E30071 Japan GAAP
前期
12.2億 円
前期比
106.2%
株価
680 (04/18)
発行済株式数
5,915,733
EPS(実績)
48.30 円
PER(実績)
14.08 倍
前期
550.2万 円
前期比
108.8%
平均年齢(勤続年数)
40.7歳(7.8年)
従業員数
55人(連結:57人)
当社グループは、当社、先端研究開発支援事業の欧米市場における販売子会社であるHuman Metabolome Technologies America, Inc. (以下「HMT-A」といいます。)の2社で構成され、「未来の子供たちのために、最先端のメタボローム解析技術とバイオ技術を活用した研究開発により、人々の健康で豊かな暮らしに貢献する」ことを企業理念とし、ヘルスケア研究開発に携わる人々のベストパートナーとして、画期的なヘルスケア製品・サービスの創造に貢献する[ヘルスケア・ソリューション・プロバイダー]を目指して事業を展開する慶應義塾大学発のベンチャー企業です。当社グループは、設立母体である慶應義塾大学先端生命科学研究所及び本社所在地である山形県や鶴岡市等地方自治体と産官学連携のもとに事業を展開しております。
<事業系統図>
※画像省略しています。
(1) メタボロームとバイオマーカー
人間をはじめとする生物は、筋肉や臓器、骨といった多様な機能を持つ器官から成り立ちますが、これらはアミノ酸や脂質、核酸などの代謝物質(メタボライト)を共通の構成因子としており、代謝物質は全ての生命活動において欠かせない役割を担っています。代謝物質は食事により供給され、運動など日々の活動の中で消費されます。その機能に応じて体内や細胞内を移動し、多くの化学反応によって新しい物質へと作り替えられていきます。このような化学反応のことを代謝(メタボリズム)と呼び、この物質変換は代謝経路という一定の規則により成り立っています。代謝の仕組みを理解することは、私たち自身をより深く知ることに繋がります。
メタボローム解析は幅広い分野で利用されていますが、以下のような分野で代謝を理解する手法として活用されています。
・大学などの研究機関における疾患メカニズムの研究
・製薬企業における探索・薬理研究や毒性研究
・発酵を利用した物質生産を行っている企業における生産性の向上
・食品企業における成分分析や機能性の探索・確認
生命活動を営むためには、様々な機能を精緻に制御して”恒常性”を維持する仕組み(内的/外的な影響を最小限にし、一定に保つ仕組み)が備わっています。体温や心拍数が一時的に変化しても元に戻ることが、恒常性の身近な例と言えます。しかし、疾病に罹患することにより恒常性が破綻した場合、代謝物質などの構成要素にも影響が及び、健康の時とは異なる振る舞いを示すようになります。それがバイオマーカーです。バイオマーカーとして広く知られているものに、膵臓の機能指標となる血糖(糖尿病)や肝機能の指標となるγ-GTP(肝硬変等)、腫瘍マーカーとしてPSA(前立腺がん)やCA19-9(膵臓がん等)があります。バイオマーカーとは、特定の疾患に対して客観的に評価できる生体上の指標をいいます。
バイオマーカーは、疾患をモニターすることを目的に古くから研究されてきましたが、より高感度で一度に多くの物質を分析できる新しい方法の出現により、新たなバイオマーカーの研究成果が相次いで発表されています。メタボローム解析技術により、探索が進んでいるバイオマーカーには、以下のようなものがあります。
・疾患を予測するバイオマーカー
・治療の予後を予測するバイオマーカー
・投薬による副作用を予測するバイオマーカー
・投薬の効果を予測するバイオマーカー
(2) 当社グループ設立の経緯
生物学、医学分野において、オミクス(注1)は生体の網羅的情報を得る手法として重要です。2001年慶應義塾大学先端生命科学研究所の曽我朋義教授は、生体内の低分子代謝物質(メタボローム)(注2)の測定方法を開発しました。このメタボローム測定法はキャピラリー電気泳動装置(Capillary Electrophoresis)と質量分析計(Mass Spectrometer)を組み合わせて測定するもので、頭文字をとってCE-MS法と呼ばれています。
曽我朋義教授の測定法は、生体内のイオン性代謝物質(注3)を、一斉に、かつ、網羅的に測定できる点で画期的な技術でした。メタボローム解析技術は、生物学基礎研究から医薬開発、疾患バイオマーカー(注4)開発等に用いられるため、本技術の社会的ニーズが見込まれました。
こうした技術の確立を背景に、当社グループは、CE-MS法の開発者である曽我朋義教授、冨田勝教授、慶應義塾大学等が中心となり、2003年7月に設立されました。当社グループは、慶應義塾大学のアントレプレナー資金制度により出資を受けた慶應義塾大学発ベンチャー企業の第1号となりました。
(3) ビジネスモデル
当社グループは、主にCE-MSを用いたメタボローム解析法をコア技術として代謝物質の網羅的解析技術を用いて顧客の研究開発を支援する「先端研究開発支援事業」と、リキッドバイオプシー(注5)における、未病、予防、疾病の早期発見等に寄与するバイオマーカーを探索するサービス(バイオマーカー探索サービス)と、機能性素材にかかる研究開発の課題をワンストップで解消するソリューションを提供するヘルスケア・ソリューション開発サービスからなる「ヘルスケア・ソリューション事業」の2事業セグメントで構成されます。
