売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E01481 Japan GAAP

売上高

2,068.2億 円

前期

2,279.9億 円

前期比

90.7%

時価総額

2,477.6億 円

株価

3,670 (07/18)

発行済株式数

67,510,308

EPS(実績)

142.05 円

PER(実績)

25.84 倍

平均給与

719.9万 円

前期

696.2万 円

前期比

103.4%

平均年齢(勤続年数)

39.1歳(16.6年)

従業員数

2,268人(連結:4,012人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」
社名変更

 

3 【事業の内容】

当グループは、当社、連結子会社16社、非連結子会社15社で構成され、NC旋盤、マシニングセンタ、複合加工機、NC研削盤等の工作機械の製造・販売を主な事業内容としております。

当グループの事業に関わる位置付けと、事業内容は次のとおりであります。

なお、次の4つの地域別区分は「第5 経理の状況 1 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であり、主な事業内容と当社及び主要関係会社の位置づけは以下のとおりです。 

 

①日本

当社

工作機械の製造・販売及びアフターサービス

連結子会社

 

 ㈱日本精機商会

工作機械及び保守部品の販売

 オークマ興産㈱

工作機械の部品加工、組立及び据付

 ㈱大隈技研

工作機械の機械設計

 オークマ スチール テクノ㈱

工作機械用板金部品製造

 

 

②米州

連結子会社

 

 Okuma America Corporation

工作機械の販売及びアフターサービス

 Okuma Latino Americana Comércio Ltda.

工作機械の販売及びアフターサービス

 

 

③欧州

連結子会社

 

 Okuma Europe GmbH

工作機械の販売及びアフターサービス

 Okuma Deutschland GmbH

工作機械の販売及びアフターサービス

 Okuma Benelux B.V.

工作機械の販売及びアフターサービス

 Okuma Austria GmbH

工作機械の販売及びアフターサービス

 

 

④アジア・パシフィック

連結子会社

 

  北一大隈(北京)机床有限公司

工作機械の製造・販売及びアフターサービス

  大隈机械(上海)有限公司

工作機械の販売及びアフターサービス

  大同大隈股份有限公司

工作機械の製造・販売及びアフターサービス

  Okuma Australia Pty. Ltd.

工作機械の販売及びアフターサービス

  Okuma Techno (Thailand) Ltd.

工作機械の販売及びアフターサービス

 大隈(常州)机床有限公司

工作機械の製造及び販売

 

 

 

当グループの事業系統図は、次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

25/06/20

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (経営成績等の状況の概要)

当連結会計年度における当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

(1) 財政状態及び経営成績等の状況

当期における当グループの経営環境は、地政学的リスクやインフレの継続等、世界経済の先行きが不透明な状況が続きました。こうした中、工作機械の需要は大手企業向けでは底堅く推移しましたが、中堅・中小事業者においては設備投資の様子見が続き、国内外とも需要は総じて緩やかな回復基調で推移しました。
 こうした中、当グループは「中期経営計画2025」に基づき、高精度・高効率生産とエネルギー消費量削減を自律的に両立し、脱炭素化に貢献する当グループの工作機械を「Green-Smart Machine」と位置付け、自動化やものづくりDXソリューションと共にグローバルに展開しました。また、受注獲得に注力すると共に収益力改善、資本効率向上を図り、ものづくりを巡る社会課題の解決を通じて企業価値向上に努めました。
 地域別の市況については、日本では、上期に中堅・中小規模の事業者で業界や大手企業の動向を見極めようとする等、投資の様子見が続きましたが、下期はさまざまな業種、顧客層で引き合いが緩やかに増加しました。
 米国では、中堅・中小事業者においては金融緩和の時期や規模、新政権の経済政策の影響等を意識し、設備投資の先送りが続きましたが、大手企業からの需要は底堅く推移しました。
 欧州では、サプライチェーンの再配置の動きが一巡する中、ドイツ等の主要国の景気後退や中国等、海外経済の減速を背景にした欧州の輸出産業の停滞により、工作機械の需要は緩やかな回復となりました。
 中国では、不動産不況の影響を受け、設備投資を控える動きが続きましたが、大手EVメーカーからの大型投資案件が下支えとなり、厳しい市況の中にあっても底堅い受注につながりました。
 その他のアジアにおいては、国・地域や産業により濃淡はありますが、市況は緩やかな回復傾向が続きました。
 このような市況の下、米国では、シカゴで開催されたIMTS(国際製造技術展、2024年9月開催)に出展、日本では東京で開催されたJIMTOF(日本国際工作機械見本市、2024年11月開催)に出展する等、5軸制御マシニングセンタ、複合加工機等の工程集約型工作機械や自動化システムによる生産性向上ソリューションを積極的に提案しました。
 そして、2024年12月には「お客様との協創」の場として国内で7拠点目となるCS(Communication & Solution)センターとして九州CSセンター(熊本県)を開設し、半導体関連企業が集積する地域で最先端の生産加工のソリューション提供を開始する等、「ものづくりDXソリューションの展開」を着実に進めました。
 また、中期経営計画2025の取組の一環として、革新的な自動化技術の開発やお客様の生産改革に向けたサポートビジネスを展開するため、江南工場の再開発に着手しました。この再開発では、自動化ソリューションの提案や生産・出荷等を行うエンジニアリングセンター、そして次世代の自動化ソリューション開発やお客様の生産改革を協創するイノベーションセンターの建設を進めています。

