売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E01332 Japan GAAP

売上高

1.06兆 円

前期

1.07兆 円

前期比

99.1%

時価総額

2,912.9億 円

株価

4,122 (07/16)

発行済株式数

70,666,917

EPS(実績)

92.09 円

PER(実績)

44.76 倍

平均給与

678.4万 円

前期

684.5万 円

前期比

99.1%

平均年齢(勤続年数)

43.8歳(19.7年)

従業員数

4,335人(連結:52,757人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当企業集団は、インフラ、電装エレクトロニクス、機能製品の各事業において培われた技術を発展、応用した製品の製造販売を主な内容とし、さらに各事業に関連する研究及びその他のサービス等の事業活動を展開しております。

当連結会計年度末における当企業集団の事業内容、各関係会社の当該事業に係わる位置づけ及び報告セグメントとの関連は、次のとおりであります。

 

インフラ

当社、OFS Fitel,LLC、Furukawa Electric LatAm S.A.、古河電工産業電線㈱、瀋陽古河電纜有限公司他が製造及び販売を行っております。

電装エレクトロニクス

当社、古河電池㈱、古河AS㈱、古河マグネットワイヤ㈱他が製造及び販売を行っております。

機能製品

当社、Trocellen GmbH、古河銅箔股份有限公司、台日古河銅箔股份有限公司他が製造及び販売を行っております。

サービス・開発等

当社、古河日光発電㈱他が各種サービス事業及び新製品研究開発等を行っております。

 

 

なお、販売会社については、主に取り扱う製品の種類により、各セグメントに区分しております。

以上の項目を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

 

 

※画像省略しています。

 

24/06/24

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の期首より、会計方針の変更を行っており、前連結会計年度との比較分析にあたっては、遡及適用後の数値を用いております。詳細については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。

(業績等の概要)

(1) 業績

当期の世界経済は、米国においては、金融引締めによる需要抑制効果が顕在化したものの、良好な雇用情勢や実質所得の増加が個人消費を下支えし、政府の産業支援策等により企業の設備投資にも力強さがみられ、景気は堅調に推移しました。欧州においては、実質所得の改善が個人消費を下支えしたものの、インフレや金融引締めの継続に伴う景気の下押し圧力が依然として強く、エネルギー価格高騰・供給制約による物価上昇の影響が残存したこともあり、景気は低迷しました。中国においても、経済成長重視の政策としてのインフラ投資が景気を下支えしたものの、不動産市場の停滞に加え個人消費も回復の兆しが見えず、景気は低迷しました。さらに、ロシア・ウクライナ情勢や中東での軍事衝突等不安定な状況が継続しており、世界的に先行きが不透明な経済環境が続きました。

わが国の経済は、雇用や所得環境の改善を背景に個人消費に持ち直しの兆しが見られるものの、物価高による消費下押しと、人手不足等による設備投資の遅延により、景気の回復ペースは緩やかなものとなりました。

このような環境の下、当社グループでは、2030年におけるありたい姿を描き、そこへ向けての時間軸と領域を明確にした「古河電工グループ ビジョン2030」(以下、「ビジョン2030」という)からバックキャストして2025年に目指す姿の達成を見据えて策定した中期経営計画「Road to Vision2030-変革と挑戦-」(以下、「25中計」という)に基づき、「資本効率重視による既存事業の収益最大化」及び「開発力・提案力の強化による新事業創出に向けた基盤整備」を推進してまいりました。また、これらを下支えする「ESG経営の基盤強化」に取り組んでまいりました。

「資本効率重視による既存事業の収益最大化」については、成長性と収益性の観点から可視化された事業の位置付けに基づき、資本効率性を意識した経営管理の推進に取り組んでまいりました。また、情報通信ソリューション事業においては、高付加価値製品の販売比率を高めることで製品ミックスの改善による利益率向上を図ってまいりました。自動車部品事業においては、顧客の生産計画の変更にも柔軟に対応できる体制の整備に引き続き努めるとともに、販売価格の適正化に取り組んでまいりました。

「開発力・提案力の強化による新事業創出に向けた基盤整備」については、次世代のエネルギー源として期待される核融合*発電の開発を進める英国の顧客に対し当社グループは超電導線材を供給しておりますが、新たに同社に出資する等、同社とのパートナーシップの強化を推進してまいりました。また、国内においては、核融合発電を含むクリーンエネルギーに関する事業の創出を目的とする協議会に参画いたしました。さらに、日本国内において道路や鉄道等の社会インフラの老朽化と労働人口の減少が進行する中、社会インフラ維持管理向けデジタルソリューションの受注活動に注力してまいりました。

*核融合…強力な超電導マグネットで高温プラズマ(数億度)を閉じ込め、核融合反応でエネルギーを発生させる。核融合の燃料の元は海水(重水素(²H))であり、二酸化炭素(CO₂)を排出せずに発電可能で環境負荷も低いことから、核融合による発電は次世代のエネルギー源として期待されている。

 

