E21183 IFRS
前期
2.33兆 円
前期比
106.0%
株価
10,730 (04/20)
発行済株式数
542,988,917
EPS(実績)
674.44 円
PER(実績)
15.91 倍
前期
1,063.4万 円
前期比
94.1%
平均年齢(勤続年数)
46.9歳(3.3年)
従業員数
224人(連結:37,758人)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、子会社181社、関連会社26社で構成され、事業の核をヘルスケアにおいて、国内・海外で医療関連、ニュートラシューティカルズ関連(注)、消費者関連及びその他(倉庫・運送事業、液晶・分光事業及び化学薬品等)の事業活動を展開しております。
当社は持株会社として、グループ戦略の立案・決定、グループ経営のモニタリング機能を果たすとともに、グループ会社に対して、各種共通サービスの提供を行っております。
なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
当社グループの事業に係わる位置づけ及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。
(注)ニュートラシューティカルズとは、栄養「Nutrition」+医薬品「Pharmaceuticals」の造語であり、科学的根拠をもとに開発された医薬部外品や機能性食品及び栄養補助食品等を取り扱うセグメントです。
[医療関連事業]
国内においては、大塚製薬㈱及び大鵬薬品工業㈱他が、海外においては大塚アメリカファーマシューティカル Inc.、大鵬オンコロジー Inc.及び大塚ファーマシューティカルヨーロッパ Ltd.他が医療用医薬品の販売を担っております。
このうち、治療薬の分野に関しては、大塚製薬㈱及び大鵬薬品工業㈱が日本における製造販売を行っており、大塚製薬㈱及び大鵬薬品工業㈱は、大塚アメリカファーマシューティカル Inc.、大鵬オンコロジー Inc.及び大塚ファーマシューティカルヨーロッパ Ltd.他に対して治療薬の輸出を行っております。また、臨床栄養の分野に関しては、日本においては㈱大塚製薬工場及びイーエヌ大塚製薬㈱他が製造販売を、海外においては米国、中国、インド、インドネシア及びエジプト他、各国で製造販売を行っております。研究開発活動に関しては、日本及び米国を中心に行っており、新薬に関する臨床開発業務を、大塚製薬㈱は米国の大塚ファーマシューティカルD&C Inc.他、大鵬薬品工業㈱は米国の大鵬オンコロジー Inc.に委託しております。
当社の医療関連事業における主要製品は、以下のとおりであります。
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製品名 |
主な効果・効能 |
薬の作用と効果について |
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エビリファイ持続性水懸筋注用/エビリファイ メンテナ |
統合失調症 双極Ⅰ型障害 |
脳内の神経伝達物質であるドパミンなどの受容体に作用し、幻覚・妄想などの症状を抑え、不安定な精神状態を安定させるとともに、やる気がしない、何も興味が持てないといったような状態を改善する。 |
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エビリファイ アシムトファイ |
統合失調症 双極Ⅰ型障害 |
アリピプラゾール2ヵ月持続性注射剤 脳内の神経伝達物質であるドパミンなどの受容体に作用し、幻覚・妄想などの症状を抑え、不安定な精神状態を安定させるとともに、やる気がしない、何も興味が持てないといったような状態を改善する。 |
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レキサルティ |
統合失調症 大うつ病補助療法 アルツハイマー型認知症に伴う焦燥感、易刺激性、興奮に起因する、過活動又は攻撃的言動 |
脳内の神経伝達物質であるセロトニンやドパミンなどの受容体に作用し、幻覚・妄想などの症状を抑え、不安定な精神状態を安定させるとともに、やる気がしない、何も興味が持てないといったような状態を改善する。 |
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サムスカ/ジンアーク |
心不全・肝硬変における体液貯留 常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)の進行抑制 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)における低ナトリウム血症の改善 |
腎臓に作用して尿量を増やし、体内の余分な水分を排泄することにより、体のむくみをとる。 腎臓での「バソプレシン」の働きをさまたげ、のう胞が増大する速度を抑える。 腎臓に作用して尿量を増やし、体内の余分な水分を排泄することにより、血液中のナトリウム濃度を上昇させる。 |
|
ロンサーフ |
治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん、がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃がん |
腫瘍細胞のDNAに取り込まれ、腫瘍増殖抑制効果を発揮する。 |
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アブラキサン |
