プレミアアンチエイジング株式会社

上場日 (2020-10-28) 
ブランドなど:DUOCANADEL(カナデル)ザ クレンジングバームクレイエンス
化学化粧品グロース

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E36046 Japan GAAP

売上高

264.0億 円

前期

339.1億 円

前期比

77.9%

時価総額

69.7億 円

株価

799 (04/25)

発行済株式数

8,720,534

EPS(実績)

-84.17 円

PER(実績)

--- 倍

平均給与

723.9万 円

前期

695.9万 円

前期比

104.0%

平均年齢(勤続年数)

39.5歳(2.3年)

従業員数

217人(連結:252人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループはアンチエイジングを軸に、スキンケア、ヘアケア、インナーケア、リカバリーウェアなどの

複数のブランドを展開しています。これらのブランドを、創業時より注力している主力の通信販売に加え、全国のバラエティストアを皮切りに販路を拡大した卸売販売、現在、推進中の海外展開等、複数のチャネルで販売しています。なお、当社グループは化粧品の製造・販売事業とその他の事業を行っておりますが、その他の事業については金額的な重要性が乏しいため、セグメント情報の記載はしておりません。

 

1.取扱いブランド及び製品

(1) 「デュオ」ブランドシリーズ

(a) ブランドコンセプト

 肌細胞が本来持つ自己回復力。まずそれを養わなければ、美は長続きしません。肌にとって自然であること。科学に基づいた先端技術。どこまでも求める、やさしさと強さ。デュオは、この2つの高次元バランスの融合でアプローチします。だから実現しました。美の土台力が、違う。一生輝きつづけたいあなたへ。いま、肌に眠っていた美が、再び動き出します。

(b) 取扱い製品

 「ザ クレンジングバーム」シリーズは、クレンジング売上4年連続No.1※1を達成し、当連結会計年度における「デュオ」ブランドの売上構成比は65%を占めております。

※1 TPCマーケティングリサーチ(株)によるクレンジングブランド別シェアランキング調査(対象期間:2019年4月~2023年3月/調査時期2023年6月)

 主な製品ラインナップは次のとおりです。

区分

製品種別

製品名

スキンケア

クレンジング

ザ クレンジングバーム

 

 

ザ クレンジングバーム クリア

 

 

ザ クレンジングバーム ホワイトa

 

 

ザ 薬用クレンジングバーム バリア

 

 

ザ クレンジングバーム ブラックリペア

 

 

ザ クレンジングバーム ホットa

 

洗顔料

ザ ブライトフォーム

 

 

ザ ホワイトクレイクレンズ

 

 

ザ リペアバー

 

 

ザ ウォッシュ ブラックリペア

 

 

ザ 薬用バイタルバリア ウォッシュ

 

 

ザ ブライトフォーム BK

 

先行型美容液

ザ エッセンス セラム

 

 

ザ ブラックリペア セラム

 

 

ザ 薬用バリアレスキュー

 

先行型美白美容液

ザ 薬用ホワイトレスキュー

 

ミスト状美容液

ザ オイルミルクミスト

 

化粧水

ザ リブーストローション

 

 

ザ コンディショニングローション

 

日焼け止め乳液

ザ デイエマルジョン

 

夜用美容乳液

ザ ナイトエマルジョン

メイク

化粧下地/ファンデーション

ザ セラムBB

 

 

ザ リタッチコントロール

 

 

ザ スキンコントロール

 

フェースパウダー

ザ ヌードパウダー

ヘアケア

シャンプー

ザ インナーリペア シャンプー

 

トリートメント

ザ インナーリペア トリートメント

クリーム

クリーム

ザ クリームb

 

 

ザ 薬用レスキューバーム

家庭用美顔器

家庭用美顔器

ザ ディープ クレンズ ピーラー

 

(2) 「カナデル」ブランドシリーズ

(a) ブランドコンセプト

 毎日の食事も、服も、メイクも。私がイキイキと輝いていられるものが欲しい。自分の目を信じて、本当に私が必要なものだけを選ぶ。そんな出会いにポジティブな大人の女性のブランド、カナデル。確かなエビデンスに支えられた、こだわりの素材と成分で、素肌に、髪に、生き方に、次々と驚きのアプローチを仕掛けていきます。

(b) 取扱い製品

 2019年4月に誕生した高機能エイジングケアブランドであり、忙しい毎日を前向きに生きる現代女性のライフスタイルを考えた製品を提案していきます。

 主な製品ラインナップは次のとおりです。

区分

製品種別

製品名

スキンケア

オールインワン

プレミアリフト

 

 

プレミアホワイト

 

 

プレミアゼロ

 

 

プレミアバリアフィックス

 

 

プレミアバランサー

 

目元用クリーム

エフェクト アイクリーム

 

