売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E04982 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、令和5年5月に新型コロナウイルス感染症(以下、「COVID-19」)の感染症法上の位置付けが第5類に移行し、感染予防のための行動制限が緩和される等社会経済活動の正常化に向けた動きが進みました。一方で、ウクライナ情勢等の地政学的リスクや急激な為替変動が及ぼすエネルギー・原材料等の価格上昇を受け、消費の停滞等、景況感への懸念が広がる不透明な状況が続いております。

 当社グループを取り巻く経営環境は、COVID-19関連検査の受託数が第8波以降大幅に減少している状況にあります。感染を懸念した患者の医療機関への受診控えは解消に向かいつつあるものの、受診頻度の減少等によりCOVID-19関連検査以外の受託検体検査数は、弱含みで推移しており、また、処方箋応需枚数は前年並みに推移しております。

 このような事業環境のもと、当社グループは、イノベーションを通して、人々の健康を支え、幸せでいい人生を送っていただける土台となることを目指し、新たな収益の柱の確立、ICTを活用し環境に配慮した事業構造への変革、人財育成、地域社会への貢献等、サステナビリティ経営に取り組んでまいりました。

 当第3四半期連結累計期間においては、COVID-19関連検査の大幅な減少及び薬価改定の影響により、売上高は32,314百万円(前年同期比9.9%減)、営業利益は1,443百万円(同42.5%減)、経常利益は1,559百万円(同42.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,275百万円(同17.2%減)となりました。

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 なおICT事業については令和4年7月に株式会社メディサージュを立ち上げ診療所向けクラウド型レセプト総合サービスレセスタ)及びクラウド型電子カルテHAYATE/NEOの販売及び普及が進展し当社グループの新たな収益の柱として重要度が増したことから従来の臨床検査事業からセグメントを分離しておりますこれに伴い第1四半期連結会計期間から報告セグメントの区分を変更し以下の前年同期比較については前年同四半期の数値を変更後のセグメントに組み替えた数値で比較分析をしております

)レセプト情報を基にした適正な診療・医事業務支援サービス

① 臨床検査事業

 臨床検査事業においては、COVID-19関連検査の売上は受託検査数が大幅に減少したことにより前年同期を著しく下回りました。一方、関連検査以外の検査につきましては、引き続き大都市圏を重点地域とした新規顧客の獲得に努めましたが、受託検査数は感染拡大前の水準には至りませんでした。

 体外診断用医薬品「MSI検査キット(FALCO)」につきましては、リンチ症候群診断補助における対象がん種の拡大が承認され、堅調に販売が推移しました。

 また、引き続き臨床検査の依頼・集配及び検査、報告の各過程をICT化すること等による抜本的な事業構造の改革を進め、顧客サービスの向上、環境負荷の低減に努めてまいりました。

 その結果、臨床検査事業の売上高は19,593百万円(前年同期比16.4%減)、営業利益は1,088百万円(同55.6%減)となりました。

② 調剤薬局事業

 調剤薬局事業においては、COVID-19による受診控えは緩和され、処方箋応需枚数は微増となりました。処方箋単価は、薬価改定の影響はあるものの前年同四半期並の水準となりました。調剤薬局店舗数は当第3四半期連結累計期間に1店舗開局し、2店舗閉局したことにより、当第3四半期連結会計期間末において当社グループが運営する調剤薬局等店舗総数は110店舗(フランチャイズ店7店舗含む)となっております。当社グループでは、かかりつけ薬剤師・薬局として求められる役割・機能を果たすとともに、高齢者施設及び在宅を中心とした地域医療との連携を進め、堅実な店舗の運営、既存店舗の処方箋応需の拡大に取り組んでまいりました。

 その結果、売上高は12,005百万円(前年同期比0.2%増)、営業利益は661百万円(同12.0%増)となりました。

③ ICT事業

 ICT事業については診療所向けクラウド型レセプト総合サービスレセスタは引き続き契約数を伸ばしクラウド型電子カルテHAYATE/NEOは新規導入数及び保守契約数が増加しました。

 その結果ICT事業の売上高は716百万円(前年同期比52.4%増)営業利益は71百万円(前年同期は営業損失170百万円)となり黒字化を達成しました

 

(2) 財政状態の状況

 当第3四半期連結会計期間末の財政状態につきましては、総資産は、主に現金及び預金、売上債権が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ2,024百万円減少し、36,868百万円となりました。

 負債は、主に長期借入金の返済により、前連結会計年度末に比べ1,197百万円減少し、11,103百万円となりました。

 また、純資産は、主に自己株式の取得により、前連結会計年度末に比べ827百万円減少し、25,764百万円となりました。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

  当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

  当社グループは臨床検査事業においてゲノム医療に関する研究開発に取り組んでおります

  当社の連結子会社であるファルコバイオシステムズにおいて遺伝性腫瘍パネル検査の研究開発活動を推進しておりますが当第3四半期連結累計期間に研究開発費として計上するものはありません