E01049 Japan GAAP
前期
2,891.4億 円
前期比
103.9%
株価
7,611 (04/18)
発行済株式数
60,592,541
EPS(実績)
192.48 円
PER(実績)
39.54 倍
前期
770.5万 円
前期比
102.4%
平均年齢(勤続年数)
40.4歳(14.6年)
従業員数
874人(連結:7,558人)
当社グループは、当社及び子会社(38社)により構成しており、主な事業内容、関係会社等の当該事業に係る位置付け及びセグメント等の関連は、次のとおりであります。
(注) 連結子会社の㈱テクノラボ、カルテラボラトリーズ㈱、㈱エイ・エルディベロップメント、㈱SENSE、コーセーマルホファーマ㈱、Tarte,Inc.Hong Kong Ltd.、高絲貿易(杭州)有限公司及びTarte Cosmetics France SAS、非連結子会社の㈱イグニス、KOSÉ BRASIL COMÉRCIO DE COSMÉTICOS LTDA.、㈱アルビオン白神研究所及びコーセー ミルボン コスメティクス㈱は、重要性が低いため事業の関連図への記載を省略しております。
当期(2023年1月1日から2023年12月31日まで)における日本経済は、コロナ禍からの経済活動の正常化が進み、内需の押上げ効果により、景気の回復基調が続きました。飲食などのサービスを中心に個人消費が持ち直し、円安を背景としたインバウンド需要が好調に推移いたしました。一方、物価の高止まりによる消費者マインドの冷え込みや、人手不足の深刻化による供給面の制約が不安材料となりました。
当社グループが主に事業展開しているアジア・米国経済においては、中国では景気回復の動きに足踏みがみられ、政府が景気支援を強化するものの、不動産市場の低迷などにより、成長率は鈍化いたしました。それ以外のアジア経済では、回復基調が続きました。
米国においては、高止まりする市場金利やインフレによる景気後退が懸念されましたが、個人消費は堅調に推移し、米国経済を下支えいたしました。
日本の化粧品市場においては、百貨店、化粧品専門店及びドラッグストアなどのマス市場を含めて着実に回復しており、インバウンドの増加も、化粧品需要の回復を後押しいたしました。
アジアの化粧品市場においては、中国では、景気回復の遅れ、競争環境の激化に加え、8月の福島原発処理水の海洋放出の影響により、売上に大きく影響を与えました。
それ以外のアジア各国については、一部地域では弱さがみられるものの、全体では回復基調にありました。
米国の化粧品市場は、底堅い個人消費に支えられ、順調に成長いたしました。
このような市場環境の中、当社グループは中長期ビジョン「VISION2026」を推進しており、「世界で存在感のある企業への進化」を目指しております。当期は「PHASEⅡ:世界での存在感拡大と更なる顧客体験の追求」の2年目に入り、基本戦略の下、グローバルな事業展開の促進、事業領域及び顧客層の拡大、デジタルコミュニケーションの強化、成長を支える経営基盤の構築に取り組んでおります。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ12,057百万円増加し、371,657百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ4,368百万円増加し、88,619百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ7,688百万円増加し、283,038百万円となりました。
当期における当社グループの業績については、中国及び韓国での売上が大幅に減少した一方、日本や、欧米を中心に展開する「タルト」が実績を大きく伸ばしたことにより、売上高は前期比3.9%増の300,406百万円(為替の影響を除くと前期比1.7%増)となり、連結売上高に占める海外売上高の割合は36.8%となりました。
利益については、利益率の高い中国及び韓国のトラベルリテール事業における大幅減収に加え、マーケティング費用及び人件費が増加した結果、営業利益は15,985百万円(前期比27.7%減)、経常利益は為替差益の減少により20,252百万円(同28.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は11,663百万円(同37.9%減)となりました。
化粧品事業においては、ハイプレステージの主力ブランド「コスメデコルテ」が日本国内では引き続き好調に推移いたしましたが、中国及び韓国のトラベルリテール事業における苦戦に加え、中国の景気回復の遅れや競争環境の激化等により、大幅に減収いたしました。それ以外では、㈱アルビオンの「エレガンス」や、「ジルスチュアート」などが伸長いたしました。欧米で展開する「タルト」は、主力商品とともに新商品が寄与した結果、過去最高の売上となりました。
プレステージでは、「雪肌精」や「ONE BY KOSÉ」の回復基調が継続し、同カテゴリーの増収に大きく貢献しました。
これらの結果、売上高は240,450百万円(前期比2.3%増)、営業利益は17,868百万円(同29.7%減)となりました。
