E00948 Japan GAAP
前期
595.3億 円
前期比
114.9%
株価
2,013 (04/19)
発行済株式数
53,119,190
EPS(実績)
116.64 円
PER(実績)
17.26 倍
前期
707.2万 円
前期比
109.3%
平均年齢(勤続年数)
43.7歳(17.0年)
従業員数
840人(連結:1,729人)
当社の企業集団は、当社、子会社21社で構成され、医療用医薬品事業、コンシューマーヘルスケア事業及びその他の事業を展開しております。
(1) 当社グループの事業に係る位置づけは次のとおりであります。
医療用医薬品事業 |
・・・・ |
当社は医療用医薬品を製造・仕入並びに販売しております。Tillotts Pharma AGは主に医療用医薬品の製造・販売を行っております。Tillotts Pharma AGの子会社であるTillotts Pharma AB他7社は医療用医薬品の販売を行っております。㈱ゼリアップは当社の医療用医薬品の営業販促活動の請負を行っております。Pharmaceutical Joint Stock Company of February 3rdは、医療用医薬品の製造・販売を行っております。 |
コンシューマー ヘルスケア事業 |
・・・・ |
当社はセルフメディケーションに係るOTC医薬品及び健康食品を製造・仕入並びに販売しております。ゼリアヘルスウエイ㈱は当社及びグループ会社から仕入れた健康食品、化粧品等を販売しております。 |
その他 |
・・・・ |
㈱ゼービスは保険代理業及び不動産業等の事業を、ゼリア商事㈱は販促物の仕入・販売等の事業を、㈱ゼリアエコテックは各種メンテナンス等の事業を行っております。 |
(2) 事業の系統図は次のとおりであります。
※画像省略しています。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、ウィズコロナのもとで各種政策の効果もあって社会経済活動は正常化へと向かいつつあり、個人消費や企業の設備投資に持ち直しの動きがみられました。一方、新型コロナウイルス感染拡大によるインバウンド需要の減少は本格的な回復には至らず、さらに長期にわたるロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー・原材料価格の高騰や物流コストの上昇、急激な円安の進行、海外経済の減速要因などが、今後のわが国経済に与える影響について、不透明感の増す状況が続いております。
医薬品業界におきましては、医療用医薬品は、薬価の毎年改定や後発医薬品の使用促進などの医療費抑制策が従来にも増して強力に推進されており、事業環境は一層厳しさを増しております。また、OTC医薬品市場におきましても、市場競争の激化に加え、インバウンド需要の低迷などにより、ともに厳しい環境下で推移いたしました。
このような状況の中、当社グループは、第10次中期経営計画(2020年度~2022年度)の最終年度にあたる当連結会計年度において、グローバル展開を強力に推進する中、Tillotts Pharma AGが主に欧州地域にて販売中のクロストリジウム・ディフィシル感染症治療剤「ディフィクリア」が大きく寄与し、海外売上高を大幅に拡大させました。一方、国内市場におきましては、医療用医薬品事業は薬価改定の影響などを受け苦戦し、コンシューマーヘルスケア事業もヘパリーゼ群などの売上増加により回復基調とはなったものの、全体としては十分な成果を上げるには至りませんでした。
これらの活動の結果、当連結会計年度の売上高は、683億83百万円(前期比14.9%増)となりました。利益につきましては、営業利益90億14百万円(前期比41.6%増)、経常利益75億79百万円(前期比27.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益61億95百万円(前期比56.4%増)となりました。
なお、当連結会計年度の海外売上高比率は47.4%(前期41.4%)となっております。
また、クロストリジウム・ディフィシル感染症治療剤「ディフィクリア」につきましては、当社グループの事業基盤強化に資するM&A、アライアンスに積極的に取り組む中、国内につきましても2023年4月にアステラス製薬株式会社より製造販売承認を承継し、販売を開始いたしました(国内販売名:ダフクリア)。
次にセグメントの状況につきまして、ご報告申し上げます。
(医療用医薬品事業)
当事業におきましては、プロモーションコードの遵守を基本に、デジタルマーケティングを含めたMR(医薬情報担当者)の情報提供活動を一層充実させ、製品価値の最大化を図ってまいりました。
