E02909 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当中間連結会計期間(2025年4月1日~2025年9月30日)におけるわが国の経済は、個人消費や企業収益が持ち直す一方で、日銀による金融政策の正常化や為替の変動、資源価格の高止まりなどが企業活動に影響を及ぼしました。海外では、米国における金利動向や欧州経済の減速、中国経済の回復遅れなど、世界経済の先行きに対する不確実性が高まっています。さらに、地政学的リスクの長期化や国際的なサプライチェーン再編の動きも続いており、企業の投資判断に慎重さが見られるなど、先行き不透明な状況が続きました。
当社グループを取り巻く国内ITサービス業界では、「非接触」や「非対面」を実現するデジタル化のニーズは依然として高く、AIやブロックチェーンなど、デジタル技術を活用したビジネスプロセスやビジネスモデルの変革を行うDX(デジタルトランスフォーメーション)を中心に企業の投資意欲は引き続き高い状態にあります。
そのような環境下において持続可能な成長を目指すため、当社グループは、FY2033構想「HIGH FIVE 2033」という新たな長期ビジョンを打ち出しました。これは、現在の事業基盤を活用し新しい領域へ展開、拡大させ、地域内で経済が循環する「地域還流型ビジネス」を生み出す企業を目指すもので、当社の事業を通して、人々の豊かな時間の創出に貢献していきます。そこでまずは、「HIGH FIVE 2033」の実現に向けて、2024年度から2026年度の3カ年を対象とした第4次中期経営計画「FLY ON 2026」をスタートしています。第3次中期経営計画で確立した「経営基盤の強化」「収益性の向上」「ESG経営の進化」を土台に、既存事業を力強く発展させるとともに新規事業で飛躍的に成長するというテーマのもと、「事業戦略」「人財戦略」「企業価値向上戦略」の3つの戦略を掲げて活動を進めます。
営業活動においては、CVC出資先(株式会社バカン、株式会社Payke)との協業を開始し、多くのお客様に関心をいただいております。協業を通じて、顧客深耕、顧客基盤の拡大、および新規ビジネスの創出を進めております。また、当社は個人ローン業務支援システム「SCOPE」と業務の非対面化を実現するローンWeb受付・契約システム「WELCOME」を組み合わせて販売できる唯一のパッケージベンダーであることから、マーケットにおいて高い競争力を有しております。これらの当社システムは、申込用紙の削減や契約書類の電子化により環境への配慮を実現しつつ、審査時間の短縮に貢献しております。さらに、2024年6月にリリースした新システム「サービサーTCS(延滞債権管理システム)」のWeb版が、既存のお客様のリプレイス需要獲得につながっております。加えて、延滞債権督促業務を無人化した「ロボティックコール」の販売が労働人口の減少に伴う人材不足を解消に、マルチ決済端末「iRITSpay決済ターミナル」の販売が経済産業省によるキャッシュレス政策の推進にそれぞれ貢献しております。受注に関しては、地方自治体システム標準化に関する予算が確定し、計画通り受注できたことの影響を受け、受注高は9,963百万円(前年同期比106.9%)、受注残は17,036百万円(前年同期比104.5%)といずれも前年同期を上回りました。
業績においては、中間連結会計期間の既存事業につきましては、概ね計画通りとなっておりますが、株式会社アイセルとの資本業務提携の進捗が遅れたことにより会計連結時期が2025年10月になったことで、売上高は計画を下回っております。販管費は、2025年4月からの賃金改定による人件費の増加、採用や教育費用の増加などの人財投資および研究開発に注力した結果、2,246百万円(前年同期比109.7%)と増加しました。
これらの結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高は9,222百万円(前年同期比95.9%)、営業利益は1,156百万円(前年同期比76.4%)、経常利益は1,254百万円(前年同期比79.4%)、親会社株主に帰属する中間純利益は988百万円(前年同期比93.3%)と減収減益となりました。
なお、報告セグメント別の経営成績は次のとおりです。
(システム開発・販売)
受注高に関して、基幹事業である個人ローン業務支援システムなどの金融機関向けのソフト開発、インフラ設備の更改については計画通り順調に推移いたしました。また、公共分野において地方自治体のシステム標準化における受注高が好調に推移いたしました。売上高については、金融機関向けのソフト開発の販売が順調に推移いたしましたが、マルチ決済端末「iRITSpay決済ターミナル」の販売において、一部の商流(顧客先)の変更に伴う影響を受け、減少いたしました。その結果、受注高は6,660百万円(前年同期比121.0%)、売上高は4,623百万円(前年同期比89.4%)、セグメント利益は501百万円(前年同期比69.8%)となりました。
(リカーリング)
安定収益源である保守サービスに加え、公共分野向けBPO(業務受託)サービスにおいて政令市・中核市を中心に、既存契約先からの追加対応に加え、新規受託先の売上が計上されるなど引き続き好調に推移しております。その結果、受注高は3,302百万円(前年同期比86.6%)、売上高は4,599百万円(前年同期比103.4%)、セグメント利益は656百万円(前年同期比82.5%)となりました。