コスメタリー事業においては、「ヴィセ」や「メイク キープ シリーズ」、コーセーコスメポート㈱の「クリアターン」などが好調に推移した結果、売上高は57,656百万円(前期比10.4%増)、営業利益は2,941百万円(同167.0%増)となりました。
その他の事業は、ホテルやゴルフ場向けアメニティ製品の販売が増加したため、売上高は2,299百万円(前期比18.9%増)となりました。営業利益は売上原価率が低下したことにより978百万円(同8.4%減)となりました。
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より11,605百万円増加し105,669百万円(前期比12.3%増)となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、30,443百万円の収入となりました。主な要因は税金等調整前当期純利益19,506百万円、非資金費用である減価償却費9,557百万円、退職給付に係る資産の増加3,161百万円、売上債権の減少8,711百万円、仕入債務の増加1,591百万円、その他の資産の減少1,414百万円及び法人税等の支払い7,872百万円等であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、11,227百万円の支出となりました。主な要因は、定期預金の増加による純支出4,673百万円、有形固定資産の取得による支出3,383百万円及び無形固定資産の取得による支出2,143百万円等であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、9,677百万円の支出となりました。主な要因は配当金の支払い7,987百万円等であります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は製造会社販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
重要な受注生産を行っておりませんので記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は下記のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。なお、本表作成に際しては経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告に影響を与える見積りが必要ですが、この判断及び見積りには過去の実績を勘案するなど、可能な限り合理的な根拠を有した基準を設定した上で実施しております。しかしながら、事前に予測不能な事象の発生等により実際の結果が現時点の見積りと異なる場合も考えられます。
当社グループの連結財務諸表で採用した重要な会計上の見積り及び見積りに用いた重要な仮定は、第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表]の[注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表]の[注記事項](重要な会計上の見積り)に記載しております。
当連結会計年度末の流動比率は365.6%、前連結会計年度末に比べ3.8ポイント増加、当座比率は252.4%、前連結会計年度末に比べ 2.3ポイントの増加となりました。主な理由は下記のとおりであります。
資産は、前期末に比べ12,057百万円の増加となりました。現金及び預金の増加16,310百万円、商品及び製品の増加2,935百万円、リース資産の増加916百万円、退職給付に係る資産の増加4,248百万円、受取手形及び売掛金の減少8,046百万円、原材料及び貯蔵品の減少1,662百万円、建物及び構築物の減少1,762百万円、機械装置及び運搬具の減少813百万円、工具、器具及び備品の減少615百万円、投資有価証券の減少2,140百万円等によるものであります。
負債は、前期末に比べ4,368百万円の増加となりました。支払手形及び買掛金の増加714百万円、未払費用の増加710百万円、未払法人税等の増加580百万円、未払消費税等の増加830百万円、長期リース債務の増加871百万円、繰延税金負債の増加622百万円、短期借入金の減少861百万円等によるものであります。
なお、有利子負債残高は10,215百万円、デット・エクイティ・レシオは0.04倍となりました。
当連結会計年度の売上高は、300,406百万円(前期比3.9%増、11,269百万円増)となりました。
これをセグメントごとに分析すると、当社グループの主力事業である化粧品事業及びコスメタリー事業の売上高がそれぞれ240,450百万円(同2.3%増、5,481百万円増)、57,656百万円(同10.4%増、5,422百万円増)となりました。その他の事業の売上高は2,299百万円(同18.9%増、366百万円増)となりました。
当連結会計年度の売上原価は、89,209百万円(前期比6.7%増、5,588百万円増)となりました。
