E01130 Japan GAAP
前期
8,095.4億 円
前期比
109.5%
株価
4,003 (07/12)
発行済株式数
118,191,578
EPS(実績)
366.12 円
PER(実績)
10.93 倍
前期
729.8万 円
前期比
98.9%
平均年齢(勤続年数)
39.7歳(17.3年)
従業員数
1,821人(連結:12,540人)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(太平洋セメント株式会社)、子会社200社及び関連会社103社で構成され、セメント事業、資源事業、環境事業、建材・建築土木事業、その他に不動産、エンジニアリング、情報処理、金融、運輸・倉庫、化学製品、スポーツ、電力供給等の事業を営み、また、新規事業も積極的に展開しております。
当社グループの事業に係る位置づけ並びにセグメントとの関連は、次のとおりであります。
事業の系統図は次のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績等の状況の概要
当期のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、社会・経済活動の正常化が進み、雇用・所得環境や企業の設備投資に改善がみられるなど、景気は緩やかに回復しました。しかしながら、中東地域をめぐる情勢の緊迫化やウクライナ情勢の長期化、円安の進行等による物価上昇等により、経済の先行きは不透明な状況が続いています。
また、世界経済については、米国経済は個人消費や設備投資に支えられて拡大しているものの、中国経済は消費の低迷や不動産市場の停滞の影響で景気が減速しました。
このような状況の中で、当連結会計年度の売上高は8,862億7千5百万円(対前年同期767億3千3百万円増)、営業利益は564億7千万円(同520億1千3百万円増)、経常利益は594億7千2百万円(同584億5千7百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は432億7千2百万円(前年同期は332億6百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。各金額については、セグメント間取引の相殺消去前の数値によっております。
<セメント>
セメント国内需要は、都市部再開発工事や物流関連施設新増設工事により一定の需要がある一方、各種コストの上昇及び建設現場の技能労働者不足による工程の遅れや工期の長期化により全般的に低調に推移した結果、全体では3,457万屯と前期に比べ7.3%減少しました。その内、輸入品は1万屯と前期に比べ5.1%減少しました。また、総輸出数量は685万屯と前期に比べ15.8%減少しました。
このような情勢の下、当社グループにおけるセメントの国内販売数量は、デンカ株式会社よりセメント販売事業を譲受けたことにより2023年4月から販売数量が増加しましたが、国内需要の落ち込みが大きく、受託販売分を含め1,295万屯と前期に比べ1.4%減少しました。輸出数量は255万屯と前期に比べ4.7%増加しました。
米国西海岸のセメント事業は、レディング工場他資産買収の通年効果等により、販売数量は前期を上回りました。ベトナムのセメント事業は、金融緩和後も民間需要の回復が遅れているものの、輸出の増加等により販売数量は前期を上回りました。フィリピンのセメント事業は、設備の修繕により生産能力が回復したため、販売数量は前期を上回りました。
以上の結果、売上高は6,298億7千万円(対前年同期768億2千8百万円増)、営業利益は327億8千3百万円(前年同期は148億9千8百万円の営業損失)となりました。
<資源>
骨材事業は東北地区では販売数量が減少しましたが、北海道・関西地区では堅調に推移しました。鉱産品事業は海外鉄鋼向け石灰石の販売数量が減少しました。土壌ソリューション事業は固化不溶化材の販売数量が前期を下回りました。また、事業全体において、各種コストアップ分の販売価格への転嫁が浸透しました。
以上の結果、売上高は876億7千4百万円(対前年同期49億6千8百万円増)、営業利益は84億5千5百万円(同28億9千9百万円増)となりました。
<環境事業>
排脱タンカル販売及び石膏販売は堅調に推移したものの、石炭灰処理、燃料販売及び焼却灰処理をはじめとする廃棄物処理は低調に推移しました。
以上の結果、売上高は682億5千4百万円(対前年同期96億5千6百万円減)、営業利益は61億3千8百万円(同2億6千6百万円増)となりました。
<建材・建築土木>
地盤改良工事とシールドトンネル工事関連事業の好調に加え、ALC(軽量気泡コンクリート)と建築・土木材料の販売価格の適正化に努めました。
以上の結果、売上高は734億5千6百万円(対前年同期51億8千5百万円増)、営業利益は42億8百万円(同18億5千6百万円増)となりました。
<その他>
情報処理事業、運輸・倉庫事業及びエンジニアリング事業は好調に推移したものの、化学製品事業及び電力供給事業は低調に推移しました。
以上の結果、売上高は893億9千7百万円(対前年同期24億7千1百万円増)、営業利益は46億9千1百万円(同4億1千7百万円減)となりました。
財政状態は次のとおりであります。
