E02909 Japan GAAP
前期
170.2億 円
前期比
107.6%
株価
1,350 (04/26)
発行済株式数
28,611,900
EPS(実績)
80.09 円
PER(実績)
16.86 倍
前期
665.5万 円
前期比
102.7%
平均年齢(勤続年数)
41.0歳(11.0年)
従業員数
457人(連結:568人)
当社グループは、株式会社アイティフォー(当社)、連結子会社4社および持分法適用会社1社で構成されております。なお、当連結会計年度において、株式会社シディを設立し、新たに連結子会社としております。
当社グループはソフトウェアの設計・開発・保守、システム機器販売、システムインフラ基盤などの設置まで一貫したサービスの提供、公共分野向けのBPO(業務受託)サービスを主な事業として展開しております。
当社グループの事業内容、および当社グループ各社の当該事業に係る位置づけならびにセグメントとの関連は以下のとおりです。以下に示す区分は、報告セグメントと同一の区分です。
(システム開発・販売)
当社は、ソフトウェアやシステムインフラ基盤の設計・開発およびシステム機器の仕入、販売を行っております。株式会社イーブは、ソフトウェアの開発を行っており、株式会社アイセルは、当社が開発したパッケージソフトのカスタマイズの一部を担当しております。
(リカーリング)
当社は、ソフトウェア保守、ハードウェアの保守・運用、クラウド、BPOサービスを提供しております。株式会社アイ・シー・アールおよび株式会社シー・ヴィ・シーは、BPOサービスを担当し、株式会社シディは、デジタルサービスの提供および決済代行を行っております。
[事業系統図]
当社と関係会社各社の当該事業の位置付けは、以下のとおりです。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、経営成績等という)の状況の概要は以下のとおりです。
当社グループは2021年度から2023年度を対象とした中期経営計画を策定し、経営基盤の強化、収益性の向上、ESG経営の進化の3つを柱に、「お客様に寄り添うチカラ」で持続的成長の実現を目指し、計画の達成に向け事業活動を推進しております。
当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第7波と第8波の影響を受けましたが、行動制限の緩和傾向に伴い穏やかに持ち直しの動きが見られました。一方、世界的な資源価格や物価の高騰、円安の影響など、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く国内ITサービス業界では、「非接触」や「非対面」を実現するデジタル化のニーズが引き続き高く、AIやブロックチェーンなど、デジタル技術を活用したビジネスプロセスやビジネスモデルの変革を行うDX(デジタルトランスフォーメーション)を中心に企業の投資意欲は引き続き高い状態にあります。その一方で、一部の業種や企業では、先行き不透明な景況感の中でIT投資の抑制や先送りの動きが続いており、企業の投資計画の見直しについて注視しております。
営業活動においては、金融機関を中心に、当社の主力である延滞債権管理システムの継続的な更改に加え、個人ローン業務支援システム「SCOPE」と業務の非対面化を実現するローンWeb受付システム「WELCOME」を組み合わせた新規販売および機能追加が引き続き安定的に推移しました。これらの当社システムは、申込用紙の削減や契約書類も電子化することで環境への配慮を実現しつつ、審査に費やす時間の短縮に貢献しております。また、延滞債権督促業務を無人化した「ロボティックコール」の販売が好調で、大手金融機関にも新規導入されるなど、利用が広がっています。受注高は18,567百万円(前年同期比105.8%)、受注残は15,300百万円(前年同期比101.6%)といずれも前年同期を上回り、過去最高となりました。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高は18,322百万円(前年同期比107.6%)、営業利益は3,217百万円(前年同期比106.1%)、経常利益は3,278百万円(前年同期比105.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,291百万円(前年同期比108.5%)と増収増益となりました。売上・利益共に過去最高を更新したほか、営業利益は、中期経営計画の目標を1年前倒しで達成しました。
なお、報告セグメント別の経営成績は次のとおりです。
(システム開発・販売)
基幹事業である金融機関向けのソフト開発、インフラ設備の更改、延滞債権督促業務を無人化した「ロボティックコール」の導入などにより販売は安定的に推移しております。また、マルチ決済端末「iRITSpay決済ターミナル」は端末の部品調達の遅れが徐々に緩和しました。その結果、受注高は11,168百万円(前年同期比101.9%)、売上高は10,611百万円(前年同期比107.7%)、セグメント利益は1,778百万円(前年同期比118.4%)となりました。
(リカーリング)
安定収益源である保守サービスに加え、公共分野向けBPO(業務受託)サービスにおいて政令市・中核市を中心に、既存契約先からの追加受注および、新規受託先の売上が計上されるなど引き続き堅調に推移しております。その結果、受注高は7,399百万円(前年同期比112.3%)、売上高は7,710百万円(前年同期比107.6%)、セグメント利益は1,439百万円(前年同期比94.1%)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は10,796百万円となり、前連結会計年度末と比べ211百万円増加いたしました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動から得られた資金は1,714百万円(前年同期比61.0%)となりました。主な増加要因は税金等調整前当期純利益3,283百万円、仕入債務の増加額414百万円、減価償却費362百万円、主な減少要因は法人税等の支払額1,208百万円、売上債権の増加額1,037百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は758百万円(前年同期比214.7%)となりました。主な減少要因は有形固定資産の取得による支出358百万円、無形固定資産の取得による支出184百万円、投資有価証券の取得による支出101百万円、有価証券の純増加額100百万円、定期預金の預入による支出100百万円、主な増加要因は投資有価証券の売却による収入103百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は744百万円(前年同期比136.6%)となりました。減少要因は配当金の支払額830百万円です。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
