E00897 Japan GAAP
前期
843.0億 円
前期比
118.0%
株価
2,270 (03/29)
発行済株式数
55,000,000
EPS(実績)
69.96 円
PER(実績)
32.45 倍
前期
689.2万 円
前期比
98.1%
平均年齢(勤続年数)
45.6歳(16.9年)
従業員数
460人(連結:2,199人)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び子会社23社で構成されており、塗料の製造・販売及び塗装の請負を主な事業としているほか、これらに附帯するサービス業務等を営んでおります。
当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付け並びに事業区分との関連は、次のとおりであります。
なお、次の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメン
ト区分と同一であります。
区分 |
当社グループ |
事業区分 |
日本 |
当社、大竹明新化学㈱、神戸ペイント㈱、文正商事㈱、 三陽興産㈱、グローバル・エンジニアリング・サービス㈱ (計6社) |
塗料関連事業 |
当社、㈱シーエムピー企画 (計2社) |
その他の事業 |
|
中国 |
CHUGOKU MARINE PAINTS (Hong Kong), Ltd. CHUGOKU MARINE PAINTS (Shanghai), Ltd. CHUGOKU MARINE PAINTS (Guangdong), Ltd. CHUGOKU MARINE PAINTS (Taiwan), Ltd. (計4社) |
塗料関連事業 |
韓国 |
CHUGOKU SAMHWA PAINTS, Ltd. (計1社) |
|
東南アジア |
CHUGOKU MARINE PAINTS (Singapore) Pte. Ltd. CHUGOKU PAINTS (Malaysia) Sdn. Bhd. P.T. CHUGOKU PAINTS INDONESIA TOA-CHUGOKU PAINTS Co., Ltd. CHUGOKU PAINTS (India) Pvt. Ltd. CHUGOKU-TOA PAINTS (Myanmar), Ltd. (計6社) |
|
欧州・米国 |
CHUGOKU PAINTS B.V. CHUGOKU PAINTS (UK) Ltd. CHUGOKU PAINTS (Germany) G.M.B.H. CHUGOKU MARINE PAINTS (Hellas), S.A. CMP COATINGS, Inc. CHUGOKU-BOAT ITALY S.P.A. (計6社) |
(注) 各事業毎の会社数は、複数事業を営んでいる場合にはそれぞれに含めて数えております。
事業系統図は、次のとおりであります。
※画像省略しています。
資本系統図は次のとおりであります。
※画像省略しています。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症により停滞した経済活動の再開が進む一方、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化に伴う資源価格の高止まりや、欧米諸国での急速な利上げにより景気後退が懸念される他、為替相場も大きく変動する等、依然として先行き不透明な状況が継続する展開となりました。
そうした中、当社グループの主力製品である船舶用塗料分野において、新造船向けでは、主に国内において出荷量が増加したことや、原材料価格高騰を受けて販売価格の見直しを行ったこと等により、全体として売上高が増加しました。修繕船向けにおいても、環境対応を含め一定の需要が継続する中、販売価格の見直しや積極的な営業活動を推進したことから、国内や欧州を中心に好調に推移し、船舶用塗料全体の売上高も前期比で大幅な増収となりました。
工業用塗料分野では、中国において新型コロナウイルス感染拡大に伴うロックダウンの影響を受けましたが、東南アジアにおける重防食塗料の販売が堅調に推移したこと等により、全体としては売上高が増加しました。
コンテナ用塗料分野では、中国において、コンテナ市場の縮小に伴う価格競争が再燃し、低採算案件の受注抑制を行ったことから、大幅な減収となりました。
損益面では、世界的な資源高の影響で主要原材料価格が軒並み高騰したことを受け、販売価格の見直しを進めたほか、各種経費の抑制にも努めたことで売上高販管費率が低下したこともあり、収益性が回復いたしました。また、政策保有株式の売却により、投資有価証券売却益1,145百万円を特別利益に計上いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は99,481百万円(前期比18.0%増)、営業利益は3,887百万円(同465.1%増)、経常利益は4,351百万円(同329.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,848百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(日本)
船舶用塗料において、新造船向け及び修繕船向けともに需要が回復したことに加え、原材料価格高騰を受けて販売価格の見直しを行ったこと等により、売上高が大幅に増加いたしました。工業用塗料においても、主に重防食用塗料の販売が堅調に推移したことから、全体としては増収を確保いたしました。その結果、売上高は37,153百万円(前期比20.4%増)となりました。一方、損益面では、販売価格の見直しを行ったものの主要原材料価格の高騰や円安となった為替影響による調達コストの上昇をカバーすることができず、セグメント損失は418百万円(前連結会計年度はセグメント損失1,086百万円)となりました。
(中国)