乳がん、胃がん、非小細胞肺がん、治癒切除不能な膵がん |
細胞の中に入り、悪性の細胞の増殖を抑えて死滅させる。 |
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アロキシ |
抗悪性腫瘍剤による消化器症状(悪心、嘔吐)の抑制 |
薬剤性の吐き気や嘔吐をおさえる。 |
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ニューデクスタ |
情動調節障害(PBA) |
中枢神経系に作用する臭化水素酸デキストロメトルファンとその有効血中濃度を高めるための代謝を阻害する硫酸キニジンの配合剤。 |
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モイゼルト |
アトピー性皮膚炎 |
皮膚の炎症を抑えてアトピー性皮膚炎の症状を改善する。 |
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INQOVI/INAQOVI |
骨髄異形成症候群(MDS) 慢性骨髄単球性白血病(CMML) |
腫瘍細胞のDNA及びRNAに取り込まれ、悪性の細胞の増殖を抑えて死滅させる。 |
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ビラノア |
アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴う皮膚のかゆみ |
ヒスタミンH1受容体拮抗作用を有し、スギ花粉症などの季節性アレルギー性鼻炎、ダニやハウスダストで起こる通年性アレルギー性鼻炎によるくしゃみ・鼻みず・鼻づまりの鼻症状、じんましんの症状、また湿疹・皮膚炎(虫刺されなど)皮膚そうよう症など皮膚のかゆみを改善する。 |
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VOYXACT (米国迅速承認) |
進行リスクのある成人のIgA腎症におけるタンパク尿の減少 |
IgA腎症の発症と進行において重要な役割を果たすAPRIL(A Proliferation Inducing Ligand)を阻害し、IgA腎症の発生機序の上流にあるガラクトース欠損IgA1産生を抑制する。 |
[ニュートラシューティカルズ関連事業]
国内においては、大塚製薬㈱を中心にニュートラシューティカルズ関連製品の製造販売、仕入販売を行っており、海外においては、ファーマバイト LLC、デイヤフーズ Inc.、PTアメルタインダ大塚、ニュートリション エ サンテ SASを中心にニュートラシューティカルズ関連製品の製造販売を行っております。また、大塚製薬㈱は一部の製品について㈱大塚製薬工場、大塚食品㈱、ファーマバイト LLCから仕入れています。当事業においては、医療関連事業で培ったノウハウを活かし、人々の健康の維持・増進と社会全体のWell-beingを目指し、社会課題の解決につながる科学的根拠に基づいた独創的な製品の研究開発に取り組んでいます。
当社のニュートラシューティカルズ関連事業における主要製品は、以下のとおりであります。
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製品・ブランド名 |
製品概要 |
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ポカリスエット |
発汗により失われた水分と電解質をスムーズに補給する健康飲料 |
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オロナミンCドリンク |
ビタミンCの他、ビタミンB2、B6やアミノ酸を含有した炭酸栄養ドリンク |
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チオビタ・ドリンク |
ビタミンB1、B2、B6、ニコチン酸アミド等配合のビタミン含有保健剤 |
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ボディメンテ |
カラダを守る「乳酸菌B240」と体調管理をサポートする成分を組み合わせた製品 |
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オーエスワン(OS-1) |
水・電解質を補給・維持するのに適した経口補水液 |
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デイヤ |
植物由来の原料から作られるチーズ代替品、ドレッシングなど乳代替製品 |
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ジェルブレ |
小麦胚芽やフルーツなど、素材と栄養にこだわった健康・栄養食品 |
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エクエル |
大豆を乳酸菌で発酵させて作ったエクオールを含有した食品 |
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ボナファイド |
自然から着想を得た健康食品など、女性の健康分野をサポートする製品 |
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ユコラ |
女性の泌尿器系健康分野をサポートする製品 |
