E00900 Japan GAAP
前期
607.4億 円
前期比
106.5%
株価
1,237 (07/16)
発行済株式数
23,611,200
EPS(実績)
167.17 円
PER(実績)
7.40 倍
前期
629.7万 円
前期比
101.6%
平均年齢(勤続年数)
40.4歳(15.5年)
従業員数
618人(連結:1,185人)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は当社、子会社11社及び関連会社10社により構成されております。
事業内容としては、塗料関連事業では、塗料の製造・販売及び工事請負を主たる事業としており、また、自動車製品関連事業では、自動車用防音材(制振材、吸・遮音材)、防錆塗料などの自動車部品の製造・販売並びにこれに関連した研究、開発などの事業活動を行っております。
当社グループの事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
事業の系統図は次のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響縮小に伴い、国内景気は緩やかな回復基調で推移いたしましたが、長引くインフレや主要国での金融引き締め、為替の変動、ウクライナや中東地域の情勢不安等から、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
こうした状況のもと、当社グループは、中期経営計画の基本戦略に掲げる収益基盤の強化、新技術・新製品開発、サステナビリティ経営の推進等に引き続き注力し、企業価値向上に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度における売上高は646億9千3百万円(前期比6.5%増)となりました。
損益面につきましては、製品等の販売価格見直しを含む売上高の増加に加え、原価低減活動・経費低減策に継続して取り組んだ結果、営業利益は39億5百万円(前期比139.4%増)となりました。経常利益は、持分法による投資利益や為替変動の影響等により59億6千3百万円(前期比89.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は39億4千7百万円(前期比87.7%増)となりました。
前年同期との比較については、以下のとおりとなっております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります(各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高消去後の数値を記載)。
[ 塗料関連事業 ]
当セグメントの業績につきましては、社会経済活動の正常化が進み、国内景気は緩やかな回復基調にあることから、主力製品の防水材・塗り床材を中心に建築・構築物用塗料の販売が順調に推移するとともに、製品等の販売価格見直しが寄与し、売上高は206億1千2百万円(前期比0.2%増)となりました。さらに損益面では、原価低減活動・経費低減策の徹底により、セグメント利益は4億5千6百万円(前期はセグメント損失1億1千3百万円)となりました。
[ 自動車製品関連事業 ]
当セグメントの業績につきましては、主要顧客である自動車メーカーの国内生産台数が回復したことを受け、主力製品である吸・遮音材や防錆塗料等の塗材を中心に販売が増加したことに加え、製品等の販売価格見直しが寄与し、売上高は440億6千6百万円(前期比9.7%増)となりました。損益面では、増収効果とともに、継続的な原価低減活動・経費低減策による生産性・収益性向上を受け、セグメント利益は34億3千9百万円(前期比98.0%増)となりました。
[ その他 ]
保険代理業の売上高は1千5百万円(前期比1.1%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ50億2千3百万円増加し、158億7千6百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、93億1千7百万円の収入(前期は61億9千8百万円の収入)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益59億6千6百万円、売上債権の減少額12億6千万円、利息及び配当金の受取額18億1千4百万円、法人税等の支払額8億7千6百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、5億3千3百万円の収入(前期は15億8千8百万円の支出)となりました。この主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出12億4千4百万円、貸付金の回収による収入15億6千万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、50億9千2百万円の支出(前期は28億1千8百万円の支出)となりました。この主な要因は、短期借入金の純減額22億5千万円、長期借入金の返済による支出11億6千3百万円、配当金の支払額9億3千5百万円によるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっております。
当社グループは受注による生産は僅かであり、主として見込生産によっておりますので、受注並びに受注残高について特に記載すべき事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 前連結会計年度の本田技研工業㈱に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1〔連結財務諸表等〕 連結財務諸表 注記事項 〔重要な会計上の見積り〕」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は、塗料関連事業セグメントでは前連結会計年度に比べ0.2%増の206億1千2百万円、自動車製品関連事業セグメントでは前期比9.7%増の440億6千6百万円となり、全体売上高は646億9千3百万円(前期比6.5%増)となりました。
