E05091 Japan GAAP
前期
53.6億 円
前期比
103.5%
株価
1,504 (05/15)
発行済株式数
8,261,600
EPS(実績)
89.69 円
PER(実績)
16.77 倍
前期
766.5万 円
前期比
106.0%
平均年齢(勤続年数)
40.1歳(9.3年)
従業員数
188人
当社の親会社は株式会社エヌ・ティ・ティ・データであり、同社は当社の株式4,213,400株(議決権比率51.3%)を保有しております。また、株式会社エヌ・ティ・ティ・データの親会社は日本電信電話株式会社であるため、日本電信電話株式会社も当社の株式4,213,400株(議決権比率51.3%)を間接所有しており、当社の親会社であります。
また、当社はXNETサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。
(1)当社の売上高構成比は以下のとおりです。
品目 |
第31期 |
第32期 |
|||
金額 |
構成比 |
金額 |
構成比 |
前期比 |
|
(1) XNETサービス |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
% |
5,416 |
100.0 |
5,353 |
99.9 |
△1.2 |
|
アプリケーションサービス |
3,724 |
68.7 |
3,779 |
70.5 |
1.5 |
AMO・SOサービス |
1,692 |
31.2 |
1,574 |
29.4 |
△7.0 |
(2) 機器販売等 |
2 |
0.0 |
4 |
0.1 |
60.3 |
合計 |
5,419 |
100.0 |
5,357 |
100.0 |
△1.1 |
(2)「XNETサービス」について
多くの日本の企業は従来、情報システムを自社で構築し、自社のみで使用していました。外部企業に開発・運用をまかせている(いわゆるシステムのアウトソーシング)場合も自社固有システムのことが多く、開発費、メンテナンス費がすべて自社にかかっている構造は変わっておりません。
当社は、創業当初から当社独自に情報システムを構築し、複数の顧客に月々のサービス料だけで提供するという独自のビジネスモデルを考え、これを「XNETサービス」と名付けました。Application Outsourcingというビジネスコンセプトです。
「XNETサービス」は、ユーザーである顧客、そして提供者である当社に大きいメリットがあります。具体的には、
<ユーザーのメリット>
・初期投資がいらない
・導入期間が短い
・メンテナンスコスト不要
・1つのシステムを多くのユーザーが負担するので全体的コストが安い
・多くのユーザーのアイディアを盛り込むので高度なノウハウが共有できる(知恵の共有)
・常にシステムの内容を更新するので陳腐化しない
<当社のメリット>
・月々の収入-安定収入
・簡単にサービス中止できない
・高い利益率(同じアプリケーションを共同で利用するため)
などがあげられます。
「XNETサービス」の機能は、以下のとおりです。
・システムの提供~初期インストール及び改良版の提供
・利用に関する教育
・利用に関するお問い合わせの対応
・ユーザーマニュアルの提供
・必要なデータベースの提供
顧客が自社開発しているシステムすべてが「XNETサービス」のマーケットと考えていますが、資産運用を中心に、少しずつサービスを広げていっています。現在の主なサービスのラインナップは以下のとおりです。
①有価証券フロント
機関投資家、証券会社向けの証券の受発注業務に関する機能を提供するサービス。
②有価証券ミドル
機関投資家が投資する金融商品を対象としてパフォーマンス分析、受益者向けレポーティング等の機能を提供するサービス。
③有価証券バック
機関投資家が投資する金融商品を対象として仕訳、入出金、現物保管等の管理機能を提供するサービス。
④IMバック
投信投資顧問会社向けに投信経理業務用の機能(投資信託の基準価格算出や運用報告書等の帳票作成機能)を提供するサービス。
⑤センター型指図STP
投資家が管理信託銀行に対して信託指図を電子的に送信できるサービス。
⑥信託連動データ開示
管理信託銀行が再信託している特金、ファントラ等のポートフォリオデータ(取引、残高、ポートフォリオ属性)をXNETフォーマットで受信できるサービス。
⑦融資管理
プライマリー・セカンダリー・シンジケート・住宅ローン等、形態に関係なく融資業務全般を一律のプラットフォームで管理する機能を提供するサービス。
⑧スチュワードシップ・ソリューション
株主議決権業務をサポートする機能を提供するサービス。
⑨ReportManager
投信、投資顧問業務において必要となる、対外向け帳票の作成支援サービス。
アプリケーション提供(基本サービス)に加えて、データ作成支援(オプションサービス)サービスもご提供。
⑩XNET-AMOサービス
専任のCEがお客様の立場で、XNETアプリケーション利用に係わる「運用・保守」から「設計・開発」までトータルでサポートし、お客様にあったXNETアプリケーションの業務運営を支援するサービス。
