E05151 Japan GAAP
前期
28.9億 円
前期比
97.6%
株価
169 (07/16)
発行済株式数
13,015,222
EPS(実績)
-12.43 円
PER(実績)
--- 倍
前期
486.1万 円
前期比
100.3%
平均年齢(勤続年数)
42.5歳(14.2年)
従業員数
172人(連結:209人)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、ネクストウェア株式会社(当社)、連結子会社2社(株式会社システムシンク、株式会社OSK日本歌劇団)及び非連結子会社3社(ネクストアイ株式会社、ネクストウェルネス株式会社、ネクストインベストメント株式会社)により構成されており、ソリューション事業とエンターテインメント事業の2つを主な事業としております。
当社グループの事業内容は以下のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
主にコンピュータシステムのコンサルティング、設計、開発及び運用・保守サービスの提供、IoTソリューションサービスの提供をしております。
(主な関係会社)当社、㈱システムシンク、ネクストアイ㈱、ネクストウェルネス㈱及びネクストインベストメント㈱
主に株式会社OSK日本歌劇団による歌劇の企画・興行及びデジタルコンテンツの開発・配信サービスをしております。
(主な関係会社)㈱OSK日本歌劇団
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が変更されて経済社会活動の正常化が進み、緩やかな回復が続きましたが、年度後半は物価上昇や海外景気の下振れにより景気の減速感が強まりました。
当社グループが所属する情報サービス産業におきましては、競争上の優位性を確立するDX(デジタルトランスフォーメーション)関連の需要が堅調に推移しており、特に生成AIを利用して既存の業務プロセスやビジネスモデルを変革するAX(AIトランスフォーメーション)が注目されています。また、サイバー攻撃や情報漏洩に対応するための情報セキュリティ対策の重要性も急速に高まっております。
当社グループは、ソリューション事業において、今般のデジタル社会に対応すべくDX・AX事業へ積極的な投資を行っております。具体的には、次世代サービスとなるクラウド型ネットワークサービスの提供に向け、データセンターへの投資や大手通信子会社とのフランチャイズ契約締結、台湾SaaS企業との戦略的協業を進めました。これにより、高セキュリティと高速性を両立したネットワーク環境やその基盤を利用した電子契約サービス等を広く提供し、月額課金の安定した収益基盤を確保することが可能となります。一方で、売上は従来型のシステム開発サービス・顔認証ソリューションからサブスクリプションへの移行期であることから減少しました。
また、エンターテインメント事業においては、舞台と当社独自のデジタル技術を融合させた新しいサービスの創出など、作品のエンターテインメント力・完成度を追求しました。NHK連続テレビ小説「ブギウギ」放送を機にエンターテインメント事業の売上は増加しました。
利益面では、ソリューション事業の減収により営業損失となりました。また、2021年度に株式譲渡した子会社との管理業務受託契約の終了や新型コロナウイルス感染症に係る補助金申請の終了などにより営業外収益が減少したほか、のれんの減損を行い特別損失を計上しました。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高2,820百万円(前年同期比2.4%減)、営業損失132百万円(前年同期は25百万円の損失)、経常損失128百万円(前年同期は36百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失161百万円(前年同期は11百万円の利益)となりました。
また、当連結会計年度末の資産合計は1,687百万円で、前連結会計年度末に比べ150百万円減少しました。負債合計は359百万円で、前連結会計年度末に比べ37百万円増加しました。純資産合計は1,328百万円で、前連結会計年度末に比べ187百万円減少しました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
デジタルソリューション・AI(人工知能)を中心としたスマートビジネス事業においては、顔認証技術を活用した従来の入退室管理や不審者検知システムの受注に加え、新たに店舗向けの顔認証決済をはじめ、顧客分析や公共施設の人流分析などのプロジェクトを推進し、高度なセキュリティ対策と同時に運用の利便性向上を実現するなど多岐にわたる用途でのニーズにお応えしました。我々はPoC(概念実証)のフェーズから社会実装のフェーズへ移行したと判断しております。
また、工場操業データ解析システムにおいては、AIと機械学習を駆使して、プラントなどに設置されたDX機器の異常や故障を未然に予知するソリューションの開発に取り組み、新規顧客として日本企業の海外現地法人から複数年にわたる大口受注を獲得し一部を納品いたしました。今後も引き続き海外現地法人からの受注獲得に注力いたします。
防災システムにおいては、世界各地で頻発する異常気象への対策は喫緊の課題であり、洪水・サイクロンなどの自然災害が多発する南アジア地域に気象レーダーシステムを納入し、安定稼働により我々の技術を実証しました。
業績面では、新たなソリューションによる受注獲得が進展したものの、顔認証付きカードリーダー(マイナンバーカード対応)や検温ソリューションは、為替による部品の高騰やコロナ禍の終息などによるマーケットの冷え込みにより減収となり、また、次の成長分野であるクラウドサービス事業を拡大するための次世代ネットワーク人材の採用・育成などの社内投資を行ったことから、当連結会計年度のソリューション事業の売上高は2,377百万円(前年同期比5.1%減)となり、セグメント損失は121百万円(前年同期は2百万円の損失)となりました。
連結子会社の株式会社OSK日本歌劇団は、7月に日舞・洋舞のグランドレビュー「Road to 2025」公演を大阪府・大阪市・大阪商工会議所・大阪文化芸術事業実行委員会と共同開催することで万博の機運醸成に寄与し、8月に松本清張賞受賞作「へぼ侍〜西南戦争物語〜」を初舞台化し盛況を博しました。当団出身者の笠置シヅ子をモデルにしたNHK連続テレビ小説「ブギウギ」の10月放送開始を機に劇団の知名度が飛躍的に向上し、11月の「レビュー in Kyoto」は過去最高の来場者数となるなど新規顧客の獲得および収益増に繋げることができました。1月には文化を通じて関西から日本を明るく元気にすることに貢献した人・団体に対して授与される「関西元気文化圏賞」の特別賞を受賞いたしました。また、Brooklyn Parlor公演を巡業しやすいようにパッケージ化して、大阪府・福井県・香川県・栃木県・東京都の5地域で上演し、新たなマーケットを開拓しました。
