E35791 Japan GAAP
前期
566.1億 円
前期比
106.8%
株価
2,207 (04/19)
発行済株式数
30,563,199
EPS(実績)
138.66 円
PER(実績)
15.92 倍
前期
981.7万 円
前期比
97.6%
平均年齢(勤続年数)
47.0歳(21.0年)
従業員数
79人(連結:747人)
当社は、2021年4月1日付で単独株式移転の方法により、あすか製薬株式会社の完全親会社として設立され、持株会社としてグループ会社の経営管理及びそれに附帯する業務を行っております。
当社グループ(当社および当社の関係会社)は、当社、子会社3社、関連会社5社により構成されており、主な事
業内容と当該事業に係る位置づけは次のとおりであります。
医薬品事業 ……あすか製薬㈱が製造・仕入し、主に武田薬品工業㈱を通じて販売しております。
その他の事業
動物用医薬品 ……あすかアニマルヘルス㈱は、あすか製薬㈱より一部商品を仕入れております。また、あすか製薬㈱は同社より一部製造業務を受託しております。
臨床検査等 ……㈱あすか製薬メディカルは、あすか製薬㈱より設備を賃借し臨床検査業務を行っております。また、あすか製薬㈱は同社に試験業務等の一部を委託しております。
その他 ……あすか製薬㈱は、医療機器や健康食品等の仕入・販売を行っております。
事業の系統図は次のとおりです。
※画像省略しています。
(注)1.あすか製薬㈱、㈱あすか製薬メディカル、あすかアニマルヘルス㈱の3社は当社の連結子会社です。
2.なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しております。これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限の解除により経済活動は徐々に正常化へと向かう一方で、エネルギー・原材料価格の高騰などコスト増加要因が経済に与える影響等により、経営環境は厳しい状況下で推移しました。しかしながらこのような状況下においても、当社グループの事業は新製品の伸長やこれまで以上のコスト縮減の取り組み等により、前年度に引き続き堅調に推移しました。
当連結会計年度における当社経営成績は以下のとおりであります。
|
2022年3月期 (百万円) |
2023年3月期 (百万円) |
増減額 (百万円) |
増減率 (%) |
売上高 |
56,607 |
60,461 |
3,853 |
6.8% |
営業利益 |
4,795 |
5,108 |
312 |
6.5% |
経常利益 |
4,880 |
5,232 |
351 |
7.2% |
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
4,290 |
4,238 |
△51 |
△1.2% |
当連結会計年度の当社グループの売上高は前年同期から3,853百万円増加し、60,461百万円となりました。これは主に、新製品の発売等により伸長した医療用医薬品事業に加えまして、飼料添加物の販売が好調であったアニマルヘルス事業の増収によるものであります。また売上原価が31,876百万円と前年同期比0.7%低下したことにより、売上総利益は前年同期から2,233百万円増の28,584百万円となりました。一方で販売費及び一般管理費は前年同期から1,920百万円増の23,476百万円となり、その結果、営業利益は前年同期から312百万円増の5,108百万円、売上高営業利益率は8.4%となりました。経常利益につきましては、営業外収益を433百万円、営業外費用を308百万円計上したことから5,232百万円となりました。また投資有価証券の売却に伴う特別利益を124百万円計上したものの、前年同期に固定資産売却益に伴う特別利益を計上した反動もあって、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期から51百万円減の4,238百万円となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(医薬品事業)
内科、産婦人科、泌尿器科の3分野に注力している医薬品事業は薬価改定の影響を受けつつも全般的に堅調に推移しました。製品別にみると、産婦人科領域において子宮筋腫・子宮内膜症治療剤「レルミナ」が8,839百万円(前年同期比20.5%増)と前年に引き続き大きく増加したほか、月経困難症治療剤「フリウェル」が2022年4月の薬価改定で約10%超の引き下げにも関わらず、3,489百万円(同0.8%増)と増加しました。また2022年6月から販売を開始した月経困難症治療剤「ドロエチ」は3,671百万円と好調に推移し、売上を牽引しました。さらに内科領域の主力品である甲状腺ホルモン剤「チラーヂン」が7,733百万円(同3.1%増)、診療ガイドラインの定着活動に努めた難吸収性リファマイシン系抗菌薬「リフキシマ」が5,397百万円(同11.2%増)といずれも着実に伸長しました。泌尿器科領域ではLH-RH誘導体マイクロカプセル型徐放性製剤「リュープロレリン」が4,999百万円(同3.6%減)となりました。
以上の結果、売上高は53,579百万円(同5.5%増)、セグメント利益は5,779百万円(同13.6%増)となりました。
(アニマルヘルス事業)
動物用医薬品、飼料添加物等の製品を販売しているアニマルヘルス事業においては、特に飼料添加物の売上が堅調であったこと等から、売上高は6,660百万円(前年同期比18.3%増)、セグメント利益は409百万円(同8.6%増)となりました。
(その他事業)
臨床検査、医療機器、サプリメント等の各事業を展開しているその他事業については、前年度に発売した毛髪ホルモン量測定キットの売上寄与もあり、売上高は220百万円(前年同期比19.0%増)となったものの、セグメント利益は6百万円の損失(前年同期は16百万円の損失)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ3,840百万円増加し、87,138百万円となりました。これは主に、販売権および有価証券は減少しましたが、現金及び預金、投資有価証券および原材料及び貯蔵品などが増加したためであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,800百万円減少し、32,604百万円となりました。これは主に、長期借入金(1年内返済予定を含む)および電子記録債務が減少したためであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ5,641百万円増加し、54,533百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加および株価上昇によるその他有価証券評価差額金の増加によるものであります。