家庭用美顔器

ビューティートレーナー

 

(3) 「シトラナ」ブランドシリーズ

(a) ブランドコンセプト

 独自のアンチポリューション機能により、肌あれを引き起こす乾燥や大気汚染、汚れなどによる外的刺激から、肌を守り、オリジナル配合のシカ成分により、ダメージを受けた肌を整え、未来のなりたい肌へと導いていきます。

(b) 取扱い製品

 2020年9月に、鎮静効果に優れたシカ成分を全製品に配合し、敏感肌ケアに着目した「シトラナ」ブランドの販売を開始いたしました。

 主な製品ラインナップは次のとおりです。

区分

製品種別

製品名

スキンケア

クレンジング

シカプロテクト クレンジングバーム

 

美容液

シカリペア エッセンス

 

 

(4) 「クレイエンス」ブランドシリーズ

(a) ブランドコンセプト

 多忙な現代女性たちを、髪の悩みから解放したい。クレイエンスが目指したのは、古くから美容に用いられるクレイの秘めた力と手軽なケアで「美しい髪」と「健やかな地肌」の美しさを育む、まったく新しいヘアケアの形です。流行や他人の評価ではなく、自分自身が良いと思える自分に出会う。まさに、本当の自分“自信”をはじめるために。毛髪診断士がこだわりを持って開発したブランド、それがクレイエンスなのです。クレイとサイエンスのチカラを掛け合わせた「クレイスパメソッド」をコンセプトに、すべての女性を髪と地肌の悩みから解放してゆきます。

(b) 取扱い製品

 2022年3月に、デュオ、カナデルから得たブランド育成ノウハウを水平展開し、白髪に悩む若年層をターゲットにしたホームヘアケアブランドとして「クレイエンス」ブランドの販売を開始いたしました。

 主な製品ラインナップは次のとおりです。

区分

製品種別

製品名

ヘアケア

カラーケアシリーズ

クレイスパ クイックカラー

(アーモンドキャラメル、ダークモカ、シアーアッシュの3カラー)

 

 

クレイスパ カラートリートメント

(キャラメルブラウン、モカブラウン、アッシュブラウンの3カラー)

 

 

クレイスパ カラーケアシャンプー

 

 

クレイスパ マスクリペア&カラーキープ

 

 

クレイスパ リペアカラーオイル

 

スカルプケアシリーズ

クレイスパ 薬用スカルプシャンプー

ボリュームケア

 

 

クレイスパ 薬用リペアトリートメント

ボリュームケア

 

 

クレイスパ 薬用育毛剤 ヘアグロウ

 

(5) 「デュオメン」ブランドシリーズ

(a) ブランドコンセプト

 スキンケアは今、オトコの投資の最優先事項です。社会がどれだけ変わっても、己を磨き、意識を高め、備えた自信は、無限の可能性に挑むための糧となります。ディールの成否を分かつ鍵は、ケアした分だけしっかりとリターンを感じられるアイテム選びができるかどうかです。デュオメン。整う肌コンディションに、溢れる自信。醸し出す余裕は、顔つき、第一印象にまで変化をもたらします。たった2ステップで完成する、スキンケアの新しい選択肢。使うほどに生まれる肌への信頼は、未来の自分さえ変えてゆきます。オトコのDUOは、運命を黙って受け入れるのではなく、自分で切り拓く人のために生まれたツールです。肌に投資する。変わる未来が今、はじまります。

(b) 取扱い製品

 2022年4月に、「美は肌もとから再動する」デュオブランドのコンセプトはそのままに、忙しい日々を過ごすすべての男性が日々のスキンケアを楽しく続けられるよう、簡単ステップでもしっかり効果が実感できる男性スキンケアブランドとして「デュオメン」ブランドの販売を開始いたしました。

 主な製品ラインナップは次のとおりです。

区分

製品種別

製品名

スキンケア

洗顔料

ザ ウォッシュバーム

 

化粧水

ザ オールインワンローション

 

 

ザ 薬用オールインワンジェル

 

日焼け止めジェル

ザ UVプロテクター

 

シャンプー

ザ 薬用オールインワンシャンプー

 

(6) 「シントー」ブランドシリーズ

(a) ブランドコンセプト

 「飲み続けていれば、いつか良さがわかるはず」「買ってみたけれど、実は半信半疑」多くの健康食品やサプリメントが巷にあふれる今、そこに寄せる期待と信頼は、少しだけ揺らいでいるのではないでしょうか。その不安に対して私たちがたどり着いた、ひとつの答え。それが、SINTO(シントー)です。体感こそサプリメントの本質であるとの考えから、医療現場と同様のDDS(ドラッグデリバリーシステム)技術を採用。徹底的に成分の“体感”にこだわり、“浸透”という領域から、カラダと成分の関係性を一新することを目指しました。高配合だから感じる。高吸収だから届く。サプリメントの概念を“深化”させたSINTO(シントー)だからこそ、ポジティブにエイジングを楽しめるのです。信頼と期待のその先まで。あなたの毎日にSINTO (シントー)は、浸透します。

