売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05151 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴い経済社会活動の正常化が進み、緩やかに回復しています。一方、先行きにつきましては、雇用・所得環境が改善する下で、緩やかな回復が続くことが期待されますが、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが国内景気を下押しするリスクとなっております。

当社グループが所属する情報サービス産業におきましては、競争上の優位性を確立するDX(デジタルトランスフォーメーション)関連の需要が堅調に継続するとともに、クラウドサービスの拡大により情報セキュリティの重要性が高まっております。

当社グループは、ソリューション事業において、急速に変化するデジタル社会に対応すべくAI・RPA・顔認証など新たなデジタル・AIによる新規顧客の開拓を進めました。また、エンターテインメント事業においては、舞台と当社独自のデジタル技術の融合による新しいサービスの創出など、作品のエンターテインメント力・完成度を追求しました。

一方、2021年度に株式譲渡した子会社との管理業務受託契約の終了や新型コロナウイルス感染症に係る補助金申請の終了により営業外収益が大きく減少しました。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は1,963百万円(前年同四半期比6.5%減)、営業損失は147百万円(前年同四半期は71百万円の損失)、経常損失は140百万円(前年同四半期は15百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は145百万円(前年同四半期は24百万円の損失)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

① ソリューション事業

デジタルソリューション・AI(人工知能)を中心としたスマートビジネス事業においては、顔認証入退室管理等のセキュリティ対応に加え、新しいソリューションの創出に取り組みました。例えば、スマートシティ実現に向けた新たな価値を創出する取り組みとして、鉄道駅構内にカメラを設置し、人流を分析するプロジェクトを自治体と共同で推進しました。また、大規模イベント会場において利用者にスマホ等で設備の混雑状況を通知するシステムの構築プロジェクトに参画し、ICTを活用した施設利用者のサービス向上に貢献しました。

また、製造業界などで培ったノウハウを活かし、AIと機械学習を駆使して、工場設備、プラント、公共施設などに設置されたDX機器や施設の異常や故障を未然に予知するソリューションの開発に取り組み、新規顧客として日本企業の海外現地法人から大口受注を獲得し一部納品することができました。今後も同様に海外現地法人からの受注獲得に注力いたします。

防災システムにおいては、最近の異常気象による災害への対応に焦点を当て、防災監視システムおよび道路監視システムの整備に積極的に取り組んできました。新たに収集した気象情報の二次利用を可能にする外部提供機能を整備し、他のシステムとの連携をスムーズに実現できるようになりました。また、洪水・サイクロンなどの自然災害が多発する南アジア地域に気象レーダーシステムを納入し、安定稼働により我々の技術を実証しました。

当第3四半期連結累計期間は、新たなソリューションによる受注獲得が進展したものの、コロナ禍で需要のあった検温によるソリューションや前期に大型納品のあったマイナンバーカード対応の需要減により減収となり、また、次の成長分野であるクラウドサービス事業を拡大するための次世代ネットワーク人材の採用・育成などの社内投資を行ったことから、ソリューション事業の売上高は1,651百万円(前年同四半期比8.8%減)となり、セグメント損失は125百万円(前年同四半期は43百万円の損失)となりました。

 

 

② エンターテインメント事業

連結子会社の株式会社OSK日本歌劇団は、当団出身者の笠置シヅ子をモデルにした連続テレビ小説「ブギウギ」の話題を新規顧客の獲得へ繋げるために企画したグランドレビュー京都南座公演を上演しました。初見のお客様にも多数ご観劇いただき過去最高の来場者数となりました。また、43周年を迎えた福井県越前市「たけふレビュー」公演を1ヶ月間にわたり上演しました。「ブギウギ」の放送を機に全国での知名度向上に取り組んでおります。

当第3四半期連結累計期間は、新しいファンの獲得を目指して他団体からの出演依頼や共催公演に注力した結果、当劇団の知名度が向上し出演料収入や協賛・広告収入が増加したことなどから、エンターテインメント事業の売上高は311百万円(前年同四半期比8.0%増)、セグメント損失は21百万円(前年同四半期は27百万円の損失)となりました。

 

(2)財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末の総資産は1,630百万円となり、前連結会計年度末に比べて207百万円減少しました。これは主として、無形固定資産その他が25百万円、貯蔵品が23百万円、商品が10百万円それぞれ増加した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産が149百万円、現金及び預金が78百万円、流動資産その他が53百万円それぞれ減少したことによります。

負債合計は285百万円となり、前連結会計年度末に比べて36百万円減少しました。これは主として、流動負債その他が18百万円増加した一方で、長期借入金が24百万円、支払手形及び買掛金が15百万円それぞれ減少したことによります。

純資産合計は1,345百万円となり、前連結会計年度末に比べて170百万円減少しました。これは、利益剰余金が170百万円減少したことによります。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

該当事項はありません。