(注) セグメント間取引はありません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、財政状態および経営成績の分析は、連結会計年度末現在で行っており、見積りについては見積りを必要とする事象および見積りに与える要因を把握した上で適切な仮定を設定して評価を行っております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、重要な会計上の見積りを要する項目は該当がないものと判断しております。
a) 売上高
当連結会計年度における売上高は、全事業領域でおおむね計画通り売上高が伸長した結果、18,322百万円(前年同期は17,021百万円)となりました。2023年3月期を含む直近3年間の年平均成長率は、6%となっております。
報告セグメント別では、システム開発・販売セグメントにおいて、金融機関向けのソフト開発、インフラ設備の更改、延滞債権督促業務を無人化した「ロボティックコール」の導入などにより販売が安定的に推移しました。また、マルチ決済端末「iRITSpay決済ターミナル」は端末の部品調達の遅れが解消したことなどにより、売上高は10,611百万円(前年同期は9,855百万円)となりました。リカーリングセグメントにおいては、システム販売の増加に伴い保守サービスが安定的に増加したことに加え、公共分野向けBPO(業務受託)サービスが政令指定都市・中核市を中心に引き続き堅調に推移した結果、売上高は7,710百万円(前年同期は7,166百万円)となりました。各報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、システム開発・販売が57.9%、リカーリングが42.1%となりました。
b) 売上総利益
当連結会計年度における売上総利益は、6,734百万円(前年同期は6,156百万円)となりました。売上総利益率は36.8%となり、前年同期に対し0.6ポイント増加しました。これは、半導体不足による資材価格の高騰や円安による輸入仕入コストの上昇があったものの、外注費のコントロールなどにより原価率が改善したことによるものです。
c) 営業利益
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、研究開発および新規事業向け投資、既存事業向け投資、社内DX推進および人財育成投資などにより、3,517百万円(前年同期は3,125百万円)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は3,217百万円(前年同期は3,031百万円)となりました。
d) 経常利益
当連結会計年度における営業外収益は、受取配当金の増加などにより112百万円(前年同期106百万円)となりました。営業外費用は、投資有価証券売却損、固定資産除却損、会員権評価損の計上などにより51百万円(前年同期は31百万円)となりました。以上の結果、経常利益は、3,278百万円(前年同期は3,106百万円)となりました。
e) 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度における特別利益は、新株予約権戻入益として5百万円を計上しました。特別損失は、計上しておりません。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、2,291百万円(前年同期は2,112百万円)となりました。
a) 資産
当連結会計年度末の総資産は21,667百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,656百万円増加しました。流動資産は17,676百万円となり、1,412百万円増加しました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が1,070百万円、有価証券が399百万円増加したことなどです。固定資産は3,990百万円となり、244百万円増加しました。この主な原因は、建設仮勘定が157百万円増加したことなどです。
b) 負債
当連結会計年度末の負債合計は4,499百万円となり、前連結会計年度末に比べて96百万円増加しました。流動負債は4,243百万円となり、68百万円増加しました。これは主に、その他が202百万円減少しましたが、買掛金が414百万円増加したことなどです。固定負債は256百万円となり、27百万円増加しました。
c) 純資産
当連結会計年度末の純資産は17,167百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,560百万円増加しました。この主な原因は、剰余金の配当の支払いにより831百万円減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により2,291百万円増加したことなどです。この結果、自己資本比率は、79.1%となり、前連結会計年度末の77.9%から1.2ポイント増加しました。
セグメントごとの財政状況および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態および経営成績の状況」に記載のとおりです。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、 経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」 に記載のとおりです。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、運転資金および設備投資資金は基本的に自己資金でまかなうこととしておりますが、不足時の一時的な運転資金を効率的に調達するため、主要取引銀行とコミットメントライン契約を締結しております。
なお、自己資本比率79.1%、流動比率416.6%などの指標が示すように、健全な財務体質や営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力によって、当社グループの事業展開に必要な運転資金および設備投資資金を調達することが可能と考えております。