(b) 取扱い製品

 2023年1月に、体感こそサプリメントの本質であるとの考えから、医療現場と同様のDDS技術を採用。徹底的に成分の“体感”にこだわり、“浸透”という領域から、カラダと成分の関係性を一新することを目指します。配合量(高配合)と、高吸収・高浸透型(リポソーム化)で高い体感性を追求したエイジングを楽しむ大人に向けたヘルスケアサプリメントとして販売を開始いたしました。

 主な製品ラインナップは次のとおりです。

区分

製品種別

製品名

機能性表示食品

サプリメント

SINTO リポソーム NMN

 

 

SINTO リポソーム ビタミンC

 

(7) 「エックス」ブランドシリーズ

(a) ブランドコンセプト

 理想の自分とは、どんな自分でしょうか?健康的なライフスタイルを楽しみ、自分に自信が持てて、うらやましい、あこがれる!と周囲から称賛を受ける自分。そんな理想への道のりを阻んでいるもののひとつは、“体脂肪”かもしれません。機能性表示食品ブランド“X series®”は、日本初のメカニズムや特許取得成分から生まれたサプリメントです。自分の体と向き合い、理想とその先をめざすあなたに、ライフスタイルで選べる<X2 BURN®> と<X4 SLIM®>をご用意しました。あなたを助ける2つの“X”が、まだ見ぬ世界を切り拓いてくれるでしょう。

理想に近づく喜びを、あなたも”X series®”で体感して下さい。

(b) 取扱い製品

 2023年2月に、理想的なカラダづくりのサポートを目指し、日本健康・栄養食品協会が認定する食品健康指導士のリードのもと、誕生しました。「運動を取り入れたい方」と、「食生活を改善したい方」の2つのスタイルに合わせた最適なサプリメント(機能性表示食品)として販売を開始いたしました。

 主な製品ラインナップは次のとおりです。

区分

製品種別

製品名

機能性表示食品

サプリメント

エックストゥー バーン®

 

 

エックスフォー スリム®

 

 

 

(8) 「シーマニア」ブランドシリーズ

(a) ブランドコンセプト

 C+mania(シーマニア)が目指したのは、「優れたビタミンCにさらに磨きをかけた、今までにない速攻型」のスキンケア。無限大の可能性を秘める美肌の実力成分ビタミンC。真の魅力を引き出すには高い技術力の追求が欠かせません。そんなビタミンCの虜となったマニアが集結し、たどり着いた答えは、優れたビタミンCを輝かせる究極のレシピ“足し算美容”。史上最高レベルの濃さ*1と効果を追求して厳選したビタミンCにサポート成分ビタミンBを足し合わせることで、Cだけで終わらない“超ビタミンC+*2”を生み出しました。どっぷり濃い*3ビタミンCと心地よい香りで毎日のスキンケアがもっと楽しくなります。あなたも、きっとC+maniaの虜になるはずです。

*1 当社比(パワーセラムC+30)

*2 [薬用パワークリアC+] アスコルビン酸、ニコチン酸アミド、D-パントテニルアルコール(整肌成分)[薬用パワーセラムC+5] ナイアシンアミド、D-パントテニルアルコール(有効成分)、3-O-エチルアスコルビン酸(整肌成分)[パワーセラムC+30] 3-O-エチルアスコルビン酸、ナイアシンアミド、パンテノール(整肌成分)

*3 成分1gあたりのアスコルビン酸含有量

(b) 取扱い製品

 2023年8月に、ハリ不足やキメの乱れなどにマルチな効果が期待できる厳選したビタミンCと、相性の良いビタミンBを配合し、あらゆる年齢層の肌悩みに対して、より効果を実感いただける高濃度ビタミンスキンケアブランドとして販売を開始いたしました。

 主な製品ラインナップは次のとおりです。

区分

製品種別

製品名

スキンケア

美容液

薬用パワーセラムC+5

 

 

パワーセラムC+30

 

洗顔料

薬用パワークリアC+

 

(9) 「ベネクス」ブランドシリーズ

(a) リカバリーウェアとは

 当社は、2023年1月、リカバリー市場におけるパイオニアとして、リカバリーウェアの開発・製造・販売を推進している株式会社ベネクスを買収しました。ベネクスは、「人間が本来持っている自己回復力を最大限に発揮させること」をコンセプトに、休養時専用ウェアを提案しています。独自開発の特殊繊維「PHT(Platinum Harmonized Technology)」と、体を締め付けないノンコンプレッションデザインにより、身に着けるだけで上質な休養をサポートします。

