ARアドバンストテクノロジ株式会社

上場日 (2023-06-23)  情報・通信業ITコンサルグロース

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

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最終更新:

E38654 

売上高

101.6億 円

前期

87.7億 円

前期比

115.9%

時価総額

62.3億 円

株価

1,871 (04/26)

発行済株式数

3,331,160

EPS(実績)

95.80 円

PER(実績)

19.53 倍

平均給与

555.5万 円

平均年齢(勤続年数)

36.6歳(4.3年)

従業員数

429人(連結:521人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び連結子会社1社(株式会社エーティーエス(以下「エーティーエス」という。))によって構成されております。事業の内容は、主に顧客のDX(デジタルトランスフォーメーション)(※1)を実現するためのシステムの受託開発、即ちデジタルソリューションの提供であり、当社グループではこれをDXソリューション事業としております。当社グループは、創業から培った仮想化及び自動化技術(クラウドの前提となるハードウエアの抽象化技術)への専門的技術知見をベースに、国内クラウド市場の拡大と平仄を合わせて成長してきており、「クラウド技術とデータ・AI活用によるビジネストランスフォーメーションデザイナー(※2)として社会変革をリードする」を掲げ、DX化のためのデジタルシフト、クラウドシフト等、顧客の課題解決に向けたサービスを提供しております。

 なお、当社グループの事業は、DXソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(1) サービスの内容

 当社グループのサービスは主にシステムに関するプロフェッショナルサービス(※3)であります。上流工程であるDXコンサルティング及び要件定義からはじまり、設計構築の工程から保守・運用までを実施し、また自社開発プロダクトの販売又は他社製品のライセンス販売まで、総合的にサービス提供しております。

 具体的には、Amazon Web Services(以下「AWS」という。)やMicrosoft Azure(※4)に代表されるクラウドネイティブ(※5)技術を活用したシステムインテグレーション(以下「クラウドインテグレーション」という。)の提供から、AIを主軸とした自社開発プロダクト及び他社サービスの販売、保守運用の提供、DX人材の提供まで、先進技術をワンストップで提供する事業展開を行っております。

 

※画像省略しています。

 

(2) 事業展開の特徴

① BTCアプローチ

 「BTC」の「B」は「コンサルティング(Businessノウハウ)」を表し、顧客のDX化に向けた基本構想・ロードマップ等の企画立案、アクションプランの策定などを支援するコンサルティング機能を意味しております。「DX」とは「デジタル技術を活用したビジネス構造の変革」であり、一般的なDXソリューション事業においてコンサルティング機能は必要不可欠な機能であると言われております。「T」は「技術(Technology)」を表し、クラウド技術を主軸としたソフトウエア、インフラ及びセキュリティ、AI・データサイエンスの各専門技術の機能の提供を意味します。「C」は「デザイン(Creative)」を表します。システムとデザインは密接な繋がりがあり、デザインはシステムの操作性に大きな影響を与えます。当社グループでは、システム開発における上流工程からUI/UX(※6)の専門チームが開発に参画し、利便性が高く手戻りの少ないシステムをスピーディーに開発する「デザイン先行開発」モデルを構築しております。

「B」「T」「C」を一体的且つ有機的に組み合わせて提供する目的は、顧客の満足度を最大化させることにあります。

 ワンストップサービス提供のための投資という観点から、これらの機能を揃え、かつ育成するのは容易ではないため、「BTCアプローチ」は付加価値創出の源であり、当社グループの差別化の淵源となっております。

 

※画像省略しています。

 

