E01481 Japan GAAP
前期
2,276.4億 円
前期比
100.2%
株価
8,144 (07/16)
発行済株式数
33,755,154
EPS(実績)
574.16 円
PER(実績)
14.18 倍
前期
696.2万 円
前期比
103.4%
平均年齢(勤続年数)
39.1歳(16.6年)
従業員数
2,268人(連結:4,012人)
当グループは、当社、連結子会社15社、非連結子会社16社で構成され、NC旋盤、マシニングセンタ、複合加工機、NC研削盤等の工作機械の製造・販売を主な事業内容としております。
当グループの事業に関わる位置付けと、事業内容は次のとおりであります。
なお、次の4つの地域別区分は「第5 経理の状況 1 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であり、主な事業内容と当社及び主要関係会社の位置づけは以下のとおりです。
①日本
②米州
③欧州
④アジア・パシフィック
当グループの事業系統図は、次のとおりであります。
(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当期における当グループの経営環境は、国内、海外共、工作機械需要は弱含みの動きが続きました。
日本では半導体製造装置関連や自動車関連からの需要は持ち直しには至らずも、底打ちを探る兆しが見られ始めました。米州では中堅、中小事業者においては金融引き締めが想定以上に需要を減速させました。欧州では主要国の景気の減速等により次第に弱含みが強まる展開となりました。中国では経済活動が停滞する中、不動産を巡る問題が顕在化し、設備投資を控える動きが続きました。その他のアジア諸国においても設備投資に対する慎重な動きが続きました。
他方、労働人口減少、脱炭素化、サプライチェーン再編等、社会課題や地政学リスクへの対応に伴う需要は底堅く推移しました。
こうした中、当グループは2023年度を初年度とする「中期経営計画2025」を策定し、「ものづくりDXソリューションの展開」を基本戦略として、「成長産業・強みの産業における成長」と「グローバル市場における成長」に向けた諸施策に取組みました。そして省熟練・省人化の高精度・高効率生産を実現する知能化技術と自律的にエネルギー消費量を削減し脱炭素化に貢献する機能を備えた当グループの工作機械を「Green-Smart Machine」として一斉展開し、受注獲得に注力しました。
地域別の市況については、日本は底打ち時期を探る中、受注は動きの鈍い状況が続きました。年度後半には半導体製造装置関連等、一部で投資再開を検討する企業も見られ始めました。他方、自動車関連は設備投資の様子見が続きました。
米国の市況は弱含みで推移しましたが、大手企業や航空宇宙等、ハイテク産業での需要は底堅さを維持しました。中堅、中小事業者においては金融引き締めの影響等により設備投資の抑制傾向が続きました。
欧州では、東欧、トルコ等の周辺国を中心に各種の産業機械、農業・建設機械、油圧機器、自動車、航空宇宙関連等、幅広い需要が見られました。しかしながらインフレや景気の先行きを警戒し、設備投資に対する慎重な動きが続く中、周辺国への製造拠点の再配置に伴う需要は次第に落ち着き、また主要国では景気は減速傾向となり、年度後半以降、市況の弱含みが強まる展開となりました。
中国では、景気後退により製造業全体に設備投資を控える動きが広がり、工作機械需要の減速が強まる展開となりました。活況を呈していたEV関連からの需要が一巡する中で大手EVメーカーの設備投資が一部継続しており、その需要を着実に取り込みました。
中国を除くアジアにおいては、タイ、マレーシア、インドネシアの市況は緩やかな回復傾向となり、インドにおいては設備投資への旺盛な意欲が見られました。他方、韓国、台湾等では弱い動きが続きました。
このような市況の下、米国では積極的な販売活動で中堅・中小事業者の設備投資意欲を喚起し、欧州では2023年9月18日から23日にかけてドイツ ハノーバー市で開催された欧州工作機械見本市(EMO Hannover 2023)に出展し、自動化ソリューション、環境対応の技術・製品をアピールし、潜在需要の掘り起こしを図りました。2023年11月15日から17日にかけて本社工場で開催したオークママシンフェア2023では、自動化、脱炭素、デジタル化を巡るものづくりの課題を解決する製品、ソリューションを提案し、顧客の設備計画の具体化を後押しました。
また基本戦略とする「ものづくりDXソリューションの展開」を着実に進め、その一環として中国では4か所目となるテクニカルセンターを寧波に開設し、日本では埼玉県に国内6か所目のCS(Communication & Solution)センターとして東日本CSセンターを開設しました。また、オークマのスマートファクトリー Dream Siteで培った自動化技術やDXのノウハウを活用して、㈱木村鋳造所との協創においては新世代鋳造製造技術の開発を進め、ロボットによる省人化、工程間のデジタルデータ連携等により多品種少量の小物鋳物の生産革新、ものづくりDXの取組みを進めました。
部品・ユニット類や鋳物・鋼材の調達難は解消に向かう中、協力会社を中心にサプライチェーンの強化を加速させ生産の安定化を図りました。部材コストの高止まり乃至緩やかな上昇に対しては生産の効率化等、自助努力に注力しながら販売価格への転嫁を進めました。
また中期経営計画の中で進める革新的な自動化技術の開発やお客様の生産改革に向けたサポートビジネスへの展開の一環として江南工場再開発に着手し、自動化ソリューションの提案・生産出荷等を行うエンジニアリングセンター及び次世代の自動化技術開発やお客様の生産改革に向けたサポートビジネス、ソリューション提案を行うイノベーションセンターの建設を決定しました。
これらの事業戦略を確実に実行した結果、当期の連結受注額は204,019百万円(前期比17.6%減)、連結売上高は227,994百万円(前期比0.2%増)、営業利益は25,364百万円(前期比2.3%増)、経常利益は25,557百万円(前期比3.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は19,381百万円(前期比1.0%増)となりました。