船舶用塗料において、新造船及び修繕船向けともに、原材料価格高騰を受けて販売価格の見直しを行ったことや、円安となった為替の影響も加わり、売上高が増加したものの、工業用塗料においては、需要が低調に推移し、コンテナ用塗料においても、価格競争の激化により低採算案件の受注抑制を行ったことから、販売が落ち込み、売上高は16,259百万円(同8.0%減)となりました。一方、損益面では、主要原材料価格の高騰に伴い調達コストが上昇したものの、販売価格の見直しや、第3四半期以降新造船向けの採算が改善したこと等により、セグメント利益は340百万円(前連結会計年度はセグメント損失624百万円)となりました。
(韓国)
船舶用塗料において、造船所における工程遅延の発生により、主力の新造船向けの販売が低調に推移しておりましたが、第4四半期に遅延が解消され、販売量が回復したことや、修繕船向けの販売が好調に推移したことから、売上高は7,976百万円(同6.6%増)となりました。一方、損益面では、販売価格の見直しを行ったものの主要原材料価格の高騰に伴う調達コストの上昇をカバーすることができず、セグメント損失は137百万円(前連結会計年度はセグメント損失685百万円)となりました。
(東南アジア)
修繕船向けを中心とした船舶用塗料や重防食塗料において、原材料価格高騰を受けて販売価格の見直しを行ったことや、円安となった為替の影響も加わり、売上高は15,636百万円(同32.6%増)となりました。損益面では、販売価格の見直し等により、セグメント利益は2,179百万円(同34.6%増)となりました。
(欧州・米国)
船舶用塗料において、堅調な需要が継続する中、原材料価格高騰を受けて販売価格の見直しを行ったことや高付加価値製品の拡販に注力したことで主に修繕船向けの販売が伸長したほか、円安となった為替影響もあり、売上高は22,456百万円(同36.2%増)となりました。損益面では、販売価格の見直し等により、セグメント利益は663百万円(同142.2%増)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
流動資産は前連結会計年度末に比べ9,593百万円増加の81,089百万円となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金の増加(4,562百万円)や原材料及び貯蔵品の増加(1,850百万円)、商品及び製品の増加(1,788百万円)であります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ1,464百万円減少の31,658百万円となりました。主な要因は、投資有価証券の減少(2,407百万円)や有形固定資産の増加(733百万円)であります。
この結果、当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べ8,129百万円増加し、112,747百万円となりました。
(負債)
流動負債は前連結会計年度末に比べ7,522百万円増加の42,216百万円となりました。主な要因は、短期借入金の増加(3,442百万円)や1年内返済予定の長期借入金の増加(1,697百万円)や支払手形及び買掛金の増加(1,095百万円)であります。
固定負債は前連結会計年度末に比べ2,483百万円減少の7,401百万円となりました。主な要因は、長期借入金の減少(1,734百万円)や繰延税金負債の減少(720百万円)であります。
この結果、当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末に比べ5,039百万円増加し49,617百万円となりました。
(純資産)
純資産は前連結会計年度末に比べ3,090百万円増加の63,130百万円となりました。主な要因は、為替換算調整勘定の増加(3,198百万円)であります。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の52.9%から51.6%となりました。
なお、自己株式の消却により、資本剰余金の残高が負の値となったため、資本剰余金を零とし、当該負の値を利益剰余金から減額しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,065百万円増加し、18,214百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、29百万円となりました。主な増加は、税金等調整前当期純利益5,228百万円、減価償却費1,603百万円、主な減少は売上債権の増減額3,469百万円、棚卸資産の増減額2,373百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって得られたキャッシュ・フローは、514百万円となりました。主な増加は、定期預金の払戻による収入3,386百万円、投資有価証券の売却による収入1,734百万円、主な減少は、定期預金の預入による支出3,094百万円、固定資産の取得による支出1,518百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用されたキャッシュ・フローは、654百万円となりました。主な増加は、短期借入金の純増減額2,941百万円、主な減少は、非支配株主への支払いを含めた配当金の支払額2,174百万円、自己株式の取得による支出1,261百万円です。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前期比増減率(%) |
日本(百万円) |
36,256 |
27.0 |
中国(百万円) |
13,312 |
△20.8 |
韓国(百万円) |
8,045 |
15.0 |
東南アジア(百万円) |
12,547 |
48.4 |
欧州・米国(百万円) |
8,035 |
38.2 |
合計(百万円) |
78,197 |
17.4 |
(注) 金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b. 受注実績
一部の特殊品を除いて販売予量に基づく見込み生産を行っております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前期比増減率(%) |
日本(百万円) |
37,153 |