(b) 取扱い製品

 健康のための3大要素は「運動」「栄養」「休養」と言われています。ベネクスはそのうちの「休養」に着目。 休養が不足しているすべての人に、積極的休養である「リカバリー」を届けたいという一心で、休養を科学し、リカバリーウェアを作り続けています。

 主な製品ラインナップは次のとおりです。

区分

製品種別

製品シリーズ名

リカバリーウェア

リカバリーウェア

スタンダードドライ

 

 

スタンダードライト

 

 

リフレッシュ

 

 

リチャージ+

 

 

コンフォートクール

 

 

コンフォートタッチ

 

 

コンフォートヒート

 

 

コンフォートポンチセットアップ

 

 

リカバリーパジャマニットサッカー

 

 

リカバリーパジャマタッチ

 

 

リカバリーパジャマヒート

 

 

リカバリージャージ

 

 

リカバリーヨガウェア

 

 

おうちインナー

 

 

(10) 「コー」ブランドシリーズ

(a) ブランドコンセプト

 コーは“AII Wellness”をコンセプトに、国、性別、人種を超えて、あらゆる人たちの健康をサポートします。ウェルネスの重要要素として、エンド・カンナビノイド・システムとサーカディアンリズムに着目。全製品にCBDと、サーカディアンリズムの不調緩和に寄与するボタニカルエキスを配合。私たちが持つエンド・カンナビノイド・システムへの作用及び体内リズムの不調緩和が期待されます。

(b) 取扱い製品

 2022年7月に、子会社のプレミア・ウェルネスサイエンス株式会社から、CBD(カンナビジオール)をコア成分とする新ブランドとして販売を開始いたしました。

 主な製品ラインナップは次のとおりです。

区分

製品種別

製品名

サプリメント

サプリメント

CBDサーカディアンサプリメント

ボディケア

ボディ用マッサージクリーム

サーカディアンボディバーム

 

ボディ用パック

サーカディアンフェムパッチ

 

(11) 「レインカ」ブランドシリーズ

(a) ブランドコンセプト

 レインカは“SKIN & SENSE サイエンスの力で、肌と感性の源に向きあう”をコンセプトに、先進皮膚研究から生まれた肌の細胞ケアと、身体感覚の心地よさを追求した五感ケアを提唱します。

(b) 取扱い製品

 2022年9月に、子会社のプレミア・ウェルネスサイエンス株式会社から、先進皮膚研究から生まれた幹細胞培養エキス「ENGY ステムS」をコア成分とする新ブランドとして販売を開始いたしました。

 主な製品ラインナップは次のとおりです。

区分

製品種別

製品名

スキンケア

クレンジング

リズムトリートメント

デュアルリペアクレンジング

 

泡状洗顔料

リズムトリートメント

ムースウォッシュ

 

ローション状化粧液

ステムトリートメント

ローションセラム

 

美容液

ステムトリートメント

デュアルリペアセラム

 

シート状美容液

ステムトリートメント

ニードルセラム

 

 

2.事業モデル

 当社グループ製品は、(1)通信販売、(2)卸売販売、及び(3)その他の3つのチャネルで販売しております。

 

(1) 通信販売

 当社が創業時から取り組んでおります主力の販売形態であり、当連結会計年度における当該販売チャネルの売上構成比は、69.3%となっております。

 当社は、自社ECサイトにおいて自社製品の販売を行っており、その販売手法は、1回の注文ごとに購入していただく「都度販売」に加えて、一定の間隔で同様の製品を継続的にお客様にお届けする「定期販売」の2つを用意しております。この定期販売の手法は、発送や決済処理が定期化することで事務作業が効率化できることや、安定した売上を確保することができるストック型のビジネスモデルであると考えております。加えて、お客様に対しても、都度商品を購入する手間が省けることや都度購入より割安に購入できる等のメリットを提供することを狙い、定期販売を行っております。当社の定期販売は通信販売売上高の大半を占めております。

 新規のお客様の獲得手法につきましては、インターネット広告を主軸に、雑誌や、TVCMなど、各種メディアをミックスさせ、効率的に行っております。尚、広告につきましては、売上高の32.6%(当連結会計年度実績)を投じておりますが、その大半は成功報酬形式による支出となるため、実質的に売上高の変動費として位置付けられ、費用対効果を確保した上でコントロールすることが可能となっております。また、当社通信販売において過去、一度でも都度購入または定期購入実績のあるお客様の総アカウント数は2023年7月末時点で約380万件まで増加しております。

 また、定期的なメールマガジンの送付などにより、休眠中のお客様の掘り起こしにつなげたいと考えております。

 