② ハイブリッドアプローチ

 コンサルティングの提案や自社開発プロダクト等の提案を起点に、捕捉することができた顧客のDX上の課題に対して、課題解決のためのクラウドインテグレーションの提案・提供に繋げるという形をとって、所謂クロスセル、アップセル戦略を展開しております。これにより顧客の課題解決と、顧客満足度を高めることで得られる顧客LTV(※7)の最大化を同時に実践しております。所謂フロービジネスにあたるクラウドインテグレーションから得たノウハウを、所謂ストックビジネスである自社開発プロダクトに還元し、自社開発プロダクトの提案を起点にクラウドインテグレーションを拡大させていくという好循環のサイクルを回していくことが、当社グループのビジネス発展にとって重要なエンジンの一部となっていると同時に、他社との差別化にも繋がっております。なお、当社グループにおけるフロービジネスとはクラウドインテグレーション(DXコンサルティング、内製化支援、データ・AI活用など様々な要素から構成されます)のほかDX人材の提供などが含まれます。ストックビジネスには保守運用提供のほか、SaaS型(※8)で提供する自社開発プロダクトなどが含まれます。これらが相互に連環しながらビジネスを拡大させており、顧客毎にみたときには、取引関係の深化(作業支援からシステムの請負開発、周辺システムから基幹系システムの開発など)が進むことになります。これらを称して所謂クロスセル、アップセル戦略としております。

 

※画像省略しています。

 

 なお、自社開発プロダクトは以下の3つとなります。

 

・LOOGUE (ローグ)

 業務自律化・可視化のためのAIマルチエンジンであります。社内の問い合わせを自動化するAIチャットボットや、作業マニュアルやガイドライン等のビジネスドキュメントを社内システムから最適抽出するAIドキュメント検索システムとして活用が可能であります。AIチャットボットの基本形である「LOOGUE FAQ」に加え、チャットボット作成時のFAQの生成を自動化した「LOOGUE NoQA」、大量のドキュメントファイルの分析及び検索に対応した企業内AIファイル検索サービス「LOOGUE deepdoc」等のシリーズをSaaS型にて提供しております。

 

・ZiDOMA(ジドーマ)

 「ZiDOMA」はビッグデータを適正に管理するためのファイルサーバ統合管理ソリューションです。ファイルサーバ上のデータ容量を分析・可視化し、ファイルデータ容量とともに上昇するクラウドコストの管理効率を向上させる「ZiDOMA data」のほか、オンプレミス(※9)及びクラウドストレージ間での高速データ転送とバックアップによりクラウドストレージへの移行を自動化し、クラウドストレージへのデータ移行の際の負荷を大幅に削減することができる「ZiDOMA sync」等のシリーズを、SaaS型及びオンプレミス型にて提供しております。

 

・Mieta(ミエタ)

 コンタクトセンターにおける様々なデータを一画面で分析・可視化を可能にしたクラウドコンタクトセンター分析管理サービスであります。AWSのクラウド型コンタクトセンター「Amazon Connect」と連携することにより、ロケーションフリーなコンタクトセンターの構築を実現することができ、SaaS型にて提供しております。

 

③ 技術力及びリソースの基盤

 クラウドにおけるグローバル基準のソリューションサービスを提供できる実績とノウハウを保有している事業者として、当社はAWSから、AWS Partner Network(以下「APN」という。)アドバンストティアサービスパートナーに認定されております。APNはAWSを活用して顧客向けのソリューションとサービスを構築しているテクノロジー及びコンサルティング企業向けのグローバルパートナープログラムであります。APNアドバンストティアサービスパートナーは、APNの中でもAWSに関する営業・技術体制が整っており、AWSでのクラウドインテグレーションの実績が非常に豊富なパートナーが取得できるものであります。加えて、当社はAWSの認定資格取得数が300を超える企業として「AWS 300 APN Certification Distinction」に認定されております(認定資格総数325個)。同じくAWSのコンタクトセンターソリューションであるAmazon Connectにおけるサービスデリバリープログラム認定及びAPNにおける「AWS Well-Architectedパートナープログラム」認定の他、内製化支援パートナーの認定も取得しております。更に、Microsoft社が提供するMicrosoft Azureの認定資格者(認定資格総数62個)も多数育成しており、マルチクラウドの技術基盤を整備しております。