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インナーシグナル |
肌のターンオーバーに着目して開発、日本初の効能効果が承認された薬用スキンケア |
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サクラエ |
シミのもととなるメラニンの生成「抑制」と「排出」促進、ダブルの美白効能が承認された薬用美白美容液 |
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ネイチャーメイド |
着色料、香料、保存料無添加のビタミン・ミネラル等のサプリメント |
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メガフード |
植物由来のサプリメント |
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カロリーメイト |
身体に必要な5大栄養素を手軽に摂れるバランス栄養食 |
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ソイジョイ(SOYJOY) |
大豆をまるごと粉にした生地にフルーツ等を加えて焼き上げた栄養食品 |
[消費者関連事業]
国内においては、大塚食品㈱が消費者製品の製造販売を行っており、海外においては、CGロクサーヌ LLC及び
アルマ S.A.を中心にミネラルウォーターの製造販売を行っております。
当社の消費者関連事業における主要製品は、以下のとおりであります。
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製品名 |
製品概要 |
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クリスタルガイザー |
カリフォルニア生まれのミネラルウォーター |
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シンビーノ ジャワティストレート |
無糖・無香料のストレートティ |
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マッチ |
ビタミンとミネラルをおいしくとれる、爽やかな飲み心地のビタミン炭酸飲料 |
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RIDGE(リッジ) |
カリフォルニアワイン |
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ボンカレー |
世界初の市販用レトルト食品 |
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マイサイズ |
おいしくカロリーコントロールができる食品シリーズ |
[その他の事業]
大塚化学㈱が化学製品の製造販売をするほか、大塚電子㈱は計測機器の製造販売及び輸入販売をしております。大塚包装工業㈱は紙器の製造、大塚テクノ㈱が合成樹脂成形製品の製造を行っており、国内のグループ会社へ供給しております。大塚倉庫㈱が、大塚製薬㈱、㈱大塚製薬工場及び大鵬薬品工業㈱等日本におけるグループ各社の製造する製品、及びグループ外企業の製品等の保管・出荷業務を行っております。
事業の系統図(2025年12月31日現在)は、次のとおりであります。
※画像省略しています。
セグメント及び事業分野と主要事業会社との関係は、次のとおりであります。
※画像省略しています。
(注)健粧品は肌も身体の大事な器官の一つであるという事実から、美しく粧うための化粧品ではなく、健やかに粧う「健粧品」として、「肌の健康」をテーマに独自の発想と技術をもって作られたスキンケア製品です。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当社グループは、経常的な収益力を示す指標として事業利益を採用しております。
事業利益とは、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費並びに研究開発費を控除した額に持分法による投資損益を加減算した額であります。
(単位:百万円)
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前連結会計年度 (2024年12月期) |
当連結会計年度 (2025年12月期) |
増減額 |
増減率 |
|
売上収益 |
2,329,861 |
2,468,892 |
139,031 |
6.0% |
|
研究開発費投資前事業利益 |
744,696 |
798,968 |
54,271 |
7.3% |
|
事業利益 |
430,463 |
446,129 |
15,666 |
3.6% |
|
営業利益 |
323,564 |
479,375 |
155,811 |
48.2% |
|
税引前当期利益 |
335,854 |
468,037 |
132,183 |
39.4% |
|
当期利益 |
347,271 |
366,216 |
18,944 |
5.5% |
|
親会社の所有者に帰属する |
343,120 |
363,150 |
20,030 |
5.8% |
|
|
|
|
|
|
|
研究開発費 |
314,233 |
352,838 |
38,605 |
12.3% |
|
減損損失 |
126,040 |
26,426 |
△99,614 |
△79.0% |
