E30065 Japan GAAP
前期
257.0億 円
前期比
98.6%
株価
1,036 (04/26)
発行済株式数
10,894,935
EPS(実績)
50.12 円
PER(実績)
20.67 倍
前期
644.9万 円
前期比
99.8%
平均年齢(勤続年数)
38.7歳(8.9年)
従業員数
34人(連結:384人)
当社グループは、当社、連結子会社3社、及び非連結子会社4社で構成されております。なお、当社グループは調理済食材の宅配を主な事業として、単一セグメントで取り組んでおります。また、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
(主な関係会社)株式会社ライドオンエクスプレス
当社グループは、「ご家庭での生活を『もっと美味しく、もっと便利に』」をテーマに、寿司や釜飯などの調理済食材を中心とした宅配事業として、宅配寿司「銀のさら」/宅配御膳「釜寅」/宅配寿司「すし上等!」を直営及びフランチャイズにてチェーン展開しており、提携レストランの宅配代行サービス「ファインダイン」を直営にて展開しております。
直営店舗(「ファインダイン」以外)においては、仕入先より食材等を仕入れて店舗で調理を行い、調理済食材をお客様に宅配しております。「ファインダイン」においては、提携レストランの料理をお客様に宅配代行しております。またフランチャイズ店舗においては、加盟企業に対してフランチャイズ契約に基づき、商標及び運営ノウハウの提供、食材等の販売を行い、対価としてロイヤルティ収入、加盟金収入、食材販売収入等を受領しております。
当社グループの宅配事業は外食産業のようにお客様の来店を想定しておらず、宅配拠点の立地優位性を追求する必要がないため、物件確保が容易で、物件取得費、設備投資が抑えられるといった利点があります。また、店舗面積や席数といった制限がないため繁忙期には、アルバイト、配達車両の調整を行い、積極的に販売促進活動をすることによって売上の極大化を図ることが可能な事業であります。
お客様からの注文においては、電話及びWEBサイトより受け付けますが、その際、配達のためにお客様のお名前、ご住所等を受注システムに登録する必要がある為、顧客情報や注文履歴といった顧客データベース(ビッグデータ(※1))を保有することができます。これらの情報を連動することにより、お客様ごとの嗜好性や店舗状況を逐次把握・分析することが可能となっております。
このような特性を生かして、当社グループは、ひとつの拠点に複数の店舗(※2)を出店するという「複合化戦略」を促進しております。「複合化戦略」とは、例えば、宅配寿司「銀のさら」が出店されている拠点に、宅配御膳「釜寅」など別の店舗を出店するといった、1つの拠点で複数の店舗を運営する出店戦略となります。この戦略により、1拠点における売上の拡大、出店設備投資の抑制、物件・設備の共有、顧客データの店舗間での相互活用が可能となるため、設備費、人件費、販促費を抑えております。
また、これまで長年に亘って培った宅配事業ノウハウと顧客データベースによって、宅配メニューやチラシ等の効率的な配布や、ダイレクトメール、メールマガジン送信、公式アプリからのプッシュ通知等、お客様の誕生日やイベントに合わせたアプローチといった、One to Oneマーケティング活動等、費用対効果の高い販売促進活動を実施しております。
※1 巨大で複雑なデジタルデータの集積のこと。
※2 拠点と店舗について
当社グループのチェーンでは、商品を宅配するための事業所を全国に配置しており、これを「拠点」と呼んでおります。また、消費者に提供するメニューの種類ごとに設置される設備(宅配寿司「銀のさら」や宅配御膳「釜寅」等)、及び「ファインダイン」における消費者が選ぶことのできる提携レストランのラインナップ(メニュー)毎の配送機能を「店舗」と呼び、一つの「拠点」に複数の「店舗」を設置することがあります。
各ブランドの特徴は以下のとおりであります。
宅配寿司「銀のさら」では、「おいしいお寿司をもっと身近に」をコンセプトに、クオリティにこだわった商品をお手ごろな価格で提供しております。
食材におきましては、350を超える店舗にて使用する食材の一括仕入れにより、鮮度の良い品質にこだわったネタを安定的に安価に調達することに努めております。また、冷凍食材の使用においては、宅配寿司業界では当社のみ独占的に使用可能な(※)高電場解凍機を用いることによって、解凍時にうまみ成分が流れ出るのを抑えております。このように冷凍魚を鮮魚に近い状態に解凍することによって、短時間で高品質な状態のお寿司をお届けすることができます。
また、商品の品質を一定に保つために、調理技術の教育機関である研修センターにおいて、技術の向上に努めております。
※銀のさらチェーンに導入することを前提条件として、宅配寿司業界における独占的利用の権利を得ております。