⑪スマート・アウトソーシングサービス(旧XNET-BPOサービス)
当社がXNETサービス(バック・ミドル・投信)を利用してお客様業務を代行するサービス。
⑫報酬管理サービス
投資顧問会社向けの報酬管理業務支援サービス
⑬個人向け信託管理
遺言代用信託の「受益権管理」、「合同運用金銭信託・運用口管理」が可能です。信託兼営銀行による単独利用、信託銀行が地域金融機関と提携する代理店方式の何れにも対応しています。
⑭投資信託委託業開業支援サービス
投資信託委託業の開業に当たり、会社設立、投資申請準備から開業まで、一貫して支援するサービスです。
⑮投資一任業開業支援サービス
投資一任業の開業に当たり、会社設立、投資申請準備から開業まで、一貫して支援するサービスです。
(3)「機器販売等」について
当社の唯一の商品は「XNETサービス」です。「XNETサービス」を利用するためにコンピュータ等を必要とします。このコンピュータ等は、お客様が自社で購入して、XNETのソフトウェアやデータを入れて利用するのが原則です。お客様によっては、当社に対してコンピュータ等の機器も一緒に導入を希望する場合があります。このニーズに応えるために当社の機器販売等のビジネスがあります。但し、
- XNETサービス導入先に限っていて、機器販売等を単独で行うことはない
- XNETサービスに比較して利益は少ない
ビジネスですので、当社の事業としてのウェイトは低くなっています。
又、利用する機器のOS(オペレーティングシステム)がLINUXに変わり、機器そのものの価格が大幅に下落しております。また、クラウドコンピューティングの普及に伴い当社が機器を用意するフルサービスをご利用のお客様も増えております。
そのため、売上構成比は0%~1%になっています。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社はXNETサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント情報別の経営成績等は示しておりません。
①財政状態及び経営成績の状況
イ.財政状態
当期末の資産は、資産合計が9,281百万円(前期末比328百万円増)となりました。これは主として現金及び預金の増加によるものです。
負債につきましては、負債合計が1,257百万円(前期末比126百万円減)となりました。これは主として未払法人税等の減少によるものです。
純資産につきましては、8,024百万円となり前期末の純資産合計と比較して454百万円増となりました。これは繰越利益剰余金が増加したことによるものです。
ロ.経営成績
当事業年度の経営成績は、売上高5,357百万円(前期比1.1%減)、営業利益950百万円(前期比1.8%減)、経常利益985百万円(前期比1.1%減)、当期純利益694百万円(前期比3.4%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当期における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は2,258百万円(前期末比393百万円増)となりました。当社は経営目標の一つとして有利子負債ゼロを掲げており、当期における外部からの資金調達はありません。
当期における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動におけるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,156百万円(前期は1,387百万円の獲得)となりました。主に営業収入が増加したこと等によるものです。営業活動におけるキャッシュ・フローのうち、主要な支出である人件費の支出は
△2,012百万円となり、営業収入に対する割合は△37.3%となりました。
また、同じく主要な支出である外注費の支出は△1,264百万円となり、営業収入に対する割合は△23.4%となりました。
いずれも当社の資金確保および利益の確保において、適切な割合の範囲内と認識しております。
(投資活動におけるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、523百万円(前期は685百万円の使用)となりました。主な内訳としては、投資有価証券の取得による支出が596百万円(前期は500百万円)、無形固定資産の取得による支出(XNETアプリケーションへの開発投資)が293百万円(前期は389百万円)となります。
当社は、将来の減価償却費の大幅な変動を抑制するため、計画的にXNETアプリケーションの開発投資を行っております。
(財務活動におけるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、239百万円(前期は230百万円の使用)で、配当金の支払いによるものです。
当社は、前期同様、配当政策として安定配当を掲げております。
③生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
該当事項はありません。