大塚グループは、健康に関する未充足あるいは潜在的なニーズや課題を見出し、その解決に向け、新たな健康観や行動変化を社会に提案しています。人々の健康ニーズが、身体的、精神的な側面から、社会的にも満たされた状態であるWell-beingへと進化するなか、疾患の治療から診断、予防、健康維持・増進に至るまで、健康を支える幅広い事業領域の製品・サービスの創出・提供に留まらず、日々の暮らしにおける新たな選択肢や適切な情報の提供、地域との共創等にも取り組み、一人ひとりの健康、そしてその先にあるその人らしい“生き方”に寄り添う価値を届ける企業を目指しています。
当連結会計年度の売上収益は、すべての事業セグメントで増収となり、2,468,892百万円(前期比6.0%増)となりました。主な要因は、医療関連事業において、第4次中期経営計画の成長ドライバーとして位置付けた抗精神病薬「レキサルティ」、抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ」の『コア2』製品に加え、持続性注射剤「エビリファイ メンテナ/エビリファイ アシムトファイ」等の売上増加によるものです。また、ニュートラシューティカルズ関連事業においても、成長ドライバーとして設定した3つの社会課題別カテゴリー全てが成長したことから売上収益は増加しました。
研究開発費投資前事業利益は、798,968百万円(同7.3%増)となりました。主な要因は、売上収益の増加に伴う売上総利益の増加などです。
研究開発費は、352,838百万円(同12.3%増)となりました。開発品目では『ネクスト8』製品である、新規抗精神病薬ウロタロント、注意欠如・多動症(ADHD)治療薬センタナファジン、非小細胞肺がんを対象として開発中のジパレルチニブに加え、前連結会計年度に買収したジュナナ社のrepinatrabit等の開発費が増加しました。
順調な売上成長により、事業利益は446,129百万円(同3.6%増)と増益となりました。
営業利益はデイヤフーズ社等において減損損失を計上しましたが、事業利益の増加に加え、MicroPort Scientific Corporation(以下「マイクロポート社」)株式の売却に伴う利益を計上したことから479,375百万円(同48.2%増)となりました。また、減損損失は前連結会計年度より小規模であったことも合わせて大幅な増益となりました。
なお、当期利益は366,216百万円(同5.5%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は363,150百万円(同5.8%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
(単位:百万円)
|
|
医療関連 |
ニュートラシューティカルズ |
消費者 |
その他 |
調整額 |
連結 |
|
売上収益 |
1,744,234 |
577,669 |
34,634 |
115,922 |
△3,569 |
2,468,892 |
|
事業利益 |
402,016 |
68,907 |
25,171 |
7,469 |
△57,434 |
446,129 |
(参考-前連結会計年度)
(単位:百万円)
|
|
医療関連 |
ニュートラシューティカルズ |
消費者 |
その他 |
調整額 |
連結 |
|
売上収益 |
1,629,032 |
557,043 |
33,760 |
113,657 |
△3,631 |
2,329,861 |
|
事業利益 |
390,608 |
64,147 |
23,662 |
6,952 |
△54,907 |
430,463 |
(医療関連事業)
当連結会計年度における売上収益は1,744,234百万円(前期比7.1%増)、事業利益は402,016百万円(同2.9%増)となりました。
<主要製品の状況>
・抗精神病薬「レキサルティ」
米国では、大うつ病及びアルツハイマー型認知症に伴うアジテーションに関する疾患啓発活動並びに情報提供活動の強化により処方数が伸長し、増収となりました。日本では、統合失調症及びうつ病・うつ状態の効能に加え、2024年9月にアルツハイマー型認知症に伴うアジテーション*1の効能の承認を取得しました。これに伴い情報提供活動を強化し大幅増収となりました。これらの結果、売上収益は331,338百万円(前期比23.9%増)となりました。
*1 日本の添付文書上の効能・効果は「アルツハイマー型認知症に伴う焦燥感、易刺激性、興奮に起因する、過活動又は攻撃的言動」
・抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ」
米国では、大腸がんに対するベバシズマブ併用療法の認知向上に伴い処方数が伸長し、増収となりました。日本では、2024年7月の大腸癌治療ガイドライン改訂以降、ベバシズマブ併用療法が推奨され処方は堅調に推移しました。これらの結果、売上収益は109,279百万円(前期比4.7%増)となりました。
・アリピプラゾール持続性注射剤(1ヵ月製剤)「エビリファイ メンテナ」
米国と日本では、双極Ⅰ型障害及び統合失調症に対する継続した情報提供活動により、売上収益は224,504百万円(前期比2.5%増)となりました。
・アリピプラゾール持続性注射剤(2ヵ月製剤)「エビリファイ アシムトファイ」
米国と欧州では、製品の有用性の訴求や情報提供活動、及びアリピプラゾール持続性注射剤(1ヵ月製剤)「エビリファイ メンテナ」等からの切り替えにより処方数が伸長し、大幅増収となりました。これらの結果、売上収益は34,786百万円(前期比83.7%増)となりました。
