E31594 Japan GAAP
前期
168.7億 円
前期比
101.8%
株価
692 (03/28)
発行済株式数
20,000,000
EPS(実績)
64.60 円
PER(実績)
10.71 倍
前期
556.8万 円
前期比
97.6%
平均年齢(勤続年数)
44.0歳(21.1年)
従業員数
876人(連結:1,118人)
当社グループは、当社及び子会社7社(国内法人2社、海外法人5社)で構成され、超硬合金を用いた耐摩耗工具及びその素材である超硬合金チップの製造販売を主たる事業としております。
なお、当社グループは耐摩耗工具関連事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
(1) 当社グループの事業概要並びに生産、営業及び研究開発の体制
①当社グループの事業概要
当社グループは、創業以来、超硬合金を用いた耐摩耗工具を専門に取り扱い、工具・金型に対する高精度化、長寿命化のニーズに応え、実績を重ねてまいりました。
超硬合金は、タングステンカーバイドに代表される硬質の金属炭化物と、コバルトなどの鉄系金属を粉末状にして混ぜ合わせ、型に入れて成形し、高温で焼き固める方法(粉末冶金法)によって作られる合金であり、鋼よりも硬く、変形しにくいという特性を有しています。上記の方法で作られる超硬合金は、精密加工が施されて、主に塑性(切屑の出ない)加工に用いられる高精度かつ耐摩耗性に優れた工具・金型(耐摩耗工具)となるほか、一部は中間製品である超硬合金チップとしても販売されます。
超硬合金を用いた耐摩耗工具は、一般的に用いられる鋼製の工具等よりも摩耗、変形しにくいため、生産工程に効果的に用いることにより、被加工材を加工する速度や精度が向上し、生産性改善が可能となります。
当社グループの超硬合金を用いた製品は「超硬製工具類」、「超硬製金型類」、「その他の超硬製品」に分類され、輸送用機械、鉄鋼、非鉄金属、飲料缶に代表される金属製品、電機・電子部品、生産・業務用機械等の幅広い分野で使用されております。
また、当社グループは、超硬合金の精密加工で培った加工技術、検査技術を活用し、超硬合金以外の素材(鋼やセラミックスなど)を用いた耐摩耗工具等の製造販売も行っております。
②営業、生産及び研究開発の体制
顧客の生産工程で用いられる工具・金型は、使用される過程で摩擦・圧力・熱等による摩耗、変形・割れ等によって寿命を迎えますが、その要因やスピードは、工具・金型を使用する環境によって様々です。その結果、耐摩耗工具には、顧客の設計思想や生産プロセスが色濃く反映されることとなるため、耐摩耗工具のほとんどは、顧客ごとのカスタムメイドとなります。そこで当社グループでは、顧客のニーズを的確に捉え、個別受注の多品種少量生産に対応するために、営業、生産及び研究開発に関して、以下のような体制を整備しております。
(営業体制)
国内13箇所、アジア5箇所(中国、タイ、インドネシア、マレーシア、インド(休眠中))の営業拠点に約100名の営業担当者を配置しております。これらの営業担当者が、直接顧客を訪問し、緊密なコミュニケーションを図ることによって、顧客ニーズの的確な把握が可能な体制をとっております。
また、超硬合金に関する専門的な知識を持つ技術サービス員や、工具・金型等の生産を担う生産部門の技術者が営業担当者をサポートし、超硬合金素材や加工方法の選定から、製品の管理に至るまで、高度な提案を行うことができる体制を整備しております。
(生産体制)
当社グループでは、商社を通じて主要原料であるタングステンカーバイド他原材料等を仕入れ、①原料となる粉末の混合(調粉工程)、②混合した粉末の成形・焼結による超硬合金(素材)の生産(冶金工程)、③超硬合金の工具・金型等への加工(加工工程)、④工具・金型等の寸法形状の測定検査(検査工程)という、超硬合金を用いた工具・金型の製造に必要な工程を全てグループ内で完結できる、一貫生産体制を整備しております。
その結果、顧客の使用条件に最も適合した超硬合金(素材)を選択でき、かつ各工程の有機的な連携によって、ニーズに応じた様々なサイズ・形状の工具・金型を効率的に生産することが可能となっております。
生産拠点は、国内に8箇所、海外に2箇所(タイ、インドネシア)を設けておりますが、そのほとんどが営業拠点と近接しており、生産部門と営業部門の緊密な連携が可能となっております。
(研究開発体制)
研究開発においては、粉末冶金技術を基軸とした素材開発、超硬合金素材の加工精度や加工効率を向上させるための加工開発、新たな市場を作り出すための製品開発を行っており、様々な顧客のニーズに柔軟に対応できる体制を整備しております。
特に、素材開発については、長年にわたる研究開発によって、金属粉末の種類や粒のサイズの組み合わせ、焼き固める条件等に関する知見が蓄積されております。これらの粉末冶金技術を通じて、新しい超硬合金素材の研究開発に注力しつつ、超硬合金以外の素材に対しても超硬合金素材の開発で培った技術を応用することで研究開発を実施しております。
(2) 事業系統図
(注) FUJILLOY INDIA PRIVATE LIMITEDはインド共和国の経済環境、当社顧客の動向を鑑み、2016年8月から事業を
休眠しております。今後につきましては当社において市場調査、拡販を行い、事業再開を予定しております。
(3) 主要な製品とその主な用途
当社グループの主要な製品と具体的な用途例は次のとおりであります。