 

利益面では、工作機械需要が緩やかな回復に留まる中、部材コスト等の高止まりに対し、内製化の拡大等、生産効率向上に注力すると共に、販売価格への転嫁に努めました。他方、需要が伸びを欠く中、工場の操業度は本格回復に至らず、利益の下押し要因となりました。
  これらの結果、当期の連結受注額は215,627百万円(前期比5.7%増)、連結売上高は206,822百万円(前期比9.3%減)、連結営業利益は14,651百万円(前期比42.2%減)、連結経常利益は15,528百万円(前期比39.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,590百万円(前期比50.5%減)となりました。

 

次に、セグメント別の業績は、次のとおりであります。

① 日本

日本は、上期に中堅・中小規模の事業者で業界や大手企業の動向を見極めようとする等、投資の様子見が続きましたが、下期はさまざまな業種、顧客層で引き合いが緩やかに増加しました。

このような状況の下、売上高は167,635百万円(前期比4.2%減)となりました。損益面では、工作機械需要が緩やかな回復に留まる中、部材コスト等の高止まりに対し、内製化の拡大等、生産効率向上に注力すると共に、販売価格への転嫁に努めました。他方、需要が伸びを欠く中、工場の操業度は本格回復に至らず、利益の下押し要因となり、営業利益は9,241百万円(前期比38.8%減)となりました。

 

② 米州

米国は、中堅・中小事業者においては金融緩和の時期や規模、新政権の経済政策の影響等を意識し、設備投資の先送りが続きましたが、大手企業からの需要は底堅く推移しました。

このような状況の下、売上高は63,167百万円(前期比10.6%減)、営業利益は3,017百万円(前期比44.5%減)となりました。

 

③ 欧州

欧州は、サプライチェーンの再配置の動きが一巡する中、ドイツ等の主要国の景気後退や中国等、海外経済の減速を背景にした欧州の輸出産業の停滞により、工作機械の需要は緩やかな回復となりました。

このような状況の下、売上高は33,988百万円(前期比18.2%減)、営業利益は1,000百万円(前期比66.5%減)となりました。

 

④ アジア・パシフィック

中国は、不動産不況の影響を受け、設備投資を控える動きが続きましたが、大手EVメーカーからの大型投資案件が下支えとなり、厳しい市況の中にあっても底堅い受注につながりました。中国以外のアジアでは、国・地域や産業により濃淡はありますが、市況は緩やかな回復傾向が続きました。

このような状況の下、売上高は22,981百万円(前期比19.3%減)、営業利益は953百万円(前期比31.4%減)となりました。

 

(2) 生産、受注及び販売の状況

① 生産実績

当連結会計年度における当グループの連結生産実績は、214,571百万円(前期比7.2%減)であります。なお、日本での生産高が90%以上であるため、セグメントごとの記載を省略しております。

 

② 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高
(百万円)

前期比
(%)

受注残高
(百万円)

前期比
(%)

日本

106,337

21.5

60,808

20.4

米州

63,190

2.8

18,978

0.7

欧州

33,024

△15.6

12,967

△6.0

アジア・パシフィック

13,075

△17.6

3,698

△17.5

合計

215,627

5.7

96,452

10.0

 

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高
(百万円)

前期比
(%)

日本

96,055

△3.9

米州

63,059

△10.7

欧州

33,849

△18.1

アジア・パシフィック

13,858

△13.6

合計

206,822

△9.3

 

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主要な販売先については、総販売実績の100分の10以上を占める販売先がないため、記載を省略しております。

 

 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。

連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債の金額及び偶発債務の開示、並びに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや前提が必要となります。当グループは、過去の実績、または各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しております。

以下、当グループの財政状態や経営成績にとって重要であり、かつ相当程度の経営判断や見積りを必要とする重要な会計方針についてご説明いたします。

 

① 貸倒引当金

当グループは、貸倒れによる損失に備えるため、連結会社間の債権債務を相殺消去した期末の金銭債権に対し、一般債権につきましては貸倒実績率により、また貸倒れが懸念される債権につきましては、回収可能性を勘案して貸倒見積り額を計上しております。取引先の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。

 

② 棚卸資産

当グループは、棚卸資産について、推定される将来需要及び市場状況に基づく時価の見積り額と原価との差額に相当する陳腐化の見積り額について、評価損を計上しております。将来需要または市場状況が当グループの見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。

 

③ 繰延税金資産

繰延税金資産のうち、将来において回収が見込めない部分については評価性引当額を設定しております。繰延税金資産の評価は将来の課税所得の見積りに依拠します。将来の課税所得が、経済環境の変化や収益性の低下により予想された額よりも低い場合には、繰延税金資産の金額は調整される可能性があります。

 