・V2-受容体拮抗剤「サムスカ/ジンアーク」
米国では、2025年4月に常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)治療薬としての独占販売期間が終了し、後発医薬品が発売され、減収となりました。欧州と日本でも、後発医薬品の影響を受け減収となりました。
これらの結果、売上収益は221,910百万円(前期比21.1%減)となりました。
(ニュートラシューティカルズ関連事業)
当連結会計年度における売上収益は577,669百万円(前期比3.7%増)、事業利益は68,907百万円(同7.4%増)となりました。
<社会課題別カテゴリーの状況>
・For Climate & Environmental Risk(気候及び環境リスク)
水分・電解質補給飲料「ポカリスエット」は、前年並に推移しています。日本では、夏期の熱中症警戒アラートの多発により生活者の野外での活動量が減少しましたが、水分・電解質補給の重要性の啓発や飲用体験機会の創出活動などを継続しました。また、東京2025世界陸上競技選手権大会での支援活動によるブランド価値の向上や、11月以降の乾燥シーズンにおける健康課題への需要を捉えたことにより、販売数量は底堅く推移しました。海外では、ブランド価値向上に対する取り組みが奏功し、フィリピンを中心とした一部エリアで販売数量が大幅に伸長しました。一方、インドネシアをはじめとする一部エリアでは経済活動が鈍化した影響を受け、海外全体での販売数量は微増となりました。なお、新たな展開エリアとしてインドで2025年7月に、ナイジェリアで11月に正式販売を開始しました。欧州を中心に健康食品を展開するニュートリション エ サンテ社では、「ジェルブレ」等の主力製品の成長等により、増収となりました。これらの結果、当カテゴリーの売上収益は201,665百万円(前期比1.6%増)となりました。
・For Women’s Health(女性の健康)
北米においては、ボナファイドヘルス社が販売するほてりや夜間発汗に悩む女性をサポートする植物由来サプリメント「Thermella(サーメラ)」等の好調な成長により、増収となりました。日本では、女性の健康に関するセミナーの開催等、幅広い情報提供により「エクエル」の認知が進み、増収となりました。これらの結果、当カテゴリーの売上収益は60,800百万円(前期比7.4%増)となりました。
・For Healthier Life(ヘルシアーライフ)
ファーマバイト社のサプリメント「ネイチャーメイド」は、サイエンス、イノベーション、品質の3つのコアバリューを柱に製品の開発・展開をしています。米国では、ブランド及び品質に対する高い信頼性を背景に、革新的な製品の展開や、生活者に栄養の重要性を伝える活動を継続し、eコマースや大型小売店において販売が好調に推移しました。「ネイチャーメイド」のシェアは拡大*2・増収となり、これらの結果、当カテゴリーの売上収益は234,721百万円(前期比7.0%増)となりました。
*2 Circana Data; Market Advantage; 4 wks 12/28/2025, Food, Drug, Mass Excluding Amazon and Costco (MULO) © 2025 Circana
[カテゴリーを構成する製品]
For Climate & Environmental Risk|ポカリスエット、OS-1、デイヤ、ニュートリション エ サンテ社ブランド
For Women’s Health|エクエル、ボナファイド、ユコラ、コスメディクス*3(インナーシグナル、サクラエ)
For Healthier Life|ネイチャーメイド、メガフード、カロリーメイト
*3 Cosmedics(健粧品)=cosmetics(化粧品) + medicine(医薬品)
(消費者関連事業)
当連結会計年度における売上収益は34,634百万円(前期比2.6%増)、事業利益は25,171百万円(同6.4%増)となりました。
「クリスタルガイザー」は、日本のミネラルウォーター市場が微減*4する中、eコマースを中心に販売数量は伸長しました。また、東京2025世界陸上競技選手権大会を通じて、国内外に対し、ブランド認知の一層の向上を図りました。ビタミン炭酸飲料「マッチ」は、高校生を中心とした共感、体感施策により接点を創出し、認知と飲用経験を高めるマーケティング活動を通じてブランド価値が向上し、販売数量は伸長しました。
*4 インテージ SRI+
(その他の事業)
当連結会計年度における売上収益は115,922百万円(前期比2.0%増)、事業利益は7,469百万円(同7.4%増)となりました。
機能化学品分野は、KATACHI Businessの強化を目的としたhakkai株式会社の完全子会社化により売上収益は微増となりました。
運輸・倉庫分野は、新規顧客獲得により増収となりました。
※ その他、製品別の売上収益等につきましては、決算補足資料(ファクトブック)をご参照ください。
https://www.otsuka.com/jp/ir/library/materials.html
② 財政状態の状況
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2024年12月31日) |
当連結会計年度 (2025年12月31日) |
増減額 |
|
流動資産 |
1,366,972 |
1,622,006 |
255,033 |
|
非流動資産 |
2,372,278 |
2,575,556 |
203,278 |
|
資産合計 |
3,739,251 |