(4) 主要製品の内容
①ダイス、プラグ
ダイス、プラグは、様々な部品や製品の材料となる線材や棒、パイプを引抜き、あるいは押出し加工することで、寸法(外径、内径、肉厚)や硬さ、強度を決めるために用いられる耐摩耗工具です。外径の寸法を決める工具をダイス、内径を決める工具をプラグといい、この工具は鉄鋼、非鉄金属、自動車、電機・電子部品といった幅広い業界で線材、パイプを生産するために使用されております。
超硬合金を使用したダイス、プラグは創業当時から現在まで当社グループの主力製品であり、特にダイスは、当社の社名の由来にもなっている製品であります。
②自動車部品生産用金型
自動車部品生産用金型は、安全性のために強度と精度が求められ、かつ大量生産が必要な自動車部品を製造するための金型として用いられる耐摩耗工具です。自動車部品の金型は高精度、高強度及び耐摩耗性を有した超硬合金を使用したものが多く、エンジン、トランスミッション、サスペンション、ステアリング、安全装置部品、燃料電池車等に組み込まれるクリーンエネルギーシステムなどの部品が耐摩耗工具で製造されており、当社グループの主力製品となっております。
③製缶金型
アルミ、鉄系の板材から、抜き、絞り、しごき、曲げ加工により容器及び蓋を製造するために用いられる耐摩耗工具です。この工具で作られた製品としては飲料缶、食缶、エアゾール缶、一斗缶などがあります。特にビール等の低アルコール飲料やコーヒー等に使用される飲料缶については、非常に生産量が多く、原材料からの歩留まりや製品精度が重要視され、非常に高い精度及び耐摩耗性が求められることから超硬合金の製缶金型が使用されることが多く、当社グループの主力製品となっております。
④超硬合金チップ
丸棒、板材、ニアネット形状の原料を焼結し、超硬合金とした塑性加工用の工具、金型の素材であります。超硬合金チップは当社グループのうち当社でのみ製造しており、当社グループの製品の中では海外への販売比率が高い製品であります。
⑤鋼製品
当社グループでは、超硬合金の精密加工で培った高い加工技術、検査技術を活かし、超硬合金の耐摩耗工具と重なる使用分野において鋼工具の製品の提供を行っております。顧客の生産ラインの各工程では、使用環境や被加工材、加工方法等によって、耐摩耗性、耐衝撃性、コスト等、求められる工具の性能がそれぞれ異なるのが一般的であり、求められる工具性能に応じて超硬合金と鋼の両方の材料を使い分けることで顧客の多様なニーズに応えております。
<用語解説>
1.工具:工具とは、部品を加工したり,組立てるときに用いる道具類の総称です。
2.耐摩耗工具:耐摩耗工具は、生産工程の製造加工装置等に装着され、主として塑性(切屑の出ない)加工に
用いられる工具の総称です。
3.金型:金型とは、材料を一定の形にするために用いる金属製の型のことです。
耐摩耗工具の中には金型も含まれています。
4.超硬工具:超硬工具には、切削工具、耐摩耗工具、鉱山土木用工具があります。
5.切削工具:切削工具は、主として、金属切削用として用いられ、加工時に切屑の出る工具の総称です。
6.ロール:主として金属材料等の素材に圧力をかけて延ばしたり、成形、つや出しなどを行う際に用いる円筒
形の工具の総称です。
7.超高圧発生用工具:人工ダイヤモンドを合成する時などに使用される工具です。合成時に、超高圧をかけ
ます。超高圧に耐えられる強靭な材料特性と寸法精度が要求されます。
8.ニアネット形状:ニアネット形状とは、最終製品である工具・金型に近い形状を意味します。
ニアネット形状に焼結された超硬合金チップを使用することで、チップを最終製品(工
具・金型)に加工する際のコストを削減できます。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況が徐々に緩和され、回復の兆しがみられたものの、新たな変異株による感染再拡大の懸念やロシアのウクライナ侵攻の影響による資源価格や物価の上昇、為替相場の急激な変動等により、引続き景気の先行きは不透明な状況が続いております。
上記のような経済の状況において、当社製品の主な市場であります超硬耐摩耗工具の出荷額は、359億円(対前年度比4億円増・1.2%増)と2021年度を上回りました。
こうした状況の中、当社グループは中期経営計画(2022年3月期から2024年3月期)の2年目となる2022年度(2023年3月期)について、「革新」を年度方針に掲げ、新型コロナウイルスの感染拡大防止に努めるとともに、成長戦略である1.生産性向上・業務効率化、2.次世代自動車への対応・拡販、3.新成長エンジンの創出、4.海外事業の強化の諸施策に取り組んでまいりました。
超硬製工具類では、一部の半導体関連需要が続いたことにより、関連工具の販売が堅調に推移しました。また、熱間圧延ロールの販売が市況の変化等により低調となりましたが、売上高は4,571百万円(前連結会計年度比5.2%増)となりました。
超硬製金型類では、自動車の電動化に関連する需要が続いたことにより、車載電池用金型の販売が好調に推移しました。また、光学素子成型用金型や製缶金型の販売も堅調に推移した結果、売上高は4,219百万円(前連結会計年度比5.9%増)となりました。
その他の超硬製品では、中国向け素材販売が景気低迷の影響を受け低調に推移したものの、一部の半導体関連需要が継続し関連する製品の販売が堅調に推移した結果、売上高は4,261百万円(前連結会計年度比0.1%増)となりました。