④ 退職給付債務及び費用

従業員の退職給付債務及び費用の計算は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。当グループは、使用した仮定は妥当なものと考えておりますが、実績との差異または仮定自体の変更により、退職給付債務と将来の費用に影響を与える可能性があります。

 

 

⑤ 投資有価証券の減損

当グループは、その他有価証券のうち、取得価額に比べ実質価額が著しく下落したものにつきましては、回復可能性があると認められる場合を除き、減損処理を行っております。市場価格のない株式等以外のものにつきましては、期末日における時価の簿価に対する下落率が50%以上の場合には、回復可能性はないものと判断し、30%以上50%未満の下落の場合には、当該有価証券の発行会社の財務状況及び将来の展望等を総合的に勘案して回復可能性を判断しております。市場価格のない株式等につきましては、その有価証券の発行会社の1株当たり純資産額が、取得価額を50%程度以上下回った場合に回復可能性がないものとして判断し、30%以上50%未満の場合には、当該有価証券の発行会社の財務状況及び将来の展望等を総合的に勘案して回復可能性を判断しております。

将来の時価の下落または投資先の業績不振や財政状態の悪化により、評価損の計上が必要となる可能性があります。

 

⑥ 固定資産の減損

減損損失の認識及び回収可能価額の算定に際し、将来キャッシュ・フローについて見積りを行っております。当グループは将来キャッシュ・フローの見積りは合理的であると考えておりますが、予測不能な事業上の仮定の変化による将来キャッシュ・フローの見積りの変化が、固定資産の評価に影響する可能性があります。

 

(2) 当連結会計年度における経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当グループは、持続的な「利益ある成長」をすべく、収益性、効率性を高めていく考えで事業戦略を進めております。併せて、中長期的な視点で「利益ある成長」を続けるために、財務の健全性を維持し、企業価値の向上に繋げてまいりたいと考えております。このため、売上高営業利益率を重要な指標として位置付けております。

なお、当連結会計年度における経営成績等の状況は以下のとおりであります。

 

① 売上高

当グループは、オークマブランドの強化・浸透、生産性向上に結び付くソリューションの提案等、顧客拡大に向けた諸施策を進め、受注・売上高の拡大を図ってまいりました。

その結果、連結売上高は206,822百万円(前期比9.3%減)となりました。

 

② 営業利益

生産効率向上、コストダウン施策に注力し、収益力の強化を進め、連結営業利益は14,651百万円(前期比42.2%減)となり、売上高営業利益率は、前連結会計年度に比較して4.0%減少の7.1%となりました。売上総利益率は、前連結会計年度に比較して1.0%減少の31.7%となり、販売費及び一般管理費の対売上高比率は、前連結会計年度と比較して3.2%増加の24.7%となりました。

 

③ 経常利益

営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は876百万円の利益となりました。そのうち、受取利息及び受取配当金から支払利息を差し引いた金融収支は1,558百万円の利益となりました。また、その他の営業外費用として、為替差損582百万円等を計上し、連結経常利益は15,528百万円(前期比39.2%減)となりました。

 

④ 親会社株主に帰属する当期純利益

税金等調整前当期純利益は15,039百万円となりました。また、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は9,590百万円(前期比50.5%減)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前年同期と比較して966百万円減少し、48,276百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、17,802百万円の収入となりました(前年同期は5,251百万円の収入)。主な資金の増加項目としては、税金等調整前当期純利益15,039百万円、減価償却費9,209百万円、及び売上債権の減少
5,378百万円等であります。一方、主な資金の減少項目としては、法人税等の支払額6,470百万円、棚卸資産の増加3,648百万円、及び仕入債務の減少1,098百万円等であります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、15,257百万円の支出となりました(前年同期は12,579百万円の支出)。主な資金の増加項目としては、投資有価証券の売却による収入582百万円等であります。一方、主な資金の減少項目としては、無形固定資産の取得による支出6,970百万円、有形固定資産の取得による支出6,629百万円、及び投資有価証券の取得による支出2,182百万円等であります。有形固定資産の取得による支出の主な要因としましては、世界的に高まる工作機械の需要に応えるべく、エンジニアリングセンター、イノベーションセンター建設390百万円、㈱日本精機商会における物流センターの建設681百万円の投資を行ったことによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、3,498百万円の支出となりました(前年同期は10,727百万円の支出)。主な資金の増加項目としては、長期借入れによる収入5,000百万円等であります。主な資金の減少項目としては、配当金の支払額6,066百万円、自己株式の取得による支出1,227百万円、及びリース債務の返済による支出1,118百万円等であります。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。

当グループの運転資金需要のうち主なものは、部材の購入費のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。

当グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

資金調達は、将来の資金需要、資本コスト、資本構成等を総合的に勘案し、手元流動性資金の活用、金融市場からの調達も視野に入れ、最適な資金調達方法を選択しております。

なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は11,931百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、48,276百万円となっております。

2025年度における重要な資本的支出としては、江南工場のエンジニアリングセンター、イノベーションセンターへの投資、及び㈱日本精機商会の物流センターへの投資を予定しております。その資金の調達源は、主に自己資金を予定しております。