宅配御膳「釜寅」では、釜飯形式の炊き込みご飯を薬味・だし汁・漬物と一緒に御膳形式で提供しております。また、薬味を添えたり、お茶漬けにして食べるなど従来の釜飯の概念とは異なる「新しい食べ方の提案」により差別化を図っております。全自動釜めし炊飯器の使用により調理工程を簡略化し、また、蒸らしの工程を配達時間に行うため、小スペース・少人数で店舗を運営することができます。
宅配御膳「釜寅」を宅配寿司「銀のさら」と複合化することにより、経営資源の有効活用を図りながら、特別な日のお食事から普段のお食事まで、消費者のより広範囲なニーズに応えております。
宅配寿司「すし上等!」は、既存ブランドである宅配寿司「銀のさら」よりも低価格な商品を提供するとともに、手巻き寿司や丼といったバラエティに富んだメニューの提供により、「銀のさら」との差別化を図りつつ、日常的なご利用をさらに促進することを目的とした、宅配寿司の第2ブランドとなります。「銀のさら」の同一拠点内に複合化して出店することにより、食材、経営資源を有効に活用し、「銀のさら」のネタのクオリティはそのままに、盛り合わせるネタの種類や大きさを工夫することで、品質の高いお寿司をお値打ち価格で提供しております。
提携レストランの宅配代行サービス「ファインダイン」では、自社ブランド運営において培ったデリバリー及び販売促進のノウハウを生かし、提携レストランの宅配代行を行う店舗を展開しております。
「ファインダイン」は、提携レストラン及びお客様の双方に向けたサービスを提供しております。提携レストラン向けには、宅配機能を持たないレストランに代わって、お客様より注文を受け、料理をお届けするサービスであり、また、紙・WEB媒体における効果的な情報発信を消費者全般に向けて行うことによるレストランの広告宣伝機能も担っております。
お客様にとっては、通常ご家庭で食することのない当社グループが厳選した様々なジャンルのレストランの料理を、ご家庭にいながら楽しんでいただくためのサービスとなります。お客様の気分にあわせてレストランや料理をご紹介するなどきめ細やかな対応で、ワンランク上の日常のお食事からパーティー利用まで様々な場面でご利用いただいております。
「ファインダイン」の収入は、提携レストランからのシステム利用料、注文毎の代行手数料、及びお客様からの配達手数料からなっております。
店舗数は、以下のとおりであります。
[ブランド別 店舗数] [地域別 店舗数]
[地域別 ブランド別店舗数]
拠点数は、以下のとおりであります。
[地域別 拠点数]
※店舗数が拠点数を上回るのは、当社グループではひとつの拠点に複数の店舗を出店している場合があるためです。
過年度における店舗数・拠点数は、以下のとおりであります。
[過年度 店舗数/拠点数]
事業の系統図は以下のとおりであります。
[事業系統図]
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の社会経済活動への影響が緩和され、景気の持ち直しの動きが見られます。先行きについては、世界的な金融引き締めによる海外経済の下振れ、物価の上昇や供給面での制約、金融資本市場の変動等が経済に与える影響が懸念されるものの、各種施策の効果によって、引き続き持ち直していくことが期待されます。
当社グループの属する宅配食市場におきましては、高齢化社会の進展、単身世帯の増加、夫婦共働き世帯の増加を背景に、フードデリバリーやテイクアウト等の中食需要が増加することで堅調に推移しており、新型コロナウイルス感染症の影響によって、フードデリバリー需要は更に急拡大いたしました。足元においては、新型コロナウイルス感染対策の規制解除による反動もありますが、中長期的には、ライフスタイルの変化が進展することに伴い、フードデリバリー需要は今後も堅調に推移すると考えております。
このような状況の下、当社グループは「ご家庭での生活を『もっと美味しく、もっと便利に』」を実現するために、「誰もがご自宅にいながらにして享受できる、より便利で快適な新しいライフスタイルの創出」に貢献していく「次世代ホームネット戦略」を基本戦略として、事業活動に取り組んでまいりました。
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染拡大以前と比較し、売上高は堅調に推移しておりますが、緊急事態宣言の解除に伴い特需効果がなくなったことで、主要ブランドである宅配寿司「銀のさら」、宅配御膳「釜寅」等の売上は前連結会計年度と比べて減少しております。一方で、資源価格の上昇や円安などを背景に仕入れ環境は非常に厳しい状況で推移しており、売上原価は増加しております。また、出店戦略の推進により店舗数が増加したことで、販売費及び一般管理費は増加しております。これらの活動により、営業利益は前連結会計年度と比べ減少いたしました。