次に、セグメント別の業績は、次のとおりであります。
① 日本
日本は、底打ち時期を探る中、受注は動きの鈍い状況が続きました。年度後半には半導体製造装置関連等、一部で投資再開を検討する企業も見られ始めました。他方、自動車関連は設備投資の様子見が続きました。
このような状況の下、売上高は175,014百万円(前連結会計年度比6.1%減)となりました。損益面では、部品・ユニット類や鋳物・鋼材の調達難は解消に向かう中、協力会社を中心にサプライチェーンの強化を加速させ生産の安定化を図ると共に、部材コストの高止まり乃至緩やかな上昇に対しては生産の効率化等、自助努力に注力しながら販売価格への転嫁を進め、営業利益は15,100百万円(前連結会計年度比11.5%減)となりました。
セグメント資産につきましては、前連結会計年度末と比較して171百万円減少し、219,785百万円となりました。
② 米州
米国は、市況が弱含みで推移しましたが、大手企業や航空宇宙等、ハイテク産業での需要は底堅さを維持しました。中堅、中小事業者においては金融引き締めの影響等により設備投資の抑制傾向が続きました。
このような状況の下、売上高は70,658百万円(前連結会計年度比3.8%増)、営業利益は5,441百万円(前連結会計年度比15.3%減)となりました。
セグメント資産につきましては、前連結会計年度末と比較して4,313百万円減少し、52,250百万円となりました。
③ 欧州
欧州は、東欧、トルコ等の周辺国を中心に各種の産業機械、農業・建設機械、油圧機器、自動車、航空宇宙関連等、幅広い需要が見られました。しかしながらインフレや景気の先行きを警戒し、設備投資に対する慎重な動きが続く中、周辺国への製造拠点の再配置に伴う需要は次第に落ち着き、また主要国では景気は減速傾向となり、年度後半以降、市況の弱含みが強まる展開となりました。
このような状況の下、売上高は41,531百万円(前連結会計年度比8.4%増)、営業利益は2,982百万円(前連結会計年度比8.6%増)となりました。
セグメント資産につきましては、前連結会計年度末と比較して1,585百万円増加し、30,861百万円となりました。
④ アジア・パシフィック
中国は、景気後退により製造業全体に設備投資を控える動きが広がり、工作機械需要の減速が強まる展開となりました。活況を呈していたEV関連からの需要が一巡する中で大手EVメーカーの設備投資が一部継続しており、その需要を着実に取り込みました。中国以外のアジアでは、タイ、マレーシア、インドネシアの市況は緩やかな回復傾向となり、インドにおいては設備投資への旺盛な意欲が見られました。他方、韓国、台湾等では弱い動きが続きました。
このような状況の下、売上高は28,475百万円(前連結会計年度比15.4%減)、営業利益は1,388百万円(前連結会計年度比27.0%減)となりました。
セグメント資産につきましては、前連結会計年度末と比較して448百万円減少し、37,662百万円となりました。
(2) 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における当グループの連結生産実績は、231,128百万円(前年同期比7.7%減)であります。なお、日本での生産高が90%以上であるため、セグメントごとの記載を省略しております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主要な販売先については、総販売実績の100分の10以上を占める販売先がないため、記載を省略しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債の金額及び偶発債務の開示、並びに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや前提が必要となります。当グループは、過去の実績、または各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しております。
以下、当グループの財政状態や経営成績にとって重要であり、かつ相当程度の経営判断や見積りを必要とする重要な会計方針についてご説明いたします。
① 貸倒引当金
当グループは、貸倒れによる損失に備えるため、連結会社間の債権債務を相殺消去した期末の金銭債権に対し、一般債権につきましては貸倒実績率により、また貸倒れが懸念される債権につきましては、回収可能性を勘案して貸倒見積り額を計上しております。取引先の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
② 棚卸資産
当グループは、棚卸資産について、推定される将来需要及び市場状況に基づく時価の見積り額と原価との差額に相当する陳腐化の見積り額について、評価損を計上しております。将来需要または市場状況が当グループの見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。
③ 繰延税金資産
繰延税金資産のうち、将来において回収が見込めない部分については評価性引当額を設定しております。繰延税金資産の評価は将来の課税所得の見積りに依拠します。将来の課税所得が、経済環境の変化や収益性の低下により予想された額よりも低い場合には、繰延税金資産の金額は調整される可能性があります。
④ 退職給付債務及び費用
従業員の退職給付債務及び費用の計算は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれます。当グループは、使用した仮定は妥当なものと考えておりますが、実績との差異または仮定自体の変更により、退職給付債務と将来の費用に影響を与える可能性があります。
⑤ 投資有価証券の減損