(2) 卸売販売

 2011年10月から、販売チャネルの強化として化粧品卸売業者と代理店契約を締結し、バラエティショップをはじめとした小売店への販売を開始いたしました。2018年10月には、卸売販売専用の部署を新設し、チャネル拡大を積極的に進めた結果、当連結会計年度には当該販売チャネルの売上構成比は、21.4%となっております。卸売業者経由で商品を配荷している小売店の数は、2023年7月時点において約18,000店まで拡大しております。

 

(3) その他

 卸売販売以外に、Amazonを筆頭としたEC店舗に出店することで小売りとしての販売も行っております。また、日本の化粧品への消費者ニーズを捉え、中国においては「デュオ」ブランドを越境ECにより販売するとともに、販売代理店を経由して、中国、台湾、香港、韓国、東南アジア等への販売を行っております。なお、2023年1月にリカバリーウェアの開発・製造・販売を推進している株式会社ベネクスを買収し、第3四半期連結累計期間よりリカバリー事業に関する売上高をその他に含めています。当連結会計年度における当該販売チャネルの売上構成比は9.3%となっております。

 

3.当社通信販売の特徴

 通信販売市場は、スマートフォンの普及や決済方法の増加に伴い、年々拡大しておりますが、市場の拡大とともに競争環境も激化しております。このような環境下において、当社成長の原動力となった特徴は次のとおりです。

 

(1) 商品提案力

 当社主力製品である「ザ クレンジングバーム」が属するクレンジング市場において、従来は、クレンジング剤型別のシェアではオイル、ジェル、クリームが主力でありました。

 クレンジングは、「肌へのやさしさ」と「洗浄力の高さ」の2つの要素を両立することが求められます。そこで、新たなバームという剤型を提案し、クリームのような厚みで肌にやさしく、肌の体温で徐々にメイクが溶け出すことが特徴の「ザ クレンジングバーム」を開発しました。

 デュオに続く第2のブランドとして育成中のカナデルは、肌の悩みが変化する大人世代に向けて2019年4月に誕生した高機能エイジングケアブランドです。忙しい現代女性の時短ニーズに着目したオールインワン化粧品として着実に成長しております。また、2022年3月には、白髪の悩みへの対策と毛髪科学からのエイジングサインへのアプローチに着目し、「カラー」を香りと共に楽しみながら「美しい髪」と「健やかな地肌」へ整えるクレイスパ発想の新しいヘアケアブランドとして「クレイエンス」を発売いたしました。

 このように、お客様のご要望にお応えする商品を提案することで、成長を続けております。

 

(2) マーケティング力

 近年は、良いものが必ずしも売れるとは限らなくなってきており、マーケティングは商品開発と同様に当社が注力している領域となっております。その中でも、デジタルマーケティングの領域は、あらゆる行動が数値で可視化されることで投資対効果が明確となり、迅速な意思決定が可能となります。当社は、創業以来デジタルマーケティングに積極的に取り組むことにより、そのノウハウを蓄積してまいりました。2018年よりTVCMを開始し、デジタルマーケティングの領域を引き続き強化しつつも、それ以外のTVや紙媒体など複数のメディアをミックスすることによる相乗効果の創出を目指し、マーケティング活動を実践しております。

 

(3) コールセンターの一部内製化

 当社では、コールセンター業務はお客様と直接コミュニケーションができる重要な接点であるという位置付けから、大部分の業務は専門業者に委託する一方で、自社においてもその業務の一部を担っております。業務を担うことで蓄積されたお客様からのニーズは、既存商品のリニューアルや新規商品の開発におけるマーケティングに活用しております。そのためにお客様からの問い合わせに対する待ち時間を一定時間内にコントロールすることによる「応答率」※1の向上を目標に掲げ、業務の繁閑を踏まえた応対要員数の最適化に向けた取り組みを進めております。

 また当社では、お客様満足度の更なる向上をはかるため、当社コールセンター部門には、業務経験が豊富なスタッフに加え、エステティックに関する資格を有したスタッフも在籍しており、お問い合わせ頂いたお客様に対してプラスアルファの提案をすることができる「美容相談窓口」となることを目指しております。また、お客様とのコミュニケーションを通じて、お客様の不満や悩みを解消することにより、解約を思い留まっていただくお客様も多く、「継続アドバイス率」※2を目標として設定し、管理しております。

 当該専門性の高いスタッフとお客様との対話の中で生まれた成功事例は具体的なマニュアルに落とし込み、委託先コールセンターとも共有することで、コールセンター全体の対応品質の向上に結び付けているのも、当社が一部の業務を担っているからこそ実現できている特徴であります。

 

※1 応答率=電話にて応答したお客様の人数/電話にてお問合せをされてきたお客様の人数

※2 継続アドバイス率=アドバイスにより定期を継続された及び定期の解約をお申し出された翌月にお届けする商品の受け取りを了承いただけたお客様の人数/定期の解約をお申し出されたお客様の人数

