売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

  • ニュースリリースデータがありません。


最終更新:

E01166 Japan GAAP

売上高

230.7億 円

前期

209.8億 円

前期比

110.0%

時価総額

112.8億 円

株価

934 (07/12)

発行済株式数

12,075,000

EPS(実績)

72.45 円

PER(実績)

12.89 倍

平均給与

636.9万 円

前期

623.4万 円

前期比

102.2%

平均年齢(勤続年数)

44.9歳(20.3年)

従業員数

325人(連結:347人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループは、株式会社ノザワ(当社)及び連結子会社3社より構成されており、建築材料関連事業における製品の製造、販売並びに工事の請負、設計、監理を主な事業としているほか、これらに附帯するサービス業務等を営んでおります。

 なお、当社の報告セグメントは、建築材料関連事業のみであります。

1 建築材料関連事業

 製品の製造及び販売については、当社が製造し販売するほか、㈱ノザワ商事(連結子会社)及び野澤貿易(上海)有限公司(連結子会社)が販売しております。㈱ノザワ商事は当社が使用する副資材の一部を納入しております。また、工事については当社及び㈱ノザワ商事が当社製品等を用い設計、施工しております。

 

2 その他の事業

 当社が不動産の賃貸を行っております。また、㈱ノザワトレーディング(連結子会社)は損害保険及び生命保険の代理店であります。

 

  事業の系統図は次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

(注)2022年9月5日開催の取締役会において、野澤貿易(上海)有限公司を解散することを決議しております。なお、同社は現在清算手続き中であります。

24/06/28

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

(経営成績)

 当連結会計年度におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化が一段と進み、企業収益は増益傾向にある一方で、米国金融政策の動向や中国経済の景気減速懸念、ウクライナ侵攻・中東情勢の悪化等、景気下振れリスクが高まる状況で推移しました。建築材料業界におきましても、資材高騰による市況の悪化が徐々に増大しており、先行き不透明な事業環境が続いております。

 このような状況のなか、当社グループは、「安らぎと安心の創造」のコーポレートメッセージのもと、お客様のニーズの多様化や、デザイン志向の広がりに対応した商品の拡充を図りました。

 新商品については、当期は新たに5つの商品を投入しました。2023年は、ヒマワリの花のようなリブ先端のデザインと、押出成形セメント板史上最も高い40㎜というリブ高さが特徴の「ソレイユライン」を5月に発売、また、アルミパネルなどの大型仕上げ材を取り付けることができる「レールファスナーストロング」の高耐力留付仕様「Rクリップ+NVナット」を8月に追加しました。2024年には、熟練した外壁塗装職人しか表現できなかった独特なムラを工場塗装で対応可能にした工場複色塗装品「淡斑(あわむら)」を1月に、パネルの表層をたがねやのみで削った跡を再現した「ラインピール」と、太陽の動きに伴いリブの影が変化し、時間の経過で壁面全体が幻想的に遷り変わる「ドミノラインT」の2つのデザインパネルを2月に、それぞれ発売しました。

 当連結会計年度は鉄骨造着工床面積が前年度を割り込む状況で推移しましたが、販売部門では、高付加価値商品の拡販に注力し、メンテナンスフリーと工期短縮も実現するカーテンウォール「アルカス」の販売が伸長したことや、価格改定が浸透したこと等から、「アスロック」の売上高は前期比増収となりました。住宅用商品についても、高遮音床材・軽量外壁材ともに堅調に推移し、前期比増収となりました。スレートボードについては、簡単な施工でコンクリート打ち放し風の内装仕上げを表現する「フレキシブルシート素地シリーズ」が、多数の問い合わせを頂くなど高い関心を集めており、前期に続き増販となったこと等から、スレートボード売上高は前期比増収となりました。

 生産部門では、インフレ圧力が日増しに強くなる経営環境下、NNPS(ノザワ・ニュー・プロダクション・システム)による改善活動を一層推進し、コストダウンを追求しました。

 品質保証部門では、お客様からのご意見を収集し、顧客満足度向上を目指して製品品質・施工品質の維持向上に努めました。

 管理部門では、社内提案制度を見直し奨励金を引上げ、また、従業員への譲渡制限付株式の割当てを行うなど、福利厚生の充実、従業員の労働意欲増進及び企業価値向上を図りました。

