E04982 Japan GAAP
前期
500.1億 円
前期比
93.8%
株価
2,323 (03/28)
発行済株式数
11,080,177
EPS(実績)
204.06 円
PER(実績)
11.38 倍
前期
766.7万 円
前期比
102.6%
平均年齢(勤続年数)
53.3歳(32.7年)
従業員数
4人(連結:1,159人)
当社グループは、当社及び連結子会社5社で構成され、臨床検査事業及び調剤薬局事業を行っております。
当社グループの事業内容及び当社と連結子会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。
次の2事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
(臨床検査事業)
㈱ファルコバイオシステムズは、各地の病院及び診療所等から臨床検体検査等を受託しており、その他に体外診断用医薬品等の製造・販売や、医療情報システムの販売を行っております。㈱メディサージュは、電子カルテ等の医療情報システムの開発・販売を行っております。また、㈱アテストは体外診断用医薬品等の卸売を行っております。
(調剤薬局事業)
㈱ファルコファーマシーズ及びチューリップ調剤㈱は、調剤薬局の運営を行っております。
当社グループの事業系統図は次のとおりであります。
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、「COVID-19」)の影響が依然残るものの、行動規制の緩和により経済活動は緩やかに持ち直しの動きが見られました。一方で、ウクライナ情勢をはじめ、北朝鮮のミサイル問題等、地政学的リスクの上昇と多様化、各国中央銀行による政策金利の調整、為替変動及び物価上昇等が及ぼす景況感への懸念が広がる不透明な状況が続いております。
当社グループは、COVID-19の拡大に大きな影響を受ける環境下にありました。COVID-19関連検査の受託検査数は、令和5年1月まで感染拡大の影響により前連結会計年度を上回って推移しておりましたが、第8波がピークを過ぎた令和5年2月以降急減し、累計では前連結会計年度を下回りました。また、COVID-19関連検査以外の受託検査数及び調剤薬局の処方箋枚数は、感染の懸念により患者が医療機関の受診を控える傾向が続き、前連結会計年度並みとなりました。
このような事業環境のもと、当社グループは、グループの持続可能性と持続可能な社会とを両立させるためのサステナビリティ経営を目指し、COVID-19関連検査を通じた国内の感染拡大抑制への貢献、新たな収益の柱の確立、ICTを活用し環境に配慮した事業構造への変革、人財育成、地域社会への貢献に取り組んでまいりました。令和4年7月には、ICTを活用した事業展開を加速させるために、株式会社ファルコビジネスサポート(現株式会社メディサージュ)が株式会社ファルコバイオシステムズのICT事業を吸収分割により承継いたしました。
当連結会計年度におきましては、診療報酬改定及び薬価改定の影響が大きく、COVID-19関連検査をはじめとする臨床検査事業及び調剤薬局事業の収益性が低下したことにより、売上高は46,913百万円(前年同期比6.2%減)、営業利益は3,075百万円(同44.0%減)、経常利益は3,310百万円(同43.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、2,261百万円(同36.0%減)となりました。
なお、臨床検査の委受託等を通じて一定の協力関係にある株式会社ビー・エム・エルと、令和5年3月10日付で資本業務提携契約を締結いたしました。これにより、それぞれの経営資源を相互に活用して、お客様の利便性の向上及び危機管理対策の強化を図り、よりよい医療サービスを提供するとともに、シナジーの最大化を図り、企業価値の向上を目指してまいります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(臨床検査事業)
当連結会計年度の臨床検査事業におきまして、COVID-19関連検査の売上は、診療報酬改定に伴う受託単価の低下及び令和5年2月以降の受託検査数の減少により、前連結会計年度を下回りました。COVID-19関連検査以外の検査につきましては、引き続き大都市圏を重点地域とした事業展開を進めましたが、COVID-19の拡大による患者の受診控え等の影響を受け、売上は前連結会計年度並みとなりました。
ゲノム事業におきましては、体外診断用医薬品「MSI検査キット(FALCO)」(※1)が、一昨年の適応拡大以降プロモーション活動を推進したことにより順調に販売を伸ばし、売上及び利益に寄与しました。また、ICT事業においても積極的な販売活動を展開し、診療所向けクラウド型サービス「レセスタ」(※2)は順調に契約数を伸ばし、中小規模病院向けクラウド型電子カルテ「HAYATE/NEO」も稼働件数を伸ばしました。
さらにはタブレット端末の活用、臨床検査の依頼及び報告のICT化等による営業から集配、検査にわたる事業構造の抜本的な改革により、顧客サービスの向上とコストの削減を進めてまいりましたが、診療報酬改定に伴うCOVID-19関連検査の原価率の上昇を補うには至りませんでした。
このような事業展開の結果、臨床検査事業の売上高は30,947百万円(前年同期比8.1%減)、営業利益は2,745百万円(同43.9%減)となりました。
(※1)キイトルーダ®(一般名:ペムブロリズマブ)の固形がん患者への適応判定、オプジーボ®(一般名:ニボルマブ)の結腸・直腸がん患者への適応判定、切除可能大腸がんにおける術後補助化学療法の選択及び大腸がんにおけるリンチ症候群の診断の補助に用いる体外診断用医薬品の名称です。平成30年に世界で初めてのがん種横断的なコンパニオン診断薬として薬事承認を取得いたしました。令和3年8月には「治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌」に対するキイトルーダ®の適応判定補助に新たに保険適用される等、次世代がんゲノム医療の進展に寄与すべく販売強化に取り組んでおります。
(※2)レセプト情報を基にした適正な診療・医事業務支援サービス。
(調剤薬局事業)
当社グループでは、かかりつけ薬剤師・薬局として求められる役割・機能を果たすとともに、高齢者施設及び在宅を中心とした地域医療との連携を進め、堅実な店舗の運営、既存店舗の処方箋応需の拡大に取り組んでまいりました。
当連結会計年度におきましては、COVID-19拡大の影響により減少していた処方箋応需枚数は前連結会計年度並みに留まりましたが、薬価改定による処方箋単価低下の影響を受け、売上は減少いたしました。当社グループが運営する調剤薬局等店舗総数は、当連結会計年度に2店舗開局したことにより、111店舗(フランチャイズ店7店舗含む)となりました。