 また、当社グループの強みの一つとしてビジネスパートナーの調達力があり、200社超との協力関係を構築しております。他方、当社グループにおける人材派遣・人材紹介サービスの中心であるエーティーエスは、DX人材獲得のためのマッチングプラットフォーム「テクパス」(※10)を主軸に、顧客が求める人材を集めて提供する仕組みを構築しており、親会社である当社に対してもDX人材を供給しております。

 

(3) 当社グループのサービス提供先

 当社グループのサービス提供先は、分野面では特段の偏りなく、製造業・流通業・サービス業・インターネットビジネス業・コンタクトセンター業・金融業など多岐にわたる事業会社及び官公庁となっております。

 

 

用語解説

 本項「3 事業の内容」において使用しております用語の定義について以下に記します。

※1 DX(デジタルトランスフォーメーション)

ITツールやデジタルテクノロジー等の活用を通じ、新しい製品やサービス、ビジネスモデルの創出、企業の組織、業務プロセスの成長を促すことにより、社会や企業などにおける根源的な変革を行う活動であります。

※2 ビジネストランスフォーメーションデザイナー

ビジネストランスフォーメーション(BX)とはDXを行うことで事業改革、事業モデル変革を進めることであり、ビジネストランスフォーメーションデザイナーとは、BXの構想・設計(デザイン)から実行・定着化(デリバリー)までを推進するビジネスデザイナー、アーキテクトのことであります。

 

※3 プロフェッショナルサービス

顧客の課題の解決のため、システムに関連する各種サービスを導入するにあたり、計画立案・事前検証から構築・導入・保守までの一連の工程を、各技術分野のプロフェッショナル人材が提供するサービスであります。

当社グループにおいてはプロダクトの開発と販売もプロフェッショナルサービスに含めております。

※4 Microsoft Azure

Microsoft社から提供される、複合的なクラウドサービスの総称であります。

※5 クラウドネイティブ

クラウド上でアプリケーションを実行したり、ソフトウエアを開発したりすることを前提としている、クラウドの利点を徹底的に活用するシステムのことであります。

※6 UI/UX(User Interface/User Experience)

UIはプロダクトやサービスの外観やデザインであり、UXはシステムの利用者がプロダクトやサービスを通して得られた体験でありUIを内包する概念であります。ユーザーニーズに深く根差したシステム開発を行うための要点となります。

※7 顧客LTV

「Customer Lifetime Value」のことであり、顧客生涯価値を意味します。顧客からその生涯にわたって得られる利益のことであり、1回の取引で得られる利益だけではなく、2回目以降の取引から得られる利益も含めた、将来の関係全体にわたる価値の予測のことであります。

※8 SaaS型

「Software as a Service」の略称。サービスとしてのソフトウエアという意味であり、クラウドサービス事業者がソフトウエアを稼働し、インターネット経由でユーザーがアクセスすることで、そのソフトウエアを利用する仕組みのことであります。

※9 オンプレミス

システムに必要なサーバーやネットワーク機器、などを自社で保有し運用するシステムの利用形態のことであります。

※10 「テクパス」

2016年9月にエーティーエスが開設した人材求人のためのインターネットサイトであります。株式会社リクルートホールディングスが運営する総合求人サイト「Indeed」に代表される大手求人サイトと連携する機能を持ち、「テクパス」での直接集客と大手求人サイト経由で求職者へアプローチしております。

 

 

 

[事業系統図]

以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

 

23/11/29

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は3,956,178千円となり、前連結会計年度末に比べ1,604,173千円増加いたしました。これは主に借入れ及び東京証券取引所グロース市場への上場に伴う新株式発行及び自己株式の処分により現金及び預金が1,498,350千円増加したこと、また、売上高が伸長したことにより売上債権が71,135千円増加したことによるものであります。