その結果、自己資本比率は前連結会計年度末から3.9ポイント上昇し62.6%となっております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ402百万円増加し、17,505百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動におけるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、3,351百万円(前年同期は2,842百万円の増加)となりました。これは主に、棚卸資産の増加はありましたが、税金等調整前当期純利益および減価償却費の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、1,126百万円(前年同期は6,743百万円の増加)となりました。これは主に、有形固定資産の取得および有価証券の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は、1,820百万円(前年同期は2,996百万円の減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度より報告セグメントの区分方法を変更しており、増減率は変更後の区分方法に基づいています。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
医薬品事業(百万円) |
15,411 |
111.9 |
アニマルヘルス事業(百万円) |
490 |
100.1 |
合計(百万円) |
15,902 |
111.5 |
(注)金額は製造原価によっております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
医薬品事業(百万円) |
9,293 |
85.5 |
アニマルヘルス事業(百万円) |
5,271 |
115.2 |
その他(百万円) |
31 |
77.9 |
合計(百万円) |
14,596 |
94.2 |
(注)金額は仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
c.受注実績
当社グループは販売計画、在庫状況に基づいて生産計画を立て、これによって生産しているため、受注生産は行っておりません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
医薬品事業(百万円) |
53,579 |
105.5 |
アニマルヘルス事業(百万円) |
6,660 |
118.3 |
その他(百万円) |
220 |
119.0 |
合計(百万円) |
60,461 |
106.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
武田薬品工業㈱ |
49,439 |
87.3 |
52,293 |
86.5 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
当連結会計年度における財政状態の分析につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載しております。
b.経営成績の分析
当連結会計年度の当社グループの売上高は前連結会計年度と比べて3,853百万円増加し、60,461百万円(前期比6.8%増)となりました。これは主に、医薬品事業が薬価改定の影響を受けつつも全般的に堅調に推移し、産婦人科領域において子宮筋腫・子宮内膜症治療剤「レルミナ」が8,839百万円(前期比20.5%増)と前連結会計年度に引き続き大きく増加するなど売上高は53,579百万円(前期比5.5%増)となり、また動物用医薬品、飼料添加物等の製品を販売しているアニマルヘルス事業において、特に飼料添加物の売上が堅調であったこと等から、売上高が6,660百万円(前期比18.3%増)となったためであります。
売上原価は前連結会計年度と比べて1,620百万円増加し、31,876百万円(前期比5.4%増)となりました。売上原価率は52.7%となり、前連結会計年度に比べ0.7%改善しました。これは主に、先発医薬品であるレルミナ、チラーヂン、リフキシマの伸長による製品ミックス改善が寄与したためであります。この結果、売上総利益は前連結会計年度と比べて2,233百万円増加し、28,584百万円(前期比8.5%増)となりました。
販売費及び一般管理費は前連結会計年度と比べて1,920百万円増加し、23,476百万円(前期比8.9%増)となりました。これは主に、経済活動の正常化に伴う事業活動費用の増加、研究開発費の増加および販売権等の減価償却に伴う減価償却費の増加等であります。この結果、営業利益は前連結会計年度と比べて312百万円増加し、5,108百万円(前期比6.5%増)となりました。
営業外収益は前連結会計年度と比べて53百万円増加し、433百万円(前期比14.0%増)となりました。また、営業外費用は前連結会計年度と比べて13百万円増加し、308百万円(前期比4.7%増)となりました。この結果、経常利益は前連結会計年度と比べて351百万円増加し、5,232百万円(前期比7.2%増)となりました。
特別利益は前連結会計年度と比べて9,558百万円減少し、124百万円(前期比98.7%減)となりました。これは、政策保有株式の一部銘柄の売却による投資有価証券売却益の計上によるものであります。また、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額の合計は、前連結会計年度と比べて754百万円減少し、1,118百万円(前期比40.3%減)となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比べて51百万円減少し、4,238百万円(前期比1.2%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、事業活動の維持・拡大に必要な資金を安定的に確保するとともに、資金需要に応じた資金調達を行うことを基本的な方針としております。
当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造費用、商品仕入、研究開発費や販売促進費等の販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、長期資金需要の主なものは、生産および研究開発のための設備投資や開発パイプラインの拡充に向けた投資等であります。運転資金需要は自己資金および取引金融機関からの短期借入を基本としており、長期資金需要は自己資金および取引金融機関からの長期借入を基本としております。
資金の流動性につきましては、現金及び現金同等物に加え、取引金融機関とコミットメントライン契約を締結し、手元流動性を確保しております。
なお、当連結会計年度末における借入金の残高は前連結会計年度末と比べて1,423百万円減少し、12,623百万円(前期比10.1%減)となっております。また、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度と比べて402百万円増加し、17,505百万円(前期比2.4%増)となっております。
③ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは、過去の実績や現状等を勘案し合理的な基準に基づいて実施しておりますが、見積り等の不確実性があるため実際の結果は異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは2021年4月から2026年3月末までの中期経営計画を策定しております。その最終年度である2025年度には、売上高700億円、営業利益率8%、自己資本当期純利益率(ROE)8%を目標としております。
今後も「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略および会社の対処すべき課題」に記載のとおり、中期経営計画に基づき、目標達成に向けた取り組みを推進してまいります。