4,197,562 |
458,311 |
|
流動負債 |
632,664 |
749,112 |
116,448 |
|
非流動負債 |
328,421 |
348,688 |
20,267 |
|
負債合計 |
961,085 |
1,097,801 |
136,716 |
|
資本合計 |
2,778,165 |
3,099,761 |
321,595 |
a. 資産
当連結会計年度末における総資産は4,197,562百万円(前連結会計年度末は3,739,251百万円)となり、458,311百万円増加しました。その内訳は、流動資産が255,033百万円の増加、非流動資産が203,278百万円の増加であります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,622,006百万円(前連結会計年度末は1,366,972百万円)となり、255,033百万円増加しました。その主たる内訳は、Otsuka ICU Medical LLC(以下「大塚ICUメディカル社」)の子会社化等により棚卸資産が76,031百万円増加した他、現金及び現金同等物が108,471百万円、売上債権及びその他の債権が50,700百万円増加したことによるものです。
(非流動資産)
当連結会計年度末における非流動資産は2,575,556百万円(前連結会計年度末は2,372,278百万円)となり、203,278百万円増加しました。その主たる内訳は、Araris Biotech AG(以下「アラリス社」)及び大塚ICUメディカル社の子会社化等により、有形固定資産が68,263百万円、無形資産が29,886百万円、のれんが60,519百万円、持分法で会計処理されている投資が44,256百万円増加したこと等によるものです。
b. 負債
当連結会計年度末における負債合計は1,097,801百万円(前連結会計年度末は961,085百万円)となり、136,716百万円増加しました。その内訳は、流動負債が116,448百万円の増加、非流動負債が20,267百万円の増加であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は749,112百万円(前連結会計年度末は632,664百万円)となり、116,448百万円増加しました。その主たる内訳は、契約負債が2,621百万円減少したものの、主に1年以内償還予定の社債の増加により社債及び借入金が31,799百万円、未払法人所得税が10,645百万円、その他の流動負債が64,633百万円増加したこと等によるものです。
(非流動負債)
当連結会計年度末における非流動負債は348,688百万円(前連結会計年度末は328,421百万円)となり、20,267百万円増加しました。その主たる内訳は、契約負債が9,336百万円減少したものの、リース負債が5,451百万円、その他の金融負債がアラリス社の買収による条件付対価を計上したこと等により14,918百万円、繰延税金負債が4,791百万円増加したことによるものです。
c. 資本
当連結会計年度末における資本は3,099,761百万円(前連結会計年度末は2,778,165百万円)となり、321,595百万円増加しました。その主な要因は、2025年3月18日開催の取締役会決議に基づき、資本効率の向上及び株主還元のため、自己株式の取得及び消却を実施したことにより自己株式が17,787百万円増加するとともに資本剰余金が50,441百万円減少したこと、配当金の支払い69,194百万円があったものの、親会社の所有者に帰属する当期利益363,150百万円の計上等により利益剰余金が301,336百万円増加したこと、主として為替の影響によりその他の資本の構成要素が66,757百万円増加したこと等です。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は534,645百万円となり、前連結会計年度末より108,471百万円増加しました。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、403,579百万円となりました。一方で、将来の持続的成長に向けて、主に医療関連事業においてアラリス社及び大塚ICUメディカル社を新たに子会社化したこと、医療関連事業及びニュートラシューティカルズ関連事業を中心に設備投資等を行ったこと、持分法適用関連会社であったマイクロポート社株式の売却等により、投資活動によるキャッシュ・フローは、△161,585百万円となりました。また、社債の発行を行った一方で、資本効率の向上及び株主還元のため、自己株式の取得を行うとともに、リース負債の返済、配当金の支払いを行ったことにより、財務活動によるキャッシュ・フローは、△137,344百万円となりました。
これらの結果、営業活動によるキャッシュ・イン・フローは、投資活動及び財務活動を合わせたキャッシュ・アウト・フローを上回り、現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より増加し、534,645百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、403,579百万円(対前期比48,941百万円増)となりました。
