売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E31594 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に関する行動制限の緩和等による経済活動の正常化が進み、景気は穏やかに回復しているものの、ウクライナ情勢に伴う資源・エネルギー価格の高騰や世界的な物価上昇、中東での紛争の発生、長引く円安や中国経済の減速等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。

こうした状況のなか、当社グループは「革新(勇猛果敢)」を年度方針に掲げ、高品質・低コスト・短納期・充実したサービスの向上に努めてまいりました。

また、「筋肉質な企業体質への転換、中長期の成長基盤の構築」を目指し、2022年3月期から3ヵ年を対象期間とした中期経営計画を策定しており、1.生産性向上・業務効率化、2.次世代自動車への対応・拡販、3.新成長エンジンの創出、4.海外事業の強化、を重点施策に掲げ、最終年度となる2024年3月期も諸施策に取り組んでおります。

具体的には「生産性向上・業務効率化」として、製造原価率低減目標を4.4%(2020年3月期第2四半期比)に設定し、自動搬送装置や自動化ロボットの導入拡大、熊本製造所における冶金棟や岡山製造所におけるCIP装置のリニューアル、各生産拠点における加工条件や設備レイアウトの最適化等を進めてまいりました。

また「次世代自動車への対応」としては、車載用モーターコアの抜き金型向けとして市場投入した新素材(VG48)の販売の拡大や、材料ラインナップを拡充するための新素材開発に注力しております。

「新成長エンジンの創出」については、高性能レンズ成型に適した高熱膨張合金「TR05/TR30」の拡販が本格化し、日本機械工具工業会において「技術功績大賞」を受賞、また超硬合金の主原料であるタングステンやコバルトの使用量を大幅に削減した新素材「サステロイ(ST60)」が、「2023年超モノづくり部品大賞(モノづくり日本会議/日刊工業新聞主催)」において「奨励賞」を受賞しております。

さらに、「海外事業の強化」については、より機動的な施策実施体制を構築するため、2023年7月に海外事業本部を設置するとともに担当役員を擁立し、新たな海外販売拠点の開設準備等を進めてまいりました。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は12,323百万円(前年同期比2.9%減)となりました。

超硬製工具類では、海外向け溝付きロールや一部の鋼管用引抜工具の販売が好調に推移した結果、売上高は3,509百万円(前年同期比5.2%増)となりました。

超硬製金型類では、光学素子成型用金型やモーターコア用金型の販売が好調に推移したものの、顧客の生産地変更により二次電池向け金型の販売が大幅に減少したほか、部品メーカーの在庫調整の影響を受け、自動車部品用金型の販売が低調に推移した結果、売上高は2,883百万円(前年同期比6.1%減)となりました。

その他の超硬製品では、半導体製造装置向けの需要が堅調に推移したものの、景気低迷が継続している中国市場の影響を受け、中国向け素材販売が低調に推移した結果、売上高は2,989百万円(前年同期比6.8%減)となりました。

超硬以外の製品では、一部の鋼製自動車部品用工具・金型の販売が堅調に推移したものの、引抜鋼管の売上が低調に推移した結果、売上高は2,940百万円(前年同期比4.4%減)となりました。

 

また利益につきましては、生産性向上・業務効率化の施策や原材料等の高騰に伴う価格改定等に一定の成果があったものの、売上高の減少や、熊本製造所冶金棟建設に伴う一時的な費用増の影響を受け、営業利益は590百万円(前年同期比34.0%減)、経常利益は649百万円(前年同期比32.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は477百万円(前年同期比27.4%減)となりました。

なお、当社グループは耐摩耗工具関連事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

 (資産の部)

当第3四半期連結会計期間末の資産の部は、26,500百万円(前連結会計年度末26,253百万円)となり、247百万円増加いたしました。流動資産は15,138百万円(前連結会計年度末15,724百万円)となり、586百万円減少いたしました。これは主に、商品及び製品が189百万円増加したものの、受取手形及び売掛金が453百万円減少、原材料及び貯蔵品が201百万円減少したことによるものであります。また、固定資産は11,362百万円(前連結会計年度末10,528百万円)となり、833百万円増加いたしました。これは主に、建設仮勘定が1,172百万円減少し、建物及び構築物(純額)が1,488百万円増加、機械装置及び運搬具(純額)が261百万円増加したことによるものであります。

 

 (負債の部)

当第3四半期連結会計期間末の負債の部は、6,025百万円(前連結会計年度末5,860百万円)となり、165百万円増加いたしました。流動負債は4,359百万円(前連結会計年度末4,197百万円)となり、161百万円増加いたしました。これは主に、未払費用が438百万円減少したものの、未払金が361百万円増加、賞与引当金が179百万円増加したことによるものであります。また、固定負債は1,666百万円(前連結会計年度末1,662百万円)となり、3百万円増加いたしました。

 

 (純資産の部)

当第3四半期連結会計期間末の純資産の部は、20,474百万円(前連結会計年度末20,392百万円)となり、82百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が477百万円増加、剰余金の配当により利益剰余金が634百万円減少、為替換算調整勘定が173百万円増加したことによるものであります。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(3) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費は、202百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動について重要な変更はありません。