販売費及び一般管理費は、195,211百万円(同6.4%増、11,815百万円増)となりました。販売費及び一般管理費の売上高比率は1.6ポイント増加いたしました。
当連結会計年度の営業外損益は、4,266百万円の利益(前期比32.0%減、2,007百万円減)となりました。当連結会計年度は為替差益1,978百万円(同54.0%減、2,328百万円減)を計上しております。
当連結会計年度の特別損益は、745百万円の損失(前期比41.7%増、219百万円増)となりました。事業整理損336百万円を特別損失に計上しております。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より11,605百万円増加し105,669百万円(前年比12.3%増)となりました。当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
当社グループは「VISION 2026」実現に向け、生産設備の新設及び更新、新規市場進出のための投資、デジタルトランスフォーメーション推進への投資などを実施してまいります。それぞれの投資のタイミングにつきましては、資金残高及び資金調達のバランスを検証し、優先順位をつけて実施してまいります。
自己資金による事業運営、設備投資、株式投資、配当などを行っておりますが、金融機関とは28,000百万円のコミットメントラインを締結しており、事業運営上必要な投資などへの資金につきましては、外部調達も可能となっております。
当社グループの財務状況、安定した業績については、金融機関及び金融市場からの評価は高く、自己資金が不足した場合においても外部調達は可能と判断しております。
利益配分につきましては安定配当を基本としておりますが、今後の事業拡大のための内部資金の確保に配慮しつつ、財政状態、業績、配当性向などを勘案し、配当金額を決定しております。
化粧品市場においては、国内外におけるEコマース売上規模の拡大などにより回復基調にありますが、一部地域の景気回復の遅れ、競争環境の激化に加え、8月の福島原発処理水の海洋放出が、トラベルリテール事業の売上に大きく影響を与えました。
今後につきましては、各国の中央銀行による金融引き締めの影響に加え、緊迫した中東情勢やウクライナ紛争の長期化が、経済活動の重しとなることが予測され、市場変化に対するタイムリーな対応の成否が、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすことが想定されます。
当社グループの資金調達の状況につきましては、事業継続に必要と考える資金は確保していると認識しております。
今後の資金使途につきましては、内部留保により財務体質の強化を図る一方、設備投資やM&Aに取り組むことで将来のキャッシュ・フローの創出につなげ、資本効率の向上を図ってまいります。また、一時的な余剰資金の運用につきましても、安全性を第一に考慮し運用商品の選定を行ってまいります。
当社グループは、売上高営業利益率、総資産事業利益率(ROA)及び自己資本当期純利益率(ROE)の向上を重要な経営指標としております。総資産事業利益率(ROA)及び自己資本当期純利益率(ROE)の前連結会計年度、当連結会計年度推移と「VISION 2026」でのそれぞれの目標に対する進捗については、以下のとおりです。
当連結会計年度は全て前連結会計年度を下回りました。その要因は、経営成績が前連結会計年度を下回ったことによります。当連結会計年度における各重要な経営指標につきましては、第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況で述べたとおりであります。
(注) 総資産事業利益率=(営業利益+受取利息・配当金)/総資産(期首期末平均)×100
自己資本当期純利益率=親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本(期首期末平均)×100
セグメント資産は、現金及び預金の増加3,579百万円、売掛金及び受取手形の減少5,658百万円、棚卸資産の増加3,688百万円、有形固定資産の減少1,805百万円、無形固定資産の減少397百万円、退職給付に係る資産の増加4,248百万円等により、前連結会計年度末に比べ4,397百万円増加の248,070百万円となりました。
セグメント資産は、現金及び預金の増加4,700百万円、売掛金及び受取手形の減少2,277百万円、棚卸資産の減少1,817百万円、有形固定資産の減少990百万円等により、前連結会計年度末に比べ457百万円減少の43,454百万円となりました。
セグメント資産は、現金及び預金の増加485百万円、売掛金及び受取手形の減少93百万円等により、前連結会計年度末に比べ360百万円増加の4,108百万円となりました。
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績につきましては、第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b. 経営成績で述べたとおりであります。