営業外費用においては、加盟店舖を買い取ったことによる店舗買取損及び投資損失引当金繰入額を計上しております。
特別損失においては、直営店舗の保有する資産等を減損損失として計上しております。
その結果、当連結会計年度の業績は売上高25,353百万円(前年同期比1.4%減)、営業利益1,251百万円(前年同期比35.6%減)、経常利益1,099百万円(前年同期比45.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益546百万円(前年同期比56.2%減)となりました。
財政状態においては、当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,095百万円増加し、13,539百万円となりました。当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,319百万円増加し、6,407百万円となりました。当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ224百万円減少し、7,131百万円となりました。
主な活動状況は以下のとおりです。
当連結会計年度末におけるFCを含むチェーン全体の店舗数は777店舗(直営287店舗、FC店490店舗)、拠点数は387拠点(直営115拠点、FC272拠点)となりました。
なお、2022年9月に、宅配寿司「銀のさら」初となる海外店舗を、タイ王国バンコクに出店(FC店)しております。
店舗数・拠点数の推移は、以下のとおりであります。
[店舗数の推移]
(注)1.区分変更における直営店舗の増加は、主にFC店舗が閉店したエリアに直営店舗が出店したことによるものであり、FC店舗の増加とは、直営店舗の加盟企業への売却によるものです。
2.来店型の和食レストラン及び宅配サービス「DEKITATE」の店舗数は、直営の「その他」に記載しております。
[拠点数の推移]
商品戦略としましては、期間限定商品として、宅配寿司「銀のさら」では、人気の高い「大生エビ」、「トロサーモン」、「ピュアレッドサーモン」、「キングサーモン」を使用した商品を提供いたしました。また、公式サイト限定で販売するスペシャル商品として、「いま!これ!勝負ネタ」シリーズを数量限定・期間限定で提供しております。4月には、2021年にも人気の高かった「近大生まれマグロ」を、持続可能な魚類養殖を目的にさまざまな魚種の完全養殖技術を開発している近畿大学水産研究所とのコラボレーション企画として提供、7月には水産資源保護を目的とする「海への恩返しプロジェクト」として、育成過程の一部で、魚粉を使わずに大豆や白ゴマを配合した飼料で育てた「白寿真鯛0(ゼロ)」を使用した商品を提供、2月には、つばきの葉を餌に配合して育てられた「つばき鯛」を販売いたしました。
また、宅配寿司「銀のさら」においては、環境負荷を軽減し地球環境保全に貢献するため、国産の天然の石が主原料である新素材「L-Stone」を使用した使い捨て容器を12月より導入開始いたしました。
宅配御膳「釜寅」においては、4月に高級魚とされる甘鯛と真鯛の2種類の白身魚を使用した「炙り甘鯛と真鯛釜飯」を提供、7月には、土用の丑の日の需要に合わせ、老舗日本料理店「日本橋 ゆかり」監修の特製タレで蒲焼にした「極上うなぎ釜飯」を提供、11月には、肉の老舗店「お肉の専門店スギモト」とコラボレーションした「和牛すき焼き釜飯」を公式サイト限定で提供しております。
なお、資源価格の上昇や円安等による仕入れ環境の変化を受けて、宅配寿司「銀のさら」、宅配御膳「釜寅」、宅配寿司「すし上等!」において、10月及び3月に商品価格の値上げを行っております。
販売戦略としましては、自社電子ポイント「デリポイント」を活用することで、さらなる利用機会を創出するため、繁忙期や機会点において戦略的にポイントを発行しております。5月には「母の日」デリポイント39%還元キャンペーンを、6月には「父の日」デリポイント39%還元キャンペーンを実施、7月には「銀のさら夏祭り」の施策の一部として、七夕やお盆などの機会点でデリポイントキャンペーンを実施、10月には「秋祭りキャンペーン」として、5つのお得なポイントキャンペーンを実施、2月にはお客様への感謝の気持ちを込めた「創業祭」キャンペーンを実施、また、宅配御膳「釜寅」においては、人気ゲーム「龍が如く」のシリーズ最新作である「龍が如く維新!極」とのコラボレーションを記念して、デリポイントのプレゼントキャンペーンを実施するなど、WEB会員、顧客に向けた販売促進及び認知度向上のための施策を実施いたしました。
また、「銀のさら」においては、年末年始を含む12・1月が、年間において一番お客様のご利用数が多く、収益を獲得できる時期であるため、高級食材を使用した期間限定桶の提供、早期WEB予約の受付、公式アプリからのご注文限定でデリポイント10%還元キャンペーンを実施するなど、お客様満足度・利便性及び収益性の向上、新規顧客の獲得に取り組んでまいりました。