このような事業展開の結果、調剤薬局事業の売上高は15,972百万円(前年同期比2.3%減)、営業利益は892百万円(同11.2%減)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は22,706百万円(前年同期末比0.2%増)となり、前連結会計年度末に比べ37百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が1,959百万円増加したこと及び売上債権が1,218百万円減少したことによるものであります。固定資産は16,187百万円(同8.0%減)となり、前連結会計年度末に比べ1,401百万円減少いたしました。これは主に無形固定資産が117百万円減少したこと及び投資有価証券が1,182百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、38,893百万円(同3.4%減)となり、前連結会計年度末に比べ1,363百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は9,564百万円(前年同期末比16.0%減)となり、前連結会計年度末に比べ1,824百万円減少いたしました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が1,624百万円増加した一方、短期借入金が300百万円減少したこと及び仕入債務が1,009百万円減少したこと並びに未払法人税等が1,544百万円減少したことによるものであります。固定負債は2,736百万円(同49.2%減)となり、前連結会計年度末に比べ2,652百万円減少いたしました。これは主に長期借入金2,340百万円を流動負債に振替えたことによるものであります。
この結果、負債合計は12,301百万円(同26.7%減)となり、前連結会計年度末に比べ4,476百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は26,591百万円(前年同期末比13.3%増)となり、前連結会計年度末に比べ3,113百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益2,261百万円、自己株式の処分による資本剰余金の増加283百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は68.2%(前連結会計年度末は58.1%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベ-スの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,959百万円増加し、12,603百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,086百万円(前年同期は4,129百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益3,695百万円、減価償却費1,025百万円、売上債権の減少額1,623百万円及び法人税等の支払額2,654百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は322百万円(前年同期は2,690百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,287百万円及び投資有価証券の売却による収入2,081百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は448百万円(前年同期は2,414百万円の使用)となりました。これは主に、短期借入金の純減少額300百万円、長期借入金の返済による支出715百万円、配当金の支払額713百万円及び自己株式の売却による収入1,546百万円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 令和4年4月1日 至 令和5年3月31日) |
前年同期比(%) |
臨床検査事業(百万円) |
30,941 |
91.9 |
調剤薬局事業(百万円) |
15,971 |
97.7 |
合 計(百万円) |
46,913 |
93.8 |
(注)金額は販売価額によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
臨床検査事業 |
30,919 |
91.9 |
300 |
93.2 |
調剤薬局事業 |
- |
- |
- |
- |
合 計 |
30,919 |
91.9 |
300 |
93.2 |
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 令和4年4月1日 至 令和5年3月31日) |
前年同期比(%) |
臨床検査事業(百万円) |
30,941 |
91.9 |
調剤薬局事業(百万円) |
15,971 |
97.7 |
合 計(百万円) |
46,913 |
93.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主要な販売先(総販売実績に対する割合が10%以上)に該当するものはありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
(概要および売上高・営業利益)
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績等の概要および売上高、営業利益は、「(1)経営成績等の状況の概要①経営成績の状況」に記載しております。
(経常利益)
経常利益は、営業利益の減少の影響に加え、前連結会計年度にあったCOVID-19対策関連の補助金137百万円の影響等により、前連結会計年度に比べ2,498百万円減少し、経常利益は3,310百万円(同43.0%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益601百万円を特別利益として計上するものの、経常利益の減少の影響により、前連結会計年度に比べ1,271百万円減少し、2,261百万円(同36.0%減)となりました。
財政状態の分析
財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要の主なものは、臨床検査事業における検査試薬や調剤薬局事業における医薬品の購入費のほか、各事業における人件費や製造・販売経費等があります。また、設備投資需要としては、臨床検査事業の検査設備及び事業所や調剤薬局事業の店舗設備等があります。
当社グループでは事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入れにより資金調達を行っており、当社においてグループ全体の運転資金及び設備資金を一元管理しております。
運転資金は内部資金及び金融機関からの短期借入を基本としておりますが、当連結会計年度においてはCOVID-19拡大の影響がある中で手元資金確保のため、金融機関より長期借入による資金調達を行っております。
また、当社は令和5年3月に臨床検査事業の検査体制の維持及び基幹事業所の整備として、東海エリアの不動産取得を行うため、株式会社ビー・エム・エルを割当先とする第三者割当による自己株式の処分を実施する資金調達を行いました。また、当連結会計年度末現在において予定されている臨床検査事業の検査機器等や調剤薬局事業の店舗設備等の設備投資については、自己資金及び借入金を充当する予定です。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は2,802百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は12,603百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。