「ESG経営の基盤強化」については、脱炭素社会及び水・資源循環型社会への貢献等を掲げた「環境目標2030」の達成に取り組んでおり、一部の工場の全電力について実質再生可能エネルギー由来電力化を実現する等、CO₂排出量削減を進めてまいりました。また、従業員個々人と組織がともに実行力を向上させ成長するため現状をモニタリングする調査を実施し、その結果を踏まえた改善施策を事業活動に反映していく「人材・組織実行力の強化」の取組みを実施してまいりました。加えて、経営層がESGの取組みを一層推進するための仕組みとして、新たにESG連動報酬を加えた役員報酬制度の運用を開始いたしました。

当期の業績につきましては、情報通信ソリューション事業において顧客の投資抑制等による需要低迷により光ファイバ等が減収となり、電装エレクトロニクス事業においてワイヤハーネス等の自動車部品が増収となったものの、グループ全体の売上は減少しました。損益面では、販売価格の適正化等に取り組んだものの、売上の減少や原燃料価格の上昇等により減益となりました。

 

これらの結果、連結売上高は1兆565億円前期比0.9%減)、連結営業利益は112億円前期比27.7%減)、連結経常利益は103億円前期比40.5%減)となりました。投資有価証券売却益120億円等を特別利益に、固定資産処分損15億円等を特別損失として計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は65億円前期比59.1%減)となりました。なお、海外売上高は5,452億円(前期比0.7%減)で、海外売上高比率は51.6%(前期比0.1ポイント増)となりました。

単独の業績につきましては、売上高は2,968億円前期比3.0%減)、営業損失は91億円(前期比73億円悪化)、経常利益は3億円前期比96.2%減)、当期純利益は19億円前期比92.4%減)となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

 

〔インフラ〕

情報通信ソリューション事業では、光ファイバ・光関連部品等について顧客の投資抑制や在庫調整の長期化等による需要低迷、中南米におけるネットワーキング市場の減速により売上が減少する中、製品ミックスの改善による利益率の向上や原燃料価格の高騰に対する販売価格の適正化に取り組んでまいりましたが、売上が減少した影響により、減収減益となりました。

エネルギーインフラ事業では、産業電線・機器事業は、軽量かつ柔軟性に優れ建設工事現場での省力化・効率化に貢献するアルミCVケーブル等の機能線の拡販を進めたことにより好調に推移いたしました。電力事業においては、国内の超高圧地中線の需要が堅調に推移し、また再生可能エネルギー向けの海底線及び地中線も好調に推移いたしましたが、中国市場の低迷等の影響が大きく、エネルギーインフラ事業全体としては増収減益となりました。

これらの結果、当セグメントの連結売上高は2,782億円前期比14.1%減)、連結営業損失は113億円(前期比199億円悪化)となりました。また、単独売上高は774億円(前期比13.8%減)となりました。

情報通信ソリューション事業では、引き続き高付加価値製品の販売比率の更なる向上に取り組むとともに、北米市場を中心にFTTxやデータセンタ関連製品の拡販推進に加え、光ファイバ等の製品販売やネットワークの設計・運用支援、アフターサービス等をトータルで提供するネットワーキングシステムについてグローバル展開の強化に取り組み、収益の拡大を図ってまいります。また、光ファイバ・光関連部品等の需要回復を見据えた製造体制の整備も引き続き進めてまいります。エネルギーインフラ事業では、引き続き国内の超高圧地中線、再生可能エネルギー向けの海底線及び地中線等市場拡大が見込まれる分野に注力し、ケーブルの製造能力や工事施工能力の増強に取り組んでまいります。さらに、利益確保重視の受注と販売価格の適正化を推進するとともに、送配電部品及びアルミCVケーブル等の機能線の更なる拡販に向けたマーケティング活動により、収益の確保に努めてまいります。

 

〔電装エレクトロニクス〕

自動車部品事業では、軽量でカーボンニュートラル推進に貢献するアルミワイヤハーネス、及び電動車市場の拡大により需要の増大が見込まれる高電圧に対応したワイヤハーネスの拡販に取り組んでまいりました。また、自動車生産計画の急激な変更にも柔軟に対応できる体制の整備に注力するとともに、生産性の改善を図ってまいりました。さらに、原燃料価格の高騰等を受け販売価格の適正化に取り組んだこともあり、増収増益となりました。

電装エレクトロニクス材料事業では、車載関連製品は回復傾向にあるもののエレクトロニクス関連製品の需要は依然として低迷しており、高付加価値製品の拡販による製品ミックスの改善や原燃料価格の高騰等を受けた販売価格の適正化に注力いたしましたが、増収減益となりました。

これらの結果、当セグメントの連結売上高は6,537億円前期比7.1%増)、連結営業利益は187億円前期比140億円増)となりました。また、単独売上高は1,415億円(前期比7.3%減)となりました。

自動車部品事業では、引き続きアルミワイヤハーネス及び高電圧に対応したワイヤハーネスの拡販に取り組み、さらに業務プロセスの改善や生産平準化と在庫水準の適正化等による生産性の改善を進め原価低減を図るとともに、今後の電動車市場の拡大に向けた製品開発等を推進し、収益の確保を目指してまいります。電装エレクトロニクス材料事業では、車載市場等に向けた抵抗材の製品構成拡充やパワー半導体用及び放熱部品用耐熱無酸素銅条の拡販による製品ミックスの改善に引き続き取り組むとともに、販売価格の適正化に努めてまいります。