 固定資産は512,421千円となり、前連結会計年度末に比べ49,661千円増加いたしました。これは主に当社渋谷本社の移転計画に伴う敷金及び保証金の差入れ等により投資その他の資産が90,697千円増加した一方で、減価償却費並びに減損損失を計上したこと等により、ソフトウエアが50,487千円減少したことによるものであります。

 この結果、資産合計は4,468,600千円となり、前連結会計年度末に比べ1,653,835千円増加いたしました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は2,719,886千円となり、前連結会計年度末に比べ1,011,418千円増加いたしました。これは主に堅調な受注に対応するための外注費に係る買掛金が118,604千円増加したこと、運転資金としての短期借入金が580,000千円増加したこと、未払法人税等が161,804千円増加したことによるものであります。

 なお、当連結会計年度末における固定負債の残高は前連結会計年度末に引き続きゼロであります。

 この結果、負債合計は2,719,886千円となり、前連結会計年度末に比べ1,011,418千円増加いたしました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は1,748,713千円となり、前連結会計年度末に比べ642,416千円増加いたしました。これは主に東京証券取引所グロース市場への上場に伴う新株式発行及び自己株式の処分により、資本金が28,980千円、資本剰余金が204,099千円それぞれ増加したことに加え、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が319,115千円増加したことによるものであります。

 この結果、当連結会計年度末における自己資本比率は39.1%(前連結会計年度末は39.3%)となりました。

 

② 経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、新しい生活様式の定着や行動制限の撤廃に伴う経済活動の正常化を受け、個人消費の増加や海外からの入国制限の緩和等により、社会経済活動の正常化への期待感が高まる中での推移となりました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化に伴う影響により、原材料価格やエネルギーコストの上昇といった企業収益の圧迫、急激な為替変動等の要因もあり、依然として先行きの不透明な状況が続いております。

 

 このような状況のもと、当社グループは、企業の生産性向上や社会のデジタル化対応等を目的とするDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を支援しており、また、2023年10月にスタートするインボイス制度や2024年1月に義務化される電子帳簿保存法への対応等も市場を後押しし、企業のIT投資は堅調な成長が続いております。

 

 この堅調なIT投資環境の成長を追い風にして、当社グループの売上高は伸長いたしました。一方、コスト面では顧客のDXを推進するエンジニア並びに内部管理体制強化のための人材採用や教育研修といった人的資本への先行投資を積極的に行ってまいりました。

 

 以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高10,162,068千円(前期比15.9%増)、営業利益528,095千円(前期比33.2%増)、経常利益513,841千円(前期比29.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益319,115千円(前期比17.0%増)となりました。

 なお、当社グループは、DXソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,508,360千円増加し、2,385,242千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は740,257千円(前年同期比389.0%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益490,993千円、減価償却費の計上額102,676千円、堅調な受注に対応するための外注費に係る仕入債務の増加額118,604千円があった一方で、売上高が順調に伸長したことによる売上債権の増加額71,135千円、法人税等の支払額81,195千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は118,625千円(前年同期は使用した資金4,801千円)となりました。これは主に情報機器に係る有形固定資産の取得による支出34,372千円、自社開発プロダクトへの投資に伴う無形固定資産の取得による支出34,463千円、当社渋谷本社の移転計画に伴う敷金及び保証金の差入による支出68,987千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は886,567千円(前年同期は使用した資金171,496千円)となりました。これは主に運転資金の借入れによる短期借入金の純増加額580,000千円、東京証券取引所グロース市場への上場に伴う株式の発行による収入57,960千円及び自己株式の処分による収入265,340千円等によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループが行う事業では、提供サービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年9月1日

  至 2023年8月31日)

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

DXソリューション事業

10,765,943

124.2

1,532,215

165.0

合計

10,765,943

124.2

1,532,215

165.0

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年9月1日

  至 2023年8月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

DXソリューション事業

10,162,068

115.9

合計

10,162,068

115.9

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

② 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度の経営成績は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載しておりますが、主に以下のとおりであります。

