E01511 Japan GAAP
前期
75.4億 円
前期比
100.2%
株価
881 (07/18)
発行済株式数
7,028,000
EPS(実績)
61.91 円
PER(実績)
14.23 倍
前期
658.7万 円
前期比
95.4%
平均年齢(勤続年数)
42.7歳(16.3年)
従業員数
172人(連結:196人)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社和井田製作所)、連結子会社3社の計4社により構成されており、主に金型関連業界及び切削工具関連業界向けを中心としたCNC研削盤の開発、製造、販売及び修理を行っております。
(1) 当社グループの事業に係わる位置付け
当社グループの事業に係わる位置付けと工作機械事業との関連は、次のとおりであります。
(注) WAIDA AMERICA INC. は、2025年1月に当社のアメリカノースカロライナ支店を現地法人化(連結子会社化)した
ものであります。
(2) 当社グループの品目別製品
当社グループは、長年培ってきたコア技術である精密工作機械技術、研削加工技術、制御技術により精密工作機械を製造しており、主に金型関連業界と切削工具関連業界を中心に製品を販売いたしております。
当社グループの現在の主要取扱製品及び特徴・用途は、次のとおりであります。
(3) 販売活動の特徴
当社グループは、前記の製品を顧客の要望する仕様に合わせ製造及び販売を行っております。販売活動の根底には、「常に顧客の声に耳を傾ける」という基本的な考えがあり、この考えを柱として「顧客第一主義」に徹し、製品とサービスの提供を行ってまいりました。
① 顧客中心の製品提供
当社グループの得意先は、電子部品・家電・半導体・IT関連機器・精密機械・金型製造及び切削工具製造・自動車製造・自動車部品製造等の幅広い分野に及んでおり、それぞれ個別の要望に応えるため顧客との直接対話を行ってまいりました。今後ともこの直接対話を行うことで顧客ニーズを捉え、安定した需要の確保を図るとともにブランド力の強化に注力する所存であります。
② 様々な受注内容への対応
当社グループは、「顧客のニーズを的確に把握した製品づくり」を実現するため、時代が求める精度・機能・性能・品質・価格等を考察し、模倣からの出発でなく独創的な製品開発を最優先してまいりました。また、常に顧客との対話を大切にするため少ロット生産方式を採用し、日々製品を改良・進化させることにより「顧客に求められる機械づくり」を行い続けております。なお、現在は様々な個別の受注内容に対応することと、より一層の製品品質を確保することを目的に、1台生産から対応してユーザーに提供する生産方式に取り組んでおります。
③ 営業展開
当社は、東京支店内の東日本営業課(関東・上信越・東北・北海道の各地区を担当)、アジア課(中国を除くアジア地域を担当)、中部営業所(東海・北陸の各地区を担当)、大阪営業所(関西・中国・四国・九州の各地区を担当)、中国の上海代表所(中国を担当)を拠点に営業展開及び営業情報収集活動を行っております。また、北米地域においてはWAIDA AMERICA INC.を、ヨーロッパ地域においてはWAIDA Europe GmbHをそれぞれ連結子会社として設置し、海外における営業活動及び営業情報収集活動を行っております。
[事業系統図]
以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における工作機械業界は、受注総額が前年度比3.9%増の1兆5,097億円、うち、内需は前年度比2.9%減の4,441億円、外需は前年度比7.0%増の1兆655億円と、外需がやや増加傾向であったものの、全体として横ばいで推移しております。
このような経済環境下、当社は、金型関連研削盤については「SPG-X」「UJG-35i」を中心に、切削工具関連研削盤については「APX-F50」「GIG-202」を中心に受注販売活動を行うほか、新機種であるデジタルプロファイル研削盤「SPG-XV」、全自動インサート外周研削盤「APX-40」等の市場投入を進め、さらなる需要の拡大に取り組んでまいりました。
2024年11月には、東京ビッグサイトで開催された「JIMTOF2024」に「SPG-XV」を出展し、スキルレスによる高精度加工を実感していただきました。また、新機種であるデジタルプロファイル研削盤「SPG-Z1」、全自動インサート外周研削盤「APX-30」、超精密ジグ研削盤「SJG-L1」、ダイヤモンドインサート刃先研削盤「DCG-G1」を出展するほか、協働ロボットなど様々な提案を行い、来場された方に高い関心を持っていただきました。
海外展開につきましては、引き続き、各地域において今後の需要拡大のための各施策を行っております。米国地域においては、アメリカノースカロライナ支店を現地法人化し、2025年1月よりWAIDA AMERICA INC.としての営業を開始いたしました。今後は当社の販売サポート会社として、北米事業のさらなる発展と中南米への営業拡大に向けて取り組んでまいります。欧州地域においては、連結子会社であるWAIDA Europe GmbHを活用した欧州向けの受注販売活動やアフターサービスの拡充に引き続き取り組んでおります。
アジア地域においては、2025年1月にインドで開催された展示会「IMTEX2025」や2025年3月に台湾で開催された展示会「TIMTOS2025」に出展するなど、積極的な販売促進を行ってまいりました。また、台湾の連結子会社である和井田精機股份有限公司を活用した生産販売体制の強化にも引き続き取り組んでおります。
この結果、 当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。
(a) 財政状態
(資産)
総資産は、前連結会計年度末に比べ454百万円増加し、12,602百万円となりました。これは、主として現金及び預金が474百万円、無形固定資産が250百万円増加し、契約資産が263百万円減少したことなどによります。