超硬以外の製品では、セラミックス工具の販売が堅調に推移したものの、自動車部品用鋼製金型や引抜鋼管の売上が低調に推移した結果、売上高は4,127百万円(前連結会計年度比3.8%減)となりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は17,179百万円(前連結会計年度比1.8%増)となりました。利益につきましては、営業利益は1,150百万円(前連結会計年度比3.3%増)、経常利益は1,225百万円(前連結会計年度比1.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,292百万円(前連結会計年度比63.4%増)となりました。
なお、当社グループは耐摩耗工具関連事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
(資産の部)
当連結会計年度末の資産の部は、26,253百万円(前連結会計年度末25,380百万円)となり、872百万円増加いたしました。流動資産は15,724百万円(前連結会計年度末15,331百万円)となり、393百万円増加いたしました。これは主に、仕掛品が187百万円増加、原材料及び貯蔵品が277百万円増加したことによるものであります。また、固定資産は10,528百万円(前連結会計年度末10,048百万円)となり、479百万円増加いたしました。これは主に、建設仮勘定が1,158百万円増加したものの、機械装置及び運搬具(純額)が287百万円減少、繰延税金資産が225百万円減少したことによるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債の部は、5,860百万円(前連結会計年度末6,076百万円)となり、216百万円減少いたしました。流動負債は4,197百万円(前連結会計年度末4,383百万円)となり、186百万円減少いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が157百万円減少、未払法人税等が148百万円減少したことによるものであります。また、固定負債は1,662百万円(前連結会計年度末1,692百万円)となり、29百万円減少いたしました。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産の部は、20,392百万円(前連結会計年度末19,303百万円)となり、1,088百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が1,292百万円増加、剰余金の配当により利益剰余金が435百万円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ324百万円減少し、7,193百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前当期純利益1,835百万円、減価償却費920百万円、固定資産売却損益631百万円、法人税等の支払額498百万円、棚卸資産の増加額468百万円の計上などにより775百万円の収入(前年同期は2,009百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産の取得による支出1,329百万円、有形固定資産の売却による収入697百万円などにより712百万円の支出(前年同期は468百万円の支出)となりました。この結果、フリー・キャッシュ・フローは62百万円の収入(前年同期は1,541百万円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払額435百万円などにより453百万円の支出(前年同期は456百万円の支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
(注)1.当社グループの事業区分は「耐摩耗工具関連事業」の単一セグメントであります。
2.金額は当期製品製造原価によっております。
(注)当社グループの事業区分は「耐摩耗工具関連事業」の単一セグメントであります。
(注)当社グループの事業区分は「耐摩耗工具関連事業」の単一セグメントであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等は、売上高は17,179百万円、営業利益は1,150百万円、経常利益は1,225百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,292百万円となりました。
当連結会計年度の売上高は、超硬製工具類につきましては、一部の半導体関連需要が続いたことにより、関連工具の販売が堅調に推移しました。超硬製金型類につきましては、車載電池用金型の販売が好調に推移し、光学素子成型用金型や製缶金型の販売も堅調に推移しました。その他の超硬製品につきましては、中国向け素材販売が景気低迷の影響を受け低調に推移したものの、一部の半導体関連需要が継続し関連する製品の販売が堅調に推移しました。超硬以外の製品につきましては、セラミックス工具の販売が堅調に推移したものの、自動車部品用鋼製金型や引抜鋼管の売上が低調に推移し、前年を下回りました。この結果、連結売上高は17,179百万円(前連結会計年度比1.8%増、目標比1.0%減)となりました。
