株式会社ゼネテック

上場日 (2020-03-19) 
ブランドなど:ココダヨMastercam
情報・通信業システムスタンダード

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E35504 Japan GAAP

売上高

58.6億 円

前期

46.8億 円

前期比

125.2%

時価総額

106.9億 円

株価

917 (04/19)

発行済株式数

11,660,700

EPS(実績)

2.04 円

PER(実績)

450.09 倍

平均給与

600.4万 円

前期

575.6万 円

前期比

104.3%

平均年齢(勤続年数)

40.6歳(8.0年)

従業員数

292人(連結:350人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

当社グループ(当社及び連結子会社)は、当社(株式会社ゼネテック)、子会社4社により構成されており、デジタルソリューション事業、エンジニアリングソリューション事業およびココダヨ事業を主たる事業としております。

当社グループの事業内容および当社の関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。

なお、次の3区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 

(1)デジタルソリューション事業

当社グループは、当社の1985年7月の設立以来、移動体通信機分野(ポケットベル、携帯電話、PHSなど)の各種情報端末、自動車関連(カーナビ、カーオーディオ、インフォテインメント(注)1など)の組込みシステム(注)2の設計開発をコア事業として発展してまいりました。

カーエレクトロニクス全般、デジタル情報家電、半導体製造装置分野などの組込みシステムに係るソフトウェア開発およびハードウェア開発において、長年培ってきた受託開発ノウハウを駆使し、仕様分析・検討、基本設計から製造までシステムの一括受託開発を行っております。

今後、特に、モビリティ分野の自動運転システム、安全運転アシストシステム、インフォテインメントシステムなどの成長が期待されており、また、各種制御系機器のインテリジェント化やデータ収集ニーズに伴う各種センサーの情報を取りまとめるエッジコンピュータ(注)3やゲートウェイの需要なども成長が期待され、製造業分野でIoT(注)4関連の需要が大きく高まっていくと予測されております。ソフトウェア専業開発と異なり、組込みシステム開発にはハードウェア制御の知識が必須であり、また、製品の性格上、ソフトウェア開発と比べて非常に厳しい品質確保が要求されるものになるため、この領域は、当社グループの強みであるソフトウェアとハードウェアの一体型システム開発力および通信・ネットワーク分野の開発技術力を活かせる分野になります。

また、組込み開発に加え、企業の持つ資源である、「ヒト」、「モノ」、「カネ」、「情報」を一つのシステムで一元管理するERP(注)5 の導入支援・運用コンサルティング業務を行っております。

 

(2)エンジニアリングソリューション事業

「3次元CAD(注)6/CAM(注)7ソフトウェア」「ロボットティーチングソフトウェア」「3次元シミュレーションソフトウェア」「製品ライフサイクル管理ソフトウェア」について、ライセンス販売、導入・技術支援、サポート、教育・研修などのソリューションサービス事業を行っております。また、今後、飛躍的な成長が見込まれる製造業向けIoT分野において、創立来システム開発で培ってきた通信・制御・センサーデバイス、ネットワーク、クラウド技術をベースにしたモニタリングプラットフォーム「Surve-i」を自社開発し、製造機械・設備の稼働モニタリングシステム「GCモニター」や防犯・災害対策用遠隔カメラ監視ソリューションとして販売しております。

 

[3次元CAD/CAMソフトウェア]

主力製品である「Mastercam」はCADで設計された製品や部品に対し、工具や切削方法といったNC工作機械(注)7で加工するための様々な情報を付加し、工作機械を制御する数値データに変換するCAMソフトウェアです。ソフトウェアの使用ライセンスに加えて、CAMの導入時に必要なポストプロセッサ(注)9の開発、操作や設定についての教育・研修、保守メンテナンス・サポート契約など様々なサービスを提供しております。

 

[ロボットティーチングソフトウェア]

通常、ロボットは付属しているコントローラを使用してロボットを実際に動かし、その動きを記録・再生させて作業を行います。このことを一般的にティーチングと呼びますが、「Robotmaster」は、パソコン上でロボットの動作データを作成し、ロボットに転送することで作業をさせることができます。これをオフラインティーチングと呼び、「Robotmaster」では従来型のティーチングに比べ約70%の作業時間削減を実現しています。

 

[3次元シミュレーションソフトウェア]

日本国内では、ますます少子高齢化が進む中で、工場の見直し、ライン・設備等の見直し、省力化対応の機械、ロボットやIoTシステムの導入が一層進むと予想されますが、「FlexSim」は、製造・物流現場において投資対効果の高い最適な検証結果を企画段階で容易に導きだすことができ、工場・物流の生産性向上と利益の向上に貢献するシミュレーションソフトウェアであります。