これらの結果、当連結会計年度のエンターテインメント事業の売上高は442百万円(前年同期比14.6%増)、セグメント損失は10百万円(前年同期は23百万円の損失)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は585百万円となり、前連結会計年度末より44百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは105百万円の収入となりました(前年同期は346百万円の支出)。これは、税金等調整前当期純損失144百万円に、減価償却費45百万円、減損損失16百万円、売上債権の減少額45百万円、棚卸資産の増加額19百万円、仕入債務の増加額25百万円、その他の流動負債の増加額44百万円、法人税等の還付額85百万円等を加減した結果によります。
投資活動によるキャッシュ・フローは87百万円の支出となりました(前年同期は31百万円の支出)。これは、無形固定資産の取得による支出43百万円、有形固定資産の取得による支出35百万円等によります。
財務活動によるキャッシュ・フローは61百万円の支出となりました(前年同期は68百万円の支出)。これは、長期借入金の返済による支出35百万円、配当金の支払額25百万円によります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
3.エンターテインメント事業における生産はありません。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) エンターテインメント事業は受注生産を行っておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の相手先が無いため、記載しておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績等は、以下のとおりであります。
経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。
当連結会計年度の売上高は計画比179百万円減(6.0%減)となりました。エンターテインメント事業は知名度向上を機に増収となりましたが、ソリューション事業は、従来型のシステム開発サービス・顔認証ソリューションからサブスクリプションへの移行期であり、また、顔認証付きカードリーダー(マイナンバーカード対応)や検温ソリューションにおいて為替による部品の高騰やコロナ禍の終息などによりマーケットが冷え込んだことから減収となりました。
営業利益は計画比162百万円減となりました。これは主に、上記減収の影響のほか、次世代ネットワーク人材の採用・育成などに先行投資を行ったことによります。
経常利益は計画比158百万円減となりました。これは主に、営業利益の減少に加え、2021年度に株式譲渡した子会社との管理業務受託契約の終了や新型コロナウイルス感染症に係る補助金申請の終了によります。
親会社株主に帰属する当期純利益は計画比181百万円減となりました。これは主に、経常利益の減少に加え、のれんの減損を行い特別損失を計上したことによります。
当連結会計年度末における流動資産の残高は1,195百万円で、前連結会計年度に比べ175百万円減少しております。これは主として、商品が29百万円増加した一方、流動資産その他が105百万円、売掛金及び電子記録債権が47百万円、現金及び預金が44百万円それぞれ減少したことによります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は492百万円で、前連結会計年度末に比べ25百万円増加しております。これは主として、のれんが19百万円減少した一方、ソフトウェアが22百万円、有形固定資産その他が12百万円それぞれ増加したことによります。
当連結会計年度末における流動負債の残高は345百万円で、前連結会計年度に比べ68百万円増加しております。これは主として、契約負債が30百万円、買掛金が25百万円、未払法人税等が11百万円それぞれ増加したことによります。
当連結会計年度末における固定負債の残高は13百万円で、前連結会計年度に比べ31百万円減少しております。これは主として、長期借入金が26百万円減少したことによります。
当連結会計年度末における純資産の残高は1,328百万円で、前連結会計年度末に比べて187百万円減少しております。これは、利益剰余金が187百万円減少したことによります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローでは105百万円のキャッシュを獲得しました(前連結会計年度は346百万円の使用)。これは税金等調整前当期純損失144百万円に、減価償却費45百万円、減損損失16百万円、売上債権の減少額45百万円、棚卸資産の増加額19百万円、仕入債務の増加額25百万円、その他の流動負債の増加額44百万円、法人税等の還付額85百万円等を加減した結果によります。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、87百万円のキャッシュを使用しました(前連結会計年度は31百万円の使用)。これはソリューション事業におけるソフトウェア、情報機器関連およびエンターテインメント事業における映像制作関連の投資などであり、無形固定資産の取得による支出43百万円、有形固定資産の取得による支出35百万円等によります。
財務活動によるキャッシュ・フローでは61百万円のキャッシュを使用しました(前連結会計年度は68百万円の使用)。これは資金返済と配当金の支払であり、長期借入金の返済による支出35百万円、配当金の支払額25百万円によります。
これらの活動の結果、現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度に比べ44百万円減少し、585百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループの主な資金需要は、ソリューション事業やエンターテインメント事業に係る労務費、外注費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用、設備投資及び事業投資であります。
これらの資金需要は、自己資金のほか、金融機関からの借入により調達しております。
手許の運転資金につきましては、グループ各社の余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は585百万円であります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
当社グループは、その他投資有価証券のうち市場価格のない株式等について、発行会社の財政状態及び将来の事業計画等期末時点で入手可能な情報を基に慎重に減損の要否を判断しております。事業計画入手後の状況の変化により、実績が事業計画を下回る場合、減損処理が必要となる可能性があります。