,503千円(前期比4.8%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費並びに営業利益)

大阪本社移転費用及び管理体制強化に伴う人件費増加等の計上により販売費及び一般管理費は1,202,128千円(前期比18.3%増)となり、営業利益は472,657千円(同4.3%減)となりました。

 

(営業外損益及び経常利益)

営業外収益は、受取利息及び配当金、助成金収入等の計上により5,899千円(前期比13.2%増)となりました。また、営業外費用は、固定資産除却損の計上により337千円(同1,020.7%増)となりました。

これらの結果、経常利益は478,220千円(同4.2%減)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度において法人税、住民税及び事業税は157,492千円、法人税等調整額は△16,930千円となりました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は337,657千円(前期比4.4%減)となりました。

 

財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末における総資産は4,302,706千円となり、前連結会計年度末と比較して334,355千円増加(前期比8.4%増)となりました。これは主に、仕掛品12,020千円の減少がありましたが、現金及び預金262,943千円の増加、売掛金14,071千円の増加、建物42,769千円の増加、工具、器具及び備品14,416千円の増加、繰延税金資産が21,929千円増加したことによるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は1,450,958千円となり、前連結会計年度末と比較して67,989千円増加(前期比4.9%増)となりました。これは主に、未払法人税等23,152千円の減少、流動負債のその他に含まれる未払消費税等23,375千円の減少がありましたが、買掛金16,028千円の増加、賞与引当金11,327千円の増加、退職給付に係る負債51,946千円の増加、流動負債のその他に含まれる未払金が31,601千円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は2,851,747千円となり、前連結会計年度末と比較して266,365千円増加(前期比10.3%増)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益337,657千円の計上に対し、配当金60,955千円の支払によるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況の分析

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、安定して継続的な営業活動を行うために必要な手元流動性を確保した上で、営業活動から生み出されるキャッシュから資金配分することを基本方針としております。

主な資金需要は、労務費、外注費並びに経費等の支払いを目的とした運転資金であります。これらにつきましては、基本的に営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金を充当しておりますが、資金調達が必要な場合には、案件の都度、金融機関からの借入による資金調達の検討を行っております。

なお、健全な財務体質の維持及び継続的な営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力により、今後も事業成長を確保する目的で手元流動性を高める資金調達は可能と考えております。株主還元につきましては、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により不確実性が大きいものの、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。その結果、当社グループは、売上高減少の影響を受けるものの、前連結会計年度と同様に限定的であると仮定して見積り及び予測を行っておりますが、全ての影響について合理的に見積り及び予測を行うことは困難な状況であるため、収束時期等によって変動する可能性があります。

(繰延税金資産)

当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産の取崩しまたは追加計上により利益が変動する可能性があります。