(4) 事業内容
① 先端研究開発支援事業
本事業では、主に食品・化学・製薬等の民間企業、大学や公的研究機関からメタボローム解析を受託しております。顧客は試料を当社グループへ送付し、当社は試料から代謝物質を抽出し、CE-MS等によるメタボローム解析のうえ、試験結果を報告書として納品します。当社グループのメタボローム解析サービスで得られた代謝物質データは、製薬企業や大学、研究所では基礎生物学研究から薬剤効果及び毒性の評価等、食品企業では発酵プロセスの律速段階解析や機能性食品の機能評価等に用いられ、顧客の研究開発進展に貢献しております。
当社グループは、メタボローム解析受託サービスを海外で展開するため、2012年10月に医学研究の集積地ともいえるアメリカ合衆国マサチューセッツ州に、販売子会社HMT-Aを設立して営業活動を行っております。
また今後は新たな分子種・他のオミクスの解析受託サービスなどを拡充していく予定です。
② ヘルスケア・ソリューション事業
機能性素材開発における革新的なワンストップソリューションサービス(機能性素材開発包括支援サービス)の開発やメンタルヘルスバイオマーカー等の共同開発を進めています。また、皮膚ガス測定等のサービスをはじめ、ヘルスケア関連企業にソリューションを提供しています。
(注1)オミクス(omics)とは、生体内に存在する遺伝子及びその発現、タンパク質、代謝物質等を網羅的に解析し、生体内の挙動を理解しようとする研究アプローチです。遺伝子(gene)ではゲノミクス(genomics)、遺伝子発現(transcript)ではトランスクリプトミクス(transcriptomics)、タンパク質(protein)ではプロテオミクス(proteomics)、代謝物質(metabolite)ではメタボロミクス(metabolomics)と表現します。
(注2)ヒトや動植物の生体内には、生命活動の維持に必要なATP(アデノシン三リン酸)等の高エネルギー物質や有機酸、アミノ酸等、数多くの代謝物質が存在し、酵素による代謝物質の変換が活発に行われています。メタボロームとは、これら生体由来の代謝物質の総称です。個々の代謝物質を指す場合には、メタボライトと言うこともあります。
(注3)イオン性代謝物質とは、水溶液中で電荷を帯びる代謝物質を指します。例えば、食塩(NaCl)は水に溶けると、Na+(ナトリウムイオン)とCl-(塩化物イオン)に分かれます。イオン性代謝物質は、このように分子が分かれて電荷的な性質を持ち、CE-MS法は、こうしたイオン性代謝物質が電荷を帯びている性質を利用し、キャピラリー電気泳動装置で測定試料に含まれる代謝物質を分離します。
(注4)血液や尿等に含まれる物質で、疾患等による生体内の変化を定量的に評価するための指標を指します。糖尿病における血糖値、痛風における血液尿酸値等はバイオマーカーの一例です。
(注5)侵襲性の少ない液性検体(血液、尿等)を用いた検査・解析技術です。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染状況については徐々に改善が見られ、経済活動の活性化が進む一方、日米金利差に起因する円安、資源価格の高止まりに伴う国内物価の高騰、世界景気の減速懸念等により、依然として先行きは不透明な状況となっております。
当社グループが属するライフサイエンス業界においては、感染症対策としての治療薬・ワクチン等の開発に加え、免疫力向上等の感染症予防を促進するための機能性表示食品開発等、健康管理へのニーズの高まりを受けた研究開発の増加傾向が継続しています。
このような状況の中、当社グループでは代謝物の高感度網羅解析サービスの営業活動を精力的に行うことで先端研究開発支援事業の受注拡大を図るとともに、研究開発費を除く一般管理費の削減に引き続き取り組みました。研究開発においては、機能性素材開発における革新的なワンストップソリューションサービス(機能性素材開発包括支援サービス)の開発を中心に、メンタルヘルスバイオマーカーの事業化のための研究開発等を推進しました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は、1,299,225千円(前年同期比6.2%増)と増収となりました。将来の成長に向けて研究開発に注力した結果、研究開発費が増加した一方、売上増加に加えて、生産性向上による一般管理費を削減したことにより、営業利益も210,982千円(前年同期比10.4%増)と増益となりました。一方で経常利益は前連結会計年度に計上した為替差益が減少したこと等により、営業外損益が40,299千円減少し、232,611千円(前年同期比8.1%減)となりました。この結果に加え、当連結会計年度より繰延税金資産の回収可能性の分類を変更したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は285,758千円(前年同期比6.7%増)となりました。
|
2022年6月期 |
2023年6月期 |
増減率 |
売上高 |
1,223,281千円 |
1,299,225千円 |
6.2% |
営業利益 |
191,150千円 |
210,982千円 |
10.4% |
経常利益 |
253,078千円 |
232,611千円 |
△8.1% |
親会社株主に帰属する当期純利益 |
