E05070 Japan GAAP
前期
97.0億 円
前期比
108.4%
株価
571 (04/25)
発行済株式数
7,618,000
EPS(実績)
-133.47 円
PER(実績)
--- 倍
前期
466.8万 円
前期比
105.6%
平均年齢(勤続年数)
37.9歳(10.5年)
従業員数
484人(連結:598人)
当社グループは、連結財務諸表提出会社及び子会社7社(連結子会社1社、非連結子会社6社)により構成されており、建設向け仮設足場の企画・開発・生産・販売のほか、足場の組立て・解体・貸出しを行う施工サービスを主たる業務としております。
なお、その主な事業内容は次の通りであり、セグメントの区分と同一となります。
施工サービス事業…当社は、主に自社生産した足場部材「ビケ足場®」、「レボルト®」を顧客に対して足場施工付き、又は部材のレンタルを提供しております。施工現場は戸建てや集合住宅、マンションなどの住宅が最も多く、公共施設や物流倉庫、宿泊施設など、大型の建築物向けにも対応しております。
製商品販売事業 …当社は、建築金物・仮設機材の製品企画・設計・製造・販売を行っております。主力製品は、住宅などの低層建築工事向けに需要が高い「ビケ足場®」と、中高層建築工事向けに安全性を高めた「レボルト®」のほか、土木工事や他社仮設材と共に使用される一般仮設材になります。
海外事業 …シンガポールの子会社Mirador Building Contractor Pte. Ltd.は、主に石油化学プラント向けに労働者の派遣や足場工事を中心とした熱絶縁工事、電気工事などの付帯工事のほか、オフィス向けの清掃事業を行っております。
その他事業 …当社は、ビケ足場仮設事業協同組合の業務受託および保険代理店業務を行っております。
なお、事業の系統図は次のとおりになります。
※画像省略しています。
※画像省略しています。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、感染症対策と社会経済活動の両立により緩やかな回復の動きが継続したものの、世界的なインフレと金融引き締め政策、不安定な為替相場などにより、予断を許さない状況が続きました。
当社に関連の深い住宅業界について、新設住宅着工戸数は全体で昨年並みとなりましたが、資材価格の高騰や住宅ローン金利への懸念などから注視が必要な状況が続きました。
こうした状況において、当社では当連結事業年度を2年目とする中期経営計画を進めており、「既存事業の再構築と事業間連携の強化」、「新市場の創造と東南アジアでのビジネス基盤確立」、「未来社会に貢献するヒト創りと商品サービスの開発」、「ヒトとデジタル技術をつないだビジネス革新」、「ES(従業員満足)ファーストのガバナンス体制構築」を5つの重点戦略として設定し、将来を見据えた収益性の高い事業構造への転換を進めております。
当期間においては、インドネシアにおいてCADソフトによる足場計画図の作図と足場施工の技能教育、IT教育を事業とする合弁会社PT DAISAN MINORI INDONESIAを設立しました。また、社内業務の効率化を推進するデジタル人財を育成するため、IT関連のリスキリング教育を実施いたしました。そのほか、物価上昇を背景とした一時手当の支給と、全社員を対象とした給与のベースアップを実施しました。
なお、全社業績に関して、売上高は伸長いたしましたが、利益はマイナスとなりました。これは国内事業における給与の増額、外国籍スタッフの多数採用による人件費並びに諸経費の増加、コロナ禍の規制緩和による活動費の増加、前年同期に投資有価証券の売却益を計上していたことによるものです。海外事業においては、コロナ禍前の水準近くまで受注高は回復したものの、期首の規制期間における新たな労働力確保のための採用コスト増加、並びにコロナ関連の助成金収入の減少等が利益圧迫の一因となりました。
また、特別損失として、国内の営業拠点における固定資産の減損損失279百万円、Mirador Building Contractor
Pte.Ltd.における固定資産の減損損失692百万円を計上いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は10,512百万円(前年同期比8.4%増)、営業損失63百万円(前年同期は営業損失16百万円)、経常損失1百万円(前年同期は経常利益79百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失1,016百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益50百万円)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(施工サービス事業)
施工サービス事業につきましては、新設住宅着工の利用関係別戸数は、持家の減少が続く中、貸家と分譲住宅は、コロナ禍前の水準近くまで増加いたしました。主要な取引先である大手ハウスメーカーの住宅の受注は昨年並みを維持しました。
このような状況の中、当事業においては中層大型建築物向け及び戸建て分譲向けの売上が増えましたが、売上全体では微増にとどまりました。利益面では、入国制限中に採用を進めていた国外の施工スタッフの受け入れにより、施工力の拡充が進みましたが、稼働率は低い状況が続きました。そのほか、さらなる受注量確保のため外部の施工ネットワーク構築と利用を進めました。また、賃貸用仮設材について、受注量増加への備えとさらなる安全品質の向上のため、社内への投入量を増やしました。
以上の結果、売上高は7,089百万円(前年同期比3.8%増)、売上総利益は2,020百万円(同1.9%減)となりました。