 

(4) 外部リソースの活用

 事業の運営にあたり、限られた経営資源はコア業務に集中すべきであるという考えから、商品設計、マーケティング並びにコールセンターの一部については自社で対応する一方で、製品製造業務、物流業務、決済業務などについては外部の専門業者に委託しております。また、外注化により、景気の変動、業務量の増減、業務期間の変化など、経営環境の変化に対しフレキシブルな対応や意思決定ができることも当社事業の特徴となっております。

 

4.定期売上高比率

 通販売上では、一度定期商品を購入頂ければ長期間安定して購入して頂ける「定期販売」による売上高をどの程度積み上げられるかが、経営を安定させる上で、非常に重要と考えております。現時点において、各月売上高の大半は、都度購入を除いた追加での広告宣伝費を要しない既存定期顧客による売上高で占められております。

 

[事業系統図]

 以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。

※画像省略しています。

(注)その他(海外販売等)については、業績に与える影響は僅少であるため、事業系統図への記載を省略しております。

23/10/30

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して165,384千円減少し、12,135,063千円となりました。主な増減要因は、次のとおりであります。

 流動資産は、前連結会計年度末と比較して2,287,207千円減少し、9,229,725千円となりました。これは主に、製品の減少2,320,135千円によるものです。

 固定資産は、前連結会計年度末と比較して2,121,823千円増加し、2,905,337千円となりました。これは主に、ソフトウエア仮勘定の増加475,976千円、のれんの増加394,052千円、特許権の増加205,518千円、敷金の増加449,184千円、繰延税金資産の増加437,324千円によるものです。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末と比較して573,223千円増加し、4,525,650千円となりました。主な増減要因は、次のとおりであります。

 流動負債は、前連結会計年度末と比較して204,104千円減少し、3,016,436千円となりました。これは主に、未払金の減少397,190千円、短期借入金の増加178,000千円によるものです。

 固定負債は、前連結会計年度末と比較して777,327千円増加し、1,509,213千円となりました。これは主に、長期借入金の増加665,313千円によるものです。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比較して738,607千円減少し、7,609,413千円となりました。これは主に利益剰余金の減少733,974千円によるものです。

その結果、自己資本比率は62.7%となりました。

 

② 経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、経済活動の正常化が徐々に進み、景気は緩やかに回復しました。雇用・所得環境が徐々に改善する中、消費者マインドに持ち直しの動きが見られ、個人消費も回復傾向にあります。このような中、国内化粧品市場についても、5月からの新型コロナウイルス感染症の5類感染症への引き下げにより街中での人流が増加し、日本人、インバウンド向けともに回復が続いています。

 こうした状況下、当社グループは、設立以来「Uniqueであること」にこだわりを持ち、当社の強みである「商品企画力」「マーケティング力」に「チャネルミックスモデル」を組み合わせ、主力の化粧品事業の伸長を図るとともに、新たにインナーケア事業やリカバリー事業に進出するなど、アンチエイジングに関わる事業領域の拡大を推進してまいりました。

 ブランド別の状況は下記のとおりです。

 「デュオ」ブランドは、クレンジング売上4年連続No.1※1を達成しました。ディズニーとのコラボ商品「デュオ ザ マーメイド クレンジングバーム」やインバウンド需要の獲得を目指した新商品「デュオ ザ クレンジングバーム 抹茶」等を投入し、新規顧客の獲得を図るとともに、商品価値の理解を促進するコミュニケーションを通じ、新規及び既存顧客へのアプローチを強化してまいりました。しかしながら、クレンジング市場全体でバーム剤型からオイル剤型へのシフトが継続し、低価格バーム商品への流出も止まらないことから、売上高は通信販売・卸売販売ともに減少しました。

 「カナデル」ブランドは、オールインワン市場の競争環境が激化したものの、訴求力の高い医薬部外品の「プレミアバリアフィックス」や「プレミアホワイト」を中心に、前期比で着実に売上を伸ばしました。第4四半期には、「プレミアリフト」を医薬部外品化したリニューアル商品を卸売チャネルに加え通販チャネルに展開し、お客様のお肌の悩みやニーズに対応可能なラインナップが整いました。

 「クレイエンス」ブランドは、TVCM等のマスマーケティングを活用したメディアミックス戦略により認知度を高め、通信販売・卸売販売のチャネルを通じて、発売から約1年でカラートリートメント売上No.1※2を獲得し、年間売上高も20億円を上回るなど力強い成長を実現しました。足許では、医薬部外品の泡状白髪カラー「クレイスパクイックカラー」やスカルプケアシリーズのテストマーケティングを開始し、総合的なヘアケアブランドとしての育成を図っています。

