E01308 Japan GAAP
前期
1,242.8億 円
前期比
117.3%
株価
1,013 (04/25)
発行済株式数
13,585,521
EPS(実績)
58.44 円
PER(実績)
17.33 倍
前期
545.3万 円
前期比
106.3%
平均年齢(勤続年数)
43.6歳(19.3年)
従業員数
533人(連結:1,057人)
当社グループは、当社と子会社20社及び関連会社5社で構成され、非鉄金属製品の製造販売、環境・リサイクル事業、非鉄金属資源の探査・開発・生産及び販売、電子部材・機能材料の製造販売を主な内容とし、子会社を通じ物流その他サービス事業を展開しております。
当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。
なお、次の部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
事業の系統図は次のとおりであります。
(注)○印は連結子会社(14社)、※印は持分法適用関連会社(1社)、その他(10社)
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度の連結業績は以下のとおり、売上高は増収、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益ともに減益となりました。
当連結会計年度における世界経済は、ウクライナ情勢の長期化とこれに伴うエネルギー価格の高騰、中国のゼロコロナ政策の継続、インフレ抑制に向けた世界的な金融引き締め政策などから、景気減速の警戒が続きました。日本経済は、コロナ禍による行動制限も緩和され、経済活動の正常化が進み、景気持ち直しの動きもみられました。一方で、エネルギー価格の高騰や円安進行による物価上昇から、先行きに対する不透明感が高まりました。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、金属相場、特に当社の主力製品である亜鉛は、前述の世界経済の状況を反映して景気減速感が強まったことで、期を通じて下落基調となりました。
一方為替相場は、米国の大幅利上げにより、11月半ばまで米ドル高が進行しましたが、年末から年初に掛けて米ドル安となった後は、年度末まではやや落ち着いた動きとなりました。
販売面では、半導体・部品不足による国内自動車産業の減産の影響なども受け、主力製品の亜鉛・鉛は減販となりました。
当社グループにおける当連結会計年度の業績は、主として円安影響により国内販売価格が年間平均で前期と比べ上昇したことなどもあり、売上高は1,457億64百万円と前期比214億84百万円(17%)の増収となりました。
損益面では、製錬事業はエネルギー価格及び諸資材価格の高騰による原価高の影響が大きく36億円の減益、資源事業も高品位鉱体の採掘数量減少による鉱石品位の低下を主因に、コロナ禍でのオペレーター不足による選鉱プラント減速操業などから29億円の減益となりました。その結果、営業利益は40億49百万円と前期比64億60百万円、経常利益は31億37百万円と前期比62億16百万円の減益となりました。また、関係会社出資金評価損の計上もあり親会社株主に帰属する当期純利益は7億94百万円と前期比71億27百万円の減益となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります(以下、各セグメントの売上高には、セグメント間売上高を含みます)。
販売面では自動車減産等の影響を受け前期比減販となりましたが、円安による国内販売価格高もあり、売上高は前期比12%の増収となりました。
鉛も販売面では前期比減販となりましたが、亜鉛同様円安による国内販売価格高により売上高は前期比4%の増収となりました。
銀は増産・増販となったことに加え、円安による国内販売価格高もあり売上高は前期比18%の増収となりました。
以上のほか、金や硫酸などその他の製品を合わせた当事業部門の業績は、前期比での国内販売価格の上昇もあり、売上高は1,234億88百万円と前期比211億29百万円(21%)の増収となりました。しかしながら損益面では、電力料金や諸資材価格の高騰などの減益要因が大きく、前期比36億47百万円(56%)の減益となり、営業利益は28億22百万円になりました。
なお、金属相場(平均)及び為替相場(平均)の推移は下表のとおりであります(米ドル/豪ドルの通期は1月-12月に対応します)。
自動車のタイヤ製造に用いられる主力製品の酸化亜鉛は、市販用タイヤの需要回復や、亜鉛価格が前期比で高かったこともあり、当事業部門の売上高は59億37百万円と前期比13億54百万円(30%)の増収となりました。一方営業利益は、電力料金や諸資材価格の高騰の影響が大きく14億62百万円と、ほぼ前期並みとなりました。
金属相場高と豪ドル安は業績に追い風となったものの、豪州CBH社ラスプ鉱山では、高品位鉱体の採掘数量減少による鉱石品位の低下を主因に、コロナ禍でのオペレーター不足による選鉱プラント減速操業などが重なり、精鉱生産数量が前期比減少しました。その結果、売上高は105億30百万円と前期比23億13百万円(18%)の減収となりました。損益面でもラスプ鉱山の精鉱生産数量減少による売上減少にエネルギー価格及び諸資材価格の高騰などもあり、営業損益は13億44百万円の損失となりました。
電子部品事業は、急速に拡大するEV(電気自動車)市場からの部品需要が強まり車載電装品向け販売が倍増したことなどもあり、売上高は前期比で42%の増収となりました。
電解鉄事業は、世界的な半導体不足などの影響を受け航空機生産が停滞したことや、部品の在庫調整などが重なり、主力の航空機用特殊鋼向けの販売が減少し、売上高は前期比で12%の減収となりました。
以上のほか、プレーティング事業及び機器部品事業を合わせた当事業部門の売上高は59億38百万円と前期比6億70百万円(13%)の増収、営業利益は6億88百万円と前期比22百万円(3%)の増益となりました。
防音建材事業、土木・建築・プラントエンジニアリング事業、運輸事業、環境分析事業などからなる当事業部門の業績は、特に運輸事業で原料、製品輸送取扱量減少などもあり、売上高は98億91百万円と前期比4億41百万円(4%)の減収、営業利益は7億47百万円と前期比1億8百万円(13%)の減益となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
ただし、電子部材事業、環境・リサイクル事業、その他事業の生産高は、販売金額と同額であります。
2.製錬事業には、八戸製錬㈱他委託分が含まれております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。
2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原料鉱石の購入代金のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、既存鉱山の坑道掘進や周辺探査、新規鉱山の探査、鉱山及び国内製錬所・事業所の設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、鉱山投資や設備投資といった長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入や資本市場からの調達を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は663億72百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は95億36百万円となっております。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、過去の業績悪化により棄損した財政状態の早期立て直しが当社グループの喫緊の課題となっております。この一環として2023年3月28日から2024年3月27日の期間で、前期から引き続きシンジケート方式による160億円のコミットメントラインを契約し、財務基盤の強化を図っております。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ27億96百万円減少し、1,429億99百万円となりました。これは主に資金収支改善のための棚卸資産削減などによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ73億50百万円減少し、924億80百万円となりました。これは主にヘッジ損失が減少したことによるものです。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上や、繰延ヘッジ損失の減少もあり、前連結会計年度末に比べ45億54百万円増加し、505億19百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は当連結会計年度末において35.3%となり、前連結会計年度末に比べ3.8ポイント増加しております。
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ16億6百万円増加し、当連結会計年度末は95億36百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、110億9百万円の収入(前期は51億78百万円の支出)となりました。資金収支改善のため棚卸資産在庫管理を徹底したことなどにより、営業活動によるキャッシュ・フローは前期の支出から、収入へと転じました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、81億28百万円の支出(前期比2億74百万円の支出減)となりました。前期は新規鉱山への追加投資のための支出があったものの、当期は鉱山への追加支出も落ち着いたことから、支出減となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは13億73百万円の支出(前期は155億71百万円の収入)となりました。前期は金属相場高に伴う運転資金需要の増加や新規鉱山投資への対応により、有利子負債が増加しましたが、当期は新規鉱山投資などの大型資金需要も無く、在庫削減努力なども功を奏したことから、比較的少額の支出となりました。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。