総資産は前連結会計年度末に比べ693億8千8百万円増加して1兆3,382億5千1百万円となりました。流動資産は前連結会計年度末に比べ1億1千8百万円減少して4,302億8千9百万円、固定資産は同695億7百万円増加して9,079億6千1百万円となりました。
流動資産減少の主な要因は原材料及び貯蔵品が減少したことによるものであります。固定資産増加の主な要因は建設仮勘定が増加したことによるものであります。
負債は前連結会計年度末に比べ18億6千1百万円増加して7,418億6千6百万円となりました。流動負債は前連結会計年度末に比べ176億8千万円減少して3,681億3百万円、固定負債は同195億4千1百万円増加して3,737億6千2百万円となりました。
流動負債減少の主な要因はコマーシャル・ペーパーが減少したことによるものであります。固定負債増加の主な要因は社債が増加したことによるものであります。
有利子負債(短期借入金、コマーシャル・ペーパー、1年内償還予定の社債、社債、長期借入金の合計額)は、前連結会計年度末に比べ330億1千6百万円減少して3,704億6千9百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ675億2千7百万円増加して5,963億8千4百万円となりました。主な要因は親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末から3.1ポイント増加して42.1%となりました。1株当たり純資産額は、前連結会計年度末から644.46円増加して4,872.94円となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動によって1,405億4千3百万円増加し、投資活動によって821億3千8百万円減少し、また、財務活動によって594億7千6百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比較して3億1千8百万円増加し、711億4千6百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は1,405億4千3百万円(前年同期は2億6千8百万円の使用)となりました。これは、減価償却費が663億4百万円、税金等調整前当期純利益が580億3千4百万円、棚卸資産の減少額が181億1千1百万円となったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は821億3千8百万円(対前年同期112億6百万円減少)となりました。これは、固定資産の取得による支出が871億5千9百万円となったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は594億7千6百万円(前年同期は1,120億8千万円の獲得)となりました。これは、長期借入れによる収入が518億3千万円となった一方で、長期借入金の返済による支出が607億9千5百万円、コマーシャル・ペーパーの減少額が270億円となったこと等によるものであります。
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
※ 営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を使用しております。
※ 2023年3月期は、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスであるため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオを記載しておりません。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「23中期経営計画」の経営目標として、2023年度において売上高営業利益率11%以上、ROE10%以上を掲げ、その実現に向けて取り組んでまいりました。しかしながら、2023年度実績は売上高営業利益率6.4%、ROE8.2%と目標を下回る結果となりました。これは、国内セメント需要の落ち込みが大きく当社グループにとって厳しい事業環境となったことなどによるものであります。収益力の創出・向上については当社グループが引き続き取り組んでいくべき重要な経営課題であると認識しております。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
当社グループは、営業活動によって得られた資金により、成長投資を重視し、資本効率を意識した積極的な設備投資・投融資を実行しております。また、株主還元につきましても、重要な経営課題の一つとして位置付けており、安定的かつ継続的な配当を基本としております。配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループは、必要な運転資金及び設備投資資金については、自己資金または借入及び社債の発行により資金調達することとしております。このうち、長期借入金及び社債は主に設備投資に係る資金調達であります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、過去の実績や状況に応じ合理的に判断し見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。