 財務面では、売上高の減少や一部ブランドの撤退、海外事業の戦略見直しなどに伴い、一部の製品については売上が販売計画を下回り在庫が滞留しておりました。そのため、強固な財務体質を維持し、将来に向けた再成長の基盤を確固たるものとするべく、一部の製品の販売状況を勘案し、第3四半期に続き、第4四半期連結会計期間においても、棚卸資産評価損を計上いたしました。

 上記活動の結果、当連結会計年度における売上高は26,400,665千円(前期比7,511,237千円減)、営業損失は611,681千円(前期は営業利益2,414,318千円)、経常損失は631,229千円(前期は経常利益2,572,326千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は733,974千円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益1,424,422千円)となりました。

 

 なお、当社グループは化粧品の製造・販売事業とその他の事業を行っておりますが、その他の事業については金額的な重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

※1 TPCマーケティングリサーチ(株)によるクレンジングブランド別シェアランキング調査(対象期間:2019年4月~2023年3月/調査時期2023年6月)

※2 「ヘアカラートリートメントに関する調査」(ブランド別売上)TPCマーケティングリサーチ(株)調べ(対象期間:2022年7月~12月)

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、4,659,173千円(前連結会計年度末比1,696,005千円増)となりました。

 また、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は、2,422,540千円となりました。(前年同期は3,322,340千円の使用)主な収入の要因は、売上債権の減少1,174,676千円、棚卸資産の減少2,564,254千円、主な支出の要因は、法人税等の支払額760,763千円、未払金の減少435,814千円、仕入債務の減少223,287千円によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、900,970千円となりました。(前年同期は297,682千円の使用)主な収入の要因は、敷金保証金の回収による収入5,657千円、主な支出の要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出124,013千円、無形固定資産の取得による支出751,191千円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動により獲得した資金は、179,774千円となりました。(前年同期は501,623千円の獲得)主な収入の要因は、長期借入れによる収入500,000千円、主な支出の要因は、長期借入金の返済による支出484,926千円によるものです。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは化粧品の製造・販売事業とその他の事業を行っておりますが、その他の事業については金額的な重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。

セグメントの名称

金額(千円)

前年比(%)

化粧品の製造・販売事業

4,783,055

△45.3

合計

4,783,055

△45.3

 (注)1.金額は仕入価格によっております。

2.当社グループの生産実績の大半が提出会社によるものであるため、上記の金額は提出会社単独の金額を記載しております。

 

b.受注実績

 当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売チャネル別の販売実績は、次のとおりであります。

販売チャネル別

金額(千円)

前年比(%)

通信販売

18,316,307

△24.2

卸売販売

5,641,134

△32.7

その他

2,443,224

77.2

合計

26,400,665

△22.1

 (注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年8月1日

至 2022年7月31日)

当連結会計年度

(自 2022年8月1日

至 2023年7月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社井田両国堂

6,683,625

19.7

4,188,392

15.9

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しているとおりであります。

 

(棚卸資産)

 棚卸資産の連結貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法を採用しており、棚卸資産の評価に際して、その判定は個別品目ごとに行っております。営業循環過程から外れた棚卸資産については、収益性の低下の事実を適切に反映するため帳簿価額を処分見込価額まで切り下げております。

 営業循環過程から外れた棚卸資産の識別に用いた主要な仮定は、棚卸資産の滞留期間と将来における販売又は使用見込数量です。一定の滞留期間を超える棚卸資産は規則的に帳簿価額を切り下げております。また、一定の滞留期間を超過しない棚卸資産についても、将来の販売又は使用見込数量を超過する場合は当該超過分の帳簿価額を切り下げております。

 市場環境が悪化して、営業循環過程から外れた棚卸資産が大幅に増加した場合には、追加の評価損が発生する可能性があります。

 

(返金負債)

 返金負債の計上にあたっては、売上げた製品が品質上の欠陥等の理由で、返品される損失額を見積って計上しております。返金負債の見込額については、過去の返品実績を勘案の上、合理的に見積り判断しておりますが、実際の返品実績が見積りと異なる場合、返金負債の計上金額が変動する可能性があります。

 

(契約負債)

 契約負債の計上にあたっては、過去の使用実績率に基づき将来使用されると見込まれる金額を計上しております。契約負債の見込み額については、ポイントの使用実績率などから将来の使用見込率を合理的に見積り判断しておりますが、今後、使用実績率に影響を与える変化が生じた場合には、契約負債の計上金額が変動する可能性があります。

 

(繰延税金資産)