(製商品販売事業)
製商品販売事業につきましては、国内の企業収益が改善傾向にあることを背景に民間の建設工事は持ち直しの動きが続きました。
このような状況の中、建設用仮設機材のレンタル需要の高まりなどを背景としながら、全体の売上高は微減となりました。製品別売上高では、次世代足場「レボルト®」については引き合いが増えたことから過去最高を更新しました。また、鋼材等の原材料価格高騰による利益への影響は、前期末から段階的に行った価格交渉により限定的なものとなりました。
社内の取り組みとしては、生産管理及び販売管理の基幹システムをリプレースし、セキュリティと操作性向上を進めました。
以上の結果、売上高は1,602百万円(前年同期比2.2%減)、売上総利益は501百万円(同0.2%減)となりました。
(海外事業)
海外事業につきましては、在外子会社のあるシンガポールでは、新型コロナウイルス感染症に対する規制が撤廃されたことを背景に経済活動は活発なものとなりました。
このような状況において、当事業では日系企業を中心とした販路開拓を進め、プラント向け人材派遣を中心として受注高はコロナ禍前の水準近くまで回復いたしました。利益面では、外国籍の現場スタッフの稼働率向上に努めた結果、当連結会計年度においては高い水準で推移しましたが、入国規制期間における採用コストの増加や、外注業者の利用機会が増えたため、想定していた利益額を確保するには至りませんでした。
以上の結果、売上高は1,752百万円(前年同期比50.7%増)、売上総利益は357百万円(同51.8%増)となりました。
(その他)
その他につきましては、業務受託料および保険代理店収入等で構成されており、売上高は67百万円(前年同期比1.6%減)、売上総利益は53百万円(同4.9%増)となりました。
b.資産、負債及び純資産の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は6,182百万円となり、前連結会計年度末に比べ399百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金126百万円減少、受取手形、売掛金及び契約資産296百万円増加、賃貸用仮設材が311百万円増加、電子記録債権が70百万円減少したことによるものであります。
固定資産は3,914百万円となり、前連結会計年度末に比べ518百万円減少いたしました。これは主にのれんが597百万円減少、建物及び構築物が79百万円減少、投資その他の資産のその他に含まれる関係会社株式が96百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は10,097百万円となり、前連結会計年度末に比べ119百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は3,794百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,111百万円増加いたしました。これは主に短期借入金が1,257百万円増加、未払法人税等が103百万円減少したことによるものであります。
固定負債は923百万円となり、前連結会計年度末に比べ43百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が139
百万円減少、資産除去債務が46百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、4,717百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,067百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は5,379百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,187百万円減少いたしました。これは主に利益剰余金が1,151百万円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は53.3%(前連結会計年度末は63.9%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,267百万円と期首より126百万円減少となりました。
各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果減少した資金は439百万円(前年同期は36百万円の支出)となりました。その主な要因は、減損損失971百万円、減価償却費319百万円に対し、税金等調整前当期純損失が1,002百万円、賃貸用仮設材の増加額299百万円、売上債権の増加額166百万円、仕入債務の減少額124百万円、法人税等の支払額143百万円等があったことを反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は415百万円(前年同期は175百万円の収入)となりました。その主な要因は、投資有価証券の売却による収入132百万円に対し、有形固定資産の取得による支出286百万円、子会社株式の取得による支出96百万円、無形固定資産の取得による支出59百万円、貸付けによる支出38百万円等があったことを反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は680百万円(前年同期は258百万円の支出)となりました。その要因は、短期借入金の増加額1,165百万円に対し、長期借入金の返済による支出139百万円、配当金の支払134百万円、リース債務の返済による支出116百万円等があったことを反映したものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.施工能力
