E36750 Japan GAAP
前期
146.8億 円
前期比
105.3%
株価
3,195 (04/25)
発行済株式数
5,630,000
EPS(実績)
211.91 円
PER(実績)
15.08 倍
前期
682.0万 円
前期比
101.9%
平均年齢(勤続年数)
47.0歳(17.2年)
従業員数
220人(連結:252人)
当社グループは、当社と連結子会社1社で構成されており、フラットパネル・ディスプレイ(FPD)製造装置や半導体パッケージ製造装置の開発・製造・販売及びアフターサービスを行っております。
当社グループの事業における当社及び関係会社の位置付けは、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
(IJPソリューション事業)
IJP(インクジェット・プリンティング)応用分野、ナノインプリント応用分野、フィルム応用分野の研究開発成果を製品に展開し、先端のプロセスと設備を提案しております。
1.IJP応用分野
有機ELパネルを始めとする次世代パネルの量産化に向けたプロセスと設備の提案を行っております。
IJP技術は、微小な液滴を対象物に非接触でダイレクトに塗布、印刷する技術で、液晶ディスプレイ(LCD)に代わる有機ELディスプレイ(OLED)や量子ドットディスプレイ(QD)、マイクロディスプレイ(OLEDoS、μLEDoS)など次世代プレミアム・ディスプレイの製造に用いられるほか、必要な量を必要な場所に塗布できることからローコスト・プロセスの実現に繋がるなど様々な分野での利用が期待されています。
2.ナノインプリント応用分野
スマートグラスを始めとする次世代コミュニケーションツールの量産化に向けたプロセスと設備の提案を行っております。
ナノインプリント技術は、様々な基板上に塗布した樹脂膜に凸凹構造をもった型をプレスし、ナノメートルレベルの微細パターンを転写する技術で、有機ELディスプレイ上の膜形成、ARスマートグラス用ウェーブガイド(※1)形成など、多様な用途での利用が期待されています。
(※1)ウェーブガイドとは、現実世界に融合するデジタル映像の視認を可能にする導光板の構造です。
3.フィルム応用分野
フレキシブルデバイス(※1)やデジタルサイネージ(※2)に向けたプロセスと設備の提案を行っております。
(※1)フレキシブルデバイスとは、薄くて柔軟性のある新たな素材を用いたエレクトロニクス製品の総称です。
(※2)デジタルサイネージとは、ディスプレイなどの電子的な表示機器を用いて情報発信するメディアの総称です。
(主な関係会社)当社
(半導体関連事業)
半導体パッケージ(※1)製造過程に用いられる、はんだボールマウンタ装置、ウエハハンドリングシステムや、半導体回路形成過程に用いられるUV装置とエッチング・アッシング装置の開発・製造・販売及びアフターサービスを行っております。
(※1)半導体パッケージは、ICチップに電源を供給、衝撃・湿気・ほこり等外部環境から保護、及びICチップの放熱等を行うものであり、ICチップの能力を最大限に引き出す役割を果たしています。
1.はんだボールマウンタ装置
ボール搭載技術とリペア技術を応用し、高歩留まりの量産設備を提供しております。今後更なる高機能・小型化・薄型化が要求される半導体関連の応用設備であります。
2.ウエハハンドリングシステム
半導体ウエハを、ガラスキャリアに貼り合わせ分離する技術を応用し、ウエハ研磨・薄板化加工過程に必要な装置を提供しております。今後、更なる高機能・小型化・薄型化・積層化が要求される先端半導体パッケージ製造関連の応用設備であります。
3.UV装置とエッチング・アッシング装置
UV装置は、UV照射技術を応用し、回路形成に必要なレジストを硬化(安定化)する装置です。また、エッチング・アッシング装置は、プラズマ技術を応用し、ウエハの溝加工(エッチング処理)による回路形成、レジストの除去(アッシング処理)をする装置です。いずれも、パワー半導体関連の応用設備であります。
(主な関係会社)当社、南京新創機電科技有限公司
(LCD事業)
テレビやスマートフォン等の液晶ディスプレイパネル生産工程で使われるシール塗布装置、液晶滴下装置、真空貼合せ装置等の開発・製造・販売及びアフターサービスを行っております。
1.シール塗布装置
細線塗布技術を応用し、対象となる基板上にシール剤(接着剤)を高速・高精度に塗布する装置であります。
2.液晶滴下装置
微量IJP塗布技術を応用し、液晶剤をパネルに高精度に塗布する装置であります。
3.真空貼合せ装置
高精度貼合せ技術を応用し、真空中で2枚のガラス基板の間に液晶を封じ込めるための装置であります。
(主な関係会社)当社、南京新創機電科技有限公司
事業の系統図は、次のとおりであります。
(注)南京新創機電科技有限公司は連結子会社であります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、ロシアのウクライナ侵攻長期化に伴う資源供給制約や、ゼロコロナ政策転換を受けた経済活動回復によるインフレ率の高止まりと、欧米中央銀行を中心とする金融引き締め継続により、景気先行き懸念が高まりました。国内経済は、世界経済動向を受け外需が伸び悩む中、内需中心に緩やかに回復しました。
当社グループの事業環境について、半導体業界において、景気先行き懸念によるデータセンター投資需要減退等を受け、対応する先端半導体パッケージ向け投資も鈍化し、フラットパネルディスプレイ(FDP)業界では、世界的なIT機器需要減により市況回復が遅れ、いずれの業界でも顧客の投資計画見直しが顕在化しました。また、一部の部材供給制約が続き、当社においても製造作業遅延を余儀なくされました。
このような環境下において、当社は、東京応化工業(株)からの装置事業の譲り受け、JUKI(株)との資本業務提携契約締結、(株)オプトランとの合弁会社設立同意など、更なる事業拡大への取り組みを強化いたしました。
このような状況のもと、当社グループの当連結会計年度の受注金額は15,431百万円(前年度比10.7%減)、受注残高は20,595百万円(前年度比44.1%増)となりました。
当社グループの当連結会計年度の連結業績は、売上高は15,461百万円(前年度比5.3%増)、営業利益は581百万円(前年度比21.0%減)、経常利益は469百万円(前年度比30.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,193百万円(前年度比149.4%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(IJPソリューション事業)