 

 

〔機能製品〕

機能製品事業では、2022年度下期以降のスマートフォンやパソコン、ハードディスクドライブ関連製品の世界的な需要の低迷及びこれに伴うサプライチェーン上の在庫調整の長期化等の影響から幅広い製品で売上が減少しましたが、生成AI関連の需要急拡大を受け高付加価値製品が好調に推移したこと等により、減収増益となりました。

これらの結果、当セグメントの連結売上高は1,154億円前期比8.7%減)、連結営業利益は55億円前期比31.8%増)となりました。また、単独売上高は734億円(前期比22.2%増)となりました。

機能製品事業では、急拡大した生成AI関連市場等の需要に対し、今後の更なる需要増大を見据えた生産体制の整備を進めるとともに、高付加価値製品の更なる拡販推進等により新たな顧客を取り込み、事業の成長を目指してまいります。

 

〔サービス・開発等〕

水力発電、新製品の研究開発、不動産の賃貸、各種業務受託等による当社グループ各事業のサポート等を行っております。なお、当社日光事業所においては、必要な電力のほとんどを再生可能エネルギー(水力発電)で賄っており、本水力発電は25中計におけるサステナビリティ目標「電力消費量に占める再生可能エネルギー比率30%」の達成に向け、その一端を担っております。

当セグメントの連結売上高は316億円前期比0.5%減)、連結営業損失は19億円(前期比2億円改善)となりました。また、単独売上高は43億円(前期比32.8%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、531億円(前連結会計年度比+11億円)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益+201億円、減価償却費+390億円、有価証券及び投資有価証券売却損益(△は益)△113億円、法人税等の支払額又は還付額(△は支払)△111億円等により+319億円(前連結会計年度比△46億円)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出△364億円、投資有価証券の売却及び償還による収入+130億円等により△248億円(前連結会計年度比△31億円)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入+296億円、長期借入金の返済による支出△254億円、短期借入金の純増減額(△は減少)△120億円、コマーシャル・ペーパーの純増減額(△は減少)+75億円等により△93億円(前連結会計年度比+252億円)となりました。

 

(生産、受注及び販売の状況)

当社グループの生産・販売品目は、広範かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額又は、数量で示すことはしておりません。

 

(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)

(1) 財政状態の分析

当連結会計年度末の資産の部では、合計が前連結会計年度末に比べ515億円増加して9,850億円となりました。受取手形、売掛金及び契約資産が162億円、棚卸資産が114億円、有形固定資産が94億円、投資有価証券が121億円増加しました。

流動資産から流動負債を差し引いた運転資本は、前連結会計年度末に比べ111億円増加して1,169億円となりました。

有形・無形固定資産は、資本的支出で390億円の増加、減価償却で390億円の減少のほか、除売却による減少等により変動しております。

負債の部では、合計が前連結会計年度末に比べ226億円増加して6,270億円となりました。借入金、社債、コマーシャル・ペーパーを含む有利子負債が3,330億円と前連結会計年度末比で92億円増加しました。

純資産の部では、合計が前連結会計年度末に比べ289億円増加して3,580億円となりました。その他の包括利益累計額が252億円増加しました。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末比1.0ポイント上昇し33.3%となりました。

キャッシュ・フローの概況については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(業績等の概要)(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

(2) 経営成績の分析

当連結会計年度の連結売上高は、前連結会計年度比0.9%減1兆565億円、連結営業利益は、前連結会計年度比27.7%減112億円となりました。情報通信ソリューション事業において顧客の投資抑制等による需要低迷により光ファイバ等が減収となり、電装エレクトロニクス事業においてワイヤハーネス等の自動車部品が増収となったものの、グループ全体の売上は減少しました。損益面では、販売価格の適正化等に取り組んだものの、売上の減少や原燃料価格の上昇等により減益となりました。

営業外損益では、前連結会計年度に比べ支払利息29億円悪化持分法による投資利益27億円改善しました。この結果、連結経常利益は前連結会計年度比40.5%減103億円となりました。

特別損益は、98億円の利益(純額)となりました。投資有価証券売却益120億円等を特別利益に、固定資産処分損15億円等を特別損失として計上いたしました。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比59.1%減65億円となりました。

なお、セグメント別の概況は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(業績等の概要)(1)業績」に記載しております。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループでは、事業活動の継続及び発展のための成長投資や運転資金需要に対して、営業活動を通じて獲得したキャッシュ・フローの他、金融機関からの借入、社債やコマーシャル・ペーパーの発行等の負債性調達や、資産の流動化等により、資金調達を実施しております。具体的な調達手段については、市場環境や当社のバランスシート状況を踏まえ、経済合理性や財務構造の安定化の観点から判断しております。

また、日本、中国及びタイにおいては、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、効率的な資金活用に努めております。

手元流動性については、手元現預金とコミットメントラインにより、短期的な支払リスクをカバー出来うる水準を確保しております。

 

(重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定)

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。