ロ.受注実績
該当事項はありません。
ハ.販売実績
品目 |
第32期 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前期比 |
XNETサービス |
百万円 5,353 |
% △1.2 |
アプリケーションサービス |
3,779 |
1.5 |
AMO・SOサービス |
1,574 |
△7.0 |
機器販売等 |
4 |
60.3 |
合計 |
5,357 |
△1.1 |
(注)1.主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先 |
前事業年度 |
当事業年度 |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
株式会社日本カストディ銀行 |
102 |
1.8 |
674 |
12.6 |
ニッセイ情報テクノロジー株式会社 |
531 |
9.8 |
544 |
10.2 |
2.当社はXNETサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント情報別に示しておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
当社はXNETサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント情報別の業績等は示しておりません。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しており、この財務諸表の作成には、資産・負債及び収益・費用に影響を与える見積りを必要とする箇所があります。
当社が採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.財務諸表等(1)財務諸表 〔注記事項〕(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。
これらの見積りにつきましては、経営者が過去の実績や取引状況を勘案し、会計基準の範囲内で合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる可能性があることにご留意ください。
②経営成績等
イ.財政状態
当事業年度の財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況イ.財政状態」に記載のとおりであります。
ロ.経営成績
(a)売上高
当事業年度は、中核商品である「XNETサービス」の売上高が5,353百万円(前期比1.2%減)、機器販売等も含めた売上高は5,357百万円(前期比1.1%減)となりました。
「XNETサービス」は、大別して以下に区分されます。
・ 有価証券管理システムを中心としたXNETシステムの月額利用料を収益源とするアプリケーションサービス
・ XNETシステムに関する導入や保守、会計制度変更対応等の業務を請負うAMOサービス
・ XNETシステムを利用して、機関投資家の経理事務等の実務を受託し、効率的に集約、処理することで収益を獲得するSOサービス
このうちアプリケーションサービスについては、主力である有価証券管理システムが引き続き堅調に推移しております。また、遺言代用信託をはじめとする個人向け信託については、高齢化社会の進行もあり市場が拡大し、当社システムの新規顧客への導入など、顧客基盤の拡大につながっております。また、金融機関による信託商品のバリエーション拡大により、当社システムの機能拡充がすすむなど、当市場におけるシステムベンダーとしての当社の地位をより強固にしております。さらに、融資管理システムについては、2023年3月17日付リリースのとおり、明治安田生命保険相互会社に対してサービス提供を開始いたしました。生損保業界における融資管理は、レガシーシステムの利用が継続しているケースが多く、当社の参入余地が大きいと見込んでおります。
AMOサービスについては、継続的なシステム保守案件および基盤更改案件の受注が引き続き好調であります。アプリケーションサービスにおける顧客基盤の拡大に加え、金融機関におけるIT人財の不足もあり、AMOサービスの安定的な受注に繋がっております。
SOサービスについては、従来からの投信投資顧問会社向けサービスが堅調であるほか、生損保業界に対するSOサービスについても、2社目のサービス導入を開始いたしました。生損保業界へのSOサービスの導入は、今後も拡大することが見込まれます。
当期においては、前期比ではわずかに減収となりましたが、以上のように業況は全体的に好調であり、過去最高売上を達成した前期とほぼ同等の売上高となっております。
当期の売上高の内訳は以下のとおりです。
品目 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
|||
金額 |
構成比 |
金額 |
構成比 |
前期比 |
|
① XNETサービス |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