主力製品である潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール」につきましては、国内市場においては薬価改定や競合品の影響を受け、苦戦いたしましたが、海外市場において1600mg製剤の伸長を背景に北欧やイギリスなどの地域で好調に推移した結果、全体では増収となりました。炎症性腸疾患治療剤「エントコート」(国内販売名:「ゼンタコート」)につきましては、カナダ、2021年に現地法人を設立し、自販体制に移行したイタリアなどで伸長し、売上が増加いたしました。なお、2022年9月より欧州の一部の国で後発医薬品が上市されたものの、当連結会計年度の業績への影響は軽微でありました。また、クロストリジウム・ディフィシル感染症治療剤「ディフィクリア」につきましては、欧州の感染症診療ガイドラインで第一選択薬として推奨される中、営業リソースを積極的に投入した結果、売上が大幅に拡大いたしました。2020年9月に国内において上市いたしました鉄欠乏性貧血治療剤「フェインジェクト」につきましては、産婦人科・消化器科領域を中心に市場構築に努めております。
これらの結果、当事業の売上高は、431億45百万円(前期比16.6%増)、営業利益は87億21百万円(前期比26.2%増)となりました。
(コンシューマーヘルスケア事業)
当事業におきましては、超高齢社会が進展する中、生活者のセルフメディケーションをサポートする製品の供給を通じて市場構築を進めてまいりました。
主力製品である「ヘパリーゼ群」につきましては、引き続き新型コロナウイルス感染症やインバウンド需要停滞の影響を受けたものの、医薬品ヘパリーゼ群・コンビニエンスストア向けヘパリーゼW群ともに回復基調となり、売上は増加いたしました。また、「コンドロイチン群」につきましても、積極的な広告宣伝投資などの効果もあり堅調に推移いたしました。一方、植物性便秘薬「ウィズワン群」につきましては、競合品の影響などにより苦戦いたしました。
なお、製品ラインアップ強化に努め、ローヤルゼリーを有効成分として配合した滋養強壮保健剤「ハイゼリー顆粒EX」やコンドロイチン配合点眼薬「ビュークリアHi40アクティブ」などの新製品を発売いたしました。また、月経前症候群(PMS)治療薬「プレフェミン」につきましては、2023年4月より第2類医薬品に移行したことで取扱店舗の増加が見込まれることから、さらなる製品認知度向上に努めております。
これらの結果、当事業の売上高は、250億85百万円(前期比12.1%増)、営業利益は49億70百万円(前期比23.1%増)となりました。
(その他)
当事業の売上高は、保険代理業・不動産賃貸収入などにより1億52百万円(前期比2.8%減)、営業利益は2億42百万円(前期比7.2%減)となりました。
(財政状態)
当連結会計年度末の総資産は1,350億34百万円となり、前連結会計年度末対比107億52百万円の増加となりました。その内訳は流動資産が482億3百万円で、前連結会計年度末対比65億40百万円の増加、固定資産が868億30百万円で、前連結会計年度末対比42億12百万円の増加となっております。流動資産の増減の主なものは、現金及び預金の増加45億14百万円、売掛金の増加12億56百万円であります。また、固定資産の増減の主なものは、有形固定資産の増加14億52百万円、投資その他の資産の増加20億35百万円であります。
当連結会計年度末の負債合計は693億53百万円となり、前連結会計年度末対比1億63百万円の増加となりました。その内訳は流動負債が471億58百万円で、前連結会計年度末対比29億65百万円の増加、固定負債が221億95百万円で、前連結会計年度末対比28億1百万円の減少となっております。流動負債の増減の主なものは、短期借入金の増加10億47百万円、未払金の増加等流動負債のその他の増加16億56百万円であります。また、固定負債の増減の主なものは、長期借入金の減少38億44百万円、繰延税金負債の増加12億85百万円、退職給付に係る負債の減少8億39百万円等であります。
当連結会計年度末の純資産は656億80百万円となり、前連結会計年度末対比105億88百万円の増加となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上61億95百万円、前期末及び当中間期の配当の実施15億93百万円、為替換算調整勘定の増加48億円によるものであります。
これらの結果、当連結会計年度末の自己資本比率は前連結会計年度末と比べ4.3%上昇し、48.5%となりました。また、連結自己資本当期純利益率は前連結会計年度末と比べ3.2%上昇し、10.3%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、期首残高対比45億14百万円増加し、160億94百万円となりました。これは投資活動によるキャッシュ・フローが25億74百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが74億15百万円のマイナスであったものの、営業活動によるキャッシュ・フローが131億57百万円のプラスであったためであります。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は131億57百万円の資金の増加となりました(前連結会計年度対比42億6百万円増)。これは、税金等調整前当期純利益の計上72億72百万円、減価償却費の計上54億31百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は25億74百万円の資金の減少となりました(前連結会計年度対比3億18百万円増)。これは、有形固定資産の取得による支出23億99百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は74億15百万円の資金の減少となりました(前連結会計年度対比25億73百万円減)。これは、長期借入金の返済による支出56億28百万円、配当金の支払い15億89百万円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