また、当社グループは中長期的な成長に向けて海外売上の拡大を目標としており、引き続き経済成長が見込まれるアジア地域を中心に積極的な販売活動を行い、海外売上高は3,395百万円(前連結会計年度比4.9%増)、アジア地域への売上高は2,989百万円(前連結会計年度比3.6%増)となり、海外売上高及びアジア地域への売上高ともに増加いたしました。
当連結会計年度の営業利益は、原材料高等によるコスト増加の影響があったものの、売上高の増加に加え、生産性向上や価格改定等により営業利益は1,150百万円(前連結会計年度比3.3%増、目標比0.9%増)となりました。
当連結会計年度の経常利益は、営業利益が対前連結会計年度、対目標ともに上回り、1,225百万円(前連結会計年度比1.9%増、目標比97.2%増)となりました。これに伴い当社グループが重視する経営指標の一つであります売上高経常利益率は7.1%となり、当連結会計年度の目標であった7.0%を0.1ポイント上回りました。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は固定資産の譲渡による特別利益を計上したことにより、1,292百万円(前連結会計年度比63.4%増、目標比57.6%増)となり、対前連結会計年度、対目標ともに上回る結果となりました。
これに伴い、当社グループが重視する経営指標の一つでありますROE(自己資本当期純利益率)は6.5%となり、当連結会計年度の目標であった4.2%を2.3ポイント上回りました。
当連結会計年度におきましては、資源価格や物価上昇等コスト増加に対応すべく価格改定を進めるとともに、生産効率向上・製造原価低減の各種施策を進めた結果、当社グループの重視する経営指標である売上高経常利益率、ROEともに目標を上回りました。
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題」に記載のとおり、筋肉質な企業体質への転換、中長期の成長基盤の構築を目指して、生産性向上・業務効率化、次世代自動車への対応・拡販、新成長エンジンの創出、海外事業の強化の諸施策についてなお一層努めてまいります。
なお、当社グループは耐摩耗工具関連事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
当社グループは事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状態を目指し、その財源として安定的な営業キャッシュ・フローの創出を最優先事項と考えております。
当社グループは事業活動に必要な運転資金及び設備投資資金は、主に手元のキャッシュと営業活動によるキャッシュ・フローで賄っており、また、健全な財政状態、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金についても調達することが可能と考えております。またコミットメントライン契約により、自然災害等の緊急時も含め流動性を担保できるよう備えております。
当社におけるコミットメントライン契約の状況につきましては、以下のとおりであります。
コミットメントライン契約 10億円(当連結会計年度末の借入実行残高はありません)
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(a)仕掛品(完成粉末を除く)の評価
仕掛品(完成粉末を除く)の評価に関しては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(b)繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより行っております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し見積っており、また中期経営計画の見積期間を超える期間の課税所得については、それまでの計画に基づく趨勢を踏まえた一定の仮定をおいて見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(c)退職給付債務の算定
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、退職率、予想昇給率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率等の様々な計算基礎があります。退職給付債務の算定にあたっては、退職給付見込額の期間帰属方法を給付算定式基準とし、割引率の設定は加重平均期間アプローチによる方法により算出しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)(6)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
(d)減損会計における将来キャッシュ・フロー
減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。
当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※8 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失(1百万円)を計上いたしました。回収可能価額は正味売却価額により算定しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。