売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02909 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 財政状態および経営成績の状況

①経営成績

当社グループは2021年度から2023年度を対象とした中期経営計画を策定し、経営基盤の強化、収益性の向上、ESG経営の進化の3つを柱に、「お客様に寄り添うチカラ」で持続的成長の実現を目指し、計画の達成に向け事業活動を推進しております。

当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年12月31日)におけるわが国の経済は、社会経済活動の正常化が進む中で、国内の消費活動の持ち直しなどを背景に緩やかな景気回復が継続しました。一方、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による資源・エネルギー価格の高騰やイスラエル・パレスチナ情勢など、地政学リスクの拡大により先行きは依然として不透明な状況で推移しています。

当社グループを取り巻く国内ITサービス業界では、「非接触」や「非対面」を実現するデジタル化のニーズが引き続き高く、AIやブロックチェーンなど、デジタル技術を活用したビジネスプロセスやビジネスモデルの変革を行うDX(デジタルトランスフォーメーション)を中心に企業の投資意欲は引き続き高い状態にあります。

営業活動においては、金融機関を中心に、当社の主力である延滞債権管理システムの安定的な受注に加え、個人ローン業務支援システム「SCOPE」と業務の非対面化を実現するローンWeb受付システム「WELCOME」を組み合わせた新規販売および機能追加が堅調に推移しました。これらの当社システムは、申込用紙の削減や契約書類も電子化することで環境への配慮を実現しつつ、審査に費やす時間の短縮に貢献しております。また、延滞債権督促業務を無人化した「ロボティックコール」の販売が好調で、利用が広がっています。加えて、公共分野向けBPO(業務受託)サービスの受注が好調に推移した結果、受注高は15,884百万円(前年同期比129.1%)、受注残は16,721百万円(前年同期比112.6%)といずれも前年同期を大きく上回りました。

業績においては、金融機関向けに加え、社会インフラ向け通信システムの販売増や決済端末の販売増が寄与し売上増加を達成しました。また粗利率改善のための取り組みとして、開発内製化による外注加工費の原価低減などが奏功しました。販管費は、2023年4月からの賃金改定による人件費の増加、採用や教育費用の増加などの人財投資に注力した結果、2,860百万円(前年同期比111.5%)と増加しました。一方で、営業活動の強化による受注高・売上高の増加で費用増を吸収する企業努力に取り組みました。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高は14,462百万円(前年同期比115.7%)、営業利益は2,684百万円(前年同期比124.8%)、経常利益は2,771百万円(前年同期比124.4%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,906百万円(前年同期比125.9%)と増収増益となりました。

なお、報告セグメント別の経営成績は次のとおりです。

 

(システム開発・販売)

基幹事業である金融機関向けのソフト開発、インフラ設備の更改、個人ローン業務支援システムなどの金融機関への新規取引拡大により販売は堅調に推移しております。また、マルチ決済端末「iRITSpay決済ターミナル」の販売も好調に推移しました。加えて、社会インフラ向け通信システムの販売が増加しております。その結果、受注高は8,706百万円(前年同期比112.8%)、売上高は8,168百万円(前年同期比121.1%)、セグメント利益は1,453百万円(前年同期比128.5%)となりました。

 

 

(リカーリング)

安定収益源である保守サービスに加え、公共分野向けBPO(業務受託)サービスにおいて政令市・中核市を中心に、既存契約先からの追加受注に加え、新規受託先の売上が計上されるなど引き続き好調に推移しております。その結果、受注高は7,178百万円(前年同期比156.7%)、売上高は6,293百万円(前年同期比109.4%)、セグメント利益は1,231百万円(前年同期比120.8%)となりました。

 

②財政状態

当第3四半期連結会計期間末の総資産は22,005百万円となり、前連結会計年度末に比べて338百万円増加いたしました。流動資産は17,823百万円となり、146百万円増加いたしました。主な原因は、有価証券が500百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が165百万円減少しましたが、棚卸資産が730百万円、現金及び預金が112百万円増加したことなどです。固定資産は4,182百万円となり、191百万円増加いたしました。主な原因は、投資有価証券が時価評価などにより303百万円増加したことなどです。

当第3四半期連結会計期間末の負債合計は4,358百万円となり、前連結会計年度末に比べて141百万円減少いたしました。流動負債は4,092百万円となり、150百万円減少いたしました。主な原因は、契約負債が206百万円、その他が172百万円増加しましたが、賞与引当金が284百万円、買掛金が150百万円減少したことなどです。固定負債は265百万円となり、9百万円増加いたしました。

当第3四半期連結会計期間末の純資産は17,647百万円となり、前連結会計年度末に比べて479百万円増加いたしました。主な原因は、剰余金の配当の支払いにより835百万円減少しましたが、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により1,906百万円増加したことなどです。

この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の79.1%から80.1%となりました。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(3) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は、179百万円です。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(システム開発・販売)

DX推進に寄与する先進的な機能を取り入れつつも、スタンダードな次世代型債権管理システム「サービサーTCS Web版」や、PaaS(Platform as a Service)型の簡易的な個人ローン審査システムの研究開発を進めています。

また、2022年の産学官連携による実証実験に続き、地域密着型デジタルサービス「Degital Safe(デジタル金庫)」の研究開発活動を展開しています。これは「貸金庫」と「終活ノート」を組み合わせたサービスであり、データ改ざん防止を実現するブロックチェーン技術を活用しています。

 上記の研究開発活動などの結果、システム開発・販売における研究開発費は40百万円となりました。

 

(リカーリング)

次世代型のマルチ決済端末「iRITSpay 決済ターミナル」を、他社の店舗向けサービスプラットフォームに対応させる研究開発活動を実施しています。店舗事業者がプラットフォームを通じてさまざまなサービスを利用することで、集客や利便性向上、店舗業務の効率化につなげる狙いです。

 上記の研究開発活動の結果、リカーリングにおける研究開発費は139百万円となりました。

 

(4) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。