% |
5,416 |
100.0 |
5,353 |
99.9 |
△1.2 |
|
(①のうち、アプリケーションサービス) |
3,724 |
68.7 |
3,779 |
70.5 |
1.5 |
(①のうち、AMO・ SOサービス) |
1,692 |
31.2 |
1,574 |
29.4 |
△7.0 |
② 機器販売等 |
2 |
0.0 |
4 |
0.1 |
60.3 |
合計(①+②) |
5,419 |
100.0 |
5,357 |
100.0 |
△1.1 |
また当社は、当期から4カ年の中期経営計画を策定し、このなかで新たに売上を以下の区分に分け、管理することといたしました。
・ コア売上 : サブスクリプションモデルにより安定的に売上を確保できるセグメント
(対象サービス)アプリケーションサービス、AMOサービス(月額)、SOサービス
・ スポット売上 : コアを維持するために必要ではあるが、あくまで一過性の取引による売上
(対象サービス)AMOサービス(スポット)
このうち、コア売上について、当社の安定的な収益の基盤の確保につながるものと捉え、2026年3月期においてコア売上50億円の達成を目標として掲げております。当期の結果はコア売上4,438百万円となり、前期比1.3%増となりました。
(b)売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、労務費や不動産賃借料は横ばいの一方で、XNETアプリケーションの減価償却費は前事業年度に続き減少しております。結果、前事業年度に比べ1.2%減の3,851百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、業務委託費の増加などにより、前事業年度に比べ0.5%増の556百万円となりました。
(参考)減価償却費:前事業年度581百万円に対し、当事業年度518百万円
(c)営業利益、経常利益、当期純利益
当事業年度の利益につきましては、営業利益950百万円(前期比1.8%減)、経常利益985百万円(前期比1.1%減)、当期純利益694百万円(前期比3.4%減)となりました。
当期においては、大規模AMOサービスの反動減もあり減益を見込んでおりましたが、売上高が小幅な減収にとどまったことや、業務効率化のための社内システム投資や、サービス品質維持・向上のための人的資本投資等によるコスト増があったものの、減価償却費の減少等によりこれを吸収したことから、過去最高利益を計上した前期と比較しても微減という結果にとどまりました。売上高営業利益率は17.7%と引き続き高水準を維持しております。
なお、当期においては賃上げ促進税制の適用が不透明であったため、人材確保等促進税制を適用した前期と比較すると、当期純利益については減益幅が大きくなると見込んでおりましたが、結果として賃上げ促進税制が適用できたため、営業利益や経常利益同様、小幅な減益にとどまりました。
ハ.キャッシュ・フローの状況
当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
次期の売上高につきましては、いずれのサービスも引き続き堅調な推移を見込んでいるものの、顧客の統合によ
るSOサービスの解約を予定しているなど、わずかに減収となる見込みであります。
利益につきましては、XNETアプリケーション投資に関する減価償却費がさらに減少する見通しであります
が、当期においても引き続き、人財確保のための投資やオフィス環境投資等によるコスト増を見込んでおり、利益
率は小幅に低下する見通しであります。
以上から、次期の通期業績予想については、売上高5,300百万円(前期比1.1%減)、営業利益880百万円(前期比
7.4%減)、経常利益910百万円(前期比7.6%減)、当期純利益610百万円(前期比12.1%減)と減収、減益としてお
りますが、売上高営業利益率は16.6%と高水準を維持できるものと見込んでおります。
④資本の財源及び資金の流動性
イ.資金需要
当社の事業活動における運転資金需要の主なものはXNETアプリケーションに対する開発投資です。
ロ.財政政策
創業時を除いて、有利子負債がゼロと無借金経営を続けております。その結果、当事業年度の自己資本比率は86.5%となり、財務体質の健全性は引き続き高い水準にあります。今後もこの方針を変えず、自己資本の範囲内での投資を考え、無借金経営を続けていくつもりです。
⑤経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標となる経営指標」に記載のとおりであります。
なお、目標となる経営指標の推移は下表のとおりです。
指標等 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
売上高(百万円) |
5,039 |
5,419 |
5,357 |
経常利益(百万円) |
719 |
995 |
985 |
売上高営業利益率(%) |
13.8 |
17.9 |
17.7 |
有利子負債(百万円) |
- |
- |
- |