 

(売上高、売上原価及び売上総利益)

 売上高は10,162,068千円(前期比15.9%増)となりました。これは主に新規契約の獲得により累計契約数が増加したことによるものであります。

 売上原価は7,693,188千円(前期比13.4%増)となりました。これは主にDXソリューション事業に係るエンジニアの増員等に伴う労務費の増加やビジネスパートナーへの外注費が増加した一方で、高収益案件へのシフトや品質管理の強化による原価逓減策が功を奏したことによるものであります。

 この結果、売上総利益は2,468,880千円(前期比24.2%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業損益)

 販売費及び一般管理費は、1,940,784千円(前期比22.0%増)となりました。これは主に顧客のDXを推進するエンジニア並びに内部管理体制強化のための人材採用や教育研修といった人的資本への先行投資、自社開発プロダクトに係る研究開発等に積極的な投資を行ったことによるものであります。

 この結果、営業利益は528,095千円(前期比33.2%増)となりました。

 

(営業外収益営業外費用及び経常損益)

 営業外収益は、主に助成金収入を計上したこと等により7,357千円(前期比6.2%増)となりました。営業外費用は、支払利息及び上場関連費用等を計上したことにより21,612千円(前期比212.9%増)となりました。

 以上の結果、経常利益は513,841千円(前期比29.6%増)となりました。

 

(特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する当期純損益)

 特別利益の計上はありません。なお、当初想定していた収益獲得が見込めなくなったソフトウエアについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額いたしました。当該減少額は、減損損失として特別損失に計上しております。そのため、税金等調整前当期純利益は490,993千円(前期比23.8%増)となりました。これに法人税等171,878千円(前期比38.9%増)を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は319,115千円(前期比17.0%増)となりました。

 

③ 財政状態の分析及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析

 財政状態の分析及びキャッシュ・フローの分析については、前述の「(1) 経営成績等の状況の概要」に含めて記載したとおりであります。

 当社グループの事業活動における運転資金需要のうち主なものは、サービス提供のための労務費、外注費、販売費及び一般管理費等の費用であり、投資を目的とした資金需要は自社開発プロダクトに係る研究開発費であります。

 当社グループは、これらの資金需要に対して、事業上必要な資金の流動性と財源を安定的に確保することを基本方針とし、資金使途や金額に応じて自己資金又は金融機関からの借入といった資金調達を柔軟に検討し、確保しております。

④ 経営方針、経営戦略又は経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等の分析

 「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、当社グループは、高い収益性の確保と継続的な売上の成長を維持することにより、企業価値を継続的に向上させ株主利益を最大化することを経営上の目標としております。

 そのための指標として、売上高成長率を重視しております。

 当社グループのビジネスの構造上、売上総利益率を短期間に著しく向上させることはあまり現実的ではなく、業績拡大の指標として売上高の伸長を重視しております。ITサービス市場の成長率は年数パーセントで推移しておりますが、当社グループの2023年8月期の売上高成長率は+15.9%であります。新型コロナウイルス感染症の影響で停滞した2020年8月期を除けば近年は10%以上の成長率で推移してきており、今後も同程度の水準を目安に売上高成長率を目指してまいります。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「3 事業等のリスク」に記載のとおり認識しておりますがその中でも特に「人材の確保と育成について」「ビジネスパートナーとの関係について」を重大なリスクと認識しており、これらのリスクに対応するため、積極的な人材育成施策とビジネスパートナーとのアライアンス強化に努めてまいります。

 

⑥ 経営者の問題意識と今後の方針

 当社の経営者は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりであり、当社グループが今後更なる成長を遂げるためには、特に「社員数・パートナー数増加」に対処することが必要であると認識しております。これらの課題に対応するために、積極的な人材育成施策を展開するとともに、経営者は常に事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、事業運営に努めてまいります。