地域別売上高では、海外売上が前期比10億4千7百万円減少(前期比11.4%減)し、国内売上は前期比50億3百万円の増加(前期比9.7%増)となりました。これは、自動車製品関連事業セグメントにおいて、主要顧客である自動車メーカーの国内生産台数が回復したことを受け、自動車用防音材(主に吸・遮音材)や防錆塗料等の塗材を中心に販売が増加したことに加え、塗料関連、自動車製品関連の両事業セグメントにおいて、製品等の販売価格見直しが寄与した一方、自動車製品関連事業セグメントにおいて、中国における日系カーメーカーの販売シェア低下等から、海外売上が減少したことによるものです。なお、報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、塗料関連事業が31.9%(前期は33.9%)、自動車製品関連事業が68.1%(前期は66.1%)となりました。
利益面では、販売価格見直しを含む売上高の増加に加え、多面的な原価低減活動・経費低減策推進により、営業利益は前連結会計年度に比べ22億7千4百万円増加し、39億5百万円(前期比139.4%増)となりました。
なお、セグメント利益につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
経常利益は、前連結会計年度に比べ28億2千1百万円増加し、59億6千3百万円(前期比89.8%増)となりました。これは営業利益が増加したことに加え、営業外収益で海外関連会社の持分法による投資利益が3億8千7百万円増加したこと等によるものです。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ18億4千4百万円増加し、39億4千7百万円(前期比87.7%増)となりました。これは経常利益が増加した一方、特別利益の合計が5億7千8百万円減少したことに加え、法人税等の合計が5億7千8百万円増加したこと等によるものです。
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ54億2千2百万円増加し、874億5千6百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加50億2千3百万円、売掛金の減少9億5千6百万円、有形固定資産の減少18億7千6百万円、投資有価証券の増加47億4千4百万円によるものです。
負債については、前連結会計年度末に比べ19億3千1百万円減少し、278億9千万円となりました。主な要因は、借入金の減少34億1千4百万円、繰延税金負債の増加14億6千1百万円によるものです。
純資産については、前連結会計年度末に比べ73億5千4百万円増加し、595億6千5百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加30億8百万円、その他有価証券評価差額金の増加28億9千3百万円、為替換算調整勘定の増加10億4千万円によるものです。自己資本比率は4.7%増加し61.1%となりました。
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用になります。投資を目的とした資金需要は、主に能力の増強及び更新に係る生産設備等への投資によるものです。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債は42億7千万円、営業キャッシュ・フロー対有利子負債比率は218.2%となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は158億7千6百万円となっております。
④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、前期対比売上高成長率、売上高営業利益率、売上高経常利益率及び自己資本利益率を重要な経営指標としております。
直近5期の実績は、以下のとおりとなっております(連結業績)。
売上高成長率については、主に自動車製品関連事業において、製品市場全体の需要低迷や市場構造・製品構成の変化等から2020年3月期の売上高が減少に転じ、さらに2021年3月期におきましては、新型コロナウイルス感染症の甚大な影響を受け、売上高が大きく減収する結果となりました。2022年3月期以降、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策進展とともに経済活動の正常化が進んだことに加え、製品等の販売価格見直しが寄与し、当連結会計年度(2024年3月期)にかけて、連続して増収を遂げる結果となりました。
売上高営業利益率につきましては、2020年3月期までは概ね5.0%程度を維持しておりましたが、2021年3月期は、前述のとおり売上高の減少幅が大きく、売上高営業利益率も大幅な低下となりました。2022年3月期以降、一定の増収効果があった一方、原材料・エネルギー価格高騰等の影響を受けておりましたが、当連結会計年度におきましては、生産数量・売上高の増加に加え、製品等の販売価格見直し、原価改善活動の進展等から、売上高営業利益率は6.0%まで回復を遂げました。
売上高経常利益率につきましては、高い利益率を達成してきた主因は、持分法による投資利益であり、20億円を超える持分法投資利益計上が続いた時期もありましたが、近年は製品構成の変化、国内外における新型コロナウイルス感染症の影響等から、同投資利益は10億円を下回る水準が続いておりました。当連結会計年度におきましては、営業利益の増加に加え、持分法による投資利益が10億円を超える水準まで回復し、売上高経常利益率は9.2%となりました。
自己資本利益率につきましては、利益水準が一定程度回復したことから、当連結会計年度は7.9%となりました。