(負債)
負債は、前連結会計年度末に比べ256百万円増加し、2,247百万円となりました。これは、主として長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が197百万円増加したことなどによります。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ198百万円増加し、10,355百万円となりました。これは、主として利益剰余金が201百万円増加したことなどによります。
(b) 経営成績
当連結会計年度における売上高は7,554百万円(前年同期比0.2%増)となりましたが、研究開発、設備投資、海外子会社設立等による費用負担の増加により、営業利益は709百万円(前年同期比26.8%減)、経常利益は734百万円(前年同期比32.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は435百万円(前年同期比40.2%減)となりました。品目別に業績を示すと、次のとおりであります。
(金型関連研削盤)
中国及びアジア地域向けの販売は減少したものの、国内及び欧米等の地域向けの販売は大きく増加し、売上高は1,941百万円(前年同期比10.4%増)となりました。金型関連研削盤の売上高は当社グル―プの総売上高の25.7%を占めております。
(切削工具関連研削盤)
アジア地域及び欧米等の地域向けの販売は減少したものの、国内及び中国向けの販売が増加し、売上高は4,440百万円(前年同期比0.9%増)となりました。切削工具関連研削盤の売上高は当社グループの総売上高の58.8%を占めております。
(その他の機械)
その他の機械については、売上高は77百万円(前年同期比71.2%減)となりました。その他の機械の売上高は、当社グループの総売上高の1.0%を占めております。
(アフターサービス)
アフターサービス(有償修理)及びメンテナンス部品については、売上高は1,094百万円(前年同期比1.3%減)となりました。アフターサービスにおける売上高は、当社グループの総売上高の14.5%を占めております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ474百万円増加し、4,472百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、917百万円(前年同期は1,135百万円の収入)となりました。税金等調整前当期純利益717百万円を計上したほか、収入の主な内訳は、減価償却費410百万円、売上債権の減少額266百万円等であり、支出の主な内訳は、棚卸資産の増加額57百万円、法人税等の支払額357百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、401百万円(前年同期は330百万円の支出)となりました。支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出161百万円、無形固定資産の取得による支出240百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、12百万円(前年同期は513百万円の支出)となりました。収入の主な内訳は、短期借入による収入100百万円、長期借入による収入500百万円等であり、支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出302百万円、配当金の支払額233百万円等であります。
当社グループは工作機械の製造・販売業の単一セグメントでありますので、セグメント情報は記載しておりません。以下は当連結会計年度における品目別の状況を記載しております。
当連結会計年度における生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
当連結会計年度における受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
当連結会計年度における販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.主な相手先別の売上高及び当該売上高の総売上高に対する割合は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%を占める相手先がいないため、記載はありません。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(2) 経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度の経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、次のとおりであります。なお、将来に関する事項については、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、不確実性を内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。
① 財政状態の分析
当連結会計年度末における財政状態は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」のとおりであります。
当社グループの自己資本比率は当連結会計年度末時点で81.5%となっており、現状、財政状態につきましては大きな懸念はないものと認識しております。来期以降も、企業体質の強化と将来の事業展開のために内部留保の充実を図るとともに、研究開発や設備への投資及び安定的な配当等により、企業価値の向上に努めてまいります。