 また、コミットメントライン契約についても年間総額20億円で継続し、財務基盤の安定化を図りました。

 これらの結果、当社グループの単一の報告セグメントである建築材料関連事業の品種別売上高については、主力の押出成形セメント板「アスロック」は111億21百万円(前期比9.9%増加)、住宅用高遮音床材は18億66百万円(前期比0.8%増加)、住宅用軽量外壁材は46億89百万円(前期比27.4%増加)となり、押出成形セメント製品合計では176億77百万円(前期比12.9%増加)に、耐火被覆等は14億20百万円(前期比13.1%減少)、スレート関連は9億20百万円(前期比10.7%増加)となったこと等から、当連結会計年度の売上高は230億74百万円(前期比10.0%増加)となりました。

 利益面については、増収の影響等により、営業利益は17億80百万円(前期比76.8%増加)、経常利益は19億38百万円(前期比68.9%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億74百万円(前期比79.8%増加)となりました。

 

(財政状態)

 当連結会計年度末における当社グループの流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ、現金及び預金が3億95百万円増加したものの、受取手形、売掛金及び契約資産が7億2百万円減少したこと等により142億60百万円(前連結会計年度末と比較して1億27百万円減少)となりました。固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ、投資有価証券が10億70百万円、有形固定資産が2億75百万円それぞれ増加したこと等から、152億17百万円(前連結会計年度末と比較して12億17百万円増加)となりました。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ10億89百万円増加し294億77百万円となりました。

 当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ、未払法人税等が76百万円増加したものの、流動負債のその他が5億91百万円減少したこと等から、52億22百万円(前連結会計年度末と比較して4億40百万円減少)となりました。固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ、退職給付に係る負債が80百万円減少したものの、訴訟損失引当金が3億1百万円増加したこと等から44億45百万円(前連結会計年度末と比較して2億円増加)となり、この結果、負債の合計額は、前連結会計年度末に比べ2億39百万円減少し96億67百万円となりました。

 当連結会計年度末における純資産の残高は、利益剰余金が4億75百万円増加したこと等から、198億9百万円(前連結会計年度末と比較して13億28百万円増加)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は73億88百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億95百万円増加いたしました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、営業活動による資金の増加は20億27百万円(前連結会計年度は7億82百万円の増加)となりました。これは税金等調整前当期純利益14億8百万円や減価償却費7億27百万円等の資金の増加要因があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、投資活動による資金の減少は12億18百万円(前連結会計年度は3億33百万円の減少)となりました。これは有形固定資産の取得による支出11億28百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、財務活動による資金の減少は4億13百万円(前連結会計年度は4億74百万円の減少)となりました。これは親会社による配当金の支払額3億98百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。

 

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における単一の報告セグメントである建築材料関連事業の品種別生産実績は次のとおりです。

なお、その他の事業の生産はありません。

品種

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

前期比

押出成形セメント製品

 11,388,112千円

10.5%

スレート関連

515,763

1.6

その他

252

△99.8

合計

11,904,128

8.7

(注) 金額は製造価格による。

 

b.受注実績

当連結会計年度における単一の報告セグメントである建築材料関連事業のうち、工事の受注実績は次のとおりです。なお、その他の事業の受注はありません。

工事別

受注高

(千円)

前期比

(%)

受注残高

(千円)

前期比

(%)

押出成形セメント製品工事

1,605,633

△7.2

1,096,972

△18.9

スレート工事

18,002

△4.2

3,800

△26.6

耐火被覆等工事

1,128,143

△19.3

500,854

△36.8

その他工事

616,952

△33.3

456,045

△41.0

合計

3,368,731

△17.2

2,057,672

△29.6

 

c.販売実績

 当連結会計年度における単一の報告セグメントである建築材料関連事業の販売実績を品種別に示すと次のとおりであります。

品種

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

前期比

押出成形セメント製品関連

(内、アスロック)

(内、住宅用高遮音床材)

(内、住宅用軽量外壁材)

17,677,635千円

(11,121,825)

(1,866,432)

(4,689,377)

12.9%

(9.9)

(0.8)

(27.4)

スレート関連

920,722

10.7

耐火被覆等

1,420,243

△13.1

その他

3,009,102

6.9

合計

23,027,703

10.0

なお、その他の事業の販売実績は、当連結会計年度47,177千円であり、前期比15.5%となっております。

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

積水ハウス㈱

6,142,239

29.3

7,124,175

30.9

伊藤忠建材㈱

2,917,189

13.9

3,277,696

14.2

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度の経営成績については、以下のとおりであります。

(売上高)