AR/VR等に活用されるマイクロディスプレイ向け装置が順調に立ち上がり、前年度比増収・増益となりました。一方、市況動向やデバイスの開発状況等を見極めたい顧客の投資計画見直しにより、受注・出荷の翌連結会計年度以降への繰り越しも見られました。今後は、有期ELパネル中型化や次世代ディスプレイ向け投資ニーズの捕捉に加え、他社との合弁によるナノインプリント技術関連事業の展開により、受注の積み上げ、売上の拡大を図ってまいります。
このような状況のもと、当セグメントの当連結会計年度の売上高は3,847百万円(前年度比35.2%増)、セグメント利益は177百万円(前年度比3.7%増)となりました。
(半導体関連事業)
はんだボールマウンタ、3次元実装向けウエハハンドリングシステム等、当社の主力である先端半導体パッケージ向け装置に加え、パワー半導体向け装置の売上も堅調に推移し、前年度比増収・増益となりました。一方、景気先行き懸念によりデータセンター投資が力強さを欠く中、顧客の投資先送りによる受注の伸び悩みも見られました。今後は、中長期的に旺盛な需要が見込まれる先端半導体やパワー半導体に加え、JUKI(株)との新製品開発による市場開拓に取り組み、受注積み上げに注力してまいります。なお、当連結会計年度において東京応化工業(株)から譲り受けた装置事業に係る売上、利益も当セグメントに含まれています。
このような状況のもと、当セグメントの当連結会計年度の売上高は7,033百万円(前年度比123.1%増)、セグメント利益は1,358百万円(前年度比108.5%増)となりました。
(LCD事業)
IT機器需要減によるパネル市況の低迷を受けた顧客の投資抑制により、新規ラインに加えアフターサービス(AS)案件についても、受注・出荷が振るわず、前年度比減収となりました。今後は、パネル市況の動向を見極めながらAS案件の捕捉に注力し、一定規模の売上確保を目指してまいります。
このような状況のもと、当セグメントの当連結会計年度の売上高は4,580百万円(前年度比47.3%減)、セグメ
ント利益は213百万円(前年度比76.2%減)となりました。
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ3,539百万円増加し、19,857百万円となりました。主として、棚卸資産3,000百万円、未収入金781百万円の増加によるものであります。
有形固定資産は、前連結会計年度末から150百万円減少し、2,142百万円となりました。
無形固定資産は、前連結会計年度末から6百万円増加し、27百万円となりました。
投資その他の資産は、前連結会計年度末から98百万円減少し、105百万円となりました。
これらの結果、総資産は、前連結会計年度末から3,297百万円増加し、22,134百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,617百万円増加し、11,855百万円となりました。主として、短期借入金1,900百万円の増加によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ740百万円増加し、1,291百万円となりました。主として、長期借入金425百万円の増加によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ940百万円増加し、8,986百万円となりました。主として、親会社株主に帰属する当期純利益1,193百万円を計上したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は40.6%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ283百万円増加し、2,713百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、692百万円となりました。売上債権の減少による資金の取得1,931百万円があった一方で、未収入金の増加768百万円、仕入債務の減少1,440百万円、前受金の減少817百万円等による資金の使用があった事によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,130百万円となりました。資金の使用は、主に有形固定資産の取得による支出328百万円、子会社株式の取得による支出682百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果取得した資金は、2,115百万円となりました。資金の取得は、主に短期借入金の純増額1,900百万円によるものであります。
③ 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引はありません。
2.金額は、販売価格によっております。
④ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引はありません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
3.前連結会計年度のSAMSUNG ELECTRO-MECHANICS CO.,LTD.、HannStar Display Corporationにつきましては、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
当連結会計年度のShenzhen China Star Optoelectronics Semiconductor Display Technology Co.,Ltd.、SDP Global(China) Co.,Ltd.、AU OPTRONICS CORP.につきましては、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末から3,297百万円増加し、22,134百万円となりました。これは主に棚卸資産3,000百万円の増加によるものです。受注の増加を受け増加しました。
負債は、前連結会計年度末から2,357百万円増加し、13,147百万円となりました。主として、短期借入金1,900百万円、長期借入金425百万円の増加によるものです。
純資産は、前連結会計年度末から940百万円増加し、8,986百万円となりました。主として、親会社株主に帰属する当期純利益1,193百万円を計上したことによるものです。この結果、自己資本比率は40.6%となり、前年度より2.1%減少しました。