施工用資産であるビケ部材の当社の保有高は次のとおりであります。
セグメントの名称 |
品目別 |
当連結会計年度 (自 2022年4月21日 至 2023年4月20日) |
前年同期比(%) |
施工サービス事業 |
施工能力㎡数(千平方メートル) |
1,350 |
103.8 |
(注)当社の施工用資産は極めて多種多様にわたり、かつ同種の品目であっても仕様、構造、形式は一様ではありません。このため、保有する主要部材で施工可能な広さを建物の架㎡数で表示しております。
ここに、主要部材とは、支柱・踏板・布材・ブラケット・ジャッキベースのことであります。
b.生産実績
当連結会計年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
品目別 |
当連結会計年度 (自 2022年4月21日 至 2023年4月20日) |
前年同期比(%) |
製商品販売事業 |
ビケ部材等(千円) |
1,541,492 |
111.4 |
一般仮設(千円) |
343,222 |
107.6 |
|
合計(千円) |
1,884,714 |
110.7 |
(注)金額は販売価格によります。
c.外注の実績
当社は、製商品販売事業における製品の製造及び部品加工の大部分を外注に依存しております。その依存度は、外注費が総製造費用に対し当連結会計年度で37.3%を占めております。
なお、主な外注先は、株式会社山本興業、株式会社興和工業所、株式会社シズカ等であります。
d.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
品目別 |
当連結会計年度 (自 2022年4月21日 至 2023年4月20日) |
前年同期比(%) |
製商品販売事業 |
ビケ部材等(千円) |
300,420 |
130.1 |
一般仮設(千円) |
191,141 |
131.2 |
|
合計(千円) |
491,561 |
130.6 |
(注)金額は仕入価格によります。
e.受注実績
当連結会計年度の受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
セグメント の名称 |
品目別 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
製商品 販売事業 |
製品 |
ビケ部材等 |
939,546 |
76.4 |
23,707 |
22.4 |
一般仮設 |
374,611 |
143.0 |
22,861 |
311.5 |
||
商品 |
ビケ部材等 |
89,394 |
69.2 |
7,428 |
108.2 |
|
一般仮設 |
131,551 |
130.8 |
6,412 |
86.6 |
||
合計 |
1,535,102 |
89.2 |
60,408 |
47.4 |
(注)1.数量については、種類が多岐にわたり表示が困難であるため記載を省略しております。
2.受注高は出荷額をベースに記載しております。
f.販売実績
当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
セグメント の名称 |
品目別 |
当連結会計年度 (自 2022年4月21日 至 2023年4月20日) |
前年同期比(%) |
|
施工サービス事業(千円) |
7,089,919 |
103.8 |
||
製商品 販売事業 |
製品 |
ビケ部材等(千円) |
1,021,568 |
88.9 |
一般仮設(千円) |
359,089 |
133.4 |
||
計(千円) |
1,380,657 |
97.3 |
||
商品 |
ビケ部材等(千円) |
88,832 |
65.0 |
|
一般仮設(千円) |
132,544 |
159.2 |
||
計(千円) |
221,377 |
100.7 |
||
合計(千円) |
1,602,035 |
97.8 |
||
海外事業(千円) |
1,752,421 |
150.7 |
||
報告セグメント計(千円) |
10,444,376 |
108.4 |
||
その他(千円) |
67,907 |
98.4 |
||
合計(千円) |
10,512,283 |
108.4 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表を作成するにあたり、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、そのうち特に重要なものは以下のとおりであります。
(固定資産の減損)
固定資産については、資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合、回収可能価額までの下落額を減損損失として計上しております。事業計画や市場環境の変化により、見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析
当社グループは、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載の通り、「売上高経常利益率」を重要な経営指標として捉えています。
当連結会計年度においては、△0.1%を目標として事業を進めましたが、結果として△0.0%となりました。
③ 財政状態の分析