イ. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
金額(千円) |
前期比(%) |
|
医療用医薬品事業 |
39,548,879 |
9.7 |
コンシューマーヘルスケア事業 |
24,502,933 |
13.2 |
報告セグメント計 |
64,051,813 |
11.0 |
その他 |
- |
- |
合計 |
64,051,813 |
11.0 |
(注) 金額は正味販売価格換算で表示しております。
ロ. 受注実績
当社グループは販売計画並びに生産計画に基づいて生産を行っており、受注生産は行っておりません。
ハ. 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
金額(千円) |
前期比(%) |
|
医療用医薬品事業 |
777,108 |
39.1 |
コンシューマーヘルスケア事業 |
1,098,217 |
3.6 |
報告セグメント計 |
1,875,326 |
15.8 |
その他 |
- |
- |
合計 |
1,875,326 |
15.8 |
(注) 金額は実際仕入額で表示しております。
ニ. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
金額(千円) |
前期比(%) |
|
医療用医薬品事業 |
43,145,144 |
16.6 |
コンシューマーヘルスケア事業 |
25,085,823 |
12.1 |
報告セグメント計 |
68,230,968 |
14.9 |
その他 |
152,258 |
△2.8 |
合計 |
68,383,227 |
14.9 |
(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの分析)
「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(資金需要)
当社グループの運転資金需要の主なものは、原材料、仕入商品の購入などのほか、製造費用、販売費及び一般管理費などの営業費用です。研究開発費は、販売費及び一般管理費に計上されております。一方、設備投資をはじめとして有形・無形固定資産などへの投資資金需要が発生いたします。当社グループはこれらの資金需要に自己資金及び社債の発行、長・短期借入金にて対応しております。
当連結会計年度の設備投資資金につきましては、自己資金及び借入金で調達しており、当連結会計年度末における借入金の残高は494億31百万円であります。また、当社グループでは取引銀行7行と当座貸越契約並びに貸出コミットメント契約を締結し、総枠で324億50百万円の極度枠(当連結会計年度末の未利用額は102億88百万円)を確保しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は160億94百万円であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、その計上額に影響する見積りや判断を用いなければなりませんが、当社は特に以下の重要な会計方針が見積りや判断の要素が高いものであると考えております。
(のれん等の減損)
当社グループはのれんその他の無形固定資産について定期的に減損の兆候の有無を評価し、減損が生じている
と判断される場合には、公正価値まで減損処理することとしております。この公正価値の見積りには、将来キャッシュ・フローや割引率等多くの見積りや前提を使用しておりますが、前提条件等の変化によって見積りが変更されることにより公正価値が下落し減損損失の計上が必要となる可能性があります。
(投資の減損)
当社グループは投資の公正価値が帳簿価額を下回り、かつ回復の見込があると認められる場合を除き、その帳簿価額を実現可能価額まで減損処理することとしております。将来の市況悪化または投資先の業績不振により、評価損の計上が必要となる可能性があります。
(退職給付費用)
当社グループは退職給付費用及び債務の計上にあたって、数理計算上で設定される割引率、期待運用収益率、昇給率、退職率等の基礎率を前提条件としております。この設定された基礎率と実際の結果との間に差異が生じた場合や設定された基礎率自体を変更する必要が生じた場合には、退職給付費用及び債務に影響を与える可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは繰延税金資産を計上するにあたって、将来の収益力に基づく課税所得及び将来加算一時差異の十分性等からその回収可能性について慎重に検討しております。