 

[製品ライフサイクルマネジメントソフトウェア]

製造業のエンジニアリングチェーン(企画や受注から始まり、設計、製造準備、製造、保守保全等まで設計を中心とした一連の業務プロセス)を管理するシステムです。導入することで製品ライフサイクル全体のリードタイムを大幅に削減し、収益や品質向上につなげるための業務改革を可能にし、企業の開発力や競争力の向上を実現するものであります。

 

(3)ココダヨ事業

緊急地震速報の受信と同時に、事前に合意登録されている家族の最新の居場所が自動配信され、お互いの安否が把握できるスマートフォン用防災アプリである、災害時位置情報自動通知システム「ココダヨ」を提供しております。

2018年9月より株式会社NTTドコモが提供するスマートフォンアプリ定額使い放題サービス「スゴ得」に採用されております。

今後、高齢者や子供の見守り用としてのサービス拡大や、地震・自然災害の多い国や地域へのサービス拡大を目指しております。

 

(用語解説)

(注)1.インフォテインメント:主に車載システムについて用いられる用語で、情報と娯楽の提供を実現するシステムの総称

(注)2.組込みシステム:特定用途向けに特化、限定した機能を果たすために各種機械や機器に組み込まれるコンピュータシステム

(注)3.エッジコンピュータ:製造現場においては、工場内に多数設置されたセンサー等から得られる大容量データに対し、端末近くで高速な処理をするコンピュータのこと

(注)4.IoT:Internet of Things(モノのインターネット)。モノがインターネットに接続され、情報交換することにより相互に制御する仕組み

(注)5.ERP:Enterprise Resources Planningの略であり、企業経営の基本となる資源要素(ヒト・モノ・カネ・情報)を適切に分配し有効活用する考え方を意味します。現在では、「基幹系情報システム」を指すことが多く、企業の情報戦略に欠かせない重要な位置を占めています。

(注)6.CAD:Computer Aided Design(コンピュータ支援設計)。パソコンの画面上で図面を作成するためのソフトウェア。2次元は平面上での製図、3次元は立体空間の製図

(注)7.CAM:Computer Aided Manufacturing(コンピュータ支援製造)。NC(Numerically Controlled :数値制御)工作機械の加工プログラムを作成するソフトウェア

(注)8.NC工作機械:Numerically Controlled Machine Tools(数値制御される工作機械)。数値制御とは「工作物に対する工具経路、その他加工に必要な作業の工程などを、それに対応する数値情報で指令する制御」のこと

(注)9.ポストプロセッサ:CAMの言語を工作機械の言語に変える翻訳機

 

 

 

[事業系統図]

以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

 

 

※画像省略しています。

 

 

23/06/28

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、以下のとおりであります。

① 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は2,825百万円となり、前連結会計年度末と比べて355百万円増加しました。主な増減は、売掛金の増加226百万円、契約資産の増加245百万円、未収入金の減少143百万円であります。固定資産は1,295百万円となり、前連結会計年度末と比べて513百万円増加しました。主な増減は、工具、器具及び備品(純額)の減少49百万円、のれんの増加519百万円であります。

 この結果、当連結会計年度末の総資産は4,121百万円となり、前連結会計年度末と比べて868百万円増加いたしました。

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は1,501百万円となり、前連結会計年度末と比べて462百万円増加いたしました。主な増減は、買掛金の増加98百万円、短期借入金の増加500百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加75百万円、未払金の減少231百万円、賞与引当金の増加37百万円であります。固定負債は754百万円となり、前連結会計年度末と比べて400百万円増加しました。主な増減は、長期借入金の増加375百万円、退職給付に係る負債の増加23百万円であります。

 この結果、負債合計は2,256百万円となり、前連結会計年度末と比べて862百万円増加いたしました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は1,865百万円となり、前連結会計年度末と比べて5百万円増加いたしました。主な増減は、親会社株主に帰属する当期純利益23百万円の計上であります。

 

② 経営成績の状況

当連結会計年度における我が国の経済は、ウィズコロナの下で、各種政策の効果もあり景気は持ち直してきました。しかしながら、世界的な金融引き締めが続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、半導体の世界的な供給不足状態は緩和されつつあるものの、市場が用途別に二極化するなかで、車載向けや産業機器向けへの影響が引き続き懸念される状態です。一方で、当社グループが属する情報サービス産業においては、社会のデジタルトランスフォーメーション(DX)に対する需要を背景に、さまざまな分野において、積極的なIT投資が継続しております。