 主力の一般建築向けの押出成形セメント製品「アスロック」については、高付加価値商品の拡販に注力し、メンテナンスフリーと工期短縮を実現するカーテンウォール「アルカス」や、光触媒でセルフクリーニング効果が期待でき、全ツヤ消しマット調の落ち着いた質感をもつ工場塗装品「ルミセラコート」の販売が伸長しました。

また、価格改定が浸透してきたこともあり、アスロック売上高は前期比10億2百万円増収の111億21百万円となりました。住宅向け押出成形セメント板は前期に引き続き堅調に推移し、「住宅用高遮音床材」は前期比14百万円増、「住宅用軽量外壁材」は前期比10億7百万円増となり、これら住宅向けで10億21百万円増収の65億55百万円となりました。押出成形セメント板合計では前期比20億23百万円増の176億77百万円となりました。

 スレート関連は、モルタル仕上げのような熟練した職人技術を必要とせず、簡単な施工でコンクリート打放し風の内装仕上げが可能な「フレキシブルシート素地シリーズ」が好評を博しており、当期も増販となったこと等から前期比88百万円増収の9億20百万円となりました。

 工事については、 AL工事やALC工事が伸びて、前期比4億22百万円増となりました。

 

(営業利益・経常利益)

 当期の資源価格変動の影響については、電力・ガス価格は2023年に入って以降徐々に落ち着きを見せ、高騰のピーク時と比べると安定して推移しました。一方、原材料価格は一貫して上昇を続けております。また、人件費についてもベースアップの実施や外注増加により前期比増となりました。これらの要因や販売数量増による影響も併せ、13億円の原価アップとなりました。この厳しい状況のなか、工場では、NNPS(ノザワ・ニュー・プロダクション・システム)改善活動によるコストダウンの推進等により約4.5億円の原価ダウンとなり、売上原価の上昇額を8.5億円に留めました。

 販売口売上総利益は、販売数量増や販売価格改定による増収効果に、上記の原価上昇を加味し、8.1億円の増益となりました。工事については、売上高は4.2億円の増収ながら、競争激化等の影響で子会社であるノザワ商事の工事利益率が低迷し、0.2億円の増益と小幅に留まりました。これらのことから、連結売上総利益は前期比8億39百万円増加の65億74百万円となりました。

 販管費については、販売増による物流費の増加等により前期比65百万円増加の47億93百万円となりました。なお、売上高比販管費率については、1.7ポイントダウンの20.8%となっております。これらのことから営業利益は前期比7億73百万円増益の17億80百万円となり、営業利益率は2.9ポイントアップの7.7%となりました。

 営業外収支については、受取配当金が前期比17百万円増加したこと等により22百万円増となった一方、営業外費用が4百万円増加し、前期比17百万円の増加となりました。経常利益は、営業増益にこの営業外収支の増加を加味し、前期比7億91百万円増益の19億38百万円となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 特別利益は当期はなく、前期比1億51百万円減少となりました。特別損失は前期比17百万円減少の5億29百万円となりました。固定資産除却損が69百万円、訴訟損失が1億54百万円それぞれ増加した一方、製品自主回収関連費用が当期は特別損失の計上が無く、前期比2億4百万円の減少、また、関係会社清算損失も当期計上無く、前期比36百万円減少したことによります。これらの結果、特別損益の合計は5億29百万円の損失となりました。上記のとおり特別損失は前期比減少したものの、当期は特別利益の計上がなかったため、特別損益は前期比では1億33百万円悪化しました。これらに税金費用を加味し、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比3億88百万円増益の8億74百万円となりました。

 

 当連結会計年度の財政状態については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 資本の財源及び資金の流動性に係る情報については以下のとおりであります。

(財務政策)

 当社グループは、主に建築材料の製造販売を行うための設備投資に必要な資金及び短期的な運転資金を必要に応じて銀行等からの借入により調達することとしています。

 当連結会計年度末、借入金の残高はありません。また、資金調達の安定化、資金効率、金融収支の改善を目的として、取引金融機関と総額20億円のコミットメントライン(特定融資枠)契約を締結しておりますが、当連結会計年度末の金融機関からの借入実行残高はありません。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 なお、連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載されているとおりであります。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載されているとおりであります。