 繰延税金資産の計上にあたっては、将来の課税所得見込み及びタックスプランニングに基づき、繰延税金資産の回収可能性を検討しており、将来減算一時差異等のうち、将来の税金負担額を軽減する効果を有していると判断した部分についてのみ、繰延税金資産を計上しております。今後、課税所得が見込み通り発生しない場合には、繰延税金資産の回収可能性について再度検討する必要があり、その結果、繰延税金資産の取崩が必要となる場合があります。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

 売上高は前期比7,511,237千円減の26,400,665千円となりました。これは、訴求力の高い医薬部外品の「プレミアバリアフィックス」や「プレミアホワイト」が好調なオールインワン化粧品の「カナデル」ブランドや、総合的なヘアケアブランドとして育成を図っている「クレイエンス」ブランドが売上を伸ばしたものの、主力の「デュオ」ブランドにおいて、クレンジング市場全体でバーム剤型からオイル剤型へのシフトが継続し、低価格バーム製品への流出が止まらないことから、通信販売・卸売販売ともに売上が減少したことによるものです。

 

(売上原価及び売上総利益)

 売上原価は前期比125,171千円減の7,157,776千円となりました。売上原価は製品原価が大部分を占めて構成されております。当連結会計年度においては、売上高の減少に伴い売上原価も減少しましたが、財務体質の改善を目指した構造的な改革を推進するため棚卸資産の評価損を計上したことから、原価率は上昇しております。

 この結果、売上総利益は前期比7,386,065千円減の19,242,889千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費及び営業損益)

 販売費及び一般管理費は前期比4,360,065千円減の19,854,571千円となりました。これは主に売上高の減少及び棚卸資産の評価損を計上したことに伴い売上総利益が減少したことから、広告宣伝費を中心とした販売費及び一般管理費を抑制したことによるものです。なお、売上高に対する広告宣伝費8,598,927千円の比率は32.6%となり前期の38.1%から5.5ポイント減少しました。

 この結果、営業損失は611,681千円となりました。

 

(営業外損益及び経常損益)

 営業外収益は前期比150,831千円減の25,049千円となりました。これは主に前期に発生した為替差益がなくなったことによるものであります。また、営業外費用は前期比26,724千円増の44,597千円となりました。これは主に貸倒引当金を計上したことによるものであります。

 この結果、経常損失は631,229千円となりました。

 

(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純損益)

 特別損失は28,256千円となりました。これは主に減損損失を計上したことによるものです。また、法人税等については前期比1,073,416千円減の74,488千円となりました。

 この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は733,974千円となりました。

 

③ 財政状態の分析

 当社グループは、OEMを活用することで工場や研究施設等の設備を保有しない形で事業を運営しておりますので、固定資産の総資産に占める割合が比較的低く抑えられていることが特徴です。一方で、当連結会計年度においては、株式会社ベネクス買収に伴い、のれんや特許権等の無形固定資産が増加しております。

 財政状態の分析の詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」をご参照ください。

 

④ キャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末から1,696,005千円増加し4,659,173千円となりました。当社グループにおける広告宣伝費は、新規定期顧客を獲得するための投資に位置付けられる費用であり、投資額を回収するまでには一定の期間を要します。

 当社キャッシュ・フローの状況の分析の詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

⑥ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの運転資金需要の主なものは製造費用、販売費及び一般管理費に含まれる広告宣伝費、業務委託費であります。これらの運転資金につきましては内部資金または銀行からの借入により資金調達することとしております。また、一時的な資金の不足については当座貸越枠等により、十分な借入金の与信枠を設定し、必要資金を適時に確保する体制を整えております。

 

⑦ 経営者の問題意識と今後の方針について

 経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

⑧ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおり、売上高、営業利益及び親会社株主に帰属する当期純利益並びに売上高営業利益率を重要な経営指標として位置付けております。

 前連結会計年度及び当連結会計年度の経営指標は、次のとおりであります。売上高営業利益率は当連結会計年度が△2.3%となり、前連結会計年度を下回ることとなりました。

 また、新規顧客獲得において、デジタルマーケティングを主軸に広告宣伝費を投下しておりますが、その大半が成果報酬形式による支出となるため、売上高の変動費と位置付けられ、費用対効果を確保したコントロールを行っております。売上高広告宣伝費率は当連結会計年度が32.6%となり、前連結会計年度を下回っておりますが、多額に計上されております。

 今後も引き続き売上原価の低減、費用削減に取り組むことによって、売上高及び営業利益の増加、売上高営業利益率の上昇を目指してまいります。

 

 

当連結会計年度

(自 2022年8月1日

至 2023年7月31日)

金額(千円)

前年比(%)

売上高

26,400,665

△22.1

営業損失(△)

△611,681

当期純損失(親会社株主に帰属する当期純損失)(△)

△733,974

売上高営業利益率

△2.3%

△9.4

広告宣伝費

8,598,927

△33.4

売上高広告宣伝費率

32.6%

△5.5