当連結会計年度の主な内容は、税引前当期利益468,037百万円、減価償却費及び償却費116,167百万円、棚卸資産の増減額△53,471百万円、売上債権及びその他の債権の増減額△42,470百万円、法人所得税等の支払額△73,972百万円となっております。当連結会計年度における対前期比48,941百万円のキャッシュ・フロー増加の主な要因は、医療関連事業の増収が業績を牽引し、税引前当期利益が対前期比で132,183百万円増加したこと等により、非資金費用である減損損失が対前期比で99,614百万円減少した影響を上回ったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、△161,585百万円(同104,207百万円支出減)となりました。
当連結会計年度の主な内容は、有形固定資産の取得による支出△87,841百万円、無形資産の取得による支出△53,828百万円、投資の取得による支出△10,183百万円、マイクロポート社株式等の売却を含む投資の売却及び償還による収入78,372百万円、アラリス社及び大塚ICUメディカル社等に係る子会社の取得による支出△87,279百万円等であります。当連結会計年度における対前期比104,207百万円のキャッシュ・フロー増加の主な要因は、無形資産の取得による支出が20,023百万円増加した一方で、投資の取得による支出が68,834百万円減少したこと、子会社の取得による支出が28,278百万円減少したこと、定期預金の増減額が対前期比17,559百万円となったこと等により、対前期比で支出減となったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、△137,344百万円(同52,022百万円支出減)となりました。
当連結会計年度の主な内容は、自己株式の取得による支出△70,096百万円、短期借入金の増減額720百万円、長期借入金の返済による支出△1,326百万円、社債発行による収入30,000百万円、リース負債の返済による支出△24,695百万円、配当金の支払額△70,975百万円であります。当連結会計年度における対前期比52,022百万円のキャッシュ・フロー増加の主な要因は、短期資金の返済が対前期比で41,790百万円減少したこと、前連結会計年度における社債の償還による支出20,000百万円が当連結会計年度はなかったこと及び資本効率の向上及び株主還元のための自己株式の取得を実施したことによるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
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セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
医療関連事業 |
264,927 |
122.8% |
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ニュートラシューティカルズ関連事業 |
268,260 |
102.9% |
|
消費者関連事業 |
18,875 |
95.0% |
|
その他の事業 |
51,748 |
98.4% |
|
合計 |
603,812 |
110.1% |
(注)1.ニュートラシューティカルズとは、栄養「Nutrition」+薬「Pharmaceuticals」の造語であり、科学的根拠をもとに開発された医薬部外品や機能性食品及び栄養補助食品等を取り扱うセグメントです。
2.金額は、製造原価によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
連結子会社は主として受注見込みによる生産方式をとっております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
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セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
医療関連事業 |
1,744,234 |
107.1% |
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ニュートラシューティカルズ関連事業 |
577,621 |
103.7% |
|
消費者関連事業 |
34,610 |
102.5% |
|
その他の事業 |
112,426 |
102.1% |
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合計 |
2,468,892 |
106.0% |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要性がある会計方針及び重要な会計上の見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要性がある会計方針及び重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当社グループのキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は534,645百万円であり、社債及び借入金の合計額127,007百万円を上回っております。
当社グループにおける経常的な資金需要としましては、主に事業の拡大に伴う運転資本の増加、生産設備の増強・更新に伴う設備投資及び研究開発投資がありますが、基本的に営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としております。一方、事業の買収等に伴う非経常的な資金需要につきましては、必要に応じて外部から調達しております。