E37499
前期
138.9億 円
前期比
111.0%
株価
1,085 (05/02)
発行済株式数
17,509,000
EPS(実績)
36.65 円
PER(実績)
29.60 倍
前期
653.7万 円
前期比
107.4%
平均年齢(勤続年数)
40.3歳(8.2年)
従業員数
314人
当社グループは、当社と非連結子会社1社(上海守谷電梯有限公司)の計2社により構成されており、国内及び海外において、エレベーター等の製造、販売、据付及び保守・修理事業を行っております。
なお、当社グループはエレベーター事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当社は、1950年3月に設立され、専業メーカーとしてエレベーター等の製造から据付、保守・修理までの一貫した事業を展開してまいりました。
国内では、主に荷物用及び船舶用エレベーターに係る事業活動を営んでおりますが、当社が2つの工場とテクニカルセンター、サービスセンター、9つの支店・事務所及び保守・修理業務の委託先として51のサービス拠点を有して国内の全地域をカバーしているほか、本社内に「守谷サービス情報センター」を設置し、保守契約先からのエレベーター等の異常/故障の発生連絡に対して24時間365日の受付対応を行うなど、経営資源をエレベーター事業に集中して投下することで顧客の様々なニーズに応えております。
海外では、上海守谷電梯有限公司が中国における資材調達窓口として当社の購買代理業務を担っており、当社グループの仕入コストの低減に重要な役割を果たしているほか、中国における船舶用エレベーターの据付、保守業務等を展開しております。
エレベーターは、人や荷物を載せて垂直又は斜めに移動させる昇降装置であり、かご(※1)の水平投影面積(※2)が1㎡超、又は天井の高さが1.2m超の大きさのものをいいますが、用途に応じて乗用、寝台用、荷物用、自動車用などに分類されます。
当社は主として荷物用エレベーターを取り扱っておりますが、荷物用エレベーターは、かご床がフォークリフト等で長期間使用しても剥がれ・たわみが少ない等の堅牢性、冷凍・冷蔵倉庫向けでの結露対策といった使用環境に応じた性能・機能の確保、誰でも安全で使い易い操作性等が求められます。
当社では、積載荷重(※3)が2t以上の中大型エレベーターや荷物を連続して搬送できる垂直自動搬送機「マックリフター」、冷凍・冷蔵倉庫向けエレベーター、自動車用エレベーターなど、顧客の様々なニーズに対応した製品を展開しております。
当事業年度におけるエレベーター機種別等の設置台数は下表のとおりです。
(単位:台)
(注)1.( )内の台数は、前事業年度と比較した増減台数であります。
2.「入替台数」は、既存のエレベーターを撤去し新たなエレベーターを設置した台数であります。
3.建物用途別の新規設置台数は次のとおりです。
b.船舶用エレベーター
船舶用エレベーターは造船各社を受注先とし、大型の外航船(※4)やフェリーなどに設置される乗用エレベーターですが、建物用と異なり、船の振動(揺れ)や衝撃にも耐えうる構造や防錆・防沫性能(※5)が求められます。
当社では、シンドラーエレベータ株式会社から船舶用エレベーターの技術等を譲り受けて2003年8月に販売を開始し、現在では国内及びアジア市場において事業展開しております。
当社では、顧客との間でエレベーターに関する保守契約・点検契約を締結し、委託されたメンテナンス、修理及び建築基準法や労働安全衛生法で義務付けられた定期検査・定期点検業務を行っておりますが、契約形態としては、フルメンテナンス契約(保守契約)とPOG契約(点検契約)に分かれます。
エレベーター業界各社のビジネスモデルは、エレベーター販売時の利幅を薄くする一方で、その後の定期的な保守点検作業を受注して長期的に利益を確保するものであります。当社においても、新規保守契約・点検契約率の維持向上、解約率の引き下げに取組み、収益性の向上を図っております。
(注) ※1.エレベーターの人や荷物を乗せる箱
※2.真上から見たときの面積
※3.積載する荷物の最大重量
※4.自国と外国の間を結ぶ外国航路に就航する船舶
※5.錆や水の飛まつによる有害な影響を防ぐ性能
当社グループの事業系統図は次のとおりです。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社はエレベーター事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載は省略しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
経営成績
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に係る行動制限の緩和により、経済社会活動の正常化がすすみ、個人消費を中心に持ち直しの動きがみられるものの、世界的な資源・エネルギー価格の上昇やインフレの昂進、急激な為替相場の変動等により物価上昇圧力が高まるなど、その先行きは依然として不透明な状況が続いております。
主として荷物用エレベーターの製造・販売、据付及び保守・修理を展開する当社においても、鋼材をはじめとする資材価格の高止まりや、円安による輸入資材価格の上昇が、足元の収益を押し下げております。
その一方、eコマース市場の拡大や物流施設の大型化、生産拠点の国内回帰という市場環境の中、受注状況は堅調であり、新規受注時における販売価格の見直し、一部資材の国内調達への切り替え、内製化によるコストメリットの追求等の施策を行ってまいりました。この結果、当事業年度の売上高は15,416,893千円(前事業年度比11.0%増)、営業利益は777,451千円(同57.2%減)、経常利益は791,167千円(同56.9%減)、当期純利益は641,705千円(同44.0%減)となりました。
なお、当事業年度末における受注残高は13,912,714千円(前事業年度末比21.2%増)となりました。
財政状態
(資産)
当事業年度末における総資産は、12,766,962千円(前事業年度末12,022,374千円)となり、744,587千円増加しました。これは主に、鳥浜工場(仮称)の着工による建設仮勘定の増加636,662千円、受取手形、電子記録債権、売掛金、契約資産の増加483,782千円、原材料及び貯蔵品の増加381,931千円、仕掛品の増加221,977千円、現金及び預金の減少1,310,041千円によるものです。
(負債)