既存顧客に向けては、顧客属性にあわせた計画的なDMの実施、メールマガジンの配信、LINE公式アカウントからの情報発信、公式アプリからのプッシュ通知等、CRM(※)の確立に向けた活動を行っております。
また、これらの活動を継続することで、12月には、銀のさらアプリ登録者数が100万人を突破いたしました。
※Customer Relationship Managementの略。顧客接点での情報を統合管理し、顧客との長期的な関係性を構築、製品・サービスの継続的な利用を促すことで収益の拡大を図るマーケティング手法。
宅配寿司「銀のさら」においては、テイクアウト併設型店舗の出店を推進しております。従来のデリバリーでの注文に加え、テイクアウトでの需要に応えることで、利便性の向上と新たな顧客層の開拓を進めてまいります。また、宅配寿司「銀のさら」、宅配御膳「釜寅」の世界観をそのままに、高級感あふれる店内で「銀のさら」、「釜寅」の食事をお楽しみいただける、来店型の和食レストラン「銀のさら」の検証を進めております。
提携レストランの宅配代行サービス「ファインダイン」においては、配達エリアを再編し経営資源を集中することで効率化を図っております。販売促進においては、毎月お得なクーポンや情報を配信するなど、新規顧客の獲得とリピート利用の促進を目的とした各種施策を実施しております。
また、肉メニューを中心とした宅配サービス「DEKITATE」においては、「専門店の美味しさをご自宅でも!」をコンセプトに、牛タン、とんかつ、炭火焼肉、鰻等の商品を提供し、検証を進めております。
なお、当社グループでは、お客様や従業員、そのご家族の安心・安全を最優先し、感染予防の様々な取り組みを行った上で、店舗営業を継続しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末より3,008百万円増加し、7,152百万円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、745百万円の収入となりました。
主な内訳は、税金等調整前当期純利益949百万円、非資金項目である減価償却費375百万円を計上した一方で、法人税等の支払額558百万円が生じたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、573百万円の収入となりました。
主な内訳は、金銭の信託の解約による収入1,000百万円、有形固定資産の取得による支出345百万円、無形固定資産の取得による支出64百万円が生じたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,684百万円の収入となりました。
主な内訳は、長期借入れによる収入3,000百万円、長期借入金の返済による支出512百万円、自己株式の取得による支出500百万円、配当金の支払いによる支出303百万円が生じたことによるものであります。
当連結会計年度における仕入実績を示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、実際仕入価格によっております。
当連結会計年度における販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。また、この連結財務諸表の作成にあたりまして、将来事象の結果に依存するため確定できない金額について、仮説の適切性、情報の適切性及び金額の妥当性に留意しながら会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積りと異なる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、25,353百万円(前年同期比1.4%減)となりました。当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染拡大前と比較し、宅配寿司「銀のさら」、宅配御膳「釜寅」等の売上高は堅調に推移しておりますが、新型コロナウイルス感染対策の規制緩和による影響で、前年との比較においては減少しております。その内訳においては、加盟店からのロイヤルティ収入や食材販売等のFC売上高が減少しておりますが、出店戦略の推進により直営店舗数が増加したことで、直営店売上高は増加いたしました。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価は、13,162百万円(前年同期比0.1%増)となりました。これは、資源価格の上昇や円安などを背景に仕入環境が厳しい状況で推移しており、食材の仕入価格が上昇したことによるものであります。当社グループでは、主要ブランドである宅配寿司「銀のさら」、宅配御膳「釜寅」等で商品価格の値上げを行うことで対策を取っております。なお、原価率は、前連結会計年度と比較し0.8%増となっております。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、10,940百万円(前年同期比3.1%増)となりました。これは、積極的な出店戦略の推進により直営店の店舗数が増えたことで、その店舗運営維持に係るコストが増加したことによるものであります。