267,785千円 |
285,758千円 |
6.7% |
セグメント別の状況は、次のとおりであります。
<先端研究開発支援事業>
|
2022年6月期 |
2023年6月期 |
増減率 |
売上高 |
1,220,425千円 |
1,251,738千円 |
2.6% |
(内国内売上高) |
1,028,794千円 |
1,032,767千円 |
0.4% |
(内海外売上高) |
191,630千円 |
218,970千円 |
14.3% |
セグメント利益 |
331,992千円 |
353,609千円 |
6.5% |
当事業セグメントにおいては、国内外ともに代謝物の高感度網羅解析サービスや、提携先から導入したその他オミクス受託サービスの販売が堅調に推移し、製薬分野を中心として売上が増加し、一般管理費の削減にも努めた結果、増収増益となりました。
この結果、売上高は1,251,738千円(前年同期比2.6%増)となりました。全社費用配賦後のセグメント利益は、353,609千円(前年同期比6.5%増)となりました。
<ヘルスケア・ソリューション事業>
|
2022年6月期 |
2023年6月期 |
増減率 |
売上高 |
2,856千円 |
47,487千円 |
1,562.5% |
(内国内売上高) |
2,856千円 |
47,487千円 |
1,562.5% |
(内海外売上高) |
-千円 |
-千円 |
- |
セグメント損失(△) |
△140,842千円 |
△142,627千円 |
- |
当事業セグメントにおいては、機能性素材開発における革新的なワンストップソリューションサービス(機能性素材開発包括支援サービス)の開発やメンタルヘルスバイオマーカーの共同開発を進めるとともに、皮膚ガス測定サービスなどの拡販を推進しました。
この結果、売上高は47,487千円(前連結会計年度は2,856千円)と増収となりました。一方、新事業等に向けて研究開発に注力し研究開発費が増加したため全社費用配賦後のセグメント損失は、142,627千円(前連結会計年度は140,842千円のセグメント損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ152,045千円増加し、1,656,789千円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは284,962千円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純
利益237,002千円の計上及び減価償却費80,386千円の計上等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは116,755千円の支出となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出98,786千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは13,754千円の支出となりました。これはリース債務の返済による支出
13,730千円等によるものであります。
③ 財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,848,331千円となり、前連結会計年度末に比べ106,364千円増加しました。これは、現金及び預金が152,045千円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は442,727千円となり、前連結会計年度末に比べ115,965千円増加しました。これは、最新の測定機器の導入に伴い工具、器具及び備品が95,470千円、生産管理システムの導入により
無形固定資産が15,690千円増加したこと、また繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、繰延税金資産が
71,195千円増加した等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は493,007千円となり、前連結会計年度末に比べ53,272千円減少しました。これは、未払金が49,863千円、未払法人税等が24,451千円減少したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は25,723千円となり、前連結会計年度末に比べ10,147千円減少しました。これは、リース債務が10,170千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は1,772,328千円となり、前連結会計年度末に比べ285,750千円増加しました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益285,758千円を計上したこと等によるものであります。
なお、2022年9月22日に開催された株主総会において、資本準備金の額の減少及び剰余金の処分の件が決議
されたため、会社法第448条第1項の規定に基づき、資本準備金の額を減少し、その他資本剰余金に振替える
とともに、会社法第452条の規定に基づき、振替後のその他資本剰余金を繰越利益剰余金へ振替える処理を、