20.4 |
中国(百万円) |
16,259 |
△8.0 |
韓国(百万円) |
7,976 |
6.6 |
東南アジア(百万円) |
15,636 |
32.6 |
欧州・米国(百万円) |
22,456 |
36.2 |
合計(百万円) |
99,481 |
18.0 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日(2023年6月22日)現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は99,481百万円(前期比18.0%増)、営業利益は3,887百万円(同465.1%増)、経常利益は4,351百万円(同329.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,848百万円となりました。
これらの要因は下記のとおりであります。
a.売上高
製品分野別・セグメント(地域)別の売上高は以下のとおりです。
分析内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に含めて記載しております。
(単位:百万円)
※画像省略しています。
b.売上原価・売上総利益
主要原材料価格の指標となる国産ナフサの期中平均価格が前年度比で約35%上昇するなど原材料価格が高水準で推移したことで原材料調達コストが増大し、売上原価は前連結会計年度比15.7%(10,119百万円)増の74,750百万円となりました。一方で、新造船向けも含めて原材料調達コストに見合った販売価格の改定を推進したことや高付加価値製品の販売比率が拡大したこと等により採算が改善し、売上総利益は前連結会計年度比25.8%(5,066百万円)増の24,730百万円、売上総利益率は同1.6ポイント上昇し24.9%となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業利益
販売費及び一般管理費については、物流コスト上昇の影響等により運送費が増加したほか、円安が進行したことに伴う為替換算による押し上げ分もあり、前連結会計年度比9.8%(1,866百万円)増の20,843百万円となりました。売上高販管費比率については、増収効果もあり前連結会計年度比で低下いたしました。
営業利益については、売上総利益の増加が販売費及び一般管理費の増加を大きく上回ったことで、前連結会計年度比465.1%(3,199百万円)増の3,887百万円、営業利益率は同3.1ポイント上昇し3.9%となりました。
d.営業外損益・特別損益・税金費用
営業外収益のうち受取配当金や受取ロイヤリティが大幅に増加したこと等から、営業外損益は464百万円の益(前連結会計年度比43.0%増)となりました。
特別利益については、政策保有株式を6銘柄売却したことで投資有価証券売却益1,145百万円を計上し、特別損益は876百万円の益(前連結会計年度比45.5%増)となりました。
税金費用(法人税等合計)については、税金等調整前当期純利益が大幅に増加したものの、繰延税金資産の認識により法人税等調整額がマイナスとなったこともあり、前連結会計年度比4.1%(49百万円)減の1,146百万円となりました。その結果、法人税等の負担率は21.9%(前連結会計年度は74.0%)となりました。
なお、経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
中期経営計画における業績目標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 会社の対処すべき課題及び中長期的な会社の経営戦略(中期経営計画等)」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度においては、営業・投資・財務と全てのキャッシュ・フローが前連結会計年度より増加し、現金及び現金同等物の増減額は前連結会計年度比5,836百万円改善し1,065百万円の増加となりました。
各キャッシュ・フローの主な変動要因は以下のとおりです。
(単位:百万円)
※画像省略しています。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、塗料原材料等の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性を確保すると共に資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金につきましては、自己資金または金融機関からの短期借入を基本とし、設備投資や長期運転資金の資金調達につきましては、自己資金または金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は23,905百万円(前連結会計年度末比3,407百万円増)となっております。
短期運転資金以外の資金の活用としては、生産設備の新設やリニューアル、競争力強化の為の製品開発といった成長投資を優先いたします。その上で、余剰資金については積極的な株主還元を行うことで自己資本を適切にコントロールし、自己資本利益率(ROE)の改善を図ってまいります。当連結会計年度においては、設備投資に1,518百万円、配当に1,771百万円、自己株式取得に1,261百万円、それぞれ資金を配分いたしました。
当連結会計年度末現在の現金及び現金同等物の残高は18,214百万円(前連結会計年度末比1,065百万円増加)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益の計上や為替換算調整勘定の増加等により自己資本が前連結会計年度末比2,885百万円(5.2%)増加したものの、総資産が同8,129百万円(7.8%)増加したことから、自己資本比率は51.6%(前連結会計年度末比1.3ポイント低下)となりました。今後とも資産効率及び資本効率の向上や営業キャッシュ・フローの改善に努めてまいります。
⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。