そのような状況のもと、当社は売上拡大に向けた取組みと並行し、製造業におけるDX推進に向けて、前連結会計年度に引き続き、企業基盤強化のためのキャリア人材採用、認知度向上を目的とした広告宣伝活動等の積極的な投資を行いました。また、製造業の課題解決のためのソリューション拡充を目的とし、2022年12月にPLM(製品ライフサイクルマネジメント)ソフトウェアの導入支援を行う株式会社TOPWELLの、さらに、顧客基盤強化のため、2023年1月には大阪を基盤とする組込みソフトウェアの受託開発、エンジニア派遣を行うログイン株式会社の全株式を取得しました。

以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高5,864百万円(前期比25.2%増)となりました。一方、各段階利益につきましては、営業利益は105百万円(前期比44.3%減)となり、経常利益111百万円(前期比56.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益23百万円(前期比58.1%減)となりました。

なお、ログイン株式会社につきましては、2023年3月期においては貸借対照表のみ連結しております。

 

各セグメント別の状況は次のとおりであります。

(デジタルソリューション事業)

前連結会計年度に引き続き、デジタル情報家電分野における製品競争力を高めるための技術開発ニーズを捉え、当社においても開発案件が増加しました。また、オートモーティブ分野においては、大手自動車メーカーによる車載ソフトウェア開発に対する取組み強化等を案件受注に繋げ、当事業の業績は好調に推移いたしました。加えて、既存顧客への保有技術の横展開を含む幅の広い提案活動を行うとともに、強みとなる技術をベースに新規取引の獲得を継続して行いました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は3,804百万円(前期比34.2%増)、セグメント利益は697百万円(前期比32.0%増)となりました。

 

(エンジニアリングソリューション事業)

主力商材である3次元CAD/CAMソフトウェア「Mastercam」においては、ライセンス販売は前連結会計年度に受注した大型案件の反動で伸び悩むものの、顧客の業務ニーズに応じたカスタマイズの売上強化に注力しました。一方で、製造ラインや物流倉庫等の生産性の大幅向上を実現する3次元シミュレーションソフトウェア「FlexSim」に関しては、顧客ニーズに合わせた販売形態の多様化を行い、大手自動車メーカーや電機、電子部品業界への導入案件が増加いたしました。また、当連結会計年度および次期のさらなる拡販を目指し、展示会への積極的な出展等の広告宣伝活動により認知度の拡大施策を行いました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は1,662百万円(前期比16.5%増)、セグメント利益は399百万円(前期比10.2%増)となりました。

なお、当第4四半期連結会計期間より、株式会社TOPWELLの行うPLMソフトウェアの導入コンサルティングに係る収益を本セグメントに含んでおります。

 

(ココダヨ事業)

「ココダヨ」サービス全体のインストール数は2023年3月において累計104万を突破するなど堅調に推移しており、インストール数の伸びに合わせ、ストア経由の売上は増加しております。一方で、「ココダヨ」のアプリを提供している「スゴ得コンテンツ」向けサービスにおいては、他アプリ使用状況の影響もあり、「ココダヨ」の使用率が従来の水準を相対的に下回り、売上単価が減少しました。

以上の結果、当連結会計年度における売上高は405百万円(前期比8.5%減)、セグメント利益は76百万円(前期比56.2%減)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ52百万円増加し、1,031百万円(前年同期は978百万円)となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は223百万円(前年同期は24百万円の支出)となりました。これは主に、売上債権の増加額413百万円、未払金の減少額260百万円などの資金減少要因が、減価償却費の計上115百万円、未収入金の減少額60百万円、仕入債務の増加額159百万円、税金等調整前当期純利益87百万円などの資金増加要因を上回ったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は439百万円(前年同期は98百万円の支出)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出459百万円、有形固定資産の取得による支出99百万円などの資金減少要因が、敷金の回収による収入77百万円、定期預金の払戻による収入66百万円などの資金増加要因を上回ったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は714百万円(前年同期は94百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の増加500百万円、長期借入による収入300百万円などの資金増加要因が、長期借入金の返済による支出26百万円、社債の償還による支出25百万円、配当金の支払額37百万円などの資金減少要因を上回ったことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 デジタルソリューション事業において、半導体製造装置ユニットの受託製造を主とする組込みハードウェア開発をおこなっておりますが、当社の設計仕様に基づき外部企業に生産委託するファブレス形式によっており、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当社グループの事業は、受注から売上計上までの所要日数が短く、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

デジタルソリューション事業(千円)

3,804,972

34.2

エンジニアリングソリューション事業(千円)

1,662,406

16.5

ココダヨ事業(千円)

405,828

△8.5

合計(千円)

5,873,207

24.8

(注)1.各セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでおります。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ソニー株式会社