(営業外損益)
当連結会計年度における営業外損益は、営業外収益が29百万円(前年同期比75.0%減)、営業外費用が181百万円(前年同期比191.9%増)となりました。加盟店舖を買い取ったことによる店舗買取損、連結子会社の投資損失引当金繰入額等を計上しております。
(特別損益)
当連結会計年度における特別損益は、特別利益が9百万円(前年同期比0.1%減)となりました。また、特別損失が160百万円(前年同期比176.8%増)となりました。当連結会計年度におきましては、直営店舗の保有する資産等を減損損失として計上しております。
当社グループにおける経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりです。
売上高は、社会経済活動の正常化に向けた新型コロナウイルス感染対策の規制緩和が、想定よりも早く消費者の行動変化をもたらしたことで、業績予想を下回っておりますが、自社電子ポイント「デリポイント」の活用による利用機会の創出等によって、計画に対し△182百万円(0.7%減)となりました。
経常利益においては、価格改定による収益性の改善等に努めておりますが、営業外で店舗買取損や投資損失引当金繰入額を計上したことで、計画に対し△170百万円(13.4%減)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益においては、直営店舗の保有する資産等を減損損失として、130百万円計上したことで、計画に対し△269百万円(33.1%減)となりました。
なお、2023年3月期の計画数値は、2022年11月14日に発表した修正予想を使用しております。
b.財政状態の分析
当連結会計年度末における資産、負債、及び純資産の状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて2,287百万円増加し、9,600百万円(前連結会計年度末残高7,313百万円)となりました。これは主として、現金及び預金が3,139百万円、原材料及び貯蔵品が359百万円増加した一方で、有価証券が1,000百万円減少したことによるものであります。
また、固定資産は、前連結会計年度末に比べて191百万円減少し、3,938百万円(前連結会計年度末残高4,130百万円)となりました。これは主として、無形固定資産が93百万円、建物及び構築物が67百万円、工具、器具及び備品が58百万円減少、投資損失引当金が75百万円増加した一方で、繰延税金資産が92百万円増加したことによるものであります。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて40百万円増加し、3,594百万円(前連結会計年度末残高3,554百万円)となりました。これは主として、1年内返済予定の長期借入金が227百万円、ポイント引当金が181百万円増加した一方で、契約負債が259百万円、未払金が130百万円減少したことによるものであります。
また、固定負債は、前連結会計年度末に比べて2,279百万円増加し、2,813百万円(前連結会計年度末残高533百万円)となりました。これは主として、長期借入金が2,260百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べて224百万円減少し、7,131百万円(前連結会計年度末残高7,356百万円)となりました。これは主として、自己株式取得により自己株式が500百万円増加、配当金303百万円の実施により減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益546百万円の計上、新株式の発行により22百万円増加したことによるものであります。
c.キャッシュ・フローの状況についての分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの資金需要のうち主なものは、食材の仕入れのほか、販売用商材の購入費用等、販売費及び一般管理費、法人税等の支払、配当金の支払、運転資金及び設備投資資金等であります。
短期運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度における有利子負債(借入金)の残高は2,880百万円となっております。