当グループは、その他有価証券のうち、取得価額に比べ実質価額が著しく下落したものにつきましては、回復可能性があると認められる場合を除き、減損処理を行っております。市場価格のない株式等以外のものにつきましては、期末日における時価の簿価に対する下落率が50%以上の場合には、回復可能性はないものと判断し、30%以上50%未満の下落の場合には、当該有価証券の発行会社の財務状況及び将来の展望などを総合的に勘案して回復可能性を判断しております。市場価格のない株式等につきましては、その有価証券の発行会社の1株当たり純資産額が、取得価額を50%程度以上下回った場合に回復可能性がないものとして判断し、30%以上50%未満の場合には、当該有価証券の発行会社の財務状況及び将来の展望などを総合的に勘案して回復可能性を判断しております。
将来の時価の下落または投資先の業績不振や財政状態の悪化により、評価損の計上が必要となる可能性があります。
⑥ 固定資産の減損
減損損失の認識及び回収可能価額の算定に際し、将来キャッシュ・フローについて見積りを行っております。当グループは将来キャッシュ・フローの見積りは合理的であると考えておりますが、予測不能な事業上の仮定の変化による将来キャッシュ・フローの見積りの変化が、固定資産の評価に影響する可能性があります。
当グループは、持続的な「利益ある成長」をすべく、収益性、効率性を高めていく考えで事業戦略を進めております。併せて、中長期的な視点で「利益ある成長」を続けるために、財務の健全性を維持し、企業価値の向上に繋げてまいりたいと考えております。このため、売上高営業利益率を重要な指標として位置付けております。
なお、当連結会計年度における経営成績等の状況は以下のとおりであります。
① 売上高
当グループは、オークマブランドの強化・浸透、生産性向上に結び付くソリューションの提案等、顧客拡大に向けた諸施策を進め、受注・売上高の拡大を図ってまいりました。
その結果、売上高は227,994百万円(前連結会計年度比0.2%増)となりました。
② 営業利益
生産効率向上、コストダウン施策に注力し、収益力の強化を進め、営業利益は25,364百万円(前連結会計年度比2.3%増)となり、売上高営業利益率は、前連結会計年度に比較して0.2%増加の11.1%となりました。売上総利益率は、前連結会計年度に比較して0.6%増加の32.7%となり、販売費及び一般管理費の対売上高比率は、前連結会計年度と比較して0.3%増加の21.5%となりました。
③ 経常利益
営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は193百万円の利益となりました。そのうち、受取利息及び受取配当金から支払利息を差し引いた金融収支は1,275百万円の利益となりました。また、その他の営業外費用として、為替差損867百万円等を計上し、経常利益は25,557百万円(前連結会計年度比3.4%減)となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
税金等調整前当期純利益は26,873百万円となりました。また、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は19,381百万円(前連結会計年度比1.0%増)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前年同期と比較して15,453百万円減少し、49,242百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、5,251百万円の収入となりました(前年同期は16,061百万円の収入)。主な資金の増加項目としては、税金等調整前当期純利益26,873百万円、減価償却費9,634百万円、及び棚卸資産の減少2,633百万円などであります。一方、主な資金の減少項目としては、仕入債務の減少18,013百万円、法人税等の支払額9,085百万円、及び売上債権の増加1,908百万円などであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、12,579百万円の支出となりました(前年同期は6,528百万円の支出)。主な資金の増加項目としては、投資有価証券の売却による収入1,409百万円などであります。一方、主な資金の減少項目としては、無形固定資産の取得による支出6,510百万円、有形固定資産の取得による支出6,374百万円、及び投資有価証券の取得による支出578百万円などであります。有形固定資産の取得による支出の主な要因としましては、世界的に高まる工作機械の需要に応えるべく、加工用設備機械等の更新1,837百万円の投資を行ったことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、10,727百万円の支出となりました(前年同期は7,616百万円の支出)。主な資金の減少項目としては、配当金の支払額5,867百万円、自己株式の取得による支出3,690百万円、及びリース債務の返済による支出1,036百万円などであります。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。
当グループの運転資金需要のうち主なものは、部材の購入費のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。
当グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
資金調達は、将来の資金需要、資本コスト、資本構成等を総合的に勘案し、手元流動性資金の活用、金融市場からの調達も視野に入れ、最適な資金調達方法を選択しております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は7,367百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、49,242百万円となっております。
2024年度における重要な資本的支出としては、本社工場、可児工場等の補修、江南工場のエンジニアリングセンター、イノベーションセンターの投資、及び㈱日本精機商会の物流センターの投資を支出する予定であります。その資金の調達源は、主に自己資金を予定しております。