②財政状態
当中間連結会計期間末の総資産は23,814百万円となり、前連結会計年度末に比べて138百万円減少いたしました。流動資産は17,763百万円となり、697百万円減少いたしました。主な原因は、現金及び預金が945百万円増加しましたが、受取手形、売掛金及び契約資産が1,041百万円、有価証券が602百万円減少したことなどです。固定資産は6,051百万円となり、559百万円増加いたしました。主な原因は、投資有価証券が242百万円、有形固定資産が204百万円、無形固定資産が108百万円増加したことなどです。
当中間連結会計期間末の負債合計は4,351百万円となり、前連結会計年度末に比べて556百万円減少いたしました。流動負債は3,977百万円となり、534百万円減少いたしました。主な原因は、買掛金が468百万円減少したことなどです。固定負債は373百万円となりました。
当中間連結会計期間末の純資産は19,463百万円となり、前連結会計年度末に比べて418百万円増加いたしました。主な原因は、親会社株主に帰属する中間純利益の計上により988百万円増加しましたが、剰余金の配当の支払いにより672百万円減少したことなどです。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の79.5%から81.7%となりました。
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は9,029百万円となり、前連結会計年度末と比べ95百万円増加いたしました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動から得られた資金は1,641百万円(前年同期比99.2%)となりました。主な増加要因は税金等調整前中間純利益1,367百万円、売上債権の減少額1,066百万円、減価償却費165百万円、主な減少要因は法人税等の支払額447百万円、仕入債務の減少額468百万円、投資有価証券売却益112百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は948百万円(前年同期比55.5%)となりました。主な増加要因は、投資有価証券の売却による収入162百万円、有価証券の減少額102百万円、主な減少要因は定期預金の預入による支出350百万円、有形固定資産の取得による支出251百万円、投資有価証券の取得による支出239百万円、貸付けによる支出162百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は597百万円(前年同期比56.0%)となりました。主な減少要因は配当金の支払額672百万円です。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は、206百万円です。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(システム開発・販売)
金融機関向けでは、ローン受付から条件履行管理まで個人ローン業務全般をカバーする次期システムについて研究開発を実施しております。
また、時流の変化を捉え、百貨店業界向け基幹システム「RITS」を刷新します。POSに関しては、従業員の高齢化を踏まえ文字を大きく見やすくするとともに、人手不足に対応してスポットワークの方でもすぐに操作ができるよう、初心者モード/熟練者モードの切り替え機能を搭載し、UI/UX(※)のさらなる向上を図ります。その他、モバイル型決済端末を利用した百貨店向けミニPOSを開発、キャッシュレス比率40%超の百貨店で面前決済を加速します。
これらの事業分野に対する研究開発に加え、生成AIをシステム開発プロセスに導入することのフィージビリティ検証を実施し、開発基盤の構築にも継続して取り組んでおります。これにより、開発工数の削減、人材不足の解消、売上の向上の実現を目指します。
上記の研究開発活動の結果、システム開発・販売における研究開発費は70百万円となりました。
(リカーリング)
決済ビジネスのカード事業拡大戦略の一環として、さまざまな決済方法や場所に対応するため、次世代に向けたマルチ決済端末の追加機能の開発を進めるとともに、決済事業者のサービス向上を目指し、キャッシュレス決済プラットフォームや決済代行業務に関する研究開発を推進しております。
また、督促回収における顧客への連絡手段のトレンドであるSMS+コンビニ入金のサービスに、最新の機能を加えたSaaS型サービスを新たに展開することにより、幅広い分野のユーザーに対する回収DXの提供を目指します。
上記の研究開発活動の結果、リカーリングにおける研究開発費は136百万円となりました。
※UI(User Interface:ユーザーインターフェース)/UX(User Experience:ユーザーエクスペリエンス)UIはユーザーがサービスを操作する際の接点となる、見た目や機能全般。UXはユーザーがサービスを利用したときに得られる、全体的な体験や感情。
当中間連結会計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。