第1四半期連結会計期間において実施しております。
④ 生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) |
生産高(千円) |
生産高(千円) |
|
先端研究開発支援事業 |
3,187 |
1,918 |
合計 |
3,187 |
1,918 |
(注)1.上記の金額は、先端研究開発支援事業のうち、試薬キットに係る部分を記載しております。
2.その他研究開発支援事業及びヘルスケア・ソリューション事業については、業務の性質上生産として把握することが困難であるため、記載しておりません。
(2) 仕入実績
仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) |
仕入高(千円) |
仕入高(千円) |
|
先端研究開発支援事業 |
20,150 |
13,175 |
合計 |
20,150 |
13,175 |
(注)1.上記の金額は、先端研究開発支援事業のうち、限外ろ過フィルターに係る部分を記載しております。
2.その他研究開発支援事業及びヘルスケア・ソリューション事業については、業務の性質上仕入として把握することが困難であるため、記載しておりません。
(3) 受注実績
受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) |
||
受注高(千円) |
受注残高(千円) |
受注高(千円) |
受注残高(千円) |
|
先端研究開発支援事業 |
1,400,598 |
398,361 |
1,267,152 |
427,910 |
ヘルスケア・ ソリューション事業 |
2,856 |
3,000 |
49,141 |
5,310 |
合計 |
1,403,454 |
401,361 |
1,316,294 |
433,220 |
(4) 販売実績
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) |
販売高(千円) |
販売高(千円) |
|
先端研究開発支援事業 |
1,220,425 |
1,251,738 |
ヘルスケア・ ソリューション事業 |
2,856 |
47,487 |
合計 |
1,223,281 |
1,299,225 |
(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10に満たないため、記載しておりません。
(2) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表において、損益又は資産の状況に影響を与える見積りの判断は、一定の会計基準の範囲内において、過去の実績や判断時点で入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
売上高につきましては、先端研究開発支援事業においては、国内外ともに代謝物の高感度網羅解析サービスや、提携先から導入したその他オミクス受託サービスの販売が堅調に推移し、製薬分野を中心として売上が増加し、一般管理費の削減にも努めた結果、増収増益となりました。これらの結果、先端研究開発支援事業において当連結会計年度末の受注残高は427,910千円(前連結会計年度末は398,361千円)となりました。ヘルスケア・ソリューション事業においては、機能性素材開発における革新的なワンストップソリューションサービス(機能性素材開発包括支援サービス)の開発やメンタルヘルスバイオマーカーの共同開発を進めるとともに、皮膚ガス測定サービスなどの拡販を推進しました。これらの結果、当社グループ全体の売上高は1,299,225千円となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、研究開発費を除く一般管理費の削減に引き続き取り組みました。研究開発においては、機能性素材開発における革新的なワンストップソリューションサービス(機能性素材開発包括支援サービス)の開発を中心に、メンタルヘルスバイオマーカーの事業化のための研究開発等を推進しました。これらの結果、営業利益は210,982千円、経常利益は232,611千円となりました。この結果に加え、当連結会計年度より繰延税金資産の回収可能性の区分を変更したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は285,758千円となりました。
当社グループ全体といたしましては、持続的に収益を計上できる企業体質へと転換が進んだと考えております。引き続き必要な投資は継続しつつ、収益の持続的成長に向けた取組みを推進してまいります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」をご参照ください。
④ 資金の財源及び資金の流動性について
当社グループは、新サービス・新事業開発のための研究開発資金や、最先端の測定解析を可能とする設備購入のための資金、需要の繁閑に伴う短期的な運転資金などの資金需要が発生します。これらに対し、保有する現預金などの自己資本で研究開発投資、設備投資並びに運転資金需要に対応することを基本としています。必要に応じて主に新規研究開発事業への投資等に必要な資金は新株発行等により調達し、設備投資や短期的な運転資金については、銀行借入により調達いたします。