当事業年度末における負債は、5,228,028千円(前事業年度末4,768,961千円)となり、459,066千円増加しました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加681,313千円、工事損失引当金の増加160,530円、前受金の減少166,027千円、未払法人税等の減少137,931千円によるものです。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、7,538,933千円(前事業年度末7,253,413千円)となり、285,520千円増加しました。これは主に、配当金の支払389,992千円、当期純利益の計上による増加641,705千円によるものです。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比べ1,310,042千円減少し、2,566,646千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は50,276千円(前事業年度は1,114,967千円の収入)となりました。収入の主な内訳は、税引前当期純利益が791,167千円、減価償却費が116,015千円、仕入債務の増加額が681,313千円、工事損失引当金の増加額が160,530千円です。支出の主な内訳は、棚卸資産の増加額が603,908千円、売上債権及び契約資産の増加額が483,783千円、法人税等の支払額が446,989千円、前受金の減少額が166,027千円となります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は871,648千円(前事業年度は222,066千円の支出)となりました。支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出が730,430千円、無形固定資産の取得による支出が36,536千円となります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は513,004千円(前事業年度は1,313,501千円の収入)となりました。これは主に、配当金の支払額389,541千円、長期借入金の返済による支出116,284千円によるものです。
当社はエレベーター事業の単一セグメントであるため、「生産、受注及び販売の状況」につきましては、セグメント別の記載を省略しております。
当事業年度における生産・販売実績を売上種類ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 生産高・販売高について、「船舶用エレベーター」には部品の販売金額が、「保守・修理」には保守点検業務にかかる受託金額が、それぞれ含まれております。
当事業年度における受注実績を売上種類ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.「保守・修理」については、修理・改修業務にかかる受注高及び受注残高を記載しており、保守契約に基づく保守点検業務については、受注高及び受注残高に含めておりません。
2.上記金額のうち外貨建については、㈱三菱UFJ銀行が公表した各期末日におけるTTM(公表仲値)によって円換算しております。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。
当社は、財務諸表作成において必要な見積りについては、過去の実績やその時点で入手可能な情報等を勘案した上で行っておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
(売上高)
当事業年度の売上高は15,416,893千円(前事業年度比11.0%増)となりました。売上種類別の変動要因は次のとおりです。
a. 「エレベーター(船舶用を除く。)」の売上高は、着工及び納品がおおむね順調に推移し、8,442,585千円(前事業年度比17.2%増)となりました。このうち、新規設置は454台(前事業年度は396台)で、売上高は7,489,116千円(前事業年度比14.1%増)、入替は23台(前事業年度は19台)で、売上高は953,468千円(前事業年度比49.2%増)となりました。
b. 「保守・修理」の売上高は、6,522,699千円(前事業年度比5.2%増)となりました。これは、保守・点検契約の解約・休止台数が131台(前事業年度は107台)となる一方で、新規契約台数は402台(前事業年度は413台)、再契約台数は59台(前事業年度は20台)となったことから、期末の保守・点検契約台数は6,718台(前事業年度は6,388台)となったことなどによるものです。
c.「船舶用エレベーター」の売上高は、451,608千円(前事業年度比6.7%減)となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、12,940,220千円(前事業年度比23.3%増)、売上総利益は2,476,672千円(前事業年度比27.0%減)となりました。また、売上高総利益率は、資材価格の上昇に加え、利益率の良い「保守・修理」の構成割合が低下したことなどにより16.1%(前事業年度は24.4%)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、1,699,221千円(前事業年度比8.0%増)となりました。人員増に伴い主として人件費が増加しております。
以上の結果、営業利益は、777,451千円(前事業年度比57.2%減)となり、売上高営業利益率は5.0%(前事業年度は13.1%)となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は、作業くず売却益、受取返戻金等の計上により、94,119千円(前事業年度比1.4%減)、営業外費用は、為替差損の計上等により80,403千円(前事業年度比0.5%増)となりました。以上の結果、経常利益は、791,167千円(前事業年度比56.9%減)となりました。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度において特別利益及び特別損失は計上されず、繰延税金資産の計上に伴う法人税等調整額および、法人税等還付税額の計上の結果、当期純利益は、641,705千円(前事業年度比44.0%減)となりました。
財政状態の分析等については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」をご参照ください。
当社では、売上高総利益率及び売上高営業利益率を主要な経営指標とし、顧客ニーズへの対応や資材調達コストの削減、業務の効率化等を図ってその改善・向上に取り組んでおりますが、当事業年度の数値については、次のとおりとなっております。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
当社といたしましては、これらのリスクに対して継続的な状況把握に努めるとともに、対応策を検討してリスクの最小化・分散化を図っていきます。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としておりますが、運転資金は自己資金及び受取手形・電子記録債権の割引を基本としております。また、継続的な成長を図るため、設備投資や研究開発の拡充に努めておりますが、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に資金調達を行う予定です。当事業年度末の現金及び現金同等物は2,566,646千円であり、流動性を確保しております。
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。