E01049 Japan GAAP
当社グループに関する財政状態、経営成績の分析及び検討内容は下記のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間(2024年1月1日から2024年3月31日まで)における日本経済は、緩やかな回復基調であったものの、一時的な足踏みが見られました。雇用・所得環境の改善に加え、円安を背景としたインバウンド需要が順調に回復する一方、コロナ禍明け後のサービス需要の回復が一巡し、物価高による実質賃金の低迷により、個人消費が弱含みました。また、海外経済の減速により、輸出の増加に一服感が出たことや、人手不足の深刻化による供給面の制約が、不安材料となりました。
当社グループが主に事業展開しているアジア・米国経済においては、中国では、消費回復の弱さや不動産不況の継続により、成長率は鈍化傾向にあります。それ以外のアジア経済では、底堅い内需や輸出の回復により、総じて堅調に推移いたしました。
米国においては、高止まりする市場金利や、インフレによる景気後退の懸念は残るものの、良好な雇用環境が下支えし、個人消費は底堅く推移いたしました。
日本の化粧品市場においては、百貨店、化粧品専門店だけでなくドラッグストアなどのマス市場を含めて着実に回復しており、インバウンドの増加も、化粧品需要の回復を後押しいたしました。
アジアの化粧品市場においては、中国では、景気回復の遅れや消費者の節約志向の高まりに加え、競争激化による厳しい事業環境が続いております。
それ以外のアジア各国については、一部地域では弱さがみられるものの、全体では回復基調となりました。
米国の化粧品市場は、底堅い個人消費に支えられ、売上高は順調に伸長いたしました。
このような市場環境の中、当社グループは中長期ビジョン「VISION2026」を推進しており、「世界で存在感のある 企業への進化」を目指し、グローバルな事業展開の促進、事業領域および顧客層の拡大、デジタルコミュニケーションの強化、成長を支える経営基盤の構築に取り組んできました。
なお、約3年に及ぶコロナ禍の影響により、中国市場をはじめ、国内外の事業環境が大きく変化いたしました。これを踏まえ、当社グループは次期ビジョンの策定に取り組んでおり、今年度のできるだけ早い時期に開示する予定です。
当第1四半期連結会計期間末の流動比率は386.0%、当座比率は258.5%、前連結会計年度末に比べそれぞれ20.4ポイント、6.1ポイントの増加となりました。主な理由は下記のとおりであります。
資産は、前連結会計年度末に比べ2,034百万円の増加となりました。受取手形及び売掛金の増加4,951百万円、商品及び製品の増加3,507百万円、仕掛品の増加846百万円、原材料及び貯蔵品の増加2,376百万円、リース資産の増加576百万円、繰延税金資産の増加675百万円、現金及び預金の減少8,913百万円、建物及び構築物の減少418百万円、機械装置及び運搬具の減少315百万円、投資有価証券の減少384百万円等によるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ3,259百万円の減少となりました。支払手形及び買掛金の増加1,590百万円、電子記録債務の増加1,383百万円、返金負債の増加806百万円、未払金の減少5,472百万円、未払消費税等の減少648百万円等によるものであります。
なお、有利子負債残高は10,661百万円、デット・エクイティ・レシオは0.04倍となりました。
当第1四半期連結累計期間における当社グループの業績については、中国において減収となりましたが、日本では全てのセグメントにおいて売上が伸長いたしました。加えて、欧米を中心に展開する「タルト」が実績を牽引したことにより、売上高は前年同期比13.8%増の77,583百万円(為替の影響を除くと前年同期比9.9%増)となり、連結売上高に占める海外売上高の割合は37.1%となりました。
利益については、利益率の高い中国のトラベルリテール事業が減収となりましたが、日本とタルトにおいて大幅に増収し、原価率および販管費率が低下した結果、営業利益は7,902百万円(前年同期比35.5%増)となりました。経常利益は、為替差益の増加により10,282百万円(同54.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は6,943百万円(同78.1%増)となりました。
a.化粧品事業
化粧品事業では、ハイプレステージにおいて「コスメデコルテ」が日本国内で引き続き好調に推移いたしましたが、中国において減収となりました。それ以外のブランドでは、㈱アルビオンの「エレガンス」が大きく伸長し、メイクアップブランドの「ジル スチュアート」が堅調に推移いたしました。欧米で展開する「タルト」は、主力商品のコンシーラーや新商品のリップ、マスカラ等で売上を伸ばしました。
プレステージでは、主力ブランドの「雪肌精」、「ONE BY KOSÉ」および「エスプリーク」も前年同期比で大幅に増収いたしました。
これらの結果、化粧品事業の売上高は62,164百万円(前年同期比11.2%増)となり、営業利益は6,816百万円(同5.5%増)となりました。
b.コスメタリー事業
コスメタリー事業においては、コーセーコスメポート㈱の「ソフティモ」、「クリアターン」等が順調に推移し、また「ヴィセ」および「メイク キープ シリーズ」が好調であったため、売上高は14,808百万円(前年同期比25.9%増)、営業利益は2,306百万円(同385.8%増)となりました。
c.その他
その他の事業は、ホテルやゴルフ場向けアメニティ製品の販売やOEM生産の受注が増加したため、売上高は610百万円(前年同期比18.2%増)となりましたが、営業利益はマーケティングコストの増加により、145百万円(同25.2%減)となりました。
当社グループの資金調達の状況につきましては、事業継続に必要と考える資金は確保していると認識しております。
今後の資金使途につきましては、内部留保により財務体質の強化を図る一方、設備投資やM&Aに取り組むことで将来のキャッシュ・フローの創出につなげ、資本効率の向上を図ってまいります。また、一時的な余剰資金の運用につきましても、安全性を第一に考慮し運用商品の選定を行ってまいります。
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
当第1四半期連結累計期間に支出した研究開発費の総額は1,578百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第1四半期連結累計期間において、前連結会計年度末に計画した重要な設備の新設、除却等について、重要な変更はありません。また、新たに確定した重要な設備の新設、拡充、改修、除却、売却等の計画はありません。
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更はありません。