「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.資産、負債及び純資産の状況」をご参照ください。
④ 資本の財源及び資金の流動性
a.キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでありますが、指標のトレンドを示しますと下記のとおりであります。
|
2022年4月期 |
2023年4月期 |
自己資本比率(%) |
63.9 |
53.3 |
時価ベースの自己資本比率(%) |
37.9 |
36.6 |
債務償還年数(年) |
- |
- |
インタレスト・カバレッジ・レシオ |
- |
- |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。
2.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
3.債務償還年数(年)は、2022年4月期、2023年4月期ともに、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
4.インタレスト・カバレッジ・レシオは、2022年4月期、2023年4月期ともに、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
b.契約債務
2023年4月20日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
区分 |
当期首残高 (千円) |
当期末残高 (千円) |
平均利率 (%) |
返済期限 |
短期借入金 |
535,411 |
1,792,640 |
1.4 |
- |
1年以内に返済予定の長期借入金 |
139,996 |
139,996 |
0.2 |
- |
1年以内に返済予定のリース債務 |
43,640 |
83,285 |
2.8 |
- |
長期借入金(1年以内に返済予定のものを除く。) |
758,349 |
618,353 |
0.2 |
2024~2028年 |
リース債務(1年以内に返済予定のものを除く。) |
21,469 |
40,963 |
3.3 |
2024~2028年 |
その他有利子負債 1年以内に返済予定の割賦未払金 割賦未払金(1年以内に返済予定のものを除く。) |
- - |
- - |
- - |
- - |
合計 |
1,498,867 |
2,675,237 |
- |
- |
(注)1.「平均利率」については、期末借入金残高に対する加重平均利率を記載しております。
2.長期借入金及びリース債務の連結決算日後5年間の返済予定額は以下のとおりであります。
|
1年以内 (千円) |
1年超2年以内 (千円) |
2年超3年以内 (千円) |
3年超4年以内 (千円) |
4年超5年以内 (千円) |
長期借入金 |
139,996 |
139,996 |
139,996 |
129,996 |
99,996 |
リース債務 |
83,285 |
34,121 |
1,709 |
1,790 |
1,876 |
c.財務政策
当社は、運転資金及び設備投資資金については、内部資金を充てるほか、銀行等の金融機関からの借入金や社債発行により資金調達することとしております。
2023年4月20日現在の契約債務の状況は「b.契約債務」に記載のとおりであります。
⑤ 経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績は、行動規制の緩和により活発化した国内の経済活動や、新設住宅着工戸数の堅調な推移を背景として、売上高については2019年4月に取得した在外子会社の貢献などにより、2年連続で過去最高を更新しました。しかし、損益については、規制緩和による活動費の増加、外国籍スタッフの多数採用による採用経費の増加、ならびに国内事業における給与増額などのコストが先行したことから、営業損益、経常損益ともに前期比減となりました。また、特別損失として971百万円の減損損失を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損益は前期を大きく下回ることとなりました。
※画像省略しています。
セグメント別状況について、足場の施工サービス事業では、大手ハウスメーカーの受注の底堅い推移を背景として、全体の売上は微増となりましたが、商品別では中層大型建築物向け及び分譲向けの売上が伸長しました。利益面では、国外からの施工力確保が進みましたが、現場での稼働には一定期間を要することから、稼働率への反映は来期の持ち越しとなります。また、期首より進めている原価高騰に応じた適正価格化については徐々に成果が表れているものの、原価上昇分の価格転嫁にまで至っておりません。
足場部材を販売する製商品販売事業では、民間向け工事の堅調な推移を背景としながら、全体の売上は前期をやや下回りましたが、次世代足場「レボルト®」については、過去から行っている販売促進活動の効果もあり、過去最高の売上となりました。懸念していた原材料価格高騰による利益への影響につきましては、前期より段階的に行っている価格の見直しにより限定的なものとなりました。
海外事業について、在外子会社のあるシンガポールでは、行動規制の撤廃に伴い経済活動が活発化したことなどを受けて、下半期からは大手プラントでの運転・維持管理業務の取引量が増加し、売上に大きく貢献しました。また、いち早く諸外国からの作業員採用プログラムに参画したことが功を奏し、施工力増強につながりましたが、入国規制期間における一時的な採用経費・外注業者の利用機会の増加により、想定していた利益を確保するには至りませんでした。
※画像省略しています。