634,009

13.5

922,057

15.7

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.当社グループの経営成績

イ.売上高

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ1,181百万円増の5,864百万円(前期比25.2%増)となりました。これは主にデジタルソリューション事業においてシステム開発案件が好調に推移したこと、およびエンジニアリングソリューション事業においてFlexSimの売上が増加したこと、ならびに連結を開始した子会社による売上貢献によるものとなります。

 セグメント別(セグメント間の内部売上高又は振替高を含む)では、デジタルソリューション事業3,804百万円(前期比34.2%増)、エンジニアリングソリューション事業1,662百万円(前期比16.5%%増)、ココダヨ事業405百万円(前期比8.5%減)となりました。

 

ロ.売上原価

 当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ825百万円増加の3,546百万円(前期比30.4%増)となりました。これは主に、デジタルソリューション事業において開発案件が好調に推移したことにより労務費、外注費が増加したことによるものであります。なお、原価率(売上高に対する売上原価の比率)は60.5%(前期比2.4ポイント増)となりました。

 

ハ.販売費及び一般管理費

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ439百万円増加の2,211百万円(前期比24.8%増)となりました。これは主に、M&Aに係る費用の増加によるもの、広告宣伝投資による広告宣伝費、減価償却費の増加によるもの、体制強化を目的とした中途採用を行ったことにより人件費が増加したことによるもの、およびM&Aで取得した子会社ののれん償却費の増加によるものであります。なお、売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は前期比0.1ポイント減少の37.7%となりました。

 

ニ.営業利益

 上記の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ84百万円減少の105百万円(前期比44.3%減)となりました。

 

ホ.経常利益

 当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ143百万円減少の111百万円(前期比56.2%減)となりました。これは主に、営業利益が減少した一方で、助成金収入により返戻金が発生したことによるものであります。

 

ヘ.親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ32百万円減少の23百万円(前期比58.1%減)となりました。これは主に、経常利益の減少によるものであります。

 なお、1株当たり当期純利益金額は6円30銭となり、1株当たり年間配当金は10円00銭といたしました。この結果、連結配当性向は158.7%となりました。

 

b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループの経営成績等に影響を与える要因としては、市場動向、人材の確保、各プロジェクトの採算性および新規ビジネスへの投資があります。

イ.市場動向

[デジタルソリューション事業]

 今後の組込みシステム市場の動向につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも、2019年度から2023年度までの年平均成長率は5.8%と堅調に推移するものと予測されております(出典:ミック経済研究所「エンベデッドシステム・ソリューション市場の現状と展望2020年度版」より)。

[エンジニアリングソリューション事業]

 当事業の主要顧客である製造業の2022年度における景況感については、各種経済政策の効果や海外経済の影響もあり、持ち直していくことが期待されていますが、地政学リスクの顕在化による原材料価格の高騰など、下振れするリスクもあります。(出展:内閣府「月例経済報告(令和4年3月)」)

 

ロ.人材の確保

当社グループは、継続的に付加価値の高いサービスを提供するために、高いITスキルを備え、当社グループの企業理念を理解し、主体的に課題解決を行うことのできる優秀な人材の育成および確保が不可欠であると認識しております。OJTや体系的な育成プログラムによる研修を実施し、社員のスキル向上をはかるとともに、積極的な採用活動に取り組み、優秀な人材の確保に努めてまいります。

また、技術者確保のひとつの方法として、パートナーと位置付ける協力会社からの技術者の受け入れを行っております。

 

ハ.各プロジェクトの採算性

当社グループのデジタルソリューション事業において、プロジェクト単位ごとに適正利益の確保に努めるとともに、開発想定工数が大幅に乖離することがないようプロジェクトの進捗管理を行っております。しかしながら、不測の事態等により開発工数が増大した場合には、プロジェクトの採算が悪化する可能性があります。

当社グループでは、開発工数の実績が計画を上回ることがないよう、常にプロジェクトの進捗状況を把握すると同時に、プロジェクトの責任者が問題発生の兆候を発見した場合は適時報告するよう努めております。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性

 当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析については、(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況 に記載のとおりであります。

 当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、人件費及び外注費であります。当社グループは、運転資金については、内部資金、金融機関からの借入金により調達しております。

 

③経営方針、経営戦略、営業上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、持続的な成長をしていくことによって企業価値を高め続けていくことを経営目標としており、売上高、営業利益、営業利益率を経営指標として重視し、これらの拡大を目指しております。当連結会計年度における売上高は5,864百万円(前期比25.2%増)、営業利益は105百万円(前期比44.3%減)、営業利益率は1.8%(同2.3ポイント減)であります。

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表作成にあたって、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づいて見積りを行っておりますが、見積りには不確実性があるため実際の結果と異なる場合があります。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。