b. 経営成績
当連結会計年度において、顧客の投資計画見直し等により受注は振るわなかったものの、東京応化工業(株)から譲り受けた装置事業の寄与もあり、当社グループの連結業績は、売上高15,461百万円(前年度比5.3%増)、営業利益581百万円(前年度比21.0%減)、経常利益469百万円(前年度比30.9%減)と増収減益となりました。なお、装置事業譲り受けによる負ののれん発生益1,134百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益1,193百万円(前年度比149.4%増)となっています。営業・経常利益減益は部材供給制約による固定費負担が利益の伸びを抑えたことに加え、装置事業譲り受けに係る費用増加がその要因となっています。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、各セグメントの当連結会計年度における事業環境は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
また、セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益に対応しております。
(IJPソリューション事業)
当セグメントの当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度から1,001百万円増加し、3,847百万円となりました。
セグメント利益は、同じく6百万円増加し、177百万円となりました。高精細パネルやマイクロディスプレイ向け装置が堅調に推移した結果、斯かる増収増益となったものです。
(半導体関連事業)
当セグメントの当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度から3,881百万円増加し、7,033百万円となりました。
セグメント利益は、同じく707百万円増加し、1,358百万円となりました。はんだボールマウンタに加え、譲り受けた装置事業におけるウエハハンドリングシステム、パワー半導体向けのUV装置、エッチング・アッシング装置が堅調に推移した結果、斯かる増収増益となったものです。
(LCD事業)
当セグメントの当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度から4,105百万円減少し、4,580百万円となりました。
セグメント利益は、同じく681百万円減少し、213百万円となりました、液晶パネル市況の低迷、有期ELパネルへの移行といった構造的要因により、新規投資需要の減少やアフターサービス案件の期ずれが発生し、斯かる減収減益となったものです。
②資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの事業活動における主な資金需要は、部品の仕入代金、製品の製作代金、販売費及び一般管理費等の費用及び設備投資資金であります。上記運転資金につきましては、内部資金、銀行からの借入及び売上債権の回収により調達を行うことを基本としております。日常的な手元流動性は金利費用削減のため必要最小限の残高で運用しておりますが、取引銀行とコミットメントライン契約(極度額5,000百万円)、当座貸越契約(極度額5,900百万円)を締結しており、資金の流動性は確保されております。なお今後につきましては、安定的な内部留保の蓄積等により財政状態の健全化を図るとともに、資本効率を高めてまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計基準に基づき作成しております。
この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益、費用及びキャッシュ・フローの報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。
当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成のための重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
a.貸倒引当金の計上基準
当社グループは、債権の貸倒に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
顧客の財政状態が悪化し、支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
b.棚卸資産の評価基準
当社グループは、原材料は最終仕入原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)、製品及び仕掛品は個別法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)、半製品のうち保守部品は移動平均法による原価法、それ以外は個別法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)を採用しております。
将来における実際の需要または市況が見積りより悪化した場合には、評価損の追加計上が必要となる可能性があります。
c.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性について、課税所得の額を合理的に見積ることにより判断しております。
将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの見直しが必要となった場合、繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に影響を与える可能性があります。
d.固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
将来の不確実な経済条件の変動等により見積りの見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性があります。
e.退職給付債務の算定
当社の退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率等に基づき算定されております。
将来の不確実な経済条件の変動等により割引率及び期待運用収益率等の見直しが必要となった場合、退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に影響を与える可能性があります。