② 経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績は、2024年5月10日に発表した期初計画におきましては、売上高7,171百万円、営業利益467百万円、経常利益522百万円、親会社株主に帰属する当期純利益367百万円の通期業績予想数値を開示していたのに対し、実績は売上高7,554百万円、営業利益は709百万円、経常利益は734百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は435百万円と、売上面では主に欧州及びアジア地域向けの販売が想定を上回り堅調に推移し、利益面では生産性向上による原価低減の取り組みの効果等により、期初計画を上回る結果となりました。なお、当連結会計年度における当社の製品売上高(金型関連研削盤、切削工具関連研削盤及びその他の機械)は6,074百万円であり、連結売上高7,554百万円の80.4%を占めております。利益面では、研究開発、設備投資、海外子会社設立等による費用負担の増加により、営業利益、経常利益、親会社に帰属する当期純利益について前年同期比減となりました。
当社グループは「経常利益率」を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としております。当連結会計年度の経常利益率は上記の理由から、9.7%と、前連結会計年度の経常利益率14.5%を下回っております。
2026年3月期における当社グループを取り巻く経営環境につきましては、中国やインドにおける受注は好調に推移しているものの、米国の関税政策の影響等の先行き不透明な状況が継続しており、今後の動向を注視する必要があります。
当社グループにおきましても、上記状況を注視しつつ、グローバル展開の継続、既存製品の品質向上、生産工程の見直し及び新製品の開発等に取り組み、売上高及び利益確保に努めてまいります。なお、次期(2026年3月期)の業績の見通しにつきましては、連結売上高7,566百万円、連結営業利益583百万円、連結経常利益623百万円、親会社株主に帰属する当期純利益395百万円を見込んでおります。
(a) 受注実績
当連結会計年度におきましては、金型関連研削盤の受注は堅調に推移したものの、切削工具関連研削盤については受注に一服感が見られ、前年同期比で受注が減少いたしました。2026年3月期につきましては、主に中国市場からの金型関連研削盤の受注が堅調に推移するものと見込んでおります。
当連結会計年度及び前連結会計年度に係る受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
(b) 販売実績
当連結会計年度におきましては、海外向けの販売は減少しましたが、国内向けの販売は増加いたしました。2026年3月期につきましては、中国向けの金型関連研削盤の販売が堅調に推移する見通しです。また、欧米市場については先行きの不透明感から受注に一服感が見られますが、アジア地域向けの販売については底堅く推移するものと見込んでおります。
当連結会計年度及び前連結会計年度に係る販売実績を地域別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1 国または地域の区分は、地理的近接度によっております。
2 各区分に属する主な国または地域は以下のとおりです。
中国……………………………中国
アジア地域(中国を除く)……台湾、韓国、東南アジア地域、南アジア地域等
欧米等の地域…………………米国、ヨーロッパ地域、アフリカ地域
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(a) キャッシュフローの状況の分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」のとおりであります。
なお、当連結会計年度は主に本社工場における生産設備の更新や継続中の基幹業務システムの更新として、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出として402百万円の支出を行っておりますが、その資金の調達源は主に自己資金となっております。来期以降も設備投資等を行ってまいりますが、その資金の調達源を自己資金とした場合においても、現状、キャッシュ・フローについて大きな懸念はないものと認識しております。
(b) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、企業体質の強化と将来の事業展開のために内部留保の充実を図るとともに、当社グループの業績に応じた配当を安定的かつ継続的に行うことを基本方針としております。なお、内部留保金の使途につきましては、将来に向けたコア技術の研究開発、既存分野の新製品開発、生産性向上と納期短縮を目的とした設備投資、販路拡大のための海外市場展開等将来の成長につながる戦略投資や、財務体質の強化等に充当してまいります。
当社グループにおいては、工作機械業界の特性である景気変動リスクに備えた上で、企業価値向上を目的とした戦略的投資を行うために必要な水準の現預金を保有しており、取締役会等において手元現預金の水準について定期的な確認を行っております。また、担当部門において資本コストの算定及び定期的な見直しを行っており、その情報を取締役会で共有しております。各年度の設備投資は自己資金の範囲を考慮し、強固な財務基盤を維持し、必要なキャッシュフローを確保したうえで適切な成長投資を実施してまいります。
なお、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は4,472百万円、営業活動によるキャッシュフローは917百万円の収入となっておりますが、来期も景気変動リスクに対応する現預金の水準についての確認を継続的に実施し、その上で、必要に応じた戦略的投資を行い、企業価値の持続的な向上を図ってまいります。また、継続的に株主への還元を行ってまいります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